宮崎県美郷町へ移住したら…失敗しないための暮らし・仕事・住居・支援情報

この記事では、地方移住を検討している方に向けて、宮崎県東臼杵郡美郷町(みさとちょう)で暮らす魅力を紹介します。

美郷町は、2019年から2021年にかけて、移住担当者を通した移住者の数が約4倍も増えており、地方移住を検討している人にとっては注目の移住先です。

注目してほしいのは、美郷町の空き家バンク。移住相談の9割が空き家バンクの問い合わせから始まるほど大人気なんです。なんと常時200人から300人がホームページをチェックしている状況だそう。

もちろん美郷町は、空き家バンクだけでなく、自然の恵みやおいしい食べ物、移住者の受け入れ体制も充実しています。

この記事では、美郷町役場の政策推進室で働く菊地さん、川西さんにお話を伺いながら、宮崎県美郷町の特徴や暮らしの情報を解説していきます。

美郷町役場の政策推進室で働く菊池さんと川西さん

美郷町の魅力は?4つの特徴を解説!

宮崎県美郷町:暮らしの特徴

美郷町は、移住相談の数が急増中のまちです。2019年は相談数が75件でしたが、2021年には172件にもなり、たった数年で約100件も移住相談が増えています。

町の空き家バンクが人気を集めているのが一番の理由ですが、自然が豊かでのびのびと暮らしやすく、町全体で移住者の受け入れ体制を整えてくれているのも人気の秘訣かもしれません。さらに、おいしい食べ物もたくさんあり、移住すれば生活の質も高まります。

そんな美郷町への移住がおすすめな人は、次のような方です。

  • 魅力的な空き家を探している人
  • 自然の恵みを味わいたい人
  • 地元の方と仲良くなりたい人
  • グルメな人

それでは、なぜこのような方におすすめなのか、その理由となる特徴を解説していきます。

特徴1:空き家バンクが人気!魅力的な住環境

美郷町の空き家

美郷町の空き家バンクは大人気です。年間で20件ほどの物件登録がありますが、マッチングが成立するのは約30件と、年間物件登録数以上に空き家利用希望者が多い状態です。空き家情報が公開されるとすぐに利用者が決まってしまうこともあるそう。

美郷町の空き家バンクのサイトには、物件の内観と外観の様子がわかるような写真が何枚も掲載されています。いろりやカマドのような「穏やかな田舎の暮らし」を想像できる写真を見ていると、思わず「美郷町で暮らしてみたい!」という気分になりますよ。

美郷町の空き家バンクに掲載される物件の一例
▲美郷町の空き家バンクに掲載される物件の一例

固定資産税についてやペット飼育の可否など、移住者が「知りたい」と思う情報が端的にまとめられているのが助かるポイント。宮崎県の山側エリアの中でも、美郷町の空き家バンクは掲載物件数が多いので、選択肢が豊富である点もメリットですね。

また、修繕が必要な箇所をあらかじめ記載してくれてあるので、修繕費がどのくらいになるか目安もつけやすいです。美郷町には空き家の住環境を整えるための補助金制度もありますので、ご紹介します。

▼空き家の住環境を整えるための補助制度

対象経費 補助金額
空家対策支援事業補助金 空家のリフォーム工事費用 補助率2分の1
(上限50万円)
空家利活用推進事業補助金 家財などの撤去費用
空き家の清掃に係る費用
補助率10分の9
(上限10万円)

※詳細は必ずご確認ください。

>>空き家の補助制度の詳細はこちら

リフォームには最大で50万円も補助があり、家財撤去や清掃は10分の9を補助金でまかなえるので、金銭的な負担は大幅に軽減されます

このように、美郷町の空き家バンクを活用すれば、あなたが「暮らしてみたい!」と思える物件が見つかるかもしれません。人気が高くて魅力的な物件に住めるのに加え、補助金も活用できるので、美郷町の空き家バンクをのぞいてみてはいかがでしょうか。

新たな空き家の登録情報を待っている人も多く競争率が高いので、美郷町の空き家情報に興味があれば、常にホームページをチェックしておきましょう。FacebookやInstagramなどのSNSでも空き家情報を発信しているので、フォローしておけば空き家情報が手に入りやすいです。

>>美郷町の空き家情報はこちら

>>美郷町の公式SNSの詳細はこちら

特徴2:絶景や自然の恵みを日々味わえる!

美郷町の石峠レイクランド

美郷町では、景色の美しさや自然の恵みをたっぷりと堪能できます。

美郷町は、星空がきれいに見えやすいのが魅力です。理由のひとつは、平地が広がって空を遮るものが少ないため。なんとオリオン座が見つけにくいほど、星が夜空いっぱいに輝きます

絶好の星空観測スポットとして、中小屋天文台「昴ドーム」があります。全国星空継続観察において「夜空の暗さ部門」で日本一になった実績を持っている施設です。付近にはキャンプ場もあるので、キャンプをしながら天体観測を楽しんでみてもいいですね。

絶好の星空観測スポットである中小屋天文台「昴ドーム」
▲昴ドームから眺める満天の星。昴ドームでは大望遠鏡で宇宙を見渡せる

美郷町では、満天の星だけでなく雲海も見られます。特に「恋人の丘」は雲海の名所として知られており、気象条件がそろえば雲海を写真におさめることも可能です。雲が一面に広がる景色は、非常に神秘的で深い感動を味わえます。

大内原ダム湖では、周囲の山々を眺めながらウェイクボードを楽しめます。ウェイクボードのプロもおり、九州大会が開かれる場所でもあるので、ウェイクボードが好きな人にはぴったりな移住先ですね。

近くには総合レジャー施設である「石峠レイクランド」もあります。遊具や宿泊施設も充実しているため、家族で石峠レイクランドに訪れるのもおすすめです。

さらに町内には温泉が2つあり、「美肌の湯」や「美人の湯」として知られています。町外からも観光客が訪れるほど人気の温泉なので、極上の癒しを感じられることでしょう。疲れを感じたら、気軽に温泉に行けるのはうれしいですよね。

このように美郷町は、自然の恵みを味わいながら豊かな時を感じられるまちです。

特徴3:町・地区をあげての移住者の受け入れ体制がすごい!

美郷町では、住民の定住促進のために「ちくせん」という事業を実施しています。

ちくせんとは、「住んでいる人がいかに幸せに暮らせるか」を念頭に置き、24地区が主体となって定住促進のための政策立案から実施までを行なう取り組みです。そして町はそんな地区の政策を支援します。

地区によって取り組み方はさまざまですが、具体的に、ちくせんの一例をご紹介しますね。入下区では地区のInstagramを開設し、ゴミステーションやバス停、自治会、新聞情報など、入下区での暮らしに役立つ情報を発信しています。

また、ちくせんは、事業計画を作成する過程で、中学生以上の住民全員を対象にアンケートを行なっています。そのため地区の方は定住促進への関心が高く、「移住者にどうやって地域になじんでもらうか」について住民が考えてくれる、移住者にとって居心地のよい環境だといえそうです。

時には、空き家物件の交渉時に、地区の方とお話しする機会を設けてもらえることもあります。

入りやすいと感じるコミュニティなら、人脈はどんどん広がっていくもの。「地元の人と上手くやっていけるかな?」と不安を感じる人もいるかもしれませんが、美郷町は移住者を町中で歓迎してくれ、人とのつながりを作りやすいまちといえます。

特徴4:おいしい食材多数!「食」の喜びを満喫できる

美郷町にはおいしい食べ物が豊富にあり、食べることに幸せを感じる機会が多いです。

まずご紹介したいのは、最高評価の「特A」を3年連続で獲得している「みさと米」。質の高い水や土によって育まれたお米は、まさに絶品です。おいしいお米を地産地消で購入できるので、毎日の食事における満足度も一気に高まりますね。

ちなみにふるさと納税でも入手できるため、美郷町への移住を考えている方は一度味わってみてはいかがでしょうか。節税対策にもなり、一石二鳥です。

また、美郷町は備長炭のシェアが県内トップです。備長炭はあらゆる食材をおいしくすると言われていて、地元の方はバーベキューなどでも日常的に利用しています。安く購入できるのに加え、なかなか火が消えない点がうれしいポイントです。

地元の方からシカ肉などのジビエをいただく機会もあるので、備長炭を使用して焼けば、おいしさをさらに引き出せることでしょう。

そして美郷町は栗の生産量が県内で一番多く、栗を使用したスイーツや料理を存分に味わえます。生産から加工、商品化まで行う6次産業化も進められており、2021年にオープンした栗の菓子店は並んでいる人がいるほど人気です。

その他にも、鮎やうなぎ、すっぽんやモクズガニがとれます。特に上海ガニの親戚であるモクズガニは、茹でたり味噌汁にしたりすると驚くほどおいしいですよ。

このように美郷町にはおいしい食べ物がふんだんにあるので、生活の質をアップさせたいと考える方におすすめです。

宮崎県美郷町の暮らし情報

美郷町の特徴を知っていただいたところで、次に美郷町への移住に役立つ生活情報を紹介していきます。まずは以下の概要をご覧ください。

気候 温帯夏雨気候。降水量の多い宮崎県内でも特に雨が多く、年間降水量が4,000mmを超えることもある。
人口 4,527人(令和4年10月末日時点)
病院 美郷町国民健康保険南郷診療所、美郷町国民健康保険西郷病院、美郷町立北郷診療所、美郷町立南郷歯科診療所、美郷町立北郷歯科診療所、美郷町立西郷歯科診療所
幼稚園 北郷幼稚園、南郷幼稚園、西郷幼稚園
学校 ・小学校:南郷小学校
・中学校:南郷中学校
・義務教育学校:美郷北義務教育学校、西郷義務教育学校
※旧北郷区、旧南郷区では幼小中一貫教育を実施
お祭り 御田祭、宇納間地蔵尊大祭、師走祭り
食べ物 栗、ゆず、きんかん、梅、みさと米、梨、緑茶、ほおずき、ミニトマト、干し椎茸、鮎、うなぎ、すっぽん、モクズガニ
交通 【鉄道】
町内に鉄道路線はない
最寄り駅:JR九州日豊本線「日向市」駅
【バス】
宮崎交通
北郷・西郷ふくしコミュニティバス
【高速道路】
町内に高速道路なし
最寄りIC:東九州自動車道「日向」IC
近隣都市 延岡市、日向市、西都市、東臼杵郡門川町、諸塚村、椎葉村、児湯郡木城町、西臼杵郡日之影町
アクセス ・宮崎空港:約2時間(高速道路使用)
・日向市:約40分(車)
・延岡市:約1時間(車)
・大分市:約2時間30分(車)

このように見ると、公共交通機関での移動手段が限られているので、暮らしていくためには車が必須であることがわかります。

移住前に居住環境の確認を必ず行いましょう。確認には空き家バンクの情報が役立ちます。土砂災害警戒区域や最寄り病院までの距離も掲載されています

また、美郷町の三大祭りである御田祭や宇納間地蔵尊大祭、師走祭りは、古代からの伝統にふれられる絶好のチャンスです。美郷町への移住を考えている方は、祭りなどのイベントに参加し、町の雰囲気を感じてみるのもおすすめです。

御田祭の早乙女
▲御田祭の早乙女

師走祭りの迎え火
▲師走祭りの迎え火

仕事:町外に就職したり起業したりする人が多い

ハローワークインターネットサービスで町の求人を探したところ約30件がヒットしました。

(※2022年11月時点、縁結び大学調べ)

求人の選択肢は少なめですが、探せば見つからないことはありません。

美郷町役場の菊地さん、川西さんによると、美郷町の人は日向市や延岡市に通勤する人が多いんだそう。通勤時間が多少長くなりますが、日向市や延岡市も通勤圏内として求人を探してみてもいいかもしれません。

また起業されている人も多く、服を作ってインターネット販売している人や飲食店を営む人もいるんだとか。インターネット環境が整っているので、テレワークも問題なくできます

住まい:空き家バンクを利用すれば格安で住まいを探せる

先ほどご紹介した美郷町の空き家バンクにおける物件情報をさらに詳しく解説していきます。

▼美郷町における空き家バンク掲載情報の概要

件数 価格帯
賃貸 3件 3,000円~1万5,000円
売買 8件 5万円~400万円

(※2022年11月時点、縁結び大学調べ)

空き家バンク掲載物件は人気が高く、すぐにマッチングが成立してしまうため、掲載件数は10件ほどです。かなりリーズナブルな価格で物件を借りたり購入したりできることがわかりますね。5万円で空き家を購入できるのは驚きです。

大正時代や明治時代に建設された物件も見つかり、レトロな雰囲気を感じたい人にもおすすめです。畑つきの物件もあるので、農業にチャレンジしてみたい人にもぴったりです。

>>空き家バンクの物件情報はこちら

子育て:きめ細やかな教育が受けられ、子育て支援も◎

美郷町は待機児童がゼロで、子どもの預け先に困る心配はほとんどありません。

教育機関としては幼小中一貫校が3校あり、生徒数が少ないからこそ実現する、きめ細やかな教育を受けられます。1人1台タブレットが配布されるので、在宅でも授業を受けられるそう。「子どもには丁寧な教育を受けてもらいたい」と感じているのであれば、最適な子育て環境かもしれませんよ。

さらに、美郷町では以下のような子育て支援を行なっています。

  • 未就学児から中学3年生までの子どもの入院時や外来、調剤の医療費は無料
  • 出産奨励金が受け取れる(第1子と第2子…1人につき3万円、第3子以降…1人につき10万円)

このような子育て支援に加え、気配りが行き届いた教育が受けられるので、子育てがしやすい環境を重視する方にもおすすめです。

美郷町へ移住した人の声:自然の恵みがたくさん!

宮崎県美郷町:移住者の声

ここで美郷町へ実際に移住した人の声を紹介していきます。

  • 日向・延岡へのアクセスもよい
  • 地元の方は移住者に慣れていて、見守ってくれる雰囲気がある
  • 山菜がとれて自然の恵みがたくさんある
  • 近くの商店やインターネットで買い物している。時にはまとめ買いも活用している
  • 山道の運転に慣れないうちは大変
  • 畑も家も安く購入できた

美郷町役場の川西さんによると、移住者は40代前後の人が多いんだそう。特に「自然豊かな場所で子育てしたい」という方が美郷町へ移住してくるそうです。移住者からも「自然の恵みがたくさんある」という声があがっており、自然に触れながら子どもがのびのびと成長できる環境ですね。

ちなみに、移住者の元居住地は宮崎県内外で半々だそうです。東京や大阪、高知、そして海外からも移住してくる人がいるそうです。

美郷町へ移住するための3ステップ

最後に、美郷町へ移住するための方法をステップ形式で紹介していきます。

ステップ1:まずはオーダーメイドツアーに参加しよう

美郷町への移住に興味があれば、オーダーメイドツアーに参加してみましょう。オーダーメイドツアーとは、担当者とマンツーマンで、移住者の希望に沿って美郷町内を巡るツアーです。

気になる空き家を見に行ったり、養蜂家の方にお話を伺ったりと、美郷町のリアルな情報にじっくりふれることが可能。ミスマッチを起こさないように、担当者の方は美郷町のいい面も悪い面も真摯に伝えてくれます

移住希望者に空き家を案内している様子
▲移住希望者に空き家を案内している様子

ちなみに、オーダーメイドツアーの様子はSNSでも公開しています。まずは美郷町のSNSから情報収集を始めてみてもいいですね。

>>美郷町公式SNSの詳細はこちら

ステップ2:お試し滞在施設に滞在して「暮らし」を体験してみよう

オーダーメイドツアーで「美郷町へ移住したい!」という気持ちが強くなったら、お試し滞在施設に滞在して、美郷町の暮らしを体験してみましょう。

美郷町には「黒木の郷」と「美郷と、」という2つのお試し滞在施設があります。移住希望者は、1泊1,000円で30泊以内の滞在が可能です。チェックイン・アウトが平日の人は黒木の郷に滞在し、チェックイン・アウトが休日・祝日に重なる人は「美郷と、」に滞在することになります。

お試し滞在施設の「黒木の郷」
▲お試し滞在施設「黒木の郷」の外観

お試し滞在施設の「美郷と、」
▲お試し滞在施設の「美郷と、」の外観

Wi-Fi完備なので、リモートワークをしながら移住体験ができます。本格的に移住を検討する際は、滞在しながら美郷町との相性を最終確認するのがおすすめです。担当の方が親身になって相談に乗ってくれるので、困ったことがあったら相談してみましょう。

>>お試し滞在施設の詳細はこちら

ステップ3:移住を決断したら支援金の活用を

移住を決断したら、金銭的な負担を減らすために支援金を活用するのがおすすめです。

例えば、対象地域から宮崎県内に移住し、就職したり起業したりする場合「宮崎県移住支援金制度」の対象になる可能性があります。助成額は以下の通りです。

▼移住支援金の助成額

2人以上の世帯 100万円
単身 30万円または60万円(移住前の対象地域による)

※条件などの詳細は必ずご確認ください。

さらに、子育て世帯の場合は加算措置もありますので、詳細条件を必ず確認してみてくださいね。

>>「宮崎県移住支援金制度」の詳細はこちら

美郷町への移住に関するお問い合わせ

移住担当者の方の写真

担当 政策推進室
住所 〒883-1101
宮崎県東臼杵郡美郷町西郷田代1番地
電話番号 0982-62-6203
FAX 0982-66-3137
公式サイト https://www.town.miyazaki-misato.lg.jp/kiji003419/index.html