南相木村への移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「長野県南相木村(みなみあいきむら)」での暮らしや移住情報をご紹介します。
長野県の東南端、群馬県境に位置する南相木村は、面積の約9割を山林原野が占める自然豊かな村です。エリア内にはダムやキャンプ場、温泉といった自然あふれるスポットが多く、水と緑に囲まれたのどかな暮らしが叶います。
さらに注目したいのが、子ども向けの支援や教育が充実していること。たとえば毎年小学6年生全員をオーストラリアに派遣する「オーストラリア海外研修(研修費用は無料)」や、小中学生に向けて専門家による授業を行う「プログラミング教育」といった特色があり、手厚い子育て環境に魅力を感じてIターンをする移住者も増えてきています。
今回は南相木村役場総務課にお勤めの鈴木さんにお話を伺いながら、南相木村での暮らし・仕事・住居・支援内容などを詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
南相木村の暮らしとは?主な3つの特徴に注目
信濃川水系の南相木川が東から北西へと流れ、その流れに沿って10の集落が点在する南相木村。標高1,000mのロケーションにあることから冬の寒さは厳しいですが、夏は冷涼で非常に過ごしやすい地域です。
そんな南相木村には、次のような特徴があります。
具体的にどのような特徴があるのか、以下で詳しく見ていきましょう。
特徴1:水と緑の大自然に恵まれている
南相木村は総面積のほとんどが山林原野であることから、美しい自然の風景やアウトドアレジャーを身近に堪能できます。
村の南側にそびえ立つ天狗山の麓には「立原高原」が広がっており、白菜やレタスといった高原野菜の生産が盛んに行われています。また、キャンプ場も整備されていて、夏でも涼しく過ごせることから県外から訪れるファンも多い人気のスポットです。
また「南相木ダム」も名所のひとつで、”日本一標高の高い場所にあるダム”として注目を集めています。岩石や土砂を積み上げて造られたロックフィルダムで、周囲には遊歩道や公園が整備されていることから子ども連れの姿も多くみられます。
▲「南相木ダム」の周囲には自然があふれており、散策やピクニックなどにぴったりな場所です
公式:南相木ダム
さらに、南相木村の相木渓谷には滝が数多く点在しており、滝めぐりを楽しめることもおすすめポイント。特に、日帰り温泉施設の「南相木温泉 滝見の湯」では露天風呂から名勝「犬ころの滝」を見下ろすことができ、豊かな自然を満喫できるとあって、観光客はもちろん地元住民の憩いの場としても人気を集めています。
▲こちらは御座山の「不動の滝」。大人気の登山コースとなっています
▲「南相木温泉 滝見の湯」では、温泉に入りながら南相木の山々や犬ころの滝を眺められます
公式:南相木村滝めぐり
公式:南相木温泉 滝見の湯
一年中釣りを楽しめる「立岩湖」もおすすめです。冬には氷上の穴釣りが人気で、シナノユキマスやワカサギが釣れますよ。
▲冬の立岩湖では、タイミングが良ければ湖底から沸き上がったガスが氷の中に閉じ込められる現象「アイスバブル」を眺めることもできます
▲冬の立岩湖のアイスバブルの様子
▲四季折々に変化する立岩湖の景色は、どの季節に訪れても圧巻の美しさです
公式:立岩湖
特徴2:子育て・教育環境が充実している
南相木村は人口1,000人ほどの小さな村である分、住民ひとりひとりへの支援が充実しています。特に妊娠・出産・子育て関連の支援内容が魅力的で、住民や移住者から評判です。
主な内容については以下をご確認ください。
【妊娠・出産関連の支援制度】
- 妊産婦検診補助金交付事業:妊産婦検診費用を合計した額を補助(上限額は長野県妊婦一般健康診査実施要項、長野県産婦健康診査実施要項に基づく)
- 不妊治療助成事業:不妊治療に要した医療費の自己負担額に対して、30万円を限度に助成
- 助産費特別給付金交付事業:出産児1人につき30万円を支給 など
【子育て関連の支援制度】
- チャイルドシート購入費補助金交付事業:チャイルドシートの購入価格の1/2以内で上限3万円を補助
- 小・中学校卒業祝金交付事業:対象となる子ども1人につき3万円を支給
- 高校生等通学費補助事業:通学定期券の購入費用の1/2を補助 など
- 小中高入学祝金交付事業:小中高の各入学時に10万円を支給
公式:南相木村「子育て支援」
また、南相木村には子どもの教育面においても大きな特色があります。小さな村の学校ならではの少人数制のスタイルを活かし、子どもひとりひとりに手厚い教育を行っています。
特に注目したい魅力は以下の通りです。
- 小学生海外研修事業:南相木小学校に在籍する6年生児童全員をオーストラリアへ派遣(研修に伴う経費は村が負担)
- プログラミング教育事業:プログラミング教育の普及を推進する「PCN」と連携し、小中学生へのプログラミング教育を実施
- 村の豊かな自然を活かしたカリキュラム:授業の一環として登山やスケート教室等を実施
- 高校生等海外研修事業補助金:渡航費、滞在費、研修費の1/2を補助(対象となる海外研修は教育委員会が選定)
▲小学校6年生は、夏休みの時期に1週間程度オーストラリアでホームステイを経験します
▲オーストラリアの小学生が南相木村を訪れ、ホームステイを行う年度もあります
教師の目がひとりひとりの子どもに行き届きやすいため、そういった環境に魅力を感じて移住される方も多くいらっしゃいます。また、どの学年も1クラスのみの小さなコミュニティなので、学年を超えて仲がいいことも南相木村ならではの魅力です。
特徴3:移住者を温かく迎えてくれる
南相木村の住民の方々はとても気さくで、移住者を温かく迎え入れてくれます。外を歩いているだけでも「元気?」などと優しく声をかけてくれる方が多く、田舎暮らしならではの人付き合いを楽しめます。
実際に、南相木村の小学校ではIターンによって移住してきた子どもたちが約5割を占めており、移住後すぐに慣れ親しめるウェルカムな環境です。
保育園では5割程度をIターンの移住者が占めています。同じ境遇の方がたくさんいるため、「不安を感じずに移住できた」「すぐに馴染めた」といったお声が多いです。
南相木村の暮らしに関する情報
続いては、気候や病院、学校、交通など、南相木村での暮らしに関連するお役立ち情報をご紹介します。
気候 |
1月:平均気温 -2.8℃ |
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人口 | 931人(2023年12月末時点) |
病院 | 1院 |
学校 | 保育施設:1園 小学校:1校 ※中学校はなく、村の中学生のほとんどは小海町にある組合立小海中学校に通学 |
名所・観光 | 南相木ダム、立原高原、南相木温泉 滝見の湯など |
行事・イベント | まんどう火、十日夜(とおかんや)、火(か)あがり、獅子舞など |
交通 | 【鉄道】 なし 【バス】 南相木村営バス(3路線) |
近隣都市 | 小海町、北相木村、南牧村、川上村 |
南相木村の気候は、県内の中でも寒い部類に入ります。1月~2月頃には夜間にマイナス10℃~20℃程度まで下がることもあるため、防寒対策をしっかりと行いながら生活する必要があるでしょう。
ただし、県内の他の地域に比べて降雪は少ない傾向があります。積もっても30~40cmほどで、自力で雪かきできる程度です。
病院や商業施設は数が少ないため、隣町へアクセスする必要があると認識しておきましょう。一番近いスーパーは車で20分程度のところにあり、週末にそちらで買いだめをする家庭が多くみられます。
どこへ行くにも車が必要となるため、マイカーを所有していない方は移住を機に購入する必要があります。
仕事情報:数は少ないものの、近隣も含めれば選択肢は十分ある
大手の求人サイトで南相木村における正社員の求人数を検索してみたところ、ヒットしたのは10件ほどでした。ただ、25km圏内までエリアを広げると約2,000件の求人が該当するため、村内に的を絞らずに近隣エリアも含めて探すとよいでしょう。
参考:求人情報の一例(南相木村内)
参考:求人情報の一例(南相木村から25km圏内)
南相木村独自の通勤者補助金
南相木村には、独自の通勤者補助金制度があります。
「通勤者補助金交付事業」は、南相木村に住所を有している方が、村外の職場へ通勤した場合、通勤日数に応じた補助金を受け取れます。(年間通勤日数が220日以上の場合は38,000円~50,000円 (距離に応じて変動)、150日以上の場合は28,000円、80日以上の場合は20,000円)
村外への通勤を視野に入れている方には、心強い制度です。
小海町や佐久市で勤務している方が多く、村の中では農業や建築業、レジャー関係の仕事が人気です。また村ではローカルのインターネット回線が使えるので、自宅でテレワークをされている方もいらっしゃいますよ。
ちなみに、南相木村在住の正社員における世帯年収相場は約494万円です。相場よりも待遇の良い仕事を見つけたい方は、上記の金額を参考にしながら求人を探してみてください。
※参考:年収相場の一例
住まい情報:村営住宅や空き家バンクの利用が一般的
南相木村には一般的な賃貸・売買物件がほとんどなく、基本的には村営住宅や空き家バンクを利用したり、空き地に新築で住宅を建てたりするケースが主流です。詳細は以下をご確認ください。
公式:南相木村「村営住宅」
公式:南相木村「空家情報」
まずは村営住宅に住み、ゆくゆくはマイホームを建てる流れがおすすめです。ただし、村営住宅は人気のため、空きがあれば早めに申し込みされるとよいでしょう。
南相木村へ移住した方の体験談
ここでは、実際に南相木村へ移住した方の体験談をご紹介します。
- 人同士のつながりが強く、いつも人の温かさに触れられる素敵な村です。子どもも学校にすぐ馴染めて、毎日大喜びで通っています。
- 自然に囲まれた南相木村での暮らし、最高です!不便な点もありますが、それも含めてこの村の魅力ですし、何より空気もごはんも美味しくて大満足の日々です。
- 英語やプログラミングなど、教育面の特色に惹かれて移住してきました。支援制度も充実していて、子育てしやすいと感じています。
水と緑あふれる自然豊かな環境や住民の温かさ、手厚い子育て・教育制度などに魅力を感じ、「暮らしやすい」と満足されている方が多くみられます。田舎暮らしを叶えたい方はもちろん、豊かな自然に囲まれてのびのびと子育てがしたい!と願う子育て世帯などにぴったりの村だと感じました。
南相木村への移住ステップ
最後に、南相木村への移住ステップをご紹介します。
ステップ1:移住について相談する
まずは、南相木村の移住について現地の方に相談することをおすすめします。定住移住促進特設サイトが設けられており、そちらのお問い合わせフォームからの相談がスムーズです。
ステップ2:お試し移住をしてみる
続いて、南相木村への「お試し居住」をしてみるとよいでしょう。村内には古民家を改修した「たまる家」と現代風の「やばな家」の2つの移住定住促進住宅があり、最大で6泊7日まで無料で滞在できます。
▲築150年以上の古民家をリノベーションした「たまる家」
▲現代的な住宅の「やばな家」。マンガ『釣りキチ三平』の作者である矢口高雄先生の直筆イラストが展示されているため、ぜひチェックしてみてください!
プチ移住で、ぜひ南相木村での住み心地を確認してみてください。食事や布団はご自身で準備していただく必要がありますが、布団はご希望でしたらレンタルをご案内することも可能です。
また、小学生のお子様がいるご家庭であれば、南相木村の「親子留学」を利用する選択肢もあります。詳細は以下にてご確認ください。
公式:南相木村「親子留学」
ステップ3:移住支援制度を確認しておく
南相木村への移住を本格的に検討し始めたら、移住者向けの支援制度もチェックしておきましょう。ここでは、主な制度の概要をご紹介します。
南相木村移住支援金 | 住民登録後継続して3年以上居住する点を誓約できることを原則として、18歳以下の子どもを扶養して同居する世帯に向けて一律10万円、上記以外の世帯には一律5万円を支給 |
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南相木村定住促進給付金 | 南相木村に住民登録して就業している19歳~32歳の方を対象とし、1人につき月額5,000円を5年間支給 |
南相木村UIJターン就業・創業支援事業補助金 | 大都市圏から移住し、企業または県内登録企業に就業した場合に、単身世帯には上限60万円、2人以上の世帯には上限100万円を支給 など |
南相木村での暮らしについて気になることがありましたら、ぜひお気軽にご相談くださいね。
南相木村への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 南相木村役場 総務課 |
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住所 | 〒384-1211 長野県南佐久郡南相木村3525番地1 |
電話番号 | 0267-78-2121 |
対応時間 | 平日8:30~17:15 |
公式サイト | ▼南相木村公式ホームページ https://www.minamiaiki.jp/ ▼南相木村・定住移住促進特設webサイト https://minamiaiki-teiju-shigoto.jimdofree.com/ |