那須町移住のすすめ:豊かな自然とテレワーク推進のバランスが魅力
この記事では、地方への移住を検討している方のために、栃木県那須町(なすまち)の魅力を紹介していきます。
那須町は栃木県の最北端に位置する人口約24,000人の町です。那須高原をはじめとした豊かな自然に恵まれながら、新幹線の駅までのアクセスも良く、リモートワーカーにも人気です。
そんな那須町での暮らしの特徴やその魅力について、ふるさと定住課の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。
栃木県那須町の暮らし:4つの魅力的な特徴
那須町は、古くから天皇陛下の御用邸がある町として知られ、観光地として発展してきました。町内には多くの見どころがあり、年間400万人以上の観光客が訪れる人気スポットです。夏場の平均気温は25℃程度と涼しく、避暑地や別荘地としても多くの人々に好まれています。
那須町には以下のような特徴があります。
- 春夏秋冬を通して豊かな自然を感じられる町
- 気軽に遊びに行ける観光施設が多く、週末アクティビティに困らない
- テレワークを推進。町営のコワーキングスペースも整備
- 子育て世帯への支援策と充実した教育環境を提供
これから、那須町の魅力や特色についてさらに詳しく見ていきましょう。
特徴1:四季折々の豊かな自然を満喫できる町
▲那須町で見られる植物
那須町は那須岳の麓に位置し、町の約半分以上を森林が占める自然豊かな町です。四季折々の自然の移り変わりを感じられる那須町の風景をご紹介します。
▲那須町が誇る桜の名所、芦野御殿山(あしのごてんやま)。別名「桜ケ城」とも呼ばれている
▲夏の時期には黒田原地区で蓮が咲き誇る。フォトスポットとしても人気
▲まるで絵画のような美しさの紅葉の時期の姥ヶ平(うばがだいら)
▲まだ雪が残る山を背景にして春先に咲くツツジ
移住者の中には、那須岳の雄大な姿に心を打たれた方や、那須町の豊かな自然環境に惹かれて移住を決めた方も多いそうです。
特徴2:充実の観光施設で週末を楽しむ
▲那須町には年間400万人以上の観光客が訪れる(参考:那須町)
那須町といえば「那須高原」を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、那須町には有名な観光スポットだけでなく、気軽に立ち寄れる観光施設がたくさんあります。美術館、博物館、体験型施設など、選択肢が豊富なので、週末のレジャーに困ることはありません。
「那須オルゴール美術館」「那須ステンドグラス美術館」「那須テディベアミュージアム」「那須とりっくあーとぴあ」など、魅力的な施設が数多くありますが、ここでは大人も子どもも楽しめる2つの施設をご紹介します。
南ヶ丘牧場:無料で楽しめる家族向け牧場
那須高原にある「南ヶ丘牧場」は、年中無休で入場料と駐車料が無料の牧場です。ヤギや羊、モルモットなどの動物と触れ合えるコーナーや、乗ロバ体験など動物と遊べる施設があります。さらに、パターゴルフやアーチェリー、つり堀りなどのレジャー施設も充実しているため、大人も子どもも楽しめる場所となっています。
また、自家製のソフトクリームや牛乳、ジンギスカンなどの食べ物も人気があり、牧場ならではの味を楽しむことができます。
公式:那須高原 南ヶ丘牧場
宝石探しトレジャーストーンパーク:屋内で楽しむ宝探し体験
「宝石探しトレジャーストーンパーク」は、その名の通り「宝石探し」が楽しめる屋内型テーマパークです。地下鉱山の発掘現場や、全長60mのクリスタルリバーの川底などから、本物の宝石を発掘する体験ができます。
水晶やメノウなど、さまざまな種類の石を自分の手で発掘できるため、子どもから大人まで幅広い年齢層に人気のスポットとなっています。
屋根のある屋内施設なので、天候に左右されず、雨の日でも安心して遊ぶことができます。
特徴3:テレワーク推進と町営コワーキングスペースの充実
▲落ち着いた雰囲気の室内で仕事も捗りそう
テレワークを推進している那須町には、町営のコワーキングスペース「WORK BASE NASU(ワークベース那須)」があります。
電源完備の座席18席に加え、個室スペースが3部屋と、個室ボックスが1部屋あります。注目すべきは利用料で、町内在住者は無料、町外の人でも1日500円で使用が可能です(※)
※個室スペース等を使用する場合は別途料金がかかります
▲1~4名まで使用可能な個室スペース
自動販売機やプリンターなども設置されており、もちろん無料Wi-Fiも利用できます。在宅ワークの合間の気分転換に立ち寄るのも良いでしょう。
当初は個室ボックスが1部屋しかありませんでしたが、利用状況や要望に応じて個室スペースを拡大しました。今後も利用者のニーズに合わせて、さらに使いやすい環境を整備していく予定です。
特徴4:子育て世帯への包括的サポート体制
リモートワーカーの増加に伴い、那須町では子育て世代の移住者が増えています。町では子育て世帯を支援するため、子育てに関する制度や教育環境の充実に力を入れています。
子育て支援:4つの制度と支援センターで安心のサポート
那須町では、子育て世帯を支援するために4つの制度を整備しています。
制度名 | 概要 |
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こども医療費助成制度 | 0~18歳の子どもを対象に、医療保険が適用される保険診療の自己負担分を町が助成します |
乳幼児おむつ等購入助成券事業 | 乳幼児用の紙おむつやおしりふきなどの購入費用の一部を助成します ・出生時:2万円相当 ・1歳:4万円相当 ・2歳:2万円相当 |
出産育児一時金 | 国民健康保険の被保険者が出産した際に、1児につき50万円を上限として支給されます |
妊産婦医療費助成制度 | 妊産婦を対象として、医療保険が適用される保険診療の自己負担分を町が助成します |
さらに、「ゆめプラザ・那須」内に子育て支援センターを設置しています。ここでは、保健師による子育てに関する個別相談を受けられるほか、「子育てサロン」で同世代の親子との交流や情報交換ができます。
特色ある教育:人間関係・防災・プログラミングを重視
那須町では、特別な教育課程として「NAiSU(ナイス)タイム」に取り組んでいます。これは、人間関係・防災教育・プログラミングの3つの内容を柱とした独自の教育プログラムです。
- 人間関係プログラム:人間関係の構築や社会性を育み、コミュニケーション能力を向上させる
- 防災教育プログラム:地域の特性を理解する防災・減災教育を通し、自分と周囲の人々の命を守る意識を育てる
- プログラミング教育:AI時代に対応できる論理的思考力と倫理観の育成を図る
特にプログラミング教育は、平成29年からプログラミング教育推進スーパーバイザーを中心として進めています。子ども1人につきiPadを1台支給するなど、デジタル教育に力を入れて取り組んでいます。
さらに、中学校では「オンライン英会話レッスン」の授業を実施しています。3人程度の少人数グループで、外国人講師と直接会話する機会を設け、実践的な英語力の向上を図っています。
那須町の教育の特徴は、義務教育の課程に加えて、これらの特色ある取り組みを積極的に行っている点です。子どもたちの総合的な成長を支援する教育環境を整えています。
公式:那須町(那須町の教育)
那須町の暮らし:基本情報と生活の実態
▲狐面が特徴的な那須町の火祭り「御神火祭」。火柱を背景にした幻想的な光景
ここからは那須町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。
気候 | ・夏(8月):平均気温25.4℃ ・冬(1月):平均気温1.7℃ ※参考:気象庁ホームページ(那須高原地点) |
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人口 | 約24,000人(約10,700世帯) ※2023年11月1日時点 |
病院 | 町内にはクリニックも含め16軒の医療機関がある ※2023年11月時点 |
学校 | 保育園6園、幼稚園1園、認定こども園1園、認可外保育施設3所、小学校6校、中学校3校、高校2校 ※2023年11月時点 |
交通 | 【鉄道】 ・東日本旅客鉄道(JR東日本):東北本線(高久駅-黒田原駅-豊原駅) 【バス】 ・路線バス:関東自動車、福島交通 ・那須町民バス ・那須町デマンド型乗合交通 【高速道路】 ・東北自動車道:那須IC、那須高原スマートIC |
隣接自治体 | 県内:那須塩原市、大田原市 福島県:白河市、西白河郡西郷村、東白川郡棚倉町 |
大都市からのアクセス | 【仙台から】 ・車:仙台宮城I.C.から、約1時間55分 ・電車:新幹線「やまびこ」で那須塩原駅まで約75分、そこから黒田原駅まで在来線で約35分 【東京から】 ・車:東北自動車道を経由し、約2時間30分 ・電車:新幹線「なすの」で那須塩原駅まで約75分、そこから黒田原駅まで在来線で約35分 |
那須町は、エリアによって雪の降り具合が異なります。例えば、役場がある黒田原地区で雪が降っていなくても、北西部の湯本地区は標高が高いため雪が積もっていることがあります。
基本的に車社会であるため、那須町で生活する上で冬はスタッドレスタイヤが欠かせません。大きな道路の除雪は比較的早く行われますが、小路などは後回しになることもあります。
また、スコップは必需品です。朝、雪かきをしてから出勤する光景もよく見られます。雪道での運転が日常的になるため、那須町に移住してから運転技術が向上した人も多いようです。
仕事事情:観光業の盛況と起業のチャンス
大手求人サイトで「那須町×正社員」で検索したところ、約300件の求人情報が見つかりました。さらに、車で30分以内の通勤圏内(町内から15km以内)まで範囲を広げると、求人情報は約2,000件に増加しました。(2023年11月時点)
※参考:求人情報の一例(那須町のみ)
※参考:求人情報の一例(那須町から15km以内)
那須町は農業や畜産業、観光業が盛んな町です。移住者の傾向としては、観光業に従事したり、起業したりする方が多いようです。
観光業の仕事は、ホテルや旅館、美術館、キャンプ場など、幅広い選択肢があります。また、那須町には個人経営のパン屋やカフェが多く、移住後に起業する人も見られます。
仕事は都市圏のままで那須町に移住し、テレワークをされている方も増えています。新幹線が停車する那須塩原駅まで車で約25分で行けるため、緊急時や出張時の交通の便が良いことも那須町の魅力の一つです。
住まい事情:地価の安さと住宅取得補助金の活用
大手住宅情報サイトで那須町の物件を探したところ、賃貸可能なアパート・マンションは数件しか見つかりませんでした。(2023年11月時点)
参考:物件情報の一例
賃貸物件数は限られていますが、那須町は比較的地価が安いため、自宅を建てる方が多い傾向にあります。
最初は町外で賃貸物件を借り、その間に那須町内で土地を探します。適当な土地が見つかったら家を建てて引っ越してくる方も少なくありません。
新築や中古物件の取得など、住宅の取得に対して補助制度が用意されています。「那須町移住定住促進住宅取得等補助金」を利用すると、条件を満たせば最大50万円の補助金を受け取ることができます。
定住促進住宅:町が提供する新婚・子育て世帯向け住宅
町が運営する定住促進住宅は約100戸あります。これらは、新婚世帯や子育て世帯の定住を支援するための住宅です。
黒田原地区にある定住促進住宅「ウイングヴィーナス」は、次の世帯が対象となります:
- 婚姻の届出をして5年以内の新婚世帯
- 婚姻予定の新婚世帯
- 18歳未満の子どもがいる世帯
- 妊娠している方がいる世帯
公式:那須町(黒田原地区定住促進住宅「ウイングヴィーナス」入居者募集)
また、新婚や子育て世帯などの条件がない定住促進住宅『あたごハイツ』も用意されています。幅広い世帯が入居できる選択肢として、こちらも検討してみてください。
公式:那須町(定住促進住宅『あたごハイツ』入居申込について)
空き家バンク:戸建て希望者向けの物件情報
那須町では空き家バンク制度も運用しています。登録物件数は少ないものの、定期的に新規物件が追加されています。戸建て住宅を希望する方は、定期的に空き家バンクのページを確認することをおすすめします。新しい物件情報を見逃さないためです。
子育て環境:屋外・屋内で楽しめる施設が充実
那須町内には大小さまざまな公園があり、晴れた日には子どもたちを連れて外遊びを楽しむことができます。自然豊かな環境で、のびのびと遊ばせることが可能です。
「道の駅東山道伊王野(とうさんどういおうの)」には親水公園があります。併設の食事処や茶屋も利用できるので、手ぶらで訪れて遊んだ後にお昼を楽しむこともおすすめです。
公式:道の駅東山道伊王野
▲東日本で一番大きな水車が道の駅のシンボル
那須町の子育て世帯向け施設として、「わんぱくキッズランド」があります。0歳から小学校3年生までの子どもが利用できる施設で、室内にはキッズ用のボルダリングや、エアポリン(大きなエアマット)が設置されています。利用料金は無料ですが、初回は利用登録が必要です。
▲室内施設なので天候に左右されず遊べる「わんぱくキッズランド」(引用:那須町)
当日利用も可能ですが、団体予約や混雑状況によっては利用できない場合があります。確実に利用したい場合は、事前に予約をすることをお勧めします。
那須町の暮らし:先輩移住者が語る生活の実感
実際に那須町で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここでは先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。
- 標高が高いところに住んでいるので、夏の夜でもエアコンをつけずに過ごせています
- 毎日のように那須岳を眺めていますが、日々表情が違い、何度見ても美しいです。生活のすぐ傍にそんな心の拠り所があるのが贅沢だと感じています
- 那須町に来てから、やりたいことがひとつずつ実現できています。それは間違いなく人との繋がりのおかげで、たくさんの人に助けられていると実感しています
- 那須町で暮らすようになってから、都会で暮らしていた時に感じていた「何かに追われている感」が全くなくなりました。自然に囲まれた落ち着いた暮らしができています
美しい自然に囲まれ、人との繋がりを実感しながら理想の生活を送れている人が多いようです。那須町での暮らしは、都会とは異なる魅力に溢れているといえるでしょう。
那須町への移住:情報収集と体験プログラムの活用
那須町への移住を考え始めたら、まずは「那須町ふるさとアプリ」を活用したり、「二地域居住体験プログラム」へ参加したりしてみましょう。
那須町ふるさとアプリ:最新情報とポイント特典
▲那須町に関する情報が手に入り、ポイントも貯まる便利なアプリ
那須町では「那須町ふるさとアプリ」を提供しています。このアプリを利用すると、那須町のイベント開催などの最新情報を入手できるだけでなく、町内のスポット訪問やイベント参加でポイントが貯まります。
貯まったポイントは、町特産品の抽選やイベント参加などの特典に交換できます。このアプリは那須町に住んでいなくても利用可能なので、那須町に興味がある方は、まずは情報収集を兼ねてダウンロードしてみることをおすすめします。
お祭りやマルシェ、映画祭などのイベント情報から、ゴミ拾いなどのボランティア募集まで、幅広い情報を発信しています。このアプリを通じて、那須町をより身近に感じていただけると思います。
公式:那須町(「那須町ふるさとアプリ」でもっと地域と繋がろう!)
二地域居住体験プログラム:那須町の暮らしを実感
▲青空の下の那須高原
那須町の豊かな自然を体感しながら、町での生活を実際に体験できるのが「二地域居住体験プログラム」です。
このプログラムでは、地元の野菜を収穫する体験や、自然の中での焚火とバーベキュー、開放的な青空の下でのヨガなどのアクティビティが楽しめます。さらに、町内の散策や地域住民との意見交換会など、移住を具体的に検討するための様々な機会が用意されています。ご自身の予定と合わせて、ぜひ参加を検討してみてはいかがでしょうか。
参考:ベリーマッチとちぎ(【11/18-19】【那須・居住体験!】二地域居住体験プログラム参加者募集!!)
参考:ベリーマッチとちぎ(【12/4-6】(那須・暮らし体験!)二地域居住体験プログラム参加者募集!!【テレワークしながらの参加も大歓迎】)
移住相談:ふるさと定住課へのアクセス方法
那須町への移住に興味を持った方は、まずはふるさと定住課に問い合わせてみることをおすすめします。移住に関する様々な疑問や不安について、専門スタッフが丁寧に相談に乗ってくれます。
担当 | 那須町役場 ふるさと定住課 |
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住所 | 〒329-3292 栃木県那須郡那須町大字寺子丙3-13 |
電話 | 0287-72-6955 |
公式サイト | https://www.town.nasu.lg.jp/ |
移住サイト | https://www.teijyu.town.nasu.lg.jp/ |