壬生町への移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説

この記事では、地方移住を検討している人に向けて、栃木県下都賀郡にある壬生町の暮らしを紹介します。

壬生町は「おもちゃのまち」という地名があることでも有名なまち。まちの代名詞でもあるおもちゃの魅力を楽しめることもさることながら、特定医療機関「獨協医科大学病院」を核とした医療体制の充実、交通網の発達などを背景とした「住みやすさ」でも人気を集めています。

今回は、壬生町での暮らしの魅力をはじめ、住まいや仕事、移住に関する情報などを詳しく解説していきます。

本日お話を伺った方
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壬生町 総務部 総合政策課 主査

福田 和也さん

壬生町での暮らし、3つの特徴

栃木県壬生町の暮らしの特徴

壬生町は県央南部の位置し、宇都宮市、栃木市、鹿沼市、下野市、小山市と隣接しています。町内には多数の河川が流れ、ほぼ平坦な地形が広がるまちです。海抜50~100mに位置し、災害による被害が少ないという特徴も有しています。

そして壬生町と言えば「おもちゃのまち」。1960年代のおもちゃ工場団地誘致をきっかけとし、地名にも採用されている程の“おもちゃ”は、今や壬生町を象徴する存在となっており、おもちゃを核としたまちのブランド化も進められています。

さらに2024年の「街の住みここちランキング」(※1)では県内3位になるなど、「住みやすいまち」としても注目を集める壬生町。実際に町民アンケート(※2)でも、8割以上の町民が「住みやすい」と回答しています。
※1…街の住みここちランキング2024<栃木県版>3位(町公式サイトから引用)
※2…壬生町第6期総合計画策定にかかる住民意識調査。「住みやすい」「まあまあ住みやすい」を合算

壬生町の住みやすさの理由はひとつではありません。特産品のいちごやかんぴょうを育む豊かな自然や、交通アクセスの良さ、充実の医療体制などさまざまな要素がバランスが良く暮らしを支えてくれています。近年ではコストコなどの大型商業施設の進出も相まって、まちの賑わいがさらに増しています。

そんな壬生町への移住をおすすめしたいのは、次のような方です。

  • 東京圏で仕事をしているが、生活拠点を地方に移しテレワークをしながら暮らしたい
  • 医療機関の整った場所で、年齢を重ねても安心して暮らし続けたい
  • 自然も楽しみたいが、生活の利便性も大事にしたい
  • 外に遊びに行きやすいことも大切だが、まちの中での楽しみどころも充実していると嬉しい

なぜこのような人に壬生町への暮らしが合っているのか、ここからは壬生町の暮らしの魅力を具体的に3つのポイントから紹介していきます。

魅力1:東京にも好アクセス。暮らしの選択肢を広げる「交通の利便性」

壬生町には北関東自動車道が通っており、壬生インターチェンジを経て東北、常磐、関越自動車道に連結しているため、県外への移動が非常に便利なのが特徴です。東京までは約90km、東京ICまでは2時間弱で到着することができます。

さらに公共交通機関では東武宇都宮線が町を縦断しており、東京までは約80分、宇都宮市までは約30分でアクセスすることができます。出社の必要があればすぐに移動できるため、東京近郊で働いているテレワーカーの方にもおすすめのまちです。

移住の希望はありつつも、子どもの進学先や自身の仕事が住む場所によって制限されることに抵抗がある人もいるかもしれません。そんな人にとって、壬生町の抜群の交通アクセスは魅力的に感じられるのではないでしょうか。

そして重要なのが、町外への移動だけでなく、町内における交通手段も整っていること。壬生町では新たな交通手段として令和5年2月から、町コミュニティバス「みぶーぶ」の実証運行が始まっています。町内の大きなスーパーの付近も運行ルートに入っている、生活者に寄り添ったコミュニティバスとなっています。

栃木県壬生町のコミュニティバス「みぶーぶ」
▲コミュニティバス「みぶーぶ」

基本的には車社会の壬生町ですが、将来的なことを考えると、車を運転できなくなった際にも利用できる交通手段が整備されていることは安心材料になるのではないでしょうか。

魅力2:住み続けるための大切な条件。医療体制をはじめとした「安心・充実の生活環境」

壬生町は、高度な医療サービスを提供する獨協医科大学病院を擁する「医療のまち」としての顔も持っています。さらに隣接する下野市には自治医科大学付属病院もあり、身近に最先端の医療が受けられる環境が整っています。

獨協医科大学病院のヘリポート
▲救急救命に大きく寄与するドクターヘリの基地病院でもある獨協医科大学病院(栃木県移住・定住促進サイト「ベリーマッチとちぎ」から引用)

一般診療所も町内40か所程あるなど、充実の医療体制は壬生町の大きな特徴の一つ。実際に、人口10万人あたりの医師数・看護師数は全国トップクラスを誇っています。万が一のときに治療を受けられる環境が身近にあるだけで、暮らす上での安心度が上がるのではないでしょうか。

病院の他にも、買い物施設やコンビニ、公園などがコンパクトにまとまっており、便利に快適に過ごすことができます。近年では新たにコストコやカインズホームセンターがオープンし、さらに生活の便利度は増しています。

便利で快適、さらにいざというときの医療体制も整っている壬生町。「移住する」だけでなく、移住した先で「暮らし続ける」ことを考えると、とても心強い環境と言えるでしょう。

魅力3:おもちゃ博物館も!豊かな暮らしに欠かせない「お楽しみスポット」

栃木県壬生町「おもちゃ博物館」の外観
▲まるでお城のような「おもちゃ博物館」の外観

町外への交通アクセス環境が良いのが特徴の壬生町ですが、まちの中での遊び場がたくさんあるのも魅力です。

大きな特徴として、壬生PAに連結した「道の駅みぶ(みぶハイウェーパーク)」に、まちの楽しみどころが集約されているということがあります。道の駅というと観光スポットの印象が強いかもしれませんが、公園や遊び場で構成される約53haの「道の駅みぶ」は、住民にとっても楽しめる場所となっています。

まずは「みぶハイウェーパーク」。高速道路と一般道の両方からアクセス可能なハイウェイオアシスで、地元の食材を使った料理を食べられる食堂、農産物直売所などのさまざまな店舗があります。サービスエリアのためドライブ途中に立ち寄る人も多いのですが、その時間だけでは楽しみ尽くせない程見どころ満載です。

そして“おもちゃのまち”ならではの遊べる博物館、「おもちゃ博物館」も道の駅内にあります。3階建てのお城のような外観で、子どもが体を使って遊べるエリアも。数多くの貴重なおもちゃが展示されていたり、鉄道模型の部屋もあるため、子どもだけでなく大人も楽しむことができます。

栃木県壬生町の「おもちゃ博物館」中の様子
▲おもちゃ博物館には子どもが楽しめる要素が満載

道の駅みぶのエリア内には、東京ドーム11個分の広さを誇る「とちぎわんぱく公園」、緑豊かな壬生町総合公園もあります。

楽しむ施設だけでなく、ゆったりと散歩をしたり、自然と触れ合うことができるスポットもあり、多様な過ごし方ができるのが嬉しいポイントです。

壬生町の暮らしに関する情報

ここでは、実際に壬生町に住むなら知っておいた方が良い、気候や学校などの暮らしに関する情報をまとめました。

気候 8月の平均気温:26.0度
1月の平均気温:2.8度
※参考:気象庁ホームページ(壬生町内に観測地点が無いため宇都宮地点を参照)
人口 約39,000人
※参考:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数
病院 一般診療所:37か所
病院:1か所
歯科医:17か所
保育所・幼稚園 保育所:6か所
認定こども園:4か所
幼稚園:1か所
小規模保育施設:1か所
教育施設 小学校:8校
中学校:2校
高等学校:1校(県立)
大学:1校
食べ物 かんぴょう、いちご、ごぼう
交通 【鉄道】
・東武鉄道宇都宮線(壬生駅・国谷駅・おもちゃのまち駅・安塚駅)

【バス】
・路線バス:関東自動車獨協医大線
・デマンドタクシー「みぶまる」
・コミュニティバス「みぶーぶ」

【自動車】
高速道路:北関東自動車道(壬生PA・壬生IC)
国道:国道121号、国道352号
近隣都市 宇都宮市、栃木市、鹿沼市、下野市

壬生町は1年を通してみると比較的温暖な気候ですが、冬季は気温が低く寒い日が続く傾向があります。生活環境は先述した通り、良好なアクセス環境と充実の医療体制がポイント。県内初オープンのコストコもあり、買い物に不自由しません。

町の特産品はかんぴょう、いちご、ごぼう。特にかんぴょうといちごは県内でも生産量が多く、栽培にも力を入れているようです。直売所などでそのおいしさを確かめてはいかがでしょうか。

子育て環境を見てみると、壬生町の保育所等は12か所あり、待機児童は発生していません。小学校は町内に8校。教員と補助教員の2人体制のチーム・ティーチングで授業を実施する手厚い教育体制があることも魅力です。

さらに子育て支援として「こども医療費助成制度」は令和4年4月から助成対象が中学3年生から高校3年生相当まで拡大されています。子育て世帯の家計を助ける支援があるのは嬉しいポイントでしょう。

四季折々のイベントも楽しめる

壬生町では季節のイベントも充実しています。東雲公園は春になると風格のある桜並木が咲き誇る、とちぎの景勝100選に選ばれる程の桜の名所です。3月下旬から4月下旬にかけてはライトアップも行われロマンチックなムードになるため、デートスポットとしてもおすすめです。

栃木県壬生町の東雲公園
▲ライトアップされる東雲公園の桜並木

夏には「壬生ふるさとまつり」があり、花火を楽しむこともできます。秋には町内の商工団体、農業団体等が展示販売を行う「総合産業まつり」も開催され、家族を中心に賑わいを見せます。

栃木県壬生町のふるさとまつりの様子
▲花火も打ちあがる「ふるさとまつり」

栃木県壬生町の「総合産業まつり」の様子
▲親子連れでにぎわう「総合産業まつり」。著名な玩具会社提供の商品が並ぶ

これらのイベントには、地域の特産品やおもちゃの販売など、壬生町ならではの良さを楽しめるポイントが盛りだくさんです。壬生町へ移住したら、四季折々のイベントに楽しみながら参加して、まちの魅力を味わってみてはいかがでしょうか。

仕事情報:近隣含め求人数は豊富。起業・創業を後押しするサポート体制あり

壬生町の正社員の求人数を大手求人サイトで調べると、約800件の正社員の求人がヒットしました。
※参考:求人情報の一例

近隣も含めると、約54,000件と、正社員の求人数が大幅に増えました。町外の場合は宇都宮市に働きに出ている人が多いそうです。大きなまちに隣接しており交通アクセスも良いため、壬生町に住まいを構え、働く場所は町外を選ぶというライフスタイルも問題なく選択できます。
※参考:求人情報の一例

また壬生町では企業誘致が進められており、新産業団地の整備も計画されています。産業が活性化することで町内に新たな雇用が創出されることも期待できるのではないでしょうか。

壬生町では起業・創業への支援にも手厚い支援があるのがポイント。壬生町で策定された「創業支援事業計画」が国の認定を受けており、壬生町商工会と栃木県産業振興センターによる整備町内での起業・創業を目指す方への支援体制が整備されています。移住を機に起業や創業を考えている方は、参考にしてみてください。

※「壬生町創業支援事業計画」認定に伴う取り組みについて:https://www.town.mibu.tochigi.jp/docs/2015122100017/

住まい情報:都市計画税ゼロ、区画整理も進行中。新たな住まいを構えたい方はぜひ

壬生町の住まいに関する大きな特徴に、都市計画税がかからないという点があります。これは土地・家屋を所有している人に対してかかる固定資産税・都市計画税のうち、都市計画税を免除するというもの。固定資産税も都市計画税も毎年支払うお金であるため、都市計画税が免除されるというのは長期的な目線で見ても家計を大きく助けてくれます。

また、大手住まい情報サイトで壬生町の賃貸物件を調べたところ、約230件ヒットしました。
賃貸物件の一例

賃貸物件にも空きがあり、また新たな区画整理も始まっているため、賃貸・分譲含め移住先の住まいに困ることはないかと思われます。はじめは賃貸に住みながら、新たな分譲地も含めてゆっくりと自分に合う地域を探して住居の購入や建築を検討してみるのも良いかもしれません。

壬生町に移住した人の声・感想

栃木県壬生町への移住者の声

ここでは、実際に壬生町に移住された人の声を紹介します。

  • 宇都宮市や栃木市、鹿沼市、下野市などの大きなまちに隣接し、どこへでも行きやすく、どこからも来やすい
  • 何かのときに大きい病院があるので安心
  • 無理をしなくても人とのつながりが広がっていく感じがある
  • 移住したことで地域活動やお祭りなど、地域に根ざした活動を行うようになり、それに喜びを感じている
  • 大型の商業施設ができて、まちが便利にバージョンアップしていると感じる

交通の利便性や、生活環境に魅力を感じるという声が聞かれました。やはり大きな病院が近くにあることは、暮らしていく上でも安心材料になっているようです。

それだけでなく、地域とのつながりに充実感を覚えるという声もあがりました。「住むのに困らない」というだけでなく、移住先でのさまざまなイベント等を通じてまちに対する愛着を深めていくことができるのが壬生町の魅力なのかもしれません。

壬生町への移住に向けた具体的な支援・情報

壬生町への移住に興味を持った方に向けて、移住支援金などの具体的な情報をご紹介します。

子ども1人につき100万円の加算もあり。移住に対する経済的支援が充実

壬生町では「移住支援事業」として、東京圏から壬生町に移住した方を対象に最大で100万円の移住支援金を支給しています。さらに18歳未満の子どもがいるご家庭には、子ども1人につき100万円が子育て加算として上乗せされます。つまり18歳未満のお子様が2人いる場合は、最大300万円の移住支援金をもらうことができるのです。

また「壬生町立地企業雇用確保移住支援金」として、壬生町に移住し町内の企業に就職した方に対して1人20万円の支援金の交付も実施しています。こちらは「移住支援事業」と違い東京圏からの移住に限定はしていませんが、移住後の住まいが賃貸物件であること、また対象業種への就職であることなどの要件があります。

移住を具体的に考え始めたら、まずはこれらの支援金に当てはまるかどうかを確認することをおすすめします。

※移住支援事業:https://town.mibu.tochigi.jp/docs/2023042600012/
※壬生町立地企業雇用確保移住支援金:https://www.town.mibu.tochigi.jp/docs/2022040500010/

壬生町の移住に関するお問い合わせ

担当課 総務部総合政策課
住所 〒321-0292
栃木県下都賀郡壬生町大字壬生甲3841番地1
電話番号 0282-81-1813
対応時間

8:30~17:15

公式サイト https://www.town.mibu.tochigi.jp/