島根県益田市で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報
この記事では移住を考えている人に向けて、島根県益田市の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。
島根県益田市は、島根県の西端にあるまちで、山口県と接しています。北部には日本海を臨み、南部には中国山地があります。
中国山地を源とする高津川(たかつがわ)は、国土交通省の調査で何度も「水質日本一」を獲得している清流で、良質な天然鮎の産地として知られています。また山中の最上流域はわさびの産地として有名です。
今回は、益田市役所連携のまちづくり推進課のご担当の方に地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。
益田市の特徴を3つご紹介
益田市の年間平均気温は15.9℃で、東京の15.8℃とほぼ同程度です。平野部は対馬海流の影響を受け、温暖で降雪はあまりありません。山間部では平野部より積雪は多いものの、近年は暖冬の影響により、降雪量は少なくなっています。
そんな益田市での暮らしは、次のような方に適しています。
- 都市部との二拠点生活をしてみたい
- 自分のライフスタイルに合った場所で暮らしたい
- 川遊びなど自然とふれあう機会を持ちたい
上記のような方に適している理由を、益田市に見られる3つの特徴から解説します。
特徴1:主要都市へのアクセス良好。出張や二拠点生活に便利
▲益田市からバスで約10分の萩・石見空港
益田市は市の大半を林野が占め、自然あふれるまちですが、萩・石見空港(はぎ・いわみくうこう)までバスで約10分とたいへん利便性が高く、出張の多い人や二拠点生活をする人におすすめです。
なお、萩・石見空港から東京(羽田空港)へは約1時間30分、大阪(伊丹空港)へは約1時間で到着します(大阪行きは夏季のみ)。
高速道路については、浜田I.C.または戸河内I.C.を経由して広島まで約2時間となっています。
電車については、益田駅から新幹線新山口駅までJRの特急で約1時間40分、広島駅までは特急と新幹線を乗り継いで約2時間30分です。
海と山と川がそろう自然豊かな環境に生活拠点を置きながら、主要都市にも行き来する。そんな生活が益田市では叶います。
特徴2:ライフスタイルに合わせて居住地域を選べる
▲小浜海岸(こはまかいがん)の岩礁「宮ヶ島」に鎮座する、衣毘須神社(えびすじんじゃ)。漁業の神様としてまつられている
益田市には多様な側面があります。商業施設や娯楽施設がそろう中心部、美しい日本海に面した港町、自然に囲まれた農村集落や山間部。色々な顔を持つまちだから、自分の望む暮らし方や仕事に合わせて居住地域を選択できます。
例えば、車はあまり使わず、リモートワーク中心の生活なら中心部に住むのが便利ですし、マリンスポーツが趣味なら海の近く、地域住民とのつながりを深く持ちたいなら、ご近所付き合いがしっかりある山間部がおすすめです。
島根県は休養・くつろぎの時間が全国平均より長いです。自分のライフスタイルに合った場所で、くつろぎの時間を持ちたいですね。
(※総務省「令和3年社会生活基本調査」)
特徴3:高津川での鮎釣りなど、さまざまなアクティビティが楽しめる
▲鮎を目当てに全国から釣りファンが集まる高津川
益田市を流れる高津川は、全国でもトップクラスの水質を誇ります。一級河川としては珍しくダムがなく、貯水されることがないため、常に新鮮な水が豊富に流れているのです。高津川でおいしく育った鮎はブランド化され、全国から多くの釣り人を引き寄せています。
お子さんと一緒の夏の川遊びに、鮎釣りはいかがでしょうか。鮎がかかったときの感触と喜び、釣れなかったときの悔しさなど、お子さんの成長を促す絶好の機会となるでしょう。
マリンスポーツが好きな人には、国道191号線沿いにある持石海岸(三里が浜)がおすすめです。シャワー施設も整っているため、サーフィンやボディボードなどを存分に楽しめます。日本海をオレンジ色に染める夕日は、益田を象徴する風景でもあるので、ぜひ眺めてみてください。
益田市の中心部から東に10kmほどに位置する美都地域には、山林で4輪バギーを楽しめる体験型リゾート施設もあります。初心者向けの体験コースもありますから、大自然の中で開放感とスリルを体感してみましょう。
トレッキングがお好みでしたら、匹見峡(ひきみきょう)に行ってみましょう。前匹見、奥匹見、表匹見、裏匹見と4つのエリアごとに異なる風景を楽しめる渓谷です。四季折々のよさがありますが、特に秋は鮮やかな紅葉と渓谷美が見事です。
▲4つのエリアに分かれる匹見峡のうちのひとつである表匹見峡。約4kmの渓谷が続く
益田市の暮らしに関する情報
ここからは、益田市の暮らしに関する情報をご紹介します。
気候 | 8月平均気温:27.6℃ 1月平均気温:5.5℃ ※参考:気象庁 |
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人口 | 人口:約44,000人 世帯:約21,000世帯 (令和5年5月末時点) |
病院 | 病院・クリニック:47か所 歯科:25か所 |
学校 | 保育施設:36所(幼稚園も含む) 小学校:15校 中学校:9校 高等学校:4校 |
文化・芸術 | ますだ祇園まつり(7月下旬ごろ・夏休み最初の土日) 益田まつり(4月第3日曜日) 益田七尾まつり(11月3日) 益田万葉まつり(4月29日) 水郷祭(8月第1土曜日) 八朔祭(9月1日) 流鏑馬(9月1日) 石見神楽 |
食べ物 | メロン トマト 西条柿 まろ柿 ゆず デラウェア 巨峰 いちご わさび 西いわみヘルシー元気米 鮎 もくずがに(ツガニ) はまぐり さざえ・あわび 葡萄ジャム(益田ブランド認定品) 本格焼酎わさび25°(益田ブランド認定品) ゆずっこ(益田ブランド認定品) ブルーベリージャム(益田ブランド認定品) みと60山里茶(益田ブランド認定品) マルシンのだしの花(益田ブランド認定品) マルシンのだしぽん(益田ブランド認定品) 苺ジャム(ミックス)(益田ブランド認定品) 柚子マーマレード(ミックス)(益田ブランド認定品) 宗味(そうみ) 画聖 本醸造酒(益田ブランド認定品) 宗味 歌聖 純米酒(益田ブランド認定品) 真砂の豆腐(まさごのとうふ)(益田ブランド認定品) ゆずらーめん(益田ブランド認定品) 鶏卵饅頭(けいらんまんじゅう)(益田ブランド認定品) |
交通 | 【石見空港利用】 〇東京(羽田)から萩・石見空港まで約90分 〇大阪(伊丹)から萩・石見空港まで約60分 ※夏季のみ 萩・石見空港から益田駅までバスで約10分 【自動車利用】 〇東京から 東名・名神・中国・浜田道経由、浜田I.C.から国道9号線(892km) 東名・名神・中国道経由、戸河内I.C.から国道191号線(926km) 所要時間:約12時間 〇大阪から 中国池田I.C.から 中国・浜田道経由、浜田I.C.から国道9号線(420km) 中国・山陽・広島・中国道経由、戸河内ICから国道191号線(420km) 所要時間:約5時間30分 〇広島から 広島I.C.から 山陽・広島・中国道経由、戸河内I.C.から191号線(120km) 山陽・広島・中国道経由、六日市I.C.から国道187号線~国道9号線(150km) 所要時間:約2時間30分 〇萩から 国道191号線で約1時間15分 〇津和野から 国道9号線で約45分 【バス利用】 〇大阪から バスで7~8時間 〇広島から 中国道六日市IC経由で約3時間15分 中国道戸河内IC経由で約2時間30分 〇津和野から 約1時間10分 【JR利用】 〇東京から 東京駅から東海道・山陽新幹線で新山口駅まで、新山口駅から山口線特急列車で益田駅まで(約8時間) 東京駅から東海道・山陽新幹線で広島駅。広島駅よりバスで益田駅まで(約7時間20分) 〇大阪から 新大阪駅から山陽新幹線で新山口駅まで、新山口駅から山口線特急列車で益田駅まで(約5時間) 新大阪駅から山陽新幹線から広島駅まで、広島駅よりバスで益田駅まで(約5時間) 〇広島から 広島駅から山陽新幹線で新山口駅まで、新山口駅から山口線特急列車で益田駅まで(約2時間30分) 〇萩から 東萩駅から山陰本線普通列車で益田駅まで(約1時間20分) 〇津和野から 津和野駅から山口線特急列車で益田駅まで(約30分) |
観光・レジャー | 蟠龍湖 医光寺 萬福寺 七尾城(益田城):国史跡 三宅御土居:国史跡 七尾公園(七尾城堀跡) 天石勝神社 スクモ塚古墳 高津柿本神社 島根県芸術文化センター グラントワ 益田市立雪舟の郷記念館 双川峡 匹見峡 |
近隣都市 | 浜田市、山口県萩市、岩国市、広島県廿日市市 |
益田市では、スーパー、病院・クリニックなど、ふだんの生活は市内でまかなえます。ショッピングや映画などは、広島市や福岡市にいく人が多いようです(広島市まで車で2時間30分、福岡市まで車3時間30分くらい)。
市内の文化施設としては、「グラントワ」と「ふれあいホールみと」があります。とくに「グラントワ」は、美術館と芸術劇場という珍しい複合施設です。石州瓦(※)28万枚を使用した外観も高く評価されており、建築物として鑑賞するために訪れる人がいるほどです。
(※せきしゅうがわら。島根県の石見地方で生産されている粘土瓦)
▲島根県石見美術館と島根県立いわみ芸術劇場の複合施設・グラントワ
益田市では、車があると便利です。とくに山間部に住みたい場合は必須と言えます。
【子育て】まちで安心して子育てできる
益田市では、妊娠期から出産・子育て期まで一貫して相談・支援を行う「伴走型相談支援」を行なっており、お母さんが安心して出産・子育てができる環境を整えてくれています。
子育て支援センターでは、子育ての相談だけでなく、親子の遊びや仲間づくりの場を提供しているので、積極的に利用しましょう。
また、子育てを支援してほしい親と子育てを応援したい方をつなげる「ファミリー・サポート・センター事業」も行っています。支援としては下記の通りです。(一部抜粋)
- 「保育施設の開始時間までや保育終了時の預かり
- 「保護者の受診時などの預かり」等があります。
※支援については有償です。利用される場合は事前にお問い合わせください。
経済的な支援としては、出産育児用品の購入や子育て支援サービス利用の負担軽減を図るため、出産応援金5万円(妊婦対象)と、子育て応援金5万円(新生児対象)の給付を行っています。
島根県と益田市では、子育てを温かく応援する地域づくりを進めるため、しまね子育て応援パスポート事業を実施しています。子育て家庭に交付したパスポート「こっころ」を協賛店に提示すると、その協賛店独自の子育て応援サービスが受けられる制度です。こちらもぜひ活用してください。
【仕事】職住近接で自由時間を有効活用できる
大手求人情報サイトで益田市の求人を調べたところ、約1,000件がヒットしました。※2023年6月現在
※求人情報の一例
島根県は通勤時間が全国平均より短く(※)、益田市でもほとんどの人が市内で働いており、近隣の市町村へ通勤する人は少ないようです。浮いた時間を趣味の時間にあてたり、子どもとの時間を増やしたりと、自由に活用できる点は魅力ですね。
(※総務省「令和3年社会生活基本調査」)
益田市では、U・Iターンをする人にさまざまな助成を行なっています。ここでは一部をご紹介します。
わくわく益田生活実現支援事業移住支援金 |
東京23区から益田市へ移住し、就業や起業等を行う人に、移住支援金として、世帯100万円(18歳未満の者1人につき100万円を加算(※))、単身60万円を支給 |
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ますだ暮らし定着支援事業助成金 | 益田市内の事業所等に就業するU・Iターン者に対して、最大3万6千円を支給 |
U・Iターンしまね産業体験事業助成金 | 県外からのU・Iターン者が、島根県で農林水産業の産業体験を行う場合、12万円/月を支給(3か月以上12か月以内)。 中学生以下の子どもを同伴した場合は、世帯あたり3万円/月の上乗せあり |
益田市農林水産業就業支援助成金 | 市外からのU・Iターン者が益田市で就農を目的として産業体験を行う場合に、最大10万円/月を支給(12か月以内) ※U・Iターンしまね産業体験事業助成金の対象者に対する助成額は3万円/月 |
公式:益田市「ますだ暮らしパンフレット〔令和5年度版〕ダウンロード」
【住まい】賃貸物件は少なめ。空き家バンクやお試し施設の活用を
▲期限付きのお試し施設「益田市立田舎暮らし体験施設」
大手住まい情報サイトで益田市の賃貸物件を調べましたが、件数がとても少ないようです。市内の不動産会社に相談するか、空き家バンクや市営住宅を検討してみましょう。
※賃貸物件の一例
益田市では、空き家バンク制度を創設し、空き家の情報を提供しています。また、UIターン者の方が空き家バンクを活用し、益田市への定住を目的に空き家の改修を行う場合、改修にかかる経費の3分の1(最大30万円)が補助されます。
益田市の市営住宅には、公募(抽選)と随時募集(順番待ち)の住宅があり、地域によっては、随時募集の住宅に空室があります。
また、益田市には、期限付きのお試し施設「益田市立田舎暮らし体験施設」があります。対象者は、益田市への移住を強く希望し、田舎暮らしを体験しようとする人、または、農林業体験(研修)を受ける人です。
利用可能期間が1か月から3年以内と長いので、いったんこちらの施設に居住して、じっくり住まい探しをしてもよいかもしれませんね。
益田市に移住した人の声・感想
次に、益田市に移住した方の感想をご紹介します。
- 小さい頃から自然に触れあうのは大切なので、自分の子どもにも経験させたくて移住した
- 移住してからは、仕事だけでなく、自分の好きなことをする時間がある。都会ではなかなかできなかったこと
- すぐに気分転換ができる環境なのがいい
- 自分たちだけで子育てしているというよりも周囲の人にも助けてもらっている
- 手の届くところに自然があるところが気に入っている
身近に自然がある点が好評のようです。また、移住したことによって、時間や気持ちにゆとりのある過ごし方ができているようですね。
益田市へ移住するために利用したい窓口・支援
益田市では、県外のU・Iターン相談窓口として、東京・大阪・広島の3か所に「ふるさと定住・雇用情報コーナー」等を設けています。
漠然と「田舎暮らしがしたいから」と移住すると、後悔してしまうことにもつながります。移住してやりたいことや理想の暮らしをイメージしておき、相談窓口で伝えてみましょう。コーディネーターが、イメージに合った情報提供や相談に応じてくれます。
県外のU・Iターン相談窓口 | |
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東京ふるさと定住・雇用情報コーナー | 〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-2-2日比谷シャンテ地下1階「日比谷しまね館」内 TEL:0120-60-2357 |
大阪ふるさと定住・雇用情報コーナー | 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満3-13-18島根ビル2階「島根県大阪事務所内」 TEL:0120-70-2357 |
広島ふるさと定住・雇用情報コーナー | 〒730-0032 広島県広島市中区立町1-23ごうぎん広島ビル6階「島根県広島事務所内」 TEL:0800-100-6435 |
益田市への移住の気持ちが固まってきたら、いよいよ現地に行ってみましょう。
その際は、萩・石見空港の定住等応援助成制度を活用するのがおすすめ。島根県内への定住・就職を目指す人が萩・石見空港を利用した場合に、運賃の一部を助成する制度です。
公式:萩・石見空港「◆2023年度運賃助成事業 定住等応援助成」
移住検討で益田市に行く場合は、気候がよく益田市のいい面が見られる夏と、寒さや降雪の確認ができる冬の合計2回訪れるのがよいです。
また益田市では、ボランティアである「ますだ暮らしサポーター」があなたの移住をサポートしてくれます。移住希望者や移住者に対して、地域の相談役として、益田での暮らしの情報提供をしたり、地域へのつなぎ役となってくれます。
地区行事や自治会行事・ルールなども教えてくれる心強い味方ですので、頼りにしましょう。
益田市への移住に関するお問い合わせ
移住相談窓口 | 益田市役所 政策企画局 連携のまちづくり推進課 定住促進係 |
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住所 | 〒698-8650 島根県益田市常盤町1番1号 |
電話 | 0856-31-0173 |
公式サイト | 益田市「移住・定住」 |