【長野県中川村への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報
この記事では、地方への移住を検討している方のために、長野県中川村(なかがわむら)の魅力を紹介していきます。
中川村は、長野県の南部に位置する人口約4,600人の村です。中央アルプスと南アルプスの雄大な自然を臨み、子育て世帯への支援が手厚く、自然の中でのびのびと子育てをしたい世帯におすすめの地域です。
そんな中川村での暮らしの特徴やその魅力について、中川村役場の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。
長野県中川村の暮らし、3つの特徴
2008年に「 日本で最も美しい村」連合に加盟した中川村は、中央アルプスと南アルプスの雄大な山々の下に田園風景が広がり、夜には満天の星が煌めきます。村民同士が明るく挨拶を交わし、当たり前のように助け合う文化が根付いており、人と人との繋がりを育みながら暮らすことができます。
公式:日本で最も美しい村
そんな中川村は以下のような特徴があります。
- 自然と共にある豊かな暮らしを送ることができる
- 中川村は果物の宝庫。旬の美味しい果物に出会える
- 子育て世帯に手厚い支援制度がある
それではここから、中川村の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。
特徴1:自然と共にある豊かな暮らしを送ることができる
▲「渡場(どば)のイチョウ並木」紅葉のピーク時には地元住民だけではなく、遠方からも多くの観光客が訪れる
村民に「中川村の良いところ」を聞いた時に、まず出てくるのが「自然の美しさ」です。中央アルプスと南アルプスにいだかれた中川村は、どこを見ても美しい景色が広がっています。日々の生活は自然と共にあり、四季の変化をありありと感じられる環境に恵まれています。
村内には5つのキャンプ場があるので、週末に少し足を延ばしてアウトドア体験もできます。より一層自然の中に溶け込み、夜は吸い込まれるような星空を眺めてみるのも良いでしょう。
村には市民農園があり、一年単位で畑を借りることができます。交流会があったり、農業指導もしてもらえたりするので、自宅に庭がなくても家庭菜園を楽しめます。
特徴2:中川村は果物の宝庫。旬の美味しい果物に出会える
中川村の第一産業は農業です。特に果物の生産が盛んで、いちご・りんご・梨・桃・さくらんぼ・ブルーベリー・ぶどう・柿などが育てられています。
スーパーの直売コーナーには、生産者の名前が書かれた果物がずらりと並んでおり、一年を通して旬の美味しいフルーツに出会えます。
村内のいくつかの果樹園では、フルーツ狩りを楽しむこともできます。自分でもいだフルーツは格別に美味しく感じられるでしょう。
- 1~6月:いちご狩り
- 6~7月:さくらんぼ狩り
- 7~8月:ブルーベリー狩り
- 9~10月:ぶどう狩り
- 9~12月:りんご狩り
村内では米・野菜・きのこなども栽培されており、農作物に恵まれた村といえます。地産地消の美味しい農作物が食べられるのも、豊かな暮らしをする上では重要なポイントです。
特徴3:子育て世帯に手厚い支援制度がある
▲アルプス山脈を望む自然豊かな環境下で子育てができる(写真:村の宅地分譲地)
中川村では子育て世帯のために、さまざまな支援制度が整備されています。住宅取得に関する制度や、子育てそのものに関する制度など、いろいろな支援制度ありますが、ここではほんの一部をご紹介します。
住宅に関する支援
移住を考える時に切り離せないのが、地域内のどこに住むかです。都会の場合は賃貸物件に住むことを真っ先に考えそうですが、中川村には住宅用地や新築物件の取得を支援する制度があります。
制度名 | 概要 |
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子育て世帯住宅取得支援事業補助金 | ・住宅取得支援事業:上限25万円として、住宅取得に係る費用の1/2以内を補助(村内事業者と契約した場合は上限が50万円になる) ・住宅用地取得支援事業:上限100万円として、住宅用地取得に係る費用の1/3以内を補助 ※上記2つの事業は併用が可能 |
3世代同居等のための住宅新造改築支援補助金 | 上限50万円として、住宅の新築増改築または取得に係る費用の1/10以内を補助(村内事業者と契約した場合は上限が100万円になる) |
制度を上手く活用し、思い切って新築物件の取得を考えても良いでしょう。
子育てに関する支援
子育てそのものに関する支援にもさまざまなものがあります。
- 出産・子育て応援給付金として、妊娠届出時と出生届出時で合計10万円を支給
- 出産祝い金として、第1子および第2子には10万円、第3子以降は15万円の祝金を交付
- 0歳から18歳まで、子どもの医療費が全額無料
- 3~5歳児クラスの子どもの保育利用料・副食費が無料
- 小・中学校に入学する児童・生徒に対し、通学カバンを贈呈。また、入学祝い金として村内で使える2万円の商品券を交付
- 高校生へ村営巡回バス定期券を無償進呈
- 高校生等就学支援事業として、1年時には10万円、2年時以降には5万円を交付
節目節目の祝い金や、保育料や医療費の無償化などで、経済的な負担を減らすことができます。
長野県中川村の暮らしに関する情報
▲中川村の真夏の一大イベントである「中川どんちゃん祭り」の様子
ここからは中川村での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。
気候 | ・夏(8月):平均気温24.0℃ ・冬(1月):平均気温-0.7℃ ※参考:気象庁ホームページ(伊那地点) |
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人口 |
約4,600人(約1,700世帯)※2023年8月1日時点 |
病院 | 村内には3つの医療機関がある ※2023年7月時点 |
学校 | 保育所2園、小学校2校、中学校1校 |
交通 | 【鉄道】JR東海旅客鉄道(飯田線)伊那田島駅 【バス】中川村営巡回バス「のっチャオ」、デマンド型の乗り合い送迎サービス「チョイソコなかがわ」 |
近隣都市 | 駒ヶ根市、上伊那郡飯島町、下伊那郡松川町、下伊那郡大鹿村 |
大都市からのアクセス | 【東京方面から】 ・電車:新宿からJR特急あずさで「岡谷駅」まで約2時間30分、そこからJR飯田線で「飯島駅」まで約1時間30分。「飯島駅」から中川村までタクシーで約15分 ・バス:新宿高速バスターミナルから「松川」まで約4時間、そこから中川村までタクシーで約15分 ・車:東京から中央自動車道で「駒ヶ根I.C」を経由し、約3時間30分 【名古屋方面から】 ・電車:名古屋から新幹線で「豊橋駅」まで約1時間、そこからJR飯田線で「伊那大島駅」まで約4時間30分。「伊那大島駅」から中川村までタクシーで約10分 ・バス:名鉄バスターミナルから「松川」まで約2時間30分、そこから中川村までタクシーで約15分 ・車:名古屋から中央自動車道で「松川I.C」を経由し、約2時間 |
中川村は降雪量が比較的少ないですが、冬になるとそれなりに雪が降るため、雪かきが必要なこともあります。家の敷地内だけでなく、隣接する道路、地区の中の決められた場所を近所の方たちと協力して雪かきを行います。ただし、屋根から雪を下ろさなくてはならないほどの雪が降ることはあまりありません。
村内は27の地区に分かれており、コンビニやスーパーがあり、村から車で15分ほどの隣町には商業施設もあります。
基本は車社会なので、車があれば買い物に不便することはありませんが、坂道が多いため四駆の車がおすすめです。
それぞれの地区には自治会があります。参加は強制ではありませんが、人のつながりもできるので、村としては地区への加入を推奨しています。
【仕事】新しいことを始めやすい環境がある
大手求人サイトで「中川村×正社員」で検索したところ、約50件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(村内から25km以内)で検索したところ、求人情報は約6,500件まで広がりました。※2023年7月時点
※参考:求人情報の一例(中川村のみ)
※参考:求人情報の一例(中川村から25km以内)
移住者の傾向としては、新しく事業を起こす方が多いようです。村内にはコワーキングスペースや会議室として使える「お試しシェアオフィス」や、厨房を借りることのできる「シェアキッチン」もあるので、起業の準備もできます。
公式:中川村(お試しシェアオフィス)
公式:中川ショッピングセンターチャオ(シェアキッチン)
また、新しい事業に挑戦する方のために、以下のような補助金も用意しています。
制度名 | 概要 |
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特産品等創出支援事業補助金 | ・特産品等を開発、改良、品質向上または販路拡大をするための経費を一部補助 ・上限は50万円 |
農業担い手支援事業補助金 | ・農業用機械や農業用施設を取得するための経費を一部補助 ・上限は300万円 |
毎月1回、「食」「手仕事」「人」をキーワードにした「つばめマーケット」というマルシェも開催されています。起業している方たちが自分の商品をPRしたり、中川産の食材が使われた食事が食べられたり、横のつながりを作るきっかけにもなります。
参考:つばめマーケット
近隣の市町村も含めれば求人数は多く、起業がしやすい土壌があるので、仕事に困ることはなさそうです。
【住まい】空き家の改修には補助金制度を活用しよう
いくつかの賃貸サイトで中川村の物件を探したところ、賃貸が可能な物件は現時点(2023年7月現在)では見つかりませんでした。ただ、新しい賃貸物件がいつ出てくるかわかりませんので、定期的にサイトをチェックしておくと良いでしょう。
中川村には空き家バンク制度があります。村内には空き家の数が多いため、今後も登録件数は増えていきそうです。
現在の登録物件数は数件で、改修が必要な物件がほとんどですが、「空き家等活用促進事業補助金」を活用すれば、改修費として50~120万円の補助金が出ます。
お試し住宅で一定期間村の生活を体験しつつ、村営住宅や新築などを検討いただくのも良いと思います。
【子育て】郷土愛を育てるふるさと学習から通学までをしっかりサポート
中川村には東西に2つの小学校があります。住む地区によっては、スクールバスを利用することも可能です。
小中学校の給食は地産地消を進めており、学校周辺の農地で地域の方々と一緒に野菜づくりをしたり、学年によっては、田植えから稲刈りまでを行い、秋には自分たちで育てたお米を食べる授業を行っています。村でとれた農作物を大切にしようという、農業が第一次産業である中川村ならではの取り組みです。
ふるさと学習として村の中で学べる機会も設けています。村の水源地がどこにあるのか、水はどのような設備で飲用水になっているのかなど、実際に家族で浄水場を見学することで、子どもたちも自然環境への意識が高まるそうです。
また、村内の史跡巡りを行ったり、昔の人たちがどんな道を歩いていたのか、旧街道を実際に歩いてみたりなどの、親子学習も実施しています。
子どもたちの遊び場としては、桜の名所である「大草城址公園」や天竜川の近くにある「天の中川河川公園」などがおすすめです。保育園就園前の子どもがいる場合は、つどいの広場「バンビーニ」で子どもを遊ばせながら、情報交換ができます。
公式:中川村(桜の名所 大草城址公園)
公式:なかがわ村子育て応援サイト(つどいの広場「バンビーニ」)
中川村には村民同士が過干渉過ぎず、ちょうど良い距離感で助け合う文化があります。
村内には高校がなく、多くの学生はバスと電車を乗り継いで村外へ通学しています。「高校生等通学支援事業」を活用すれば、年間最大5万円まで通学費の補助が出ます。
幼少期から子育てをしっかりサポートし、ふるさと教育で郷土愛を育て、高校に上がってからも通学を支援する仕組みをしっかり整備しています。
長野県中川村に暮らす先輩移住者の声
実際に中川村で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。
- 四季の変化にメリハリがあって、景色が美しい
- そこそこ利便性が高いのに、自然が豊かで車の音も気にならない
- 好きなところは景色。村内のどこにいても中央アルプスと南アルプスの山々に圧倒される
- 久しぶりに都会に出ると、中川村は空気が圧倒的に綺麗で、自然が豊かで、のどかだなと感じる
- 近所の方たちがウエルカムな雰囲気でほっとした。野菜をいただいたり、お祭りや新年会・忘年会に誘っていただいたりしている
自然に囲まれた環境の中で、のびのびとした暮らしを楽しんでいるようです。移住した先に知らない人しかいないのは緊張しますが、村民の雰囲気が柔らかく溶け込むまでに時間もかからない環境に、ほっとする方も多いようです。
長野県中川村への移住STEP
中川村への移住を考えるならば、まずは一度現地に行ってみてください。実際に滞在することで、村での生活をイメージしやすく、肌に合うかどうかを見極めることができます。
お試し住宅を活用し、中川村で暮らしてみよう
▲小平お試し住宅の外観。3LDKで広々と滞在できる
中川村では、2棟のお試し住宅を用意しています。最長契約期間は約1年で、家賃は月額40,000円です。家具家電付きで、家賃には光熱費やWi-Fi代も含まれているため、寝具などの必要最低限の物だけで気軽に移住体験をすることができます。
ホームページ上で入居状況も確認できますが、詳しくは「地域政策課 むらづくり係」に問い合わせてみてください。
移住希望者向けに「空き家を巡るツアー」をしたこともあります。次の移住体験ツアーの予定はまだありませんが、ぜひ実際に足を運んで頂き、村内の環境を知ってもらえればと思います。
中川村への移住に関するお問い合わせ
▲中川村に移住をした先輩移住者の皆さん
中川村に興味を持った方は、まずは「地域政策課 むらづくり係」に問い合わせてみてくださいね。2名の担当者がメールや電話で、移住について親身に相談に乗ってくれますよ。
担当 | 中川村役場地域政策課むらづくり係 |
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住所 | 〒399-3892 長野県上伊那郡中川村大草4045-1 |
電話 | 0265-88-3001 |
公式サイト | https://www.vill.nakagawa.nagano.jp/ |
移住サイト | https://www.vill.nakagawa.nagano.jp/soshiki/chiiki/5738.html |
ブランドサイト | https://nakagawa-village.life/ |