群馬県みどり市の魅力!移住に役立つ暮らし・仕事・住まい情報を徹底解説
この記事では、地方移住を検討している方に向けて、群馬県みどり市の魅力を紹介します。
みどり市は群馬県東部に位置する田園都市です。岩宿遺跡があるまちとして知る人も多いでしょう。市内を走る「わたらせ渓谷鐵道」から四季折々の絶景を楽しめるように、自然に溢れるまちです。
一方で、鉄道が4路線あり、前橋市や栃木県佐野市などのさまざまな近隣都市へ1時間以内でアクセスできる利便性も魅力です。
さっそく、みどり市の特徴や移住情報について紹介していきましょう。
みどり市の3つの特徴
みどり市は2006年に笠懸町・大間々町・東村の3つの町村が合併して誕生しました。面積の約80%が山林で、市名の通り美しい緑に囲まれています。
みどり市への移住は下記のような方におすすめです。
- 二拠点生活がしやすい場所を探している
- 生活の中でさまざまな自然体験・アクティビティを楽しみたい
- 子どもの個性に合わせてのびのびと子育てがしたい
- 密なコミュニティよりも程よい距離感を求めている
その理由をみどり市の魅力とともに解説しましょう。
特徴1:渓谷・湖・田園・山林などの美しい自然景観が満載
▲市内を走る「わたらせ渓谷鐵道」。春は車窓から満開の桜と花桃を眺めることができる
みどり市は東京から電車で約2時間の距離にありながら、都会では体験できない豊かな自然に溢れたまちです。
北部に足尾山地が連なり、北東から南東にかけて渡良瀬川が流れます。さらに、上流部には首都圏の水源である草木ダムが豊富な水をたたえるように、日常で自然を感じられるスポットが満載です。
中でも、みどり市の自然景観を楽しむには「わたらせ渓谷鐵道」の存在は欠かせません。桐生市と栃木県日光市を結ぶローカル線で、地域の方からは「わ鐵」の愛称で親しまれています。
桜の見頃を迎える4月上旬には、満開の桜並木を通る列車を写真に収めようと全国からカメラマンが訪れます。
車窓からは渓谷だけでなく田園風景や山々の緑も楽しめます。
▲田植えシーズンの5月下旬〜6月上旬には、水を張った田んぼに初夏の空が映り込む
▲雪景色の中を走る冬のわたらせ渓谷鐵道
わたらせ渓谷鐵道以外に、秋に満開を迎える「ひまわり畑」も定番の観光スポットです。
10月上旬にひまわり約20万本が咲き誇り、毎年10月〜11月下旬頃まで「ひまわり花畑まつり」が開催されます。
▲秋に開催される「ひまわりの花畑まつり」。例年8月に種をまき秋口に開花が始まる
その他、群馬県内最大級の「小中大滝(こなかおおたき)」や日本百名山の一つ「袈裟丸山(けさまるやま)」などがあり、季節の移り変わりを五感で感じることができます。
特徴2:2022年に特色が異なる2つの学校が新設
▲2022年に開校した「笠懸西小学校」
みどり市は教育施設が充実しています。2022年に開校した「笠懸西小学校」と小中一貫校の「あずま小中学校」を含めて、小学校7校、中学校4校、小中一貫校1校、高校・大学は各1校あります。
笠懸西小学校は市産材を使用した温かみのある校舎が特徴で、「2022日本ウッドデザイン賞」を受賞しました。校内には「ラーニングヒル」と呼ばれる広い階段や、半野外空間の「みどりプラザ」を取り入れて、在籍する約430名の子どもたちの主体性を伸ばしています。
▲笠懸西小学校の外観
一方の小中一貫校「あずま小中学校」は、全校生徒15名程度のコンパクトな学校です。一人ひとりの成長に合った少人数制の授業に魅力を感じて入学を決める家庭も少なくありません。
また、小・中学校の給食は保護者の所得に関わらず完全無料です。郷土料理やみどり市産の農作物を出すなど食育にも力を入れています。
このような特色の異なる学校があることで、子どもの個性に合わせた教育・子育てが実現しやすくなるでしょう。
特徴3:自然が遊び場。伝統行事やイベントも盛ん
▲川遊びが楽しめる「小平の里・親水公園」は親子連れの人気スポット
都会ではできない自然遊びを満喫できる点も、森林面積80%を占めるみどり市ならではの魅力です。
市内でも特に人気の遊び場が「小平の里」です。小平鍾乳洞や湿生植物園、キャンプ場、温泉、遊具などを体験できるため、終日いても飽きません。
敷地内の親水公園には浅く緩やかな川が流れていて、夏場は川遊びを楽しむ家族連れで賑わいます。夏休みはあずま小中学校の4年生〜7年生の希望者を対象に、草木湖でサップ教室が行われます。
▲渡良瀬川上流にある草木湖。夏場はサップの他にカヌーも体験できる
▲草木湖の湖畔では桜や新緑を眺望できる。「ダム湖百選」に選定されている湖
みどり市の夏の風物詩と言えば、8月1日〜3日に開催される「大間々祇園まつり」です。390年を超える伝統行事で、1日は夜宮、2日は本祭である神輿渡御などの神事、3日はお礼参りの山車巡行がそれぞれ行われます。
子どもたちは祭り当日に向けてお囃子の練習を繰り返します。参加することで、地域の文化や日本の歴史をより深く理解するきっかけになるでしょう。
▲390年以上の歴史を持つ「大間々祇園まつり」。山車を引いて市内を練り歩く姿は圧巻
その他、週末には公園などを会場にワークショップや音楽フェスなども盛んに開催されています。
2023年4月に廃校舎を活用したボルダリング施設が完成しました。角度が異なる3種類のコースがあり、週末や夜間は一般の方も利用できます。
みどり市の暮らしに関する情報
▲みどり市内の風景。中心部には住宅地、東エリアは豊かな自然が広がる
「みどり市は利便性が良い?」「気候は穏やか?」などの疑問を解消するために、みどり市の暮らしに役立つ情報を紹介します。
気候 | 1月平均気温:3.4℃ 8月平均気温:26.2℃ 参考:気象庁 ※みどり市に観測地点がないため最寄りの「桐生」を参照 |
---|---|
人口 | 人口:49,012人 世帯数:21,305世帯 (2023年8月31日時点) |
病院 | 53院 |
学校 | 保育園・認定こども園:11園(公立1、私立10) 幼稚園:3園(公立1、私立2) 保育所:4園 小学校:7校 中学校:4校 小・中一貫校:1校 高校:1校 大学:1校(私立) |
観光 | ・けさかけ橋 ・高津戸峡 ・小中大滝 ・袈裟丸山 ・ながめ余興場 ・岩宿博物館 ・大間々博物館「コノドント館」 ・富弘美術館 |
交通 | 【電車】 ・JR両毛線:岩宿駅 ・東武鉄道桐生線:赤城駅、阿左美駅 ・上毛電気鉄道:赤城駅 ・わたらせ渓谷鐵道:大間々駅〜沢入駅(※「本宿駅」「水沼駅」除く) 【バス】 ・デマンドバス「電話でバス」 ・東町路線バス 【車】 ・国道:50号、国道122号、353号 ・高速道路:なし。最寄りは北関東自動車道「太田藪塚IC」 |
東京へのアクセス | ・電車:「東武鉄道」特急利用で約2時間 ・車:「関越自動車道」利用で約2時間 |
近隣都市 | 【群馬県】桐生市、伊勢崎市、太田市、沼田市 【栃木県】佐野市、鹿沼市、日光市 |
※2023年9月現在
みどり市は鉄道が4路線あり、近隣都市へのアクセスが良好です。
西は前橋市、東は栃木県佐野市へそれぞれ車で1時間以内で行けます。東武鉄道「赤城駅」から「浅草駅」までは乗り換えなしで2時間程度です。
▲大間々エリアにある東武鉄道「赤城駅」。上毛電気鉄道と東武鉄道の接続駅になっている
居住エリアは「笠懸」「大間々」「東」の3つに分かれています。
利便性を求める場合は、ショッピングモールやスーパーが集中している笠懸・大間々エリアがおすすめです。大間々エリアは江戸時代に宿場町として栄えていた当時の家屋や蔵などが現存し、ノスタルジックな雰囲気が漂います。
笠懸・大間々エリアはデマンドバスが運行していて、東武桐生線「新桐生駅」への乗り入れも可能です。
▲笠懸・大間々地域を運行するデマンドバス「電話でバス」。運賃は大人300円(子ども150円)
一方の東エリアは豊かな自然が魅力です。スーパーがないため、車で10〜30分程度の大間々で買い物を済ませる方が多いようです。
東エリアの交通機関として、富弘美術館や草木ダム、沢入キャンプ場などを巡回する路線バスが走ります。
▲東エリアを走る路線バス「東町路線バス」。運賃は大人300円、子ども150円
このようにエリアごとに特色が異なるため、理想のライフスタイルに合わせて住む場所を選びましょう。
近隣都市へのお出かけは便利ですが、買い物やエリア外への移動などを考慮すると車がある方が快適です。
【観光】紅葉スポットからレトロな建築物まで多種多様
みどり市は、四季折々の自然景観から古代日本の歴史・文化を学べる施設まで、年代問わず楽しめるスポットが満載です。
「高津戸峡」はみどり市を代表するビュースポットで、11月には「はねたき橋」から鮮やかな渓谷の紅葉が一望できます。
▲大間々駅から徒歩8分の場所にある「高津戸峡」。紅葉シーズンは県内外から観光客が訪れる
▲夏の高津戸峡。空の青と新緑のコントラストが美しい
みどり市は、日本の歴史が旧石器時代まで遡ることを証明した「岩宿遺跡」がある地としても有名です。「岩宿博物館」では、岩宿遺跡で見つかった石器の他、マンモスの骨格模型などが展示されています。
▲旧石器時代の遺跡が数多く展示されている「岩宿博物館」
▲笠懸町エリアにある「岩宿博物館」の外観。石棺を寝かせた形の屋根が特徴的
「大間々博物館」(別名:コノドント館)は、今から100年以上前の1921年に造られ、かつては銀行として使われていました。現在では地域の文化や自然、民俗に関する資料を保管している登録博物館となっています。建物は貴重な大正期の洋風建築として、みどり市の重要文化財に指定されています。
▲大正ロマン漂う「大間々博物館」。「コノドント」は大間々町在住の研究者が発見した古生代の生物の名称
東エリアには、東町出身の詩画作家・星野富弘さんの作品を展示した「富弘美術館」があります。シャボン玉をイメージした大小33個の円形の部屋で構成されたユニークな建築が特徴的です。
▲「富弘美術館」の外観。館内は海の部屋、空の部屋、風の部屋などさまざまなブースがある
大間々エリアにあるながめ公園には、1937年に建てられた芝居小屋「ながめ余興場」が併設されています。歌舞伎の廻り舞台や花道を完備した劇場建築で、今もなおイベントなどで利用されています。
▲木造2階建の劇場建築「ながめ余興場」。ノスタルジックな雰囲気を醸し出す
川遊びスポットとして子どもたちから親しまれている「小平の里」では、地元の名物料理も堪能できます。コシのある手打ちうどんをはじめ、旬の自覚を楽しめる定食が人気です。夏季限定で冷やしたぬきうどんも味わえます。
▲小平の里のお食事処「狸穴亭(まみあなてい)」の手打ちうどん。こしが強く食べ応えがある
みどり市はおいしい飲食店が多いように感じます。おもてなし文化の影響かどの店も安くてボリューム満点です。
【仕事】起業支援あり。移住者はテレワークや起業家が多い
大手求人サイトに掲載されているみどり市の正社員求人数は以下の通りです。
みどり市 | 約1,100件 求人一例 |
---|
※縁結び大学調べ(2023年9月現在)
みどり市は大企業は多くありませんが、中小企業を中心に求人が豊富です。製造、コールセンター、事務、接客業など幅広くそろいます。
近隣都市へのアクセスの良さから、佐野市へ出勤する方や、工業団地がある太田市で働く方も少なくありません。
また、東京圏内からの移住者は、移住支援金を利用してテレワークで仕事を継続する方や起業する方が多いようです。実際に融資制度を活用して飲食店をオープンした移住者もいました。
▼就業に関する支援制度
起業家チャレンジ資金貸付事業 | 新規事業に業種転換する方へ運転資金などの融資を行う ・融資期間:運転資金5年以内、設備資金10年以内 ・上限:1,000万円 |
---|---|
農業次世代人材投資事業 | 50歳未満の新規就農者へ資金を交付 |
みどり市はトマト、ほうれん草、きゅうりなどの栽培が盛んで、年額4,000円で貸農園を利用できます。
地域おこし協力隊を機に就農される方や定年退職後Uターンで起業する方もいるように、新しいことに挑戦しやすい環境と言えるでしょう。
支援制度の詳しい利用条件は以下からご確認ください。
公式:みどり市「就業支援情報」
【住まい】賃貸・戸建て購入など選択肢豊富。空き家は改修が必要
みどり市は物件が豊富なため、移住者の多くが不動産サイトで住まいを決めています。
▼大手不動産サイトに掲載されているみどり市の物件情報
賃貸物件 | 約300件 物件一例 |
---|---|
売買物件 | 45件(うち土地17件) 物件一例 |
※縁結び大学調べ(2023年9月現在)
賃貸物件にはアパート・マンションの他、戸建ても10件ほど掲載されています。みどり市の家賃相場は以下の通りです。
▼みどり市の家賃相場
単身(1K〜1DK) | 35,000円〜50,000円 |
---|---|
世帯(1LDK〜4DL) | 55,000円〜80,000円 |
※縁結び大学調べ(2023年9月現在)
賃貸以外に戸建てや土地の販売もされているため、住まい探しに困ることはないでしょう。不動産サイトより掲載は少ないものの、空き家バンクにも大間々8件・東2件の計10件の物件が登録されています。(2023年9月現在)
公式:みどり市「空き家バンク」
空き家は改修が必要なケースも少なくありません。増改築・改修の際は以下の補助金制度を活用しましょう。住宅資金の融資も行っています。
住宅環境補助事業 | 住宅の増改築・修繕・模様替えなどの工事費の一部を補助 ・10万円以上の工事費に対して、補助率1/10(上限10万円) ※2023年は終了しました。次年の情報は市役所へお問い合わせください。 |
---|---|
勤労者資金融資の申請 | 市内在住の勤労者に対して住宅購入や生活資金を融資 ・住宅資金:建築・増改築資金 ・生活資金:医療・冠婚葬祭・修学資格取得費など |
その他、各エリアに市営住宅が設置されています。また、定住促進住宅事業として東エリアには分譲地もあるので、興味がある方は市役所へお問い合わせください。
公式:みどり市「分譲地情報」
公式:みどり市「市営住宅入居者の募集」
起業で空き家を活用する方も少なくありません。元々機織り教室だった大間々の古民家を借りてレコード屋をオープンした移住者もいらっしゃいます。
みどり市へ移住した人の体験談
ここでは、みどり市に移住した方の体験談と感想を紹介します。
- 東京へ電車1本で行けるため、二拠点生活がしやすい。
- 移住者を受け入れてくれる風土がある。
- 自治会の活動があまりないのが意外だった。人口が少ない東町でも地域の方と程よい距離感を保てる。
- 少数授業を受けられる「あずま小中学校」に魅力を感じた。
みどり市へ移住してきた方の多くが「過ごしやすい」と感じていることが分かりました。自然豊かでありながら鉄道が4路線あるアクセスの良さや、日常の買い物に不便がない点がポイントのようです。
さらに、地域の方々と交流がありながらも、適度な距離感が保てる点も要因の一つ。このフラットな風土も含めて、二拠点生活やリモートワークなどの多様なライフスタイルが実現しやすい理由だと感じました。
自治会の活動は回覧板や定期的な清掃活動くらいで強制などもありません。適度な田舎感と程よい距離感が魅力で、地域おこし協力隊の90%以上が定住を選んでいます。
みどり市への移住に向けた2ステップ
移住を成功させるには下調べが欠かせません。
移住に向けたステップとして、みどり市が実施している「オンライン相談」と「オンラインセミナー」に参加してみましょう。以下で詳しく紹介します。
【ステップ1】移住オンラインセミナーで市の様子をチェック
みどり市の雰囲気を知るために、まずは県主催の「移住オンラインセミナー」に参加してみましょう。
移住セミナーの内容は毎回異なりますが、過去にはみどり市へ移住した方を講師に招いたセミナーを実施しました。その他、「岩宿博物館」の館内ツアーや石器づくりのワークショップが楽しめるセミナーなども実施しています。
2023年は1度開催しましたが、11月にも行う予定です。開催日時やセミナーの内容は地域創生課へお問い合わせください。
【ステップ2】オンライン相談で疑問を解消
みどり市では予約制のオンライン相談も実施しています。
「季節の違いによる暮らしの注意点を知りたい」「自治体の活動頻度が気になる」「移住支援を詳しく知りたい」などの疑問・不安はオンライン相談で解消しましょう。
基本的に「Zoom」を利用します。相談は1枠40分程度のため、あらかじめ知りたい情報をまとめておきましょう。
オンライン相談だけではなく、電話やメールでも相談可能です。
みどり市への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 地域創生課 |
---|---|
住所 | 〒379-2395 群馬県みどり市笠懸町鹿2952(笠懸庁舎) |
電話番号 | 0277-46-9067(直通) |
対応時間 | 8:30〜17:15 土・日曜、祝日、年末年始を除く |
公式サイト | https://www.city.midori.gunma.jp/www/index.html |
みどり市は空き店舗や耕作地などの「余白」があり、新しいことに挑戦しやすい環境です。土地の値段が東京圏より安いためマイホームを持ちたい方にも向いています。