【山形県】中山町へ移住しよう!仕事・住まい・子育て環境を徹底解説

この記事では地方移住を検討している方に向けて、山形県中山町の魅力と暮らしの情報を紹介します。

中山町は山形県の中央部にあり、県庁所在地の山形市・天童市・寒河江市のベッドタウンとしても選ばれています。山形の秋の風物詩である芋煮会発祥の地、そして東北随一のすももの生産量を誇るなど、豊かな食も魅力です。

また、最大170万円の開業支援があり、新しいビジネスに挑戦したいと考えている若い世代の移住者も少なくありません。

今回は中山町役場に勤める佐東さんに、まちの特徴や仕事・子育て環境などの移住生活に役立つ情報を伺いました。

本日お話を伺った方
山形県中山町役場の佐東瑞希さん

総合政策課

佐東 瑞希さん

中山町の3つの特徴

山形県中山町の暮らしの特徴

中山町への地方移住を検討する際に、特に押さえておきたい特徴は以下の3つです。

  1. 近隣の3都市は車で10~15分。ベッドタウンとしても人気
  2. 芋煮会発祥の地。芋煮やすももなど味覚で季節を感じられる
  3. 開業支援は最大170万円。若者がまちづくに参加しやすい環境

それぞれ詳しく説明します。

特徴1.近隣3都市は車で10~15分。ベッドタウンとしても人気

山形県中山町の風景
▲豊かな緑に囲まれているまちの風景。江戸時代には最上川を利用した舟運で発展した歴史を持つ

中山町は山形市・天童市・寒河江市の3地域に隣接しており、どの市へも車で10~15分程度とアクセス良好です。

生活圏のため町民の多くが近隣地域の企業に出勤しています。例えば天童市の企業に勤める方は、帰宅途中に大型ショッピングモールで夕飯を買ったり、山形市であればふらっとショッピングを楽しんだりすることも可能です。

このように、自然豊かな中山町に家を構え、仕事場を近隣地域に持って二拠点生活を送る方も少なくありません。

また、仙台市へも車で1時間程度で移動できます。山形駅まで出れば仙台行きの高速バスが1時間に5本以上運行(※)しているので、気軽に出かけられる点も大きなメリットですね。
※参考:仙台→山形|山交バス

特徴2.芋煮会発祥の地。芋煮やすももなど味覚で季節を感じられる

中山町は山形県で有名な芋煮会発祥の地。そして、果樹栽培や稲作も盛んであり、四季の恵みを存分に味わえる食の豊かな町です。

芋煮とは牛肉と里芋を醤油で煮た鍋料理で、山形の代名詞とも言えるソウルフードです。そんな、県民から愛されている芋煮のルーツは中山町にあります。

江戸時代に町内にある最上川の船着場で、商人たちが荷揚げの際に棒鱈と里芋の名産地・小塩集落の里芋を煮て食べたのが始まりと言われています。

山形県中山町にある鍋掛松
▲芋煮発祥の地を象徴する「鍋掛松」。この松に鍋をかけて棒鱈や里芋を煮て食べたと言われている

毎年秋に開催される「元祖芋煮会」は、元祖芋煮を現代風にアレンジした『芋棒煮』と現代の芋煮の両方を味わえるとあり好評です。

さらに、日本有数のすももの生産地でもあり、町内西部の豊田地区を中心に栽培が盛んです。

山形県中山町で栽培されているすもも
▲生食用のすももの他に、ワインなどの加工品も好評。お土産や贈呈用に喜ばれること請け合い

7月初旬には大石早生、8月にはソルダムなど、さまざまな品種が栽培されています。収穫時期の夏〜秋にかけて、給食のデザートとして提供されるため、子どもたちは毎年旬の味覚を堪能できますよ。

果樹栽培は他にも、さくらんぼやりんご、シャインマスカットなど特産物が多岐に渡ります。

このように地元産の新鮮な農作物や歴史ある食を堪能できることは、日々の楽しみにもつながりますね。

山形県中山町役場の佐東瑞希さん
佐東さん

子どもの頃に、お盆の上に丸ごと1個置かれたすももをみんなで食べた思い出が印象に残っています。

特徴3.開業支援は最大170万円。若者がまちづくりに参加しやすい環境

中山町は若い人がまち作りに参加しやすいまちで、これまで多くの方が起業しています。

以下の開業支援も起業を後押しする一つとなっています。

中山町開業支援事業補助金 開業準備にかかった費用を一部補助
補助額:費用の4/5または150万円に下記を加算した額
  • 2024年4月1日以降に転入した場合:20万円
  • 2024年3月31日時点で35歳未満の合場:10万円

例えば、2018年にはUターンした方が国道沿いにコーヒースタンドをオープンしました。地元の方が利用しやすいように、メニューを純喫茶風にアレンジするなど地域の特色に寄り添ったこだわりが魅力です。現在では近隣地域からも人が集まる人気店として広く認知されています。

山形県中山町役場の佐東瑞希さん
佐東さん

今度はそのコーヒースタンドの隣にパン屋さんが入る予定です。

その他、今は計画段階ですが、若手農家が”雇用の場を生み出す”ために会社設立を目指しています。農家が就農希望者を雇用して農協へ紹介する仕組みを作ることで、地域の雇用機会が増え、農業の継続的な発展が期待できますね。

このように中山町は起業家が多いため、移住を機に起業したい方や新しいビジネスの機会を求める方にもピッタリな環境です。

中山町の暮らしに関する情報

ここでは中山町の基本情報に加え、子育て・仕事・住まいなど移住生活に役立つ情報をまとめました。

※2024年9月時点

気候 1月平均気温:-0.1℃
8月平均気温:25.0℃
※参考:気象庁(町内に観測地点がないため最寄りの山形市参照)
人口 人口:10,452人
人世帯数:3,757戸
※2024年8月31日時点
医療機関 7院(うち、総合病院1院)
※2024年4月1日時点
学校 ・保育施設:4園
・小学校:1校
・中学校:1校
交通 【飛行機】
・「おいしい山形空港」まで車で約30分

【電車】
・JRフルーツライン左沢線「羽前金沢駅」「羽前長崎駅」

【バス】
・路線バス:山交バス株式会社
・町営バス:「中山町町営バス」「スマイルグリーン号」

【車】
・山形自動車道「寒河江IC」より5分
隣接する地域 山形市、天童市、寒河江市、山辺町、朝日町、大江町
都市部へのアクセス 山形市:車で約20分
宮城県仙台市:高速道路利用で約1時間

町内にはスーパーやホームセンターがあり、日用品は町内ですべてそろいます。また、中山町では救急医療対応として医師会の協力のもと、日曜当番医を実施(※)しているため、小さな子どもがいる世帯も安心感が高いでしょう。
※参考:町内の医療機関・休日夜間診療|中山町公式

高校はなく、山形市・寒河江市・山野辺町の高校へ進学するケースが一般的です。町内には駅が2つあるので通学にも困りません。

一方、移住前に把握しておくべき点は冬の生活です。山形市や中山町を含む村山地域は県内では雪が少ないエリアですが、盆地のため30cm〜1mの積雪(※)があります。
※参考:気象庁

夜中から明け方にかけて除雪車が走るため道路の除雪は不要ですが、自宅敷地内の雪かきは必須です。気になる場合は、冬に足を運んで暮らしのようすを確認しておきましょう。

移住後に地域に馴染むには、地域イベントへ参加するのがおすすめです。イベント情報は回覧板や広報誌、まち公式のSNSで入手できるので、地域の方と積極的に交流を深めましょう。

山形県中山町役場の佐東瑞希さん
佐東さん

町民性なのか恥ずかしがり屋さんが多いですが、距離が縮まるとご近所で会った時に声をかけてくれるなど、人の温かさを感じられますよ。

【子育て】計15万円の応援給付金あり。育児の悩みは産後ケアで解消しよう

山形県中山町の桜満開のせせらぎ公園
▲桜満開のせせらぎ公園。遊具や休憩スペース、芋煮会で使える広場などがある町民憩いの場

中山町では以下の子育て支援を受けることが可能です。

子育て支援一例

出産応援給付金 妊婦1人あたり5万円
子育て応援給付金 出生児1人あたり10万円
※国の給付金5万円に加え、町独自で5万円を上乗せ
産後ケア事業 【訪問型】500円/回
・助産師による母子の健康状態の確認、育児相談など

【日帰り型・宿泊型】500円/回・1,500円/泊
・母子の健康状態の確認、沐浴・排泄のアドバイスなど
※宿泊は通算7日(6泊7日)まで利用可能

産後ケア事業は2024年からスタートしました。知り合いがいない移住者はもちろん、体調や育児に不安のある方にとって助産師によるケアを受けられるのは心強いですね。その他、高校3年生まで医療費無料、小・中学校の給食費無償化などの支援もあります。

子どもたちの遊び場は、自然溢れる公園です。せせらぎ公園(最上川中山緑地)をはじめ、最上川沿いの河川敷や各地区にある小さな公園など、町内には公園が多く、自然と触れ合いながらのびのび遊べます。

せせらぎ公園にはグラウンド・ゴルフ場、いも煮広場が設置されているので、家族同士のイベントでも楽しめそうですね。

【教育】自然を学べる地域協働授業とICTのアクティブラーニング

中山町の小・中学校では一人に一台タブレットを支給しており、ICTを活用した授業を強化しています。

例えば、山形市が運営する「アクティブラーニング型防災教育プログラム」を導入して、my減災マップづくりやジオラマ制作を通して、中山町ならではの災害や備えの重要性を学んでいます。

また、地域協働授業も特色の一つ。地域の方が先生役となって伝統文化を伝えたり、地元農家が稲刈りを教えたりしてくれるため、子どもたちはコミュニケーションを交えながら、楽しく地域の文化に触れられます。

【仕事】山形市・天童市・寒河江市の近隣地域で働く方が大多数

町内で働く方の多くが農家や自営業のため、移住者の大半は近隣地域の企業へ出勤しています。県庁所在地の山形市が通勤圏内なので、地方移住の課題となりやすい仕事選びに不便がないのは大きなメリットです。

近隣地域の正社員求人数

山形市 約6,700件 求人一例
天童市 約1,600件 求人一例
寒河江市 約800件 求人一例

※2024年9月18日時点

例えば、幅広い業界・職種から仕事を探したい方は山形市、子どもの送り迎えや買い物のために車通勤しやすい場所で働きたいなら天童市・寒河江市など、生活スタイルに合わせて職場を選べますね。

山形県中山町役場の佐東瑞希さん
佐東さん

中山町は昼間人口が下がるため、隣接している3地域に出勤している方が多いと考えられます。

【住まい】最大50万円の住宅取得支援あり。町内は賃貸アパートも豊富

中山町の住まい選びは、賃貸物件・戸建て購入どちらも実現可能です。賃貸アパートは約50件(※)ほどあり、間取りも1K〜3DKまで幅広く揃うため、単身・ファミリー問わず見つけやすいでしょう。

大手不動産サイトに掲載されている賃貸物件数

アパート 47件 物件一例
戸建て 1件 物件一例

※2024年9月18日時点

中古の戸建て購入を希望する場合は、空き家バンクの利用がおすすめです。なお、売地が出るとすぐに埋まるため、新築を検討している方はこまめにチェックしておきましょう。

中山町公式:空き家バンク

移住者と子育て世帯に嬉しい、最大50万円の補助が出る支援制度も用意されています。

住宅支援の一例

定住促進・住宅取得支援事業 新築に関する工事費・住宅購入費などに適用
  • 子育て世帯:30万円
  • 転入世帯:30万円
  • どちらにも該当する世帯:50万円
住宅需要創出リフォーム支援事業費補助金 リフォーム費用の一部を補助
工事費の4/5(上限30万円)

その他、住宅用太陽光パネル設置や耐震改修に関する補助もあります。詳しくは下記または各担当窓口までお問い合わせください。

中山町公式:住まい

山形県中山町役場の佐東瑞希さん
佐東さん

中山町の空き家バンクは、町と町内の不動産が委託契約して運営しています。なお、この不動産業者さんも起業された方の一人です。

中山町へ移住した人の体験談

山形県中山町へ移住した方の声

ここでは、中山町へ移住した人の体験談や感想を一部紹介します。

  • 車で5分走れば近隣地域に買い物に行けるし、高速道路を使えば仙台市にも行けるので、家族でお出かけする選択肢が多く助かっています。
  • 自然の中でのんびり子育てができます。公園や河川敷など野外の遊び場が多く、休日は子どもたちとかけっこや虫取りなどを楽しんでいます。
  • スローライフに魅力を感じて移住を決意。中山町は田園風景が美しくおいしい食も豊富なので、移住生活に満足しています。

中山町は自然豊かでありながら、近隣地域へのアクセスが良く不便がないという声が多数聞かれました。JRの駅が2カ所あるので電車も利用しやすいですね。

また、すももをはじめとする果物や米、芋煮など食が多彩なため、味覚で四季を感じられるのも中山町の魅力だと感じました。

山形県中山町役場の佐東瑞希さん
佐東さん

首都圏よりも近隣地域からの移住が多い印象です。また、結婚・出産を機に「のびのび子育てがしたい」という理由で、都市部からUターンされる方も珍しくありません。

中山町への移住に関するお問い合わせ

担当課 総合政策課
住所 〒990-0492
山形県東村山郡中山町大字長崎120
電話番号 023-662-4271(総合政策課)
対応時間 8:30〜17:15
※土・日曜、祝日を除く
公式サイト https://www.town.nakayama.yamagata.jp/