長野県南牧村へ移住したらどうなる?暮らしに役立つ仕事・住宅・支援の情報
この記事では、地方への移住を検討している人に向けて「長野県南牧村(みなみまきむら)」をご紹介します。
南牧村は、夏に暮らしやすい冷涼な気候が特徴で、高原野菜などが盛んに生産されています。小学校でも農業に親しむプログラムがあるなど、自然を身近に感じられる環境です。
また子育て支援では、交流や学びの場を頻繁に設けることで、子育て世帯が親しくなりやすい雰囲気があるほか、独自の経済的な支援も充実しています。
今回は南牧村で移住支援を担当する廣田さんにインタビューを行い、村の特徴や魅力、実際の生活の様子などについて伺いました。
南牧村の特徴3つ
南牧村の特徴としては、大きく次の3点が挙げられます。
一つひとつについて、詳しく見てみましょう。
特徴1:夏に暮らしやすい冷涼な気候
南牧村は標高1,000メートルから1,500メートルと高い位置にあり、年間の平均気温は6.9℃と冷涼です。夜には満天の星を見ることができます。
夏でも朝晩は肌寒いほどの温度となるため、夜にクーラーを使うことはほとんどなく、窓も閉めたままで十分だと言います。
また、日中は30℃を超えることもあるものの、湿度が低いため過ごしやすいそうです。
特に、夏には避暑地として多くの観光客で賑わい、高地トレーニングにも適していることからスポーツ合宿も盛んに行われています。
▲涼しい高原が広がっており、避暑地として人気がある
実際に、南牧村の夏の涼しさに魅力を感じて移住を考える人も少なくないのだと言います。
一方で冬の寒さは厳しく、マイナス20℃を下回る日もあると言います。ただし、積雪は少なく、雪かきは1シーズンに数回程度で済むと言います。
また南牧村では、こうした冷涼な気候を生かして、白菜やレタスといった高原野菜の生産が盛んです。
▲高原野菜の広大な畑が広がる
特徴2:自然や農業に親しめる独自の教育環境
南牧村では、高い標高を生かした特有の教育環境があります。
特に南牧南小学校は「日本一標高が高い小学校(1327.5メートル)」として知られています。学校の授業の中で生徒たちが野菜を育てて販売し、収益金を学校環境の整備などに使っていると言います。
高原野菜の産地であることから、40年以上も前に始まったプロジェクトで、いまではすっかり地域に定着しています。
子どもたちは豊かな自然にふれられる環境の中で、室内プールや広い校庭などを使いながら、のびのびと育っていくようです。
また、もう一方の南牧北小学校では、春の田植えから秋の収穫までを体験するなど、基幹産業である農業に親しめる環境があると言います。
さらに、学校の行事風景などを伝えるお便りが村民の皆さんに配られ、とても楽しみにされているなど、地域で子どもたちの成長を見守る雰囲気もあるようです。
なお、村内には高校がないため、電車で1時間ほどかけて佐久市へ通学するケースが多いと言います。南牧村の「高校生通学費補助事業」では、定期券代の全額を助成しています。
特徴3:子育て支援が充実!親同士の交流も活発
南牧村では子育て支援にも力を入れています。
助産師、保健師、管理栄養士、保育士などが中心となって、子育て世帯向けのさまざまな学び・交流の場を設けています。
毎週のように開催されているため、スタッフや他の保護者との関係性を築きやすく、育児の悩みや不安を解消する場として機能しているそうです。
▲子育てサロンで思いっきり遊ぶ子どもたち
また、1年分のスケジュールをまとめて組んでいるため、参加しやすいことも特徴です。詳細は南牧村の公式サイトからご確認ください。
公式:南牧村(子どもの広場)
また、経済的な支援としては、独自の出産祝金などが用意されています。第1子、2子については出生時に各10万円、第3子は出生時に50万円を支給されます。また、小学校入学・卒業、中学校卒業・高校卒業の節目の時期には、各10万円を支給するという手厚い対応になっています。
公式:南牧村(出産祝金について)
このような行政のサポートもあり、南牧村では若い親世代が助け合いながら子育てをする雰囲気があるようです。
南牧村の暮らしに関する情報
それでは次に、南牧村の暮らしに関する各種データを見てみましょう。
気候 | 1月:平均気温-5.3℃ 8月:平均気温19.5℃ ※参考:気象庁(野辺山) |
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人口 | 3,058人 (2023年12月1日時点) |
病院 | 診療所:4、歯科:1 |
学校 | 小学校:2、中学校:1 |
交通 | 【鉄道】 JR小海線:野辺山駅、佐久広瀬駅、佐久海ノ口駅、海尻駅 |
近隣都市 | 茅野市、小海町、川上村、南相木村、山梨県北杜市 |
南牧村にはコンビニやホームセンターなどがあるので、日常生活で必要なものは基本的に手に入れることができます。
また、大きいスーパーやドラッグストアを利用したい場合は、車で30分ほどかけて隣接する小海町に行くことが多いようです。救急搬送されるような大きな病院もあります。
ただし、出産可能な病院は少し離れており、車で1時間ほどかかると言います。
なお、公共交通機関は基本的に鉄道のみなので、生活には車がほぼ必須の環境だと言えそうです。
仕事:農業に携わる移住者が多い。通信環境も整備
大手求人サイトで南牧村の正社員求人を検索したところ、約40件の求人情報が見つかりました。また、車で約30分の通勤圏(25キロ圏内)まで広げると、約1,600件の求人情報がありました(2024年1月時点)。
※参考:求人情報の一例(南牧村のみ)
※参考:求人情報の一例(南牧村から25キロ圏内)
移住者は農業生産法人や農協など、農業に関わるケースが多いと言います。また、役場への就職も選択肢に入るでしょう。
このほか、南牧村には光回線が通っているため、リモートワークも可能なエリアだと言えます。
住まい:限られた物件数。移住体験施設もあり
▲南牧村の村営住宅
大手の住宅情報サイトでは、南牧村の賃貸物件を見つけることができませんでした(2024年1月時点)。
廣田さんによると、南牧村では賃貸物件が不足しており、移住者を受け入れるうえでの課題の一つとなっているそうです。
一方で、村営住宅には常時数戸の空きがあることから、こうした物件を案内することもあると言います。
また、南牧村では移住定住促進施設「地域振興住宅」を整備し、移住希望者に生活体験の機会を提供しています。
家族5人程度まで泊まれる施設を、1泊から6泊まで無料で利用することができるので、移住の下見をする場合にはぜひ活用しましょう。
公式:南牧村(移住体験施設のご利用案内)
南牧村への移住に関するお問い合わせ
南牧村への移住については、下記の担当課までお問い合わせください。
担当課 | 総務課 移住定住担当 |
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住所 | 〒384-1302 長野県南佐久郡南牧村大字海ノ口1051番地 |
電話番号 | 0267-96-2211(代表) |
公式サイト | https://www.minamimakimura.jp/ |