松山市への移住を検討中の方へ!暮らしの特徴から仕事・支援情報まで徹底解説
この記事では、四国地方での移住を検討している方に向けて、愛媛県松山市の暮らしに役立つ情報を紹介します。
愛媛県のほぼ中央にある松山市は、都会的な面と自然とのバランスが良く、ほど良い田舎暮らしができるまちです。
移住サポートにも力を入れ、松山市への移住を検討している方には一泊二日の「オーダーメイド型移住体感ツアー」も実施しています。
今回は松山市まちづくり推進課 移住・定住担当の白石修介さんにインタビュー取材させていただいた内容をもとに、松山市の特徴や魅力についてお伝えしていきます。
松山市の魅力:移住者を惹きつける3つの特徴
松山市で暮らす大きな特徴として、次の3点が挙げられます。
ここからは、これらの特徴について詳しく紹介します。
特徴1:コンパクトシティの利便性と時間的ゆとりの両立
愛媛県の県庁所在地である松山市は、利便性の良いまちです。
中心部は医療機関や公共施設、商業施設などが充実したコンパクトシティで、交通機関も整備されているので「松山空港」や日本最古の温泉と言われる「道後温泉」(※)へも気軽にアクセスできます。
(※)参考:道後温泉の歴史・泉質・風情
- 松山空港:市内中心部から車で約15分
- 道後温泉:市内中心部から路面電車で約10分
また、職場や学校が身近な場所にあることから通勤・通学の時間が短く、帰宅後は趣味や家族との時間も多くとれるので、自然と1日の充実度も高くなります。
車で30分ほどの近隣市町には、約160種の動物に会える「愛媛県立とべ動物園」や四国最大級のショッピングセンター「エミフルMASAKI」などのおでかけスポットもあるので、休日は市外まで足を運んでみてはいかがでしょうか。
公式:愛媛県立とべ動物園
公式:エミフルMASAKI
特徴2:自然と都市機能の絶妙なバランスで実現するほどよい田舎暮らし
松山市は「ほどよい都市機能」と「田舎の穏やかさ」をあわせ持つ、暮らしやすいまちです。
市の中心部から車で30分ほどの距離には山や海が広がっているので、「自然に囲まれて暮らしたいけど、利便性は譲れない」という人にはぴったりの移住先と言えるでしょう。
松山市で「ほど良い田舎暮らし」をしたい方におすすめのエリアは、以下の2つです。
- 北条
- 三津浜
離島が近く、海が魅力の「北条」は、松山市北部の中核的なエリアです。レジャースポットとしても人気のエリアで、渡船で約3分の場所にある「鹿島」では海水浴やキャンプも楽しめます。
遠浅の海なので、子どもと海水浴に行っても安心して遊ばせられますし、美しい海岸は「伊予の江の島」と呼ばれ、2014年には「恋人の聖地サテライト」(※)に選定されています。
(※)参考:恋人の聖地PROJECT
▲綺麗な浅瀬の海なので、小さい子どもでも楽しめます
また、毎年7月の最終土曜日には「風早海まつり」が開催され、約4000発の海上花火も打ち上げられます。このように、北条は夏を満喫できるエリアになっているので、マリンスポーツや夏のイベントが好きな方にはおすすめです。
「三津浜」には駅や学校、商店街など、生活に必要な施設が充実しています。漁業が盛んな港町なので、新鮮な魚介を使った寿司や鯛めし、イタリアンが食べられるグルメスポットとしても人気です。
ノスタルジックな町並みが残っている地域で、古民家をリノベーションしてカフェをしたり、アーティスト活動をする移住者も多いとお聞きしました。
▲三津浜地区は古民家も多く、レトロな町並みが広がります
「移住先で自分のお店を持ちたいと考えている人」におすすめのエリアなので、松山市での起業を考えている方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
参考:松山市移住サイト(三津浜エリア)
特徴3:温暖な気候と防災に強い環境で安心な暮らし
松山市は、降水量が少なく穏やかな気候(※)であることから、温暖な気候を求めて移住する方も多いまちです。
(※)参考:松山地方気象台
年平均気温16.5℃(※)で降水量も少なく、白石さんのお話では「雪は降ることはあってもめったに積もらない」とのこと。そのため、「田舎暮らしをしてみたいけど、冬の生活が厳しい場所はちょっと…」という方にもおすすめの地域です。
(※)参考:松山市移住サイト
夏場の日照時間も長いので、美味しい「みかん」を作る条件が揃っています。
また松山市は、市の南側に四国山地があることで「台風の被害を受けにくい地域」としても知られています。市民の防災意識も高く、防災士の数は全国自治体の中で最多です(※)。
(※)参考:松山市移住サイト
近年は国内でさまざまな自然災害も起きているので、穏やかな気候で、市民の防災意識が高い松山市は、新たな移住先に向いていると言えるのではないでしょうか。
松山市の生活事情:子育て・仕事・住まいの最新情報
それでは、松山市の暮らしに関するデータを見ていきましょう。
気候 | 1月:6.2℃ 8月:28.1℃ ※参考:気象庁ホームページ |
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人口 | 501,670人 (2024年1月1日現在) |
病院 | 病院:41、診療所:413、歯科:246 |
学校 | 保育所:44、幼稚園、27 認定こども園:48、地域型保育事業所:33 小学校(休校中を含む):59、中学校:29、高等学校:16 (2023年3月現在) |
交通 | 【鉄道】JR四国、伊予鉄道 【バス】JR四国バス、伊予鉄バス、宇和島バス、せとうちバス 【フェリー】中島汽船 |
近隣都市 | 【愛媛県】東温市、今治市、松前町、砥部町(とべちょう)、久万高原町(くまこうげんちょう)、大洲市(おおずし)、伊予市 【広島県】呉市 |
※学校以外の数字は2024年1月時点のものです
松山市には医療機関やスーパーなどの商業施設が充実しているので、不便なく生活ができます。公共交通機関も揃っているので通勤・通学の移動手段にも困りません。
一方で、休日などに近隣市町までおでかけするときには車があると便利とのこと。白石さんによると、松山市は車社会で車を持っている方も多いそうなので、一家に一台あると良いでしょう。
市内には保育所や学校も多く、「乳児保育所」や「夜間保育所」もあります。子育て世帯が暮らしやすい環境も整っているので、家族で移住を検討している方にとってもおすすめのエリアです。
公式Instagramでは、おでかけスポットやグルメなどの情報発信もしているのでチェックみてください。移住ツアーの案内なども行っています。
公式Instagram:「いい、暮らし。まつやま」
子育て環境:充実した医療施設と手厚い補助制度
松山市では、子どもたちが健やかに育つ環境が整っています。
地方への移住では、まちに子どもの病院がないことも多いですが、松山市は医療機関が充実。松山市急患医療センターと小児二次救急病院が連携しているため、子どもの急病にも24時間対応できる救急医療体制が整っています。
子どもが小さいころは何かと受診する機会も多いので、市内に24時間診てもらえる場所があるのは、松山市で暮らすうえで大きなメリットになるのではないでしょうか。
また、松山市には市内に住む0歳から高校3年生(18歳到達年度の3月31日まで)の子ども医療費助成(保険適用分)もあります。
参考:松山市役所(子ども医療費助成)
このように、医療体制や支援が充実している松山市は、子育て世帯の移住先におすすめのまちと言えるでしょう。
家族の憩いの場:充実した遊びスポットと大型公園
松山市には子どもたちの遊び場も多く、市内の小学校地区には各エリアに公園が1つ以上あります。大きな遊具がある公園もいくつかあるので、子どもたちはお気に入りの場所で友達と一緒に楽しい時間を過ごします。
大型公園では「松山総合公園」が人気で、アスレチックのような大きな遊具がある「坊っちゃん夢ランド」は親子連れで賑わっています。
松山市を一望できる「展望塔」やドッグラン、春には満開の桜が広がる広場など、子どもだけではなく老若男女に親しまれるスポットなので、休日は家族と一緒に出かけてみてはいかがでしょうか。
公式Instagram:「いい、暮らし。まつやま」
ほかにも、市立の保育所・幼稚園の14園の園庭を芝生化するなど、子どもたちがのびのびと体を動かせる環境作りにも取り組んでいます。
仕事事情:豊富な求人と若者向け就活支援制度
松山市の正社員求人を大手の求人情報サイトで検索したところ、37,305件の求人が見つかりました。また、車で30分程度の通勤圏(25km圏内)まで範囲を広げると、44,410件の求人情報がありました(2024年1月時点)。
※参考:求人情報の一例(松山市のみ)
※参考:求人情報の一例(松山市から25km圏内)
松山市の中心部がオフィス街になっているため、求人は豊富で、市内で働く人が多いとのこと。松山市の平均年収は443万円(※)なので、移住を機に転職を考えている方は仕事選びの参考にしてみてください。
(※)松山市の平均年収
就活・起業サポート:松山市が運営する便利なウェブサイト
松山市では市内で就活をする方に向けて、以下のWebサイトを運営しています。
- まつやま就活支援ナビ
- 松山しごと創造センター
- ジョブカフェ愛work
松山市が運営するサイト「まつやま就活支援ナビ」では、市内での就職を目指す人に向けた支援や施策情報が紹介されています。
公式:まつやま就活支援ナビ
松山市が設置した「松山しごと創造センター」では、起業・経営支援に関する幅広いサービスが提供されています。
移住先で起業を考えている方に向けたお役立ち情報が掲載されているので、新しいことにチャレンジしたい方はチェックしてみてください。
公式:松山しごと創造センター
また「ジョブカフェ愛work」では、若者世代を対象に一人ひとりの状況に応じた就職活動のサポートもしてもらえるので、見知らぬ土地での就職活動を不安に思っている方は活用してみてはいかがでしょうか。
公式:ジョブカフェ愛work
ジョブカフェ愛work内にある「ふるさと愛媛Uターンセンター」では、愛媛県外に在住の一般求職者向けに企業からスカウトを受けられる「お仕事マッチング制度」を実施しています。
住まい探し:豊富な賃貸物件とエリア別空き家バンクの活用法
大手住宅情報サイトで松山市の賃貸物件を検索したところ、16,162件の物件が見つかりました(2024年1月時点)。家賃相場は4.2万円で、間取りはワンルームから3LDKまでさまざまです。
市内には賃貸物件が多く、白石さんによると「こだわりがなければ苦労せずに探せる」とのことでした。
また松山市には空き家も多く、空き家バンクはエリア別に3つあります。
三津浜地区や松山市の離島「松山市中島(なかじま)」「興居島(ごごしま)」に特化したサイトと県内全体の空き家バンクがあるので、移住先で空き家利用を検討している方はご自身の暮らしたいエリアに合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか。
松山市移住者の声:実際の暮らしぶりと感想を紹介
松山市の魅力や暮らしについて紹介しましたが、やはり気になるのは移住者の口コミなのではないでしょうか。ここでは、実際に松山市に移住した方の声を紹介します。
- 空港までのアクセスが良いので、本州へ行くのも便利
- 瀬戸内海が綺麗で、気候も安定しているので暮らしやすい
- ゆったりとした時間の中で、自分らしく、やさしく暮らせるようになった
- はじめての土地で不安な気持ちもあったが、地元の方が温かく、困ったときには助けてくれる
口コミにもあるように、松山市は豊かな自然に囲まれながらも利便性が良いので、自分のペースでゆったり暮せるまちです。時間に追われる日々にうんざりしている人にはおすすめのエリアなので、移住先の候補地として検討してみてください。
東京からの移住者が多く、20~30代の単身者や、Uターンの方も多いです。
松山市の移住支援策:充実のサポート体制を詳しく解説
ここからは松山市への移住に興味がある方に向けて、松山市が実施している支援やサポートについて紹介します。
移住体験:「オーダーメイド型移住体感ツアー」で松山市を知る
松山市では移住を検討している方を対象に、以下2つのツアーを実施しています。
- まつやまオーダーメイド型移住体感ツアー
- まつやま移住体感ツアー
「まつやまオーダーメイド型移住体感ツアー」は、参加者の希望に合わせてツアーの日程や訪問先を自由に組めるツアーで、年に10組ほど利用しているそうです。
松山空港までは市が借り上げた「ジャンボタクシー」で送迎してもらい、市内の気になるスポットを一泊二日で案内してもらえます。
ツアーでは港町の三津浜を散策したり、地元グルメの「鯛めし」を味わいながら、気になる施設を巡っていきます。地元の不動産会社を介して「住まいの相談」もできるので、移住後の賃貸事情についても一通り把握できるのではないでしょうか。
スクロールで「まつやまオーダーメイド型移住体感ツアー」の写真が見られます→
ツアーの交通費、宿泊費などに対しては補助金もあり、参加者1人につき最大50,000円を補助してもらえるので、気になる方は公式サイトで詳細をご確認ください。
公式:松山市移住サイト(「まつやまオーダーメイド型移住体感ツアー」について)
移住ツアーをきっかけに松山市へ移住された方もいらっしゃるので、本気で移住を考えている方には有意義なツアーになるかと思います。
「まつやま移住体感ツアー」は首都圏在住の方を対象としたツアーで、移住・起業についての体感・相談ができます。2つのコースが設けられているので、気になるエリアのツアーに申し込んでみましょう。
各ツアー定員15名ほどで、先輩移住者との交流会などもあるので、開催のタイミングが合えば参加してみてはいかがでしょうか。
スクロールで「まつやま移住体感ツアー」の写真が見られます→
参考:松山市役所(まつやま移住体感ツアー)
移住後のサポート:経済的支援と交流会で新生活をバックアップ
松山市では、市内へ移住した方に向けて以下の支援があります。
- 子育て世帯いらっしゃい事業補助金
- 移住者交流会「まつやま日和」
2023年度から始まった「子育て世帯いらっしゃい事業補助金」は、子育て世帯の引越し費用(引越し業者への支払い分)を一部補助する制度です。金額は上限100,000円で、中学生以下の子どもまたは胎児1人につき50,000円が加算されます。
補助を受けるためには定められた条件をすべて満たす必要があるので、興味のある方は公式サイトで詳細をご確認ください。
公式:松山市移住サイト(子育て世帯いらっしゃい事業補助金)
年3回ほど開催される移住者交流会「まつやま日和」では、軽食を食べながら、移住者同士で「松山の暮らしあるある」などを話しながら情報交換を行います。会場には保育スペースが設けられ、保育士も待機しているそうなので、子育て世帯でも気軽に参加できそうです。
移住後は見知らぬ土地での生活に不安を感じるものですが、同じ境遇の方と交流する場を持つことで、移住先での暮らしがさらに充実していくのではないでしょうか。
参考:松山市移住サイト(「まつやま日和」について)
各地で開催される移住フェアにも参加しているので、お近くで開催している際はぜひご参加ください。
▲移住フェアでは、移住に関する相談や質問ができます
移住相談窓口:松山市役所の連絡先と対応時間
▲インタビューに協力いただいた白石さんとまちづくり推進課のみなさん
松山市への移住については、松山市役所までお問い合わせください。
担当課 | まちづくり推進課 移住・定住担当 |
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住所 | 〒790-8571 愛媛県松山市二番町四丁目7番地2 松山市役所本館6階 |
電話番号 | 089-948-6095 |
対応時間 | 8:30〜17:15(月~金曜日) |
公式サイト | ▼松山市移住サイト https://matsuyama-kurashi.com/ ▼公式Instagram「いい、暮らし。まつやま」 https://www.instagram.com/iikurashi_matsuyama/ ▼松山市役所 https://www.city.matsuyama.ehime.jp/ |