北海道むかわ町で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報
この記事では移住を考えている人に向けて、北海道むかわ町(むかわちょう)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。
むかわ町は道央の南にあるまちで、海の玄関口である苫小牧市まで車で約30分のところに位置しています。恐竜の化石が発掘されることから、恐竜の町としても知られています。
今回は、むかわ町役場経済建設課の山谷さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。
むかわ町の特徴を3つご紹介
むかわ町は基幹産業が農林水産業であり、特に新規就農者向けの研修が充実していることから、就農を希望する人に移住をおすすめできます。また、自然豊かで子育てがしやすく、子育て世帯にもぴったりのまちです。
そんなむかわ町での暮らしは、次のような方に適しています。
- ほどよく便利な田舎暮らしをしたい
- 自然環境の良いまちに住みたい
- 子育て中、またはこれから子育ての予定
上記のような方に適している理由を、むかわ町に見られる3つの特徴から解説します。
特徴1:豊かな自然と利便性が共存する「ちょうどいい田舎」
▲清流「鵡川」の夕暮れ
むかわ町は森と海と川がある自然豊かなまちです。特に「鵡川(むかわ)」は「母なる川」とも呼ばれ、ししゃもや鮭が遡上する川としても知られています。ししゃもは北海道の太平洋沿岸だけに生息する貴重な魚であり、「鵡川ししゃも」はブランドししゃもとして扱われています。
そのような豊かな自然に恵まれながらも、利便性が良いのがむかわ町の特徴です。普段の生活は町内でまかなえますし、近隣都市でありフェリー乗り場もある苫小牧市までは車で約30分で到着します。また、新千歳空港までは車で約40分、札幌市中心部までは車で約1時間30分ですから、お出かけや旅行にも便利です。
むかわ町なら、美しい自然と利便性が揃う「ちょうどいい田舎暮らし」が実現できそうですね。
特徴2:気象条件が良く就農にもおすすめできる
▲太平洋に注ぐ一級河川「鵡川」。ラフティングや紅葉の名所がある
むかわ町は真夏でも涼しく8月の日最高気温が25℃前後となっており(※)、過ごしやすい土地です。冬の積雪量も北海道の中では少なく、本州などから移住する場合でも、さほど不便を感じずに暮らしに馴染むことができそうです。
※参考:気象庁
また、大雨などの被害が少ないことから、農業に向いている土地と言えます。新規就農を検討している人にとっては移住の候補としてふさわしいのではないでしょうか。
特徴3:子育てしやすい環境
▲子育て応援事業「むかこみゅ」の様子。絵の具遊びをしている子どもたち
むかわ町では、子育て世帯支援の充実に取り組んでいます。経済的な支援の一部は次の通りです。
妊産婦安心出産支援事業 | むかわ町には産科がないため、町外の医療機関への通院交通費の一部を助成 |
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保育料・副食費の無償化 | 0〜5歳の保育料の無償化(副食費は年収360万円未満の家庭または第3子以降の子どもについて無料) |
子ども医療費助成制度 | 0〜18歳まで医療費実質無料(地域で使える金券として返ってくる) |
子育て応援事業(指定ごみ袋支給事業) | 0〜2歳の子どもを対象に、おむつ用のもえるごみ用20リットルの指定ごみ袋を無料で支給(子ども1人に対して月10枚を支給) |
むかわ町地域優良賃貸住宅(子育て支援住宅) | 中学生以下の子どもが1人以上いる世帯を対象に3LDKの住居を月5万円で賃貸。入居期限は18歳未満の扶養親族がいなくなる日まで。 ※中学生以下の子ども1人につきさらに5,000円減額 ※資格審査等あり |
公式:むかわ町「子育て」
公式:むかわ町「町営住宅」
むかわ町では、子どもと地域住民が繋がるコミュニティとして、子育て応援事業「むかこみゅ」を開催しています。地域の皆さんを先生として招き、さまざまなことを教えてもらう活動をしています。農家のお母さんの豆腐作りや漁師の皆さんとの地引網体験など、多様な経験は子どもたちの情操教育に役立つことでしょう。
また、むかわ町では公営塾を開設しています。中高生を対象に、面接試験の練習など学校でカバーしきれない部分もサポートしています。勉強だけでなく、子ども同士のコミュニティの場としても機能しています。
高校では「むかわ学」と題して、地域の課題解決に取り組んでいます。地域の食材を使用したパンやスイーツの販売や、コスプレイベントの企画・開催などを通して、地域に貢献しています。
▲「むかこみゅ」の様子。地引き網でつかまえた魚を持つ子ども
むかわ町の暮らしに関する情報
▲秋の風物詩であるししゃもの簾干し(すだれぼし)
ここからは、むかわ町の暮らしに関する情報をご紹介します。
気候 | 8月平均気温:20.3℃ 1月平均気温:-6.0℃ ※参考:気象庁 |
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人口 | 人口:7,344人 世帯数:4,106世帯 (令和6年5月末時点) |
病院 | 病院・クリニック:2 歯科:4 (令和6年4月末時点) |
学校 | こども園:2園 児童クラブ:2カ所 小学校:2校 中学校:2校 高等学校:2校 (令和6年4月末時点) |
交通 | 【電車】 JR日高本線:鵡川駅 【バス】 道南バス あつまバス むかわ町営バス(穂別地区) 【車】 道東自動車道:むかわ穂別I.C. 日高自動車道:鵡川I.C. |
近隣都市 | 苫小牧市、千歳市 |
▲「流送まつり」で行われる「全道人間流送競技」。川に浮かぶ木材に見立てた11人の背中の上を、1人の船頭が走ってゴールを目指す
むかわ町は「鵡川(むかわ)地区」「穂別地区」の2つの地区があります。町内は縦に長く、車は必須です。それぞれの地区の中心部から中心部まで車で約40分かかります。
地区ごとの雰囲気は次の通りです。どちらの地区も地域の活動や祭りなどのイベントが盛んです。これらの活動は顔見知りを作り地域に早く馴染む機会になるので、積極的に参加しましょう。
鵡川地区 | 海に面しているので風が強く、夏は涼しく過ごしやすい。バスやJRがあり都市部に行きやすい。地元の野菜を使ったグルメ体験や魚の掴み取りができる「グルメフェスタ」を開催している |
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穂別地区 | 山中で夏は鵡川地区より気温が高め。冬は気温が低い。地域のまとまりが強く、人と人との付き合いが濃密。電車はなくバスの本数も少ないため、町営バスが運行している。約40年続く「流送まつり(りゅうそうまつり)」では、丸太切りや花火大会、「全道人間流送競技(※)」が開催される (※)河川の水流を利用して木材を搬出する林業の「流送」にちなんだローカルスポーツ。1チーム12人で川の中を走る競技 |
むかわ町には大型スーパーマーケットやコンビニがあるため、普段の買い物は町内で完結できます。大きな買い物をしたい場合は苫小牧市などへ行くことが多いようです。
「むかこみゅ」のほか、子どもの遊び場としては道の駅や穂別博物館がおすすめ
▲「むかこみゅ」の様子。川遊びをしている子どもたち
前述した「むかこみゅ」のほか、子どもの遊び場としては道の駅「むかわ四季の館」や「むかわ町穂別博物館」があります。
道の駅「むかわ四季の館」は、図書館やプール、スポーツジム、温泉が併設されており、週末のお出かけにぴったりです。
「むかわ町穂別博物館」はむかわ町穂別地域から産出された恐竜などの化石を展示しており、太古の歴史を感じられる施設です。町内の高校生までは、いつでも無料で見学できます。
【仕事】新規就農希望者には手厚い研修あり
▲新規就農のための研修農場「豊城ファーム」
大手求人情報サイトでむかわ町の求人を調べたところ、約110件ヒットしました。(令和5年9月時点)
※求人情報の一例
通勤時間30分圏内の25km以内の求人を調べたところ、約1,400件ヒットしました(令和5年9月時点)。近隣地域も含めて探すと希望の仕事が見つかりそうですね。
※求人情報の一例(町内から25km以内)
町内では、地域おこし協力隊として企業に入社してさまざまな商品開発をしたり、「むかこみゅ」の運営、空き家のリフォームなどに携わることができます。
また、新規就農を目指す人には「むかわ町地域担い手育成センター」での研修を受けることが可能です。住まいも用意され、実践的な研修を受けることができます。これまでに10数組が卒業しており、新規就農者にも手掛けやすいレタスやトマトのハウス栽培を生業として暮らしています。
▲研修農場で実践研修をしている研修生
【住まい】民間賃貸住宅は増加傾向。空き家バンクの活用も
大手住まい情報サイトでむかわ町の賃貸物件を調べましたが、現在のところ件数は少ないようです(令和5年9月時点)。ただ、最近はアパートの建築が増え始めているとのことですので、今後は賃貸物件の件数が増えていくものと見込まれます。
むかわ町では空き家バンクが利用できます。住宅に畑が付いていることが多く、家庭菜園を楽しみながら田舎暮らしをしたい移住者に人気です。住宅は改修が必要なものも多いので、まちの支援を活用しましょう。
むかわ町の住まいに関する支援は次の通りです。
かみんぐ支援金 | 移住者の民間賃貸住宅入居について、1世帯12万円分のむかわ町金券を交付(支援金の交付は1度のみ) |
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くらふる事業マイホーム奨励金(戸建て住宅取得奨励金事業) | 戸建て住宅の取得について、最大150万円(うち3分の1はむかわ町金券で交付)を交付 |
くらふる事業リノベーション奨励金(戸建て住宅リフォーム奨励金事業) | 戸建て住宅のリフォームについて、最大80万円(うち3分の1はむかわ町金券で交付)を交付 |
むかわ町に移住した人の声・感想
次に、むかわ町に移住した方の感想をご紹介します。
- ちょうどいい田舎で、苫小牧や札幌へのアクセスも良く便利
- 北海道の中では雪が少なめ(通常の積雪量は20〜30cm)で暮らしやすい
- スポーツクラブで出会いがあり、結婚を機に移住してきた
都市部への交通の便や暮らしやすさが好評のようですね。
むかわ町へ移住するために利用したい窓口・支援
むかわ町への移住を検討し、情報収集を行ったら、下見に行ってみましょう。むかわ町は北海道の中では積雪が少ない方ですが、気になる方は冬に下見をすると良いでしょう。移住後の住まいや仕事、子育て支援などについて、知りたいことは移住相談窓口にご相談ください。
新規就農についてはむかわ町地域担い手育成センターへ直接お問い合わせください。短期の就農体験ができるので参加してみるのも良いでしょう。
恐竜の化石もまちの魅力のひとつです。興味のある方はぜひ穂別地区へいらしてください!また、就農を目指す方には鵡川地区がおすすめです
▲町内で発掘されたカムイサウルスの全身復元骨格レプリカ
むかわ町への移住に関するお問い合わせ
移住相談窓口 | むかわ町 経済建設課 商工観光戦略グループ |
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住所 | 〒054-8660 北海道勇払郡むかわ町美幸2丁目88番地 |
電話 | 0145-42-2416 |
公式サイト | むかわ町 |