【岐阜県美濃市に移住】「うだつの上がる町並み」と清流で川遊び!待機児童ゼロで子育て支援も充実
この記事では「美濃市に移住したい」「移住先の候補として気になっている」という方向けに情報をまとめています。
岐阜県美濃市の大きな魅力は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「うだつの上がる町並み」です。かつては和紙を中心とした商業で栄えた商家町で、裕福な商家でないと上げられなかった「うだつ」の上がる家が今も残り当時の繁栄ぶりを物語っています。
現在は国内外からの観光客や移住者などの交流が盛んな場所で、時には飲食店や宿泊施設の新規参入も活発な美濃の中心地です。
秋に開催される「美濃和紙あかりアート展」は観光客にも人気なイベントで、和紙で作られた作品が町中に展示され、歴史ある町並みがライトアップされます。
また、美濃市は森林が8割を占め、日本三大清流の長良川も流れる自然豊かな環境です。この大自然を活かした「カヌー」「釣り」などの遊びが楽しめます。
美濃市は子育てしやすい環境が整っている点も魅力です。市内の待機児童はゼロで、支援制度も充実しています。例えば、家賃や給食費の補助、子育てグッズの無料貸し出し(チャイルドシート、電動アシスト自転車)などがあります。移住前に保育園での生活を2週間ほど体験できる「保育園留学」も行われています。
今回は美濃市役所の担当者さんにお伺いした情報をもとに、まちの特徴や、暮らしに関わる仕事・住まい、市の補助制度など移住に関する情報を紹介していきます。
美濃市の特徴を3つ紹介
まずは美濃市の特徴を3つご紹介します。
- 江戸時代の建造物が軒を連ねるスポット「うだつの上がる町並み」
- 子どもから大人まで楽しめる豊かな自然を利用したアクティビティが多数
- 子育てしやすい環境!待機児童ゼロ&自然を題材にした教育も人気
どんな場所なのか、何があるのか、美濃市役所の担当者さんに伺った魅力をお伝えします。
特徴1:江戸時代から残る建物が軒を連ねる「うだつの上がる町並み」
▲「うだつの上がる町並み」で行われるあかりアートの展示
美濃の歴史を感じられるスポットと言えば「うだつの上がる町並み」。江戸時代〜明治時代にかけて造られた家が残り、まるで時代劇のセットのようです。
和紙を中心に栄えた町で、「うだつの上がらない」の語源にもなった「うだつ」がたくさん上がっていて、当時の建物や伝統行事が色濃く残っています。
- うだつ=家屋の屋根の両端に作られた防火壁のこと
- 火災が起きた時の防火壁としての役割をもつ
- 裕福な家しかうだつを作ることができなかったため、庶民の羨望から「うだつが上がらない」といった言葉ができたという一説がある
今はカフェや美濃和紙、和菓子などを扱っているお店もある居住区で、国内だけでなく海外からも多くの観光客が訪れる美濃の人気スポットです。
移住を機にお店を始めようと考えている方は、海外の方へ向けた飲食店やサービスを提供してみるのも面白そうですね。美濃市では創業支援を行っているため、企業や創業に興味がある方はこちらの市のHPをご覧ください。
美濃市HP「事業者支援」
秋(10月〜11月)に開催される「美濃和紙あかりアート展」は、和紙を通してでる温かみのある光と歴史ある町並みが織りなす幻想的な雰囲気が魅力のビッグイベントです。
秋の展示期間中に美濃へ訪れるのが難しい方は「美濃和紙あかりアート館」へ行ってみてください。年間を通じて「美濃和紙あかりアート展」の入賞作品を実際に見ることができます。
春には「美濃まつり」が行われます。
▲美濃まつりでの「花みこし」の様子
桜色の美濃和紙で作られた「花みこし」は、まるで満開の桜のような美しさで見る人を魅了します。全部で大小30基ほどの花みこしが、担ぎ手の威勢の良い声とともに市内を練り歩きます。
他にも歴史を感じられるスポットがあります。「大矢田神社(おやだじんじゃ)」もその一つです。
▲大矢田神社の紅葉
「大矢田神社」はうだつの上がる町並みから車で15分ほどの場所にあり、本殿・拝殿ともに重要文化財に指定されています。境内には約3000本のヤマモミジからなる原生林があり、夏は新緑、秋は紅葉と多くの観光客が訪れる人気スポットです。
歴史を感じられる建物、伝統的なお祭りが好きな方は、美濃での暮らしをより一層満喫できそうですね。
特徴2:鮎釣り、カヌー、SUP!豊かな自然を体感できるアクティビティが充実
▲長良川と美濃橋|夏にBBQやキャンプを楽しむ人々が訪れる
美濃市は森林が8割以上を占め、日本三大清流「長良川(ながらがわ)」、圧倒的な透明度を誇る「板取川(いたどりがわ)」が市内を流れます。この大自然を活かしたカヌーや、釣りといったアクティビティがあり、子どもから大人まで楽しめます。
- ラフティング
- カヌー・カヤック
- SUP(サップ)
- リバーダイビング
- ボルダリング
アクティビティだけでなく、まったりと自然を満喫することもできます。例えば、鮎釣りです。
▲釣りを楽しむ人々
美濃の綺麗な川で取れる鮎は「長良川鮎」や「美濃鮎」と呼ばれ、味も良いと評判です。
時間を忘れ、1人でまったりと釣り糸を垂らすのも良いですし、お子さんがいる方は一緒に親子の時間を楽しむこともできます。
特徴3:子育てしやすい環境!待機児童ゼロ&自然を題材にした教育も人気
美濃は子育てにも適した場所で、特に次の2つが魅力的です。
- 市内にある7つの保育園は待機児童ゼロ
- 首都圏では見られない、自然を活かした「木育」に力を入れている
昨今は待機児童に関する問題がニュースで取り上げられていますが、美濃市の待機児童はゼロ。夫婦で共働きをしている家庭も子育てしやすい環境です。
また、美濃市は木育の一環で1歳の誕生日に「木製のおもちゃ」「積み木」を配布しています。都市部だと自然と子どもが触れ合う機会は少なくなりがちですが、自然がすぐ側にある土地だからできる教育ですね。
美濃は共働きの方、お子さんを自然の中でのびのび育てたい方にぴったりな場所です。
美濃市の暮らしに関する情報
▲約1300年前に創建されたとされる「須原神社(すはらじんじゃ)」
美濃市は豊かな自然や、歴史的な建造物が身近にある環境。そんなまちでの暮らしに関わる情報を紹介します。
気候 | 8月平均気温:26.9℃ 1月平均気温:2.5 ℃ ※参考:気象庁 |
---|---|
人口 | 人口:約19,300人 世帯:約8,100戸 (令和5年4月現在) |
病院 | 病院・クリニック:11 歯科:9 |
学校 | 保育園・幼稚園:7園 小学校:5校 中学校:2校 高等学校:1校 |
交通 | 鉄道:長良川鉄道 路線バス:岐阜バス 市営タクシー:のり愛くん |
近隣都市 | 郡上市、関市 |
名物・特産 | 美濃和紙 仙寿菜 清流長良川の鮎 地酒 |
続いて、美濃市の情報を「気候」「買い物」「交通」の3つに分けてご紹介します。
■気候:夏は暑いけど、冬はあまり雪が降らず住みやすい
美濃市は夏の気温が40度近くまで上がる猛暑のエリアですが、ただ暑いだけではありません。長良川をはじめ、身近に川遊びができる場所があるため、大自然を感じつつ涼しさを味わえます。
冬は、場所にもよりますが、降雪はさほど多くないため、雪による交通の支障はあまりありません。
■買い物:車は必須!だけど市内のスーパーで買物は完結
美濃市での生活に車は必須ですが、暮らしに必要なものはすべて市内で揃います。
市内にはスーパーやホームセンターもあり、日々の買い物に毎回遠出する必要はありません。加えて、ネット通販も利用すれば、買い物で困る事はほとんどありません。
■交通:365日運行の交通機関!近くの停留所まで電話で呼べるタクシー「のり愛くん」
美濃市は市が運営する乗り合わせタクシー「のり愛くん」が利用できます。
対象者 | 市民・市民以外もOK |
---|---|
運行日 | 毎日運行(365日) |
運行時間 | 8:00〜18:00(最終降車時間) |
運行区域 | 市内全域(市内の各停留所に停車) |
料金 | 一般(大人):300円 小学生、中学生、高校生:100円 65歳以上:100円 障がい者とその介助者:100円 乳幼児(未就学児):無料 (※1乗車あたりの料金) |
利用方法 | 電話での事前予約 |
※詳細:「のり愛くん」に関する情報
「のり愛くん」はタクシーですが、自宅までの送迎ではなく、乗り降りする場所は停留所です。ただし、料金は通常のタクシー代よりも安く、時間も自分の都合に合わせて予約できるため、非常に利用しやすい交通手段です。
対象エリアは市内全域なので、移住直後でまだ土地勘のない場合でも、目的地まで行けるため非常に便利です。
【仕事】製造業の求人が多数!事務や配送の仕事もある
美濃市のお仕事情報をまとめました。
求人の特徴 | 工場地帯があり、製造業が大半 |
---|---|
正社員の求人数 (市内) |
約850件(2023年6月現在) |
正社員の求人数 (25km以内) |
約55,000件(2023年6月現在) |
※参考:正社員の求人情報の一例(美濃市内)
※参考:正社員求人情報の一例(美濃市から25km圏内)
市外で仕事をされる方もアクセスは良く、岐阜市が約30分、名古屋は車(高速)で1時間ほどで行けます。
美濃市の求人には製造業の他にも、「事務」「介護」「配送(ドライバー)」といった職業もありました。
【住まい】空き家に住むなら補助金制度が使える!賃貸情報も紹介
▲NPO法人「美濃のすまいづくり」の外観
美濃市の「賃貸物件」と「空き家」の情報をまとめました。
■賃貸情報
まず賃貸情報から、大手の住まい情報サイト美濃市の物件数を調べてみました。
美濃市内の物件数 |
100件(2023年6月現在) |
---|
参考:賃貸物件の一例
駅近&1LDKで家賃5万円の物件などもあり、都市部に比べて住居費はかなり抑えられそうです。
■空き家情報
美濃市の空き家は改修が必要な物件もありますが、市の補助金制度を利用できます。
美濃市の空き家・空き店舗の補助制度 | |
---|---|
美濃市らしい住まいづくり改修工事費補助金 | <補助金額> 改修費用の1/2以内で交付(上限200万円) |
<補助対象者> 美濃市の伝統的建築物と調和のとれた外観を有する木造の空き家の所有者(売買契約により新たに空き家の所有者となることが決定している者も含む)または所有者との5年以上の定期借家権契約により空き家を賃借することが決定している者で、市税等の滞納をしていない者 |
|
<補助対象事業(以下の要件を全て満たす者)> 1.建築基準法等の関係法令に適合する空き家改修であること。 2.空き家改修後、6ヶ月以内に子育て世帯*1または就業者*2が居住するものであること。 *1…子育て世帯(0才児〜中学生までの子どもを持つ市外在住の夫婦世帯) *2…就業者 市内企業等に就職した者で市内に転入する者(法人格を有する民間事業者で、市内に事業所を有するもの) |
|
美濃市中心市街地活性化空き店舗等改修事業補助 | <補助対象者> 美濃市中心市街地区内において、新たに空き店舗等を購入して事業を営もうとする個人または法人その他の団体 |
木造住宅耐震補強工事費補助事業 |
<補助金額> <対象となる住宅> |
※美濃市:空き家・空き店舗補助制度
空き家バンクの補助制度を活用し、美濃市に移住した方は令和4年度で15世帯30人。制度の対象者には評判が良いそうです。気になる方は市の窓口へ相談してみてください。
また、空き家に関する制度はありますが、美濃市では今のところ新築に対する支援は行われていません。
【子育て】自治体の子育て支援制度が充実!移住前に保育園留学もできる
美濃市の子育てに関する「支援制度」と「環境」を紹介します。
子育て関する支援制度 | |
---|---|
保育園留学 | 期間:2週間 内容:美濃市内の保育園に通う、親御さんは美濃市内でワーケーションを行う |
新婚世帯 家賃補助金交付制度 |
金額:月1万円 補助期間:24ヶ月まで 内容:家賃の補助 |
無料貸し出し | 内容:チャイルドシートや電動アシスト自転車などを借りられる |
※詳細:美濃市の子育て支援の情報
保育園留学を利用する方は、東京をはじめとする首都圏に住む人が多いとのことです。移住前に子どもがその環境で過ごす様子を見られるのは、親御さんにとっても良い機会ですね。
また、市の独自施策として給食費の補助があり、2人目が半額、3人目以降は全額免除。美濃市には多方面から子育てを支えてくれる制度があります。
続いて、子どもの遊び場(環境)を3つ紹介します。
子どもの遊び場 | |
---|---|
森林総合教育センター (morinos) |
子どもから大人を対象に森に関する体験ができる施設です。実際に森の中を散歩してみたり、物を手作りしたりと様々なプログラムが行われています。 |
小倉公園 | 猿のいるちょっとした動物園。公園、展望台があるので親子連れに人気の公園です。 |
美濃市運動公園 | 2023年に遊具をリニューアル。園内は芝生になっている場所が多く、小さなお子様も遊びやすい公園です。 |
美濃市は森林が8割以上を占めており、その自然を利用した教育プログラムを受けられるのが「森林総合教育センター(morinos)」です。中には親子で参加可能なものもあります。
「小倉公園」は春に多くの桜が咲き、親子でお花見が楽しめます。また、思いっきり遊びたい時は「美濃市運動公園」がおすすめ!すべり台や、ブランコをはじめ、色んな遊具を楽しめるスポットです。
美濃市に移住した人の声・感想
実際に美濃市へ移住された方のリアルな声を集めてみました。
- 美濃市を選んだ決め手は「自然の豊かさ」。自分の思い描く理想の暮らしができそうだと思った。
- 美濃は田舎の良さを感じられる一方で、それほど山奥でもないので交通面も不便さは感じません。
- 愛知、名古屋へアクセスがしやすい!中には仕事を変えず、リモートで働きながら田舎暮らしを満喫している方も多いです。
- 子連れだと、声をかけてくれる温かい方がたくさんいます!
- 買い物も行きやすく、思っていたより住みやすいです。4人の子どもがいるのですが、ご近所さんが手伝ってくれたりと、子育てがしやすい環境だと感じます。
移住された方の声は「自然の豊かさ」に関するものが目立つ一方で、「都市部へのアクセスが良い」「子育てしやすい」といった生活面で美濃の良さを感じられている方もいますね。
美濃は身近に自然がある心安らぐ環境と、現代の便利さの良いとこどりができる場所なので、「田舎過ぎず、都会過ぎない、ちょうど良いまちで暮らしたい」という方と相性が良さそうです。
美濃市長からのメッセージ
▲美濃市 武藤鉄弘市長
縁結び大学のサイトをご覧いただいたみなさまへ、岐阜県美濃市の魅力についてお伝えしたいと思います。
美濃市は、美しい山々や清らかな川が広がり、四季折々の景色が心を癒してくれる素晴らしい場所です。 加えて、1300年の伝統を誇る、ユネスコ無形文化遺産の「本美濃紙」、世界農業遺産「清流長良川の鮎」、世界かんがい施設遺産「曽代用水」という3つの世界遺産も魅力的です。
近年では、伝統的な建造物が数多く存在する「うだつの上がる町並み」にある空き家で、若い人々がお店を出したり、起業したりしています。 ぜひみなさんも挑戦してみませんか。
また、良縁に恵まれるとの言い伝えのある縁結び夫婦桧や子育て安産の霊石がある、市指定文化財の「洲原神社」をはじめ、多数のデートスポットも存在します。 自然の息吹と歴史の薫りが溢れるこの美濃市で、お二人の絆を深めませんか。
美濃市では、教育や医療施設等の充実により、市民の方々が安心して住みやすい環境づくりに取り組んでいます。 さらに、祭りなどを通じた地域コミュニティも盛んで、地元の人々との温かい交流があるまちでもあります。
また、自然や歴史・文化の魅力が数多くある一方で、東海北陸自動車道と東海環状自動車道の結節点である美濃インターが存在するため、都会にもアクセスがしやすいといった特長があります。
記事をご覧いただいた皆様には、たくさんの美濃市の魅力を体感していただき、ぜひ美濃市への移住をご検討いただきたいと思っております。
多くの皆様のご来訪・移住をお待ちしております。
美濃市へ移住するために利用したい窓口・支援
▲NPO法人「美濃のすまいづくり」の外観
実際に美濃市へ行かれる方は、イベントが行われる時期がおすすめです。
- 春:美濃まつり
- 夏:川遊び(カヌー、ラフティングなど)
- 秋:あかりアート展(和紙を使った明かりのお祭り)
また、お子さんがいる方は「保育園留学」も併せて検討してみてください。
私も美濃市に移住しましたが、近くの山々が目を癒してくれる自然豊かな環境でありつつも、徒歩圏内に食材や日用品を購入できる店舗が複数存在し、休みの日には食事やお茶をしに気軽にうだつの上がる町並みに出かけられる、このちょうどよいバランス感が気に入っています。
美濃市に移住を考えている方、興味を持たれている方、ぜひお気軽にお問合せください。
美濃市への移住に関するお問い合わせ
担当課 | NPO法人 美濃のすまいづくり (※NPO法人美濃のすまいづくりは美濃市の委託を受けて運営しています) |
---|---|
住所 | 〒501-3732 岐阜県美濃市広岡町2632-1 |
電話番号 | 0575-33-0760 |
対応時間 | 9:00〜15:00 (定休日:土・日・祝日) |
公式サイト | https://npomino.jp/ |