【千葉県南房総市への移住】暮らし・仕事・住まいについて徹底解説
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「千葉県南房総市」をご紹介します。
千葉県の最南端に位置する南房総市は、教育の充実ぶりが大きな特徴のまちです。特に、地元の食材をふんだんに使った「日本一おいしいご飯給食」や、0~15歳の一貫教育には、子育て世帯の方から注目が集まっています。
また自然が豊かで各種アクティビティを楽しむことができる一方、東京方面へのアクセスも良いため、「南房総市に暮らしの拠点を置きつつ都心で働く」というライフスタイルも実現しやすくなります。
そんな南房総市について、暮らしの魅力や、仕事・住まい探しについてなど、移住に欠かせない情報をたっぷりとお届けしていきます。
南房総市の暮らしの特徴3つ
地方に移住したいとお考えの方の中でも、特に次のような方には南房総市がおすすめです。
- 子どもの教育については、食育や、豊かな人間性を育むことを重視したい
- 子どもがのびのびと学び、過ごせるよう、一貫教育校を検討している
- 豊かな自然や、花のある風景に心が惹かれる
- 現在東京周辺で仕事をしていて、移住はしたいけれどなるべく転職はしたくない
ここでは、そのような方に南房総市が向いている理由が分かる、暮らしの特徴を3つご紹介します。
特徴1:「日本一おいしいご飯給食」のまち。特色豊かな教育環境
南房総市の特徴について、第一にご紹介したいのは「教育環境」。その中でも最大の魅力は「学校給食」です。
南房総市では、学校給食を、学力向上と並ぶ教育の柱と位置づけ、2011年から「日本一おいしいご飯給食」を目指す取り組みを開始しました。2022年時点では、100%南房総市産のちばエコ農産物認証米を主食(週5日の完全米飯給食)とした給食を提供しています。
メニューは出汁を重視した和食が中心で、クジラ竜田揚げ、お花(きんせんか)ソース、ひじきのサラダなど、地元産の食材を使ったものが多く並びます。
給食には「食によって、ふるさとへの強い思いが育まれることで、子どもが大人になった時どこへ行っても頑張れるように」という願いが込められており、その取り組みと自慢のレシピは、書籍化もされています。
▲子どもの健やかな成長を願う熱い思いが込められたレシピ本。成人式の日には、南房総市で育った子どもたちに贈呈される
栄養たっぷりの献立は、「日ごろから子どもの食べ物にはこだわっている」という方にも、「もっと気を配りたいけれど、なかなか思うようにいかない」という方にも嬉しいところです。
なにかと忙しいお母さんやお父さんにとって、大切な子どものためとはいえ、毎日栄養バランス満点の食事を用意するのは簡単ではありませんよね。そんな時「学校給食がしっかりとした内容だから、朝晩に少し手を抜くことがあっても大丈夫」と思えることで、ずいぶんと気が楽になるのではないでしょうか。
また、幼少期から中学校卒業まで一貫した教育が受けられる「0~15歳 保幼小中一貫教育」も、南房総市の教育の大きな特徴です。市では、2017年に「富山学園」、2019年に「嶺南学園」が開校しました。
▲0~15歳までの子どもが同じ敷地内で学ぶ「富山学園」
この制度には、教師や学校スタッフが子どもたちの情報を共有していることで、必要なサポートやきめ細かな教育が行き届きやすくなるというメリットがあります。
子どもにとっては、慣れた環境で一貫して過ごすことができるので「小1プロブレム」や「中1ギャップ」といった進学時の問題が起きにくくなります。さらに、普段遊ぶ機会の少ない年の離れた子との交流が生まれたり、年下の子に対する思いやりが芽生えたりと、豊かな人間性を育むことにも期待できそうです。
教育カリキュラムとしては、地域の歴史や文化を学ぶ「南房総学」というプログラムが特徴的です。地域のあり方に根差し、クジラの解体見学、みかんの収穫、シーカヤック体験などの多彩な活動が実施されています。
▲「和田漁港」には、関東で唯一の捕鯨基地がある。解体の見学も、南房総市に住んでいるからこそできる貴重な体験
こういったところにも、「地域への強い思いを育むことによって、子ども達の将来を応援する」という、市のブレない教育方針が感じられますね。
特徴2:“七色の自然”が織りなす美しい風景
南房総市は千葉県の最南端に位置し、豊かな自然に囲まれたまち。市では「七色の自然に暮らす」というメッセージを掲げています。
「千葉県といえば海」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、千葉県の海は東京湾に面した「内房」と、太平洋側の「外房」に分けられ、南房総市はその両方に面しています。
内房の海は波が穏やかなところが多く、お子様連れで海水浴をしたり、ゆったりとSUPやカヤックなどを楽しんだりするのにおすすめ。CMのロケ地として使用されたこともある「原岡桟橋(岡本桟橋)」は、レトロな風景と、時によって富士山を眺められるスポットです。
▲原岡海岸の「原岡桟橋(岡本桟橋)」は、全国でも珍しい木製の桟橋。レトロな雰囲気は写真映えもバッチリ
一方、外房の海にはサーフポイントが集まり、県の内外から多くのサーファーが訪れます。30年以上前から、地域の方・海を愛する方の心がけでクリーンな環境が保たれていることも特徴です。
そんな魅力あふれる海を、平日であれば時には独り占めできてしまうことも、このまちに暮らす人の特権とも言えるでしょう。出勤前や仕事帰りに“サクッと”海に出かけるなんていう、憧れのライフスタイルも現実になりますよ!
南房総市には海だけでなく、内陸部には、関東百名山の1つに数えられる山「伊予ヶ岳」があります。
伊予ヶ岳は標高336mと低い山ながら、山頂付近は岩場になっていて、ロープや鎖を使用するようなハードな登山コースです。その切り立った姿から「房総のマッターホルン」とも呼ばれています。
登山愛好家も十分に満足できる本格的なコースと、山頂からの大パノラマが揃い、日ごろ「山より海派」の方も、登ってみたら南房総市の新鮮な一面に感動するかもしれません。
▲伊予ヶ岳山頂からは360度の絶景が眺められる
そして、南房総市が有するもう1つの美しい風景が、花畑です。
温暖な気候に恵まれた南房総市では、観賞用の植物の栽培が行われており、海岸沿いの地域を中心に広大な花畑が広がります。
菜の花、キンセンカ、ストック、ポピー、金魚草など色とりどりの花々は、通りがかかって眺めるだけでも心が華やぎます。また写真が趣味の方にとっても絶好のフォトスポットと言えるでしょう。
南房総市は、海・山・花畑に彩られたまさに“七色の自然”の中で、心豊かに暮らすことのできるまちなんです。
特徴3:アクセス抜群!パーク&バスライドで都心への通勤もラクラク
▲パーク&バスライドの「とみうら枇杷倶楽部停留所」。駐車場は無料で利用できる
南房総市は、東京都心へのアクセスがとてもよい立地です。距離としては100km圏内で、首都高速や東京湾アクアラインを利用して車で約80分。同様に横浜へも80分ほどで移動することができます。
加えて、南房総市から東京・千葉・横浜方面への移動では、パーク&バスライドの利用が可能です。
パーク&バスライドとは、マイカーで最寄りのバス停まで移動し、そこからバスを利用するシステムのことを言います。
特に長距離通勤の方であれば、毎日の行き帰り、集中力を要する車の運転を負担に感じることもあるでしょう。その点、パーク&バスライドなら、バスに乗ってしまえば後はゆっくりとリラックスできます。
帰りも、バス停の駐車場に停めたマイカーでそのまま帰宅できるので、公共交通機関の時刻などを気にする必要はありません。
便数も下記の通り豊富にあるので、東京方面で働きながら、生活の拠点を南房総市へ移すことも十分に可能です。今の仕事にやりがいを持っている方、移住をしたいけれど転職は不安だという方にも選択肢が広がりますね。
停留所 | 便数 |
---|---|
とみうら枇杷倶楽部停留所 | 東京新宿便:32便/日(30分に1便) 千葉便:23便/日(通勤時15分に1便) 横浜羽田便:8便/日(通勤時1時間に1便) |
ハイウェイオアシス富楽里停留所 | 東京新宿便:32便/日(30分に1便) 千葉便:23便/日(通勤時15分に1便) 横浜羽田便:8便/日(通勤時1時間に1便) |
南房総市の暮らしに関する情報
ここでは、移住を検討するにあたって重要となる、南房総市の暮らし情報をお届けします。
気候 | 最高平均気温(8月):30.8℃ 最低平均気温(1月):1.2℃ ※直近の観測地である千葉県館山市のデータ参照 |
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人口 | 人口:34,379人 世帯数:16,908世帯 (2024年6月1日時点) |
近隣都市 | 館山市、鴨川市、安房郡鋸南町 |
市内公共交通 | 鉄道:JR東日本 バス:日東交通、ジェイアールバス関東、市営バス |
大都市へのアクセス | 東京へ:車で約80分 横浜へ:車で約80分 |
病院 | 病院18、歯科14 |
学校 | 高校1、中学校5、小学校6、公立保育園5、私立認可保育所4、幼稚園6 |
食べ物 | クジラ、アワビ、テングサ、ビワ、温州みかん など |
レジャー | 海水浴場多数、平群ハブ、千葉県嶺岡乳牛試験場・酪農のさと |
南房総市は、沖合を流れる暖流の影響によって、冬は暖かく夏は涼しい、年間を通して過ごしやすい気候となっています。一方で、海が近いので、車や自転車の水洗いなどの塩害対策が必要になることは心づもりをしておきましょう。
地域の住民同士で助け合おうという意識が高く、青年会や消防団などの活動が活発なのも特徴。積極的に参加することで、ネットワークや友達作りにも役立つのでおすすめですよ。
もともと7町村が合併して誕生したまちなので、それぞれの地区にスーパーやドラッグストアなどがあり、日常生活に必要な買い物には困りません。また、隣接する館山市には「イオンタウン」などの大型商業施設もあります。館山市までは南房総市の各地区から車で15~20分ほどなので、週末のまとめ買いにもサッと出かけることができますよ。
市内には道の駅が8か所あり、これは、1つの自治体内の道の駅数として全国第1位タイです。農産物の直売所のほか、カフェや足湯、花摘み園など、それぞれの施設に個性豊かなサービスがあります。週末のお出かけに、ドライブがてら道の駅をめぐってみるのも楽しそうですね。
【仕事】求人数・職種とも豊富。新規就農への支援も充実
大手求人サイトで南房総市の正社員求人を検索すると、約1,300件がヒットしました。(※2024年6月時点、縁結び大学調べ)
※求人情報の一例
求人数の多さに加え、ホテルスタッフや医療・福祉系、会社事務などの幅広い職種で募集があり、「仕事が見つからなくて困る」ということはなさそうです。そのほか、海岸沿いのロケーションのよさを活かしてカフェなどを開店する方もいらっしゃいます。
就業・起業に関しては以下の支援制度が利用できるので、参考にしてみてください。
制度名 | 対象者 | 内容 |
---|---|---|
UIJターンによる起業・就業者創出事業移住支援金 | 「東京23区在住」または「東京23区通勤」から、移住して就職・起業などをした方 ほか条件あり |
下記の支援金を交付 単身:60万円 世帯:100万円(18歳未満の子どもがいる場合には、100万円加算) |
起業家支援事業 (南房総市がんばる事業者支援事業補助金) |
市内に事業所を有する、または設置しようとする方 ほか条件あり |
事業所の取得や備品購入などにかかる費用を補助 補助額:対象となる経費の30パーセント以内(最大100万円) |
南房総市では、温暖な気候を活かした、野菜や観賞用植物の栽培などの農業も盛んです。
就農に関しては農業支援センターがあり、就農相談から研修制度、経営安定化までトータルでのサポートが受けられます。この支援制度を利用して就農した移住者も多数いらっしゃるので、興味のある方は問い合わせてみてくださいね。
南房総農業支援センター
▲新規就農者に最長3年間市が貸し出しをする住居も整備されている
また、農業収穫期には短期での求人もあります。「まずは農業の雰囲気を味わいたい」という方はトライしてみてはいかがでしょうか。
【住まい】新たに移住子育て世帯向けの家賃補助を開始
南房総市は、2024年度から新たに移住子育て世帯家賃補助金を開始したほか、結婚新生活支援補助金を設けているなど、子育て世帯や若者の住まいに関する支援に力を入れています。
なお、移住を検討している人に対し、賃貸・売買ともに物件の数は少なく、理想の物件が見つけづらい状況ですので、希望している方は早めに行動する必要がありそうです。
南房総市での住まいの探し方や支援制度等については、南房総市移住・定住情報サイトの住まいのページもぜひ確認してください。
南房総市移住・定住情報サイト「七色の自然に暮らす」の住まいのページ
以下は移住者が利用できる制度の一例です。
制度名 | 対象者 | 内容 |
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南房総市移住子育て世帯家賃補助事業 | 民間賃貸住宅を利用する移住子育て世帯(中学3年生以下のものを含む世帯) | 月額の家賃の2分の1 ※1年目は月2万円を上限(最大24万円)、2年目は月1万円を上限(最大12万円) |
結婚新生活支援事業 | 2024年1月1日~2025年2月末日までに婚姻した39歳以下の新婚世帯 ほか条件あり |
引っ越し費用、住宅の賃貸費用及びリフォーム工事費用を補助(上限30万円) ※夫婦の年齢が婚姻時点で共に29歳以下の場合は上限60万円 |
住宅取得奨励金 | 新築住宅を建設または購入、もしくは中古住宅を購入した子育て世帯または若年者 ほか条件あり |
以下の奨励金を交付 |
住宅等木質バイオマス暖房機等設置費等補助金 | 住宅(集合住宅を除く)に薪ストーブなどを設置する方 | 購入費・設置工事費などの2分の1を補助(上限20万円) |
生ごみ処理機等購入費補助金 | 生ごみ処理機または生ごみ処理容器を購入する方 期間:2025年2月末日まで(予算がなくなり次第終了) |
以下の額を補助 ○生ごみ処理機:販売価格の5分の4(上限10万円) ○生ごみ処理容器:販売価格の5分の4(上限5,000円) |
南房総市では、一定の省エネ性能を有する住宅に対し加算支援金が設定されていたり、家庭用薪ストーブの設置支援がされていたりと、環境に配慮した先進的な取り組みが多数行われています。
南房総市へ移住した人の体験談・感想
ここでは、実際に南房総市へ移住した方の体験談や感想をご紹介します。
- 南房総市の子ども園は、少人数制で目が行き届いていると感じるし、季節の行事なども多いのが嬉しい。給食についても子どもが「おいしい」と言っており、本当に恵まれた環境だと思う
- 海と山のバランスが良く、自然に寄り添った暮らしを満喫できる
- 起業のサポートがあるなど、やりたいことに挑戦しやすい環境
- 地域にはフレンドリーであたたかな人が多い。また移住者同士のネットワークも発達していて、人との良いつながりがたくさん生まれるまち
子育て世帯の方から、教育環境に満足の声が多数集まりました。
地域の方との交流を通して、起業に挑戦できたり活動の輪が広がったという体験談も多く、人とのつながりを大切にする方、積極的に地域のコミュニティに入っていこうという気持ちのある方にはピッタリだと言えそうです。
南房総市への移住に向けた具体的な行動
南房総市では、移住を検討している方に向けたさまざまな取り組みを行っています。過去の実施例としては、たとえば次のようなものがあります。
- 南房総市×館山市コラボ移住セミナー
- 南房総一泊二日現地講座~地方で仕事をつくる方法~
- ふるさと回帰フェア2023出展(東京国際フォーラムにて)
- JOIN 移住・交流&地域おこしフェア2023出展(東京ビックサイトにて)
新着情報は公式サイトにアップされるので、ぜひチェックしてみてください。
現地滞在で暮らしのイメージをつかむ
南房総市が実際にどのようなところなのかを実感するためには、やはり現地に滞在するのがおすすめです。
2泊以上の滞在や宿泊には、1人1泊3,500円などリーズナブルな施設もある「南房総ワーケーション提携宿泊施設」の利用も検討してみてください。
自分が暮らしたいと思うエリアの通勤経路や買い物の場所など、実際の暮らしに必要な情報を集めるとともに、観光やアウトドア体験にも積極的に出かけて「オンとオフ」両方のイメージを膨らませるとよいでしょう。
南房総市への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 企画財政課 |
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住所 | 〒299-2492 千葉県南房総市富浦町青木28番地 |
電話番号 | 0470-33-1001 |
対応時間 | 8:30~17:15 |
公式サイト | https://www.minamibosocity-iju.jp/ |