静岡県森町への移住情報・森の中の暮らしを楽しむならここ!

この記事では、移住に興味を持っている人に向けて静岡県周智郡にある森町(もりまち)での暮らし方や役立つ情報を紹介していきます。

地方に移住する際に求める希望や条件は人それぞれ。しかし、その多くに共通するのが「都会では気軽に経験できないような自然を身近に感じたい」というものではないでしょうか。

静岡県西部の中山間地にある森町では、名前のとおり緑あふれる環境が訪れる人々を出迎えます。実際に移住された方の感想でも、茶畑と山並みのコントラストや天然のプラネタリウムのような星空の美しさに魅了されたという声が多く聞かれます。

そんな森町について、実際に生活していく上でどうかという視点も取り入れながら、森町役場・定住推進課移住交流係の榊原さんにお話を伺いましたので、ぜひ参考にしてください!

お話をしてくれた森町定住推進課移住交流係の榊原さん

森町の特徴・豊かな自然と伝統が残る街。アクセス面も悪くない

静岡県森町の暮らしの特徴

森町の最大の特徴は、なんといっても身の回りに豊かな自然があることです。北・西・東の三方を囲む美しい山々や、街の中心を流れる太田川へと合流していく数々の清流は、まさに日本の原風景と言いたくなるような光景。環境を重視して移住を考えている方にはピッタリではないでしょうか。

また、森町は伝統が根付いている街でもあります。宿場町として栄えていたことから、街道沿いには格子戸の町家や土蔵が並び、由緒ある神社仏閣もあちらこちらにあります。「森のまつり」をはじめとしたお祭りや舞楽などの行事も頻繁に開催されるので、地域の方々とふれあう機会も多いかと思います。

交通網を見ると、森町には高速道路ICが2か所あり、東京・名古屋方面へのアクセスが比較的容易です。天竜浜名湖鉄道も通っており、自然に囲まれた環境でありながら閉じた印象はありません。近隣の新幹線が停車する掛川駅までは、車でも電車でも25分~30分程度で到着するので、一定の利便性は確保されています。

移住に関して、こんな考えを持っている方には森町がオススメです。

  • 自然が近い環境に住居を構え、できればアウトドアの趣味も楽しみたい。
  • お祭りやイベントなどに参加し、地域に溶けこんでいきたい。
  • 自家用車があり、普段の買い物などで運転することが苦にならない。

それでは、森町の特徴について詳しく見ていきましょう。

特徴1:すぐ自然にふれられる環境で、注目のアウトドア施設も

森町・大久保立体集落にある茶園の風景
▲茶畑が広がる山村地域。

森町に移住した際の大きなメリットは、常に自然とともにいられることです。周囲を見渡すと南アルプス赤石山系の南端にあたる山々が並び、美しい里山風景が広がっています。「空気がきれいなところに住みたい」「ごみごみした環境が苦手」という方は満足できる環境だと思います。

約2kmにわたって約1,000本のソメイヨシノが咲き誇る太田川桜堤や、小國神社の境内を流れる宮川沿いの紅葉など、四季に応じて変化していく景色も見ものです。ただ散歩するだけでも気持ちがよいですし、写真が趣味なら被写体に困ることはなさそうですね。

清流・太田川で水遊びを楽しむ子どもたち
▲街の中心を流れる太田川には、水遊びを楽しむ子どもたちもいっぱい

アウトドア好きの方にも喜ばれるロケーションなのが森町。町内には水遊びや釣り、キャンプができる場所が多数ありますし、初心者なら森町体験の里「アクティ森」に行けば、気軽にBBQやカヌーなどが楽しめます。

また、2021年7月にはグランピング施設「リバ・ウッド・リゾート」、2022年4月にはマウンテンバイクの専用フィールド「ミリオンペタルバイクパーク」がオープン。近年人気が高まっているアクティビティが体験できるということで、要注目の街でもあるんです!

特徴2:伝統的な文化が残る街。お祭りやイベントも多数開催

天宮神社で行われる十二段舞楽のようす
▲天宮(あめのみや)神社の十二段舞楽では、疫病退散の祈りを込め獅子が踊る

歴史や文化が色濃く残る土地であることも、森町の特徴です。大正時代に遠州(昔の静岡西部)を訪れた地理学者が、森町の美しい風景や街並みが醸し出す風情を京都になぞらえたことから、「遠州の小京都」との呼び名が現在でも浸透しています。

浪曲で知られる森の石松の墓がある「大洞院」や、1,400年の歴史を持ち荘厳な雰囲気の「小國神社」など寺社が町内に多く存在します。また、重要無形民俗文化財である森町三大舞楽など、伝統が今でも受け継がれています。

森のまつりの目玉である屋台曳き廻し
▲森のまつりの屋台曳き廻し。威勢よく体をぶつけ合う様子は迫力満点。

毎年11月に開催される森町最大の行事「森のまつり」では、14台の2輪屋台がひきまわされる迫力を味わえます。他にも小國神社の「桜まつり」、太田川河川敷の「納涼花火大会」、町民手作りの催し物「町並みと蔵展」など、イベントが盛りだくさん。

移住をした際には、人々が大事にしている歴史や文化を知り、自らも参加することで、知り合いを増やして地域に溶け込むことができるのではないでしょうか。

特徴3:お茶、とうもろこし、レタス、柿…名産品が豊富!

森町は比較的小さな街ではありますが、農産物や全国的に知られる特産物がたくさんあります。これらの農産物は寒暖差の大きな気候がもたらしています。

静岡県といえばお茶が有名。森町も同様で、「遠州森の茶」は川霧立ち込める山間部で栽培された緑茶本来の味が特徴。それにあわせる和菓子も、塩漬けにした紫蘇の葉であんこを包んだ「梅衣」など、バラエティに富んでいます。

名産品である遠州森の茶と和菓子
▲名産品「遠州森の茶」。地元の和菓子もおいしいものがたくさん

また、フルーツに匹敵する糖度を誇るとうもろこしや、寒さの中で甘みが増す冬期レタス、森町が原産である甘柿「次郎柿」など、挙げきれないほどの名産があるんです。

名産品で糖度が高いとうもろこし
▲全国にファンがいるとうもろこし。「甘々娘(かんかんむすめ)」「甘太郎(かんたろう)」の品種が有名

これだけの名産品があれば、移住した際も毎日の食卓が豊かになりますし、家族や友人・知人にお土産を送れば「こんなに美味しいものが味わえる街に住んでいるんだな」と知ってもらえるかもしれませんね。

特徴4:大都市圏、近隣都市へのスムーズなアクセス

町内にICが2つある新東名高速道路の風景
▲町内を通る新東名高速道路。

のどかな山村と豊かな自然が残り、昔ながらの伝統が息づく街…これまでの森町の特徴をご覧になって、どうしても人里離れた土地を想像される方もいらっしゃると思います。しかし、実はアクセス面でも優れているんです!

町内には新東名高速道路のICが「遠州森町スマートIC」「森掛川IC」と2つあり、東名高速の「袋井IC」もすぐ近くにあります。高速道路なら東京まで約2時間40分、名古屋までは約1時間30分と、たまに通うなら決して遠くはないため、リモートワークや2拠点生活を考えてみてもよいかもしれません。

また、東西に天竜浜名湖鉄道が通っており、新幹線が停車する掛川駅までは25分程度で到着します。買い物など日常の移動を考えると自家用車は必須ですが、車が使えないケースなどを考えると移動手段が確保されているのはありがたいですね。

▼森町の移住情報サイト
森町移住定住促進サイト TENCOMORI

森町の暮らしデータ

森町に移住を検討される際、お役立ていただけるデータをご紹介します。

気候 年の平均気温は16.3度と東京とほぼ変わらず、山間部に位置するわりには温暖な気候。
※気象庁ウェブサイトより、最も近い観測地点である天竜のデータ(2021年)を参照。
人口 約17,300人(約6,695世帯)(2023年10月1日現在)
人口は減少傾向にある。20代が特に少なく、40代後半から70代前半が多い。
病院 総合病院である公立森町病院のほか、診療所が7か所、歯科医院が6か所。
学校 小学校3校、中学校2校、高校1校。
買い物 鉄道や高速道路が通る街の中心部に、コンビニやスーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンターなどがある。
娯楽 コンサートなどがおこなわれる森町文化会館「ミキホール」、大浴場やサウナが楽しめる「望月プラザ(もりの湯)」、スポーツやアウトドア体験が可能な「アクティ森」に加え、近年オープンしたグランピング施設・MTBパークも。
交通 新東名高速道路IC(2か所)、天竜浜名湖鉄道(5駅)。新幹線が停車する掛川駅には鉄道・車で25分~30分。町内には森町営バス、民間の秋葉バスが走っているが、本数は多くない。
近隣都市 掛川市・浜松市・袋井市・磐田市・島田市と隣接。

森町は規模としては大きくない街ですが、小中高と学校はそろっており、病気などの際は総合病院である公立森町病院にかかることができます。

中心部にスーパーマーケットなどは数件あるものの、商業施設は全体的に少なめ。生活必需品以外の買い物は、車で掛川市など隣の街に出る必要があります。

また、20代~30代の人口は少なめなので、町内で同年代の人々と出会う機会はそれほどないかもしれません。これから婚活を考えている方などは、頭に入れておいたほうがよいでしょう。

【仕事】隣接する街を含めれば求人は充分。自分らしい働き方の検討も

森町に移住した場合、どんな仕事や働き方があるのかをご紹介します。

森町の求人状況

大手の求人情報サイトで検索したところ、町内の正社員の募集は約400件。東海地方の大企業であるトヨタ自動車やヤマハ発動機のグループ会社があるためか、製造業の作業員や軽作業などの求人が比較的多いです。

しかしながら、町内に絞ると充分な件数ではないというのが正直なところ。車でも電車でも25分~30分の掛川市に範囲を広げると、正社員の募集がプラス3,000件と一気に選択肢が増えます。同様に隣接する磐田市や袋井市もあわせて仕事を探せば、希望する職種で働くチャンスは充分にあるかと思います。
※2023年10月現在、縁結び大学独自調べ

地域に密着した採用情報を掲載しているウェブサイトもあるので、あわせて活用してみてください。

→「森町企業立地・雇用促進特設サイト」の「森町企業紹介」に採用情報あり

→「しずおか就職net」でも各地域を絞り込んで求人検索可

先輩移住者の働き方は?

森町に移住した皆さんを見てみると、農業を新たに始めたり、狩猟とデザインの仕事を両立させたりと、森町の環境を活かして働く方もいらっしゃいます。

ケースバイケースではありますが、在宅でできる仕事を続けながら、新たに農業などに挑戦するのもよいかもしれません。就農を支援する制度もありますので、気になる方は一度相談してみましょう。

→がんばる新農業人支援事業(公益社団法人静岡県農業振興公社)

→静岡で農業人になる(公益社団法人静岡県農業振興公社)

【住まい】現地に行って情報を探すのが良い

ネット上で確認できる大手の賃貸情報サイトでは、森町で募集中の賃貸物件が約40件と、候補は限られている印象です。そのため、現地の不動産屋さんに足を運んで賃貸情報を探すことも検討してみてください。

もしくは、賃貸はあくまでお試し期間のみと割り切って、民間の新築・中古の一戸建てを探すのもよいでしょう。新築および築浅の4LDK~5LDKで2,000万円前後の物件もあり、同じ広さでも都心に比べると半額以下で手に入るケースもあります。
※2023年10月現在、縁結び大学独自調べ

森町では空き家バンクの情報も公開しています。現在のところ候補はあまりないようですが、頻繁にチェックして問い合わせすれば情報が出てくるかも。古民家を手に入れ、リフォームしている移住者もいらっしゃいます。

→森町空き家・空き地バンク

【子育て】保育所や補助制度に特色あり

森町の保育所で遊んでいる子どもたち

森町は子育てに力を入れている自治体でもあります。自然の中でのびのびと育てられる環境や、充実した施設・支援制度がそろっているほか、移住者からは「地域のみんなが子どもを温かく見守ってくれる」という声も届いています。

もりの保育所

町役場の近くにある小規模保育所「もりの保育所」では、0歳から3歳未満のお子さんを預かっています。食育に力を入れており、1日2回のおやつと昼食は、なんとすべて調理師の手作り。子どもたちからも大好評です!

補助制度

条件はありますが、子育てに関連して以下の支援が受けられるので、お子さんをお持ちの方や出産を予定している方は見落とさないように。

<森っ子出産祝い金>
次の時代を担う子どもの誕生を祝い、第1子に8万円、第2子に10万円、第三子に15万円の出産祝い金が交付されます。

<森町こども医療費助成>
保険診療分の医療費の助成が受けられます。18歳までの子どもは入院が無料で、通院は1回500円の自己負担のみです(月5回目以降は無料)。また、乳幼児は通院も無料となります。
※18歳になった日以降の最初の3月31日まで。食事療養費や個室料等は対象外。

森町に移住した人の体験談・感想

静岡県森町への移住者の声

ここまでご覧になってわかるように、自然に囲まれた生活ができるのが魅力的な森町。では、移住された方々は新しい毎日の暮らしについてどう思っていらっしゃるのでしょうか。

「こういうところが最高!」「ここは大変だったな…」という先輩移住者の実際の声をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

森町での生活でオススメできるポイント

森町に移住された方は、こんなところに満足されているようです。

やっぱり自然環境がすばらしい!

森町・山村地区の風景

やはりといえばやはりですが、満点の星空や一面に広がる茶畑など、森町の風景に魅了されたという声が多く聞かれます。特に都市部に長く住まれた方は、旅行でしか堪能できないような、自然が多い環境で暮らせるということに喜んでいるようです。

周囲がひらけており、隣家との距離があるせいか人の声や車の騒音で悩まされることもないのもうれしいポイント。中には「人や車はめったに通らないけど鹿が通るのは見た」というケースも…。

安心して子育てができる

森町は前述のとおり、育児・教育面に力を入れている街です。移住者の中には、子どもを育てる環境を最優先に考えて移住された方もいらっしゃるほど。

子育て家庭の方の感想では、少人数ならではの子どもの自主性を育む教育がよかったという声や、地域の皆さんが子どもを気にかけてくれているので安心していられるという声が多く聞かれました。

買い物もそこまで不便じゃない

「自然が多い環境=都市部とは違い買い物などの利便性が損なわれる」というのが、多くの方に共通する考え方ではないでしょうか。ただ、実際に住んでみると、森町はそこまで不便でもなかったという意見が多いです。

鉄道駅周辺の中心部に行けばスーパーやホームセンターなどがそろっていて日常生活に支障がない、今ではネット通販が当たり前なのでデメリットはそれほどでもないという声がほとんどでした。

大半の地方都市は車社会なので、移住後は買い物などで車を活用することは想定しており、森町だけがその点で劣るわけではないようですね。

森町への移住前に注意すべきポイント

逆に、こんなところには苦労したという感想もありました。

住居探しは早めに行動するのがコツ

賃貸物件が少ない森町。移住体験ツアーに参加したりゲストハウスに泊まったりして街を見て歩き、「移住するぞ!」という思いが強くなっても、住む家が見つからないという意見が聞かれました。

物件を複数の候補から選べるという例はほとんどなく、知人の紹介で探すケースや、たまたま出会った家に一目惚れしたなど、普通の物件探しとは少し違うケースが多いようです。

移住を検討されるのであれば、希望条件を洗い出して早いタイミングで動き、不動産業者や自治体の担当者に相談することをお勧めします。

自然が豊からだからこそ、動物や虫が苦手な人は注意

森の近く、自然に近い環境で暮らすということで覚悟されている方も多いかと思いますが、どうしても人間以外の生き物と無縁ではいられません。移住者の感想では、シカ・イノシシ・ヘビといった野生動物に遭遇した、触らないほうがよい危険な虫も出てくるという声がありました。

ただ、そういった経験を積めること自体が田舎暮らしの魅力だという意見も。どうしても生き物が苦手な方以外は、自然に慣れていくことを楽しみにするのがよいかもしれません。

森町への移住ステップ

森町を移住候補として本格的に考えたい方に、自治体への相談方法、実際に現地を見学するにはどうするか、また補助制度などをご紹介いたします。

オンライン移住相談

森町では、直接現地に向かうことは難しくても、ビデオ通話を通じて情報収集や相談ができるサービスを提供しています。相談時間は9時から17時まで(最終受付は16時)、1回40分程度。Zoomが使用できる環境があれば、通信料を除きお金はかかりません。

申し込みは、希望日の3営業日前までに申込みフォームから予約するだけ。ぜひ気軽に相談してみましょう!

→移住相談ページはこちらから

ゲストハウスに宿泊して町内見学

森町にある宿泊施設ゲストハウス森と町

森町の旧市街地にある「ゲストハウス森と町」は、観光客だけでなく移住検討者もこれまでたくさん宿泊されている施設です。4人部屋・ダブルルーム・ドミトリー(相部屋)と部屋のタイプが分かれており、お一人でもご家族でも快適に利用できます。

森町がどんな街なのか、いろいろな情報を仕入れた後は、やっぱり自分の目で見ることが重要です。「森と町」を経営されている岩瀬さんも元々は移住者で、森町移住コーディネーターでもあるので、不安なことなどいろいろと相談してみることをオススメします。

また、移住体験として棚田の稲刈りや田植えができるツアーが開かれることもあるほか、空き家改修のワークショップも定期的に開催されています。森町への移住を検討する際には、タイミングをあわせて訪れてみてはいかがでしょう。

→「ゲストハウス森と町」のウェブサイトはこちら

住もうよ森町新婚さん応援金

「住もうよ森町新婚さん応援金」は、新婚世帯に対して、新しい生活を始める費用を支援する制度です。新婚1年以内であること、夫婦のいずれかが39歳以下であること、森町に1年以上居住していることなど条件がありますが、住居や車の取得、生活備品の購入にかかるお金など上限30万円の補助が受けられます。

→詳しい条件などはこちらから

森町への移住に関するお問い合わせ

静岡県森町の移住担当者

その他わからないことについて尋ねる際は、森町の移住担当課窓口までどうぞ。公式サイトからメールフォームで問い合わせることも可能です。

担当課 森町 定住推進課
住所 〒437-0293
静岡県周智郡森町森2101-1
電話番号 0538-85-6321
対応時間 月曜日から金曜日
8時30分から17時15分まで
(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
公式サイト 森町移住定住促進サイト TENCOMORI