富山県黒部市で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報

この記事では、地方移住を検討中の方のために、富山県黒部市で暮らす魅力を紹介しています。

黒部市は、北陸新幹線の停車駅があるため首都圏からの交通アクセスが良く、その利便性の良さから近年移住者が増えている地域です。また、黒部市は、市街地エリアから車で30分圏内で、海・山・川のレジャーを楽しめます。黒部峡谷、宇奈月温泉、富山湾の海の幸、名水など、黒部市は多彩な魅力にあふれた街ですよ。

このような黒部市の特徴を紹介しながら、黒部市で暮らす魅力や移住者向けの支援など、市の担当者さんに伺ったお話とあわせて詳しく解説していきます。

黒部市地域おこし協力隊の今西悠太さん

黒部市の暮らし、3つの特徴

富山県黒部市・暮らしの特徴

まずは黒部市がどんな街なのか、移住する方が気になる見どころや特徴をご紹介します。

黒部市の大きな特徴としては、次のようなものが挙げられます。

  • 公共交通が充実し暮らしやすい
  • 大自然が身近にあり、絶景がすぐそばにある
  • 自然の恵みが豊富

これらについて詳しく解説していきます。

特徴1:公共交通が充実!首都圏まで約2時間半で行ける

黒部市は公共交通が充実しており、生活に便利な地域でもあります。

北陸新幹線の停車駅である「黒部宇奈月温泉駅」は、市内中心部から鉄道・バスで10分〜15分程度と、かんたんにアクセスできます。そして新幹線に乗ってしまえば、東京駅まで約2時間半で行くことが可能です。

会社のテレワーク制度を利用して普段の生活拠点を黒部市に移す場合でも、月に1〜2回の出社であれば難しくないでしょう。週末だけ黒部市で過ごすなど、二拠点生活もしやすい環境です。

また、黒部市は鉄道やバスを中心とした市内公共交通も整っていますので、自家用車がなくても生活することは可能です。

▼黒部市内の公共交通

鉄道 ・北陸新幹線
・あいの風とやま鉄道
・富山地方鉄道
バス ・市内路線バス
その他 ・コミュニティタクシー(バスのように時刻表で運用している
・デマンドタクシー(予約式の乗り合いタクシー)

※コミュニティタクシーは平日のみ運行です(土日祝日運休)。また、予約が必要な路線もあります。

黒部市は、都市部と比べると車の運転がしやすいです。運転に慣れていない方や、運転が久しぶりの方のために「ペーパードライバー講習会」を行っています。

特徴2:黒部峡谷の美しい自然がすぐそこに。北アルプスの雄大な景色も圧巻!

黒部市は、富山県の北東部に位置します。北は富山湾、東に北アルプス、南は立山連峰に囲まれた扇状地です。このような地形は珍しく、“黒部市だから見られる絶景”がたくさんあります

そんな絶景の1つが、美しく壮大な黒部峡谷と、その中を走り抜けるトロッコ電車が織りなす景色です。この景色は毎年多くの観光客が訪れるほどの絶景ですが、黒部市で暮らせばいつでも見に行ける景色になります。こんな美しい景色が毎日見られるなんて贅沢ですよね。

黒部渓谷のトロッコ電車写真
▲黒部峡谷の上を走るトロッコ電車

また、秋の黒部峡谷は紅葉の名所としても名高いです。トロッコ電車から、また宇奈月温泉に浸かりながら、素晴らしい景色を眺めることができます。

黒部市だから見られる絶景はまだまだあります。日常的な街の景色もそのひとつで、田んぼや家の背景には雪が残った北アルプスが美しく並んでいるのが目に入ります。これほど近くに3,000m級の山々を感じられることに、驚かれる方も多いのではないでしょうか。


▲雪が残る北アルプス

このように、黒部市の景観は言葉では表現しきれないほど素晴らしいので、実際に訪れて確かめてみることをおすすめします。

特徴3:自然の恵みが豊富

3,000m級の北アルプス、一級河川黒部川、天然のいけす富山湾などの豊かな自然に触れられる黒部市。その自然が生み出してくれる恵みも豊富です。それぞれの魅力について紹介します。

「黒部川扇状地湧水群」が名水百選に選ばれ、至るところに湧水スポットあり

黒部市は湧水が豊富なことでも知られています。特に黒部市の生地地区にはたくさんの湧水スポットがあり、「清水(しょうず)」と呼ばれています。昔から飲み水や炊事、洗濯などに使われてきました。

黒部市内にある湧水スポット「清水」
▲住宅街にある湧水スポット「清水庵の清水」

またこの湧き水は環境省から「名水百選」にも選ばれており*、ミネラルを豊富に含んだおいしい水であることもポイントです。
*参考:富山県ホームページ「とやまの名水」

黒部市で暮らせば、おいしい水が飲めます。実際に黒部市に移住した人の中には、「水がおいしいのでミネラルウォーターを買わなくなった」という人もいるほどです。

富山湾でとれる新鮮な海の幸を食べられる

富山湾は北アルプスの雪解け水が流れ込む絶好の漁場であり、ブリ・ベニズワイガニ・シロエビなどさまざまな魚介類があがります。黒部市の海側にある魚の駅「生地(いくじ)」では、とれたての新鮮な魚をその場で味わうことができます。

黒部市に移住するとこんな楽しみも!

ここまで黒部市の主な特徴を紹介しましたが、黒部市にはまだまだ魅力があります。ここからは、そんな魅力の一部を紹介します。

美肌の湯で有名な宇奈月温泉がある

黒部川の上流からお湯を引いた黒薙(くろなぎ)温泉を源泉とする宇奈月温泉は、肌にやさしい弱アルカリの単純温泉で、「美肌の湯」として有名です。宇奈月温泉街には足湯もあり、休日に疲れを癒やしに行けます。

トロッコ電車の行き交う様子を眺めながら足湯に癒やされたり、黒部峡谷の大自然を感じながら温泉に浸かったりもできます。ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

無形民俗文化財「尾山の七夕流し」は必見

富山県無形民俗文化財の七夕流し

黒部市には、富山県無形民俗文化財である「尾山の七夕流し(おやまのたなばたながし)」があります。

これは黒部市の尾山地区に伝承される、七夕の行事です。8月7日の夜になると、子供たちが色鮮やかな姉様人形をはじめ、舟や行灯(あんどん)等を作り、地元の湧水川に入って押し流します。

湧水川に入って七夕を流す様子
▲湧水川に入って舟を流す様子

こうして心身のけがれや災厄をはらい、安全と健康を祈ります。

黒部市では、その他にも国の重要無形民俗文化財「明日の稚児舞」や、富山県無形民俗文化財「中陣のニブ流し」があります。

2つの道の駅で新鮮な地元食材を購入できる

黒部市には2つの道の駅「道の駅KOKOくろべ」「道の駅うなづき」があります。

道の駅KOKOくろべは海側にある道の駅で、地元の新鮮野菜や加工品が買える直売所のほか、地元食材を使った料理やデザートを振る舞うフードコートがあります。富山湾でとれたシロエビなどを使ったおいしい料理を食べられますよ。

もう1つの道の駅うなづきは、黒部市の山側にあります。ここには、地元食材が並ぶ直売所や、地元黒部産の二条大麦(ビール麦)と黒部の名水で作る地ビールを手掛ける、クラフトビール醸造所併設型のレストラン「宇奈月麦酒館」などがあります。

レストランでは、地ビール「宇奈月ビール」を飲みながらおいしい料理を食べられますよ。

黒部市の暮らしに関する情報

黒部市の観光スポット「欅平の赤い橋」

ここからは、黒部市への移住を考えた場合に必要になる、生活に関する情報をご紹介します。まずは、黒部市の主な情報をまとめた表をご覧ください。

気候 多雨多雪地帯。
12月から積雪が始まり、1月2月の最深積雪は40センチ超え。
人口 人口:40,233人
※令和4年8月末現在
病院 24時間365日救急対応が可能な黒部市民病院など
学校 小学校9校、中学校2校、高等学校1校、特別支援学校1校
文化芸術・イベント

・明日の稚児舞(国指定無形民俗文化財)
・黒部名水マラソン
・じんじん祭り(6/24~26)
・中陣のニブ流し(県指定無形民俗文化財)
・尾山の七夕流し(県指定無形民俗文化財)
・くろべ生地海上花火大会
・湯の街ふれあい音楽祭モーツァルト@宇奈月
・生地たいまつ祭り
・宇奈月温泉冬物語雪上花火大会

食べ物 ブリ、ホタルイカ、シロエビ、フクラギ、ベニズワイガニ、甘エビ、キジハタなど
観光スポット

・黒部峡谷トロッコ電車
・宇奈月温泉街
・くろべ牧場まきばの風
・吉田科学館
・石田フィッシャリーナ
・道の駅(KOKOくろべ、うなづき)

こうして見てみると、田舎ならではの自然の豊かさを持ちつつも、いろいろなお店や観光地もあり、田舎と都市のバランスが非常に良いことが分かります。

また、黒部市は積雪のある地域であるため、市内の自動車学校では「雪道ドライビング講習会」を行っています。雪の降らない地域から移住する場合でも講習があるので安心できますね。

黒部市の雪道講習
▲雪道ドライビング講習会の様子

仕事:求職者の数より求人数の方が多い街!

求職者の数に対してどのくらいの仕事があるのかを数値で示す「有効求人倍率」ですが、黒部市は全国平均1.00を上回る1.73となっています(令和4年8月)。

大手求人サイトを検索してみたところ、黒部市内にある正社員の求人件数は1,200件ほどでした。黒部市と同じ人口4〜5万人規模の街では求人数が200件ほどのところも多く、黒部市がどれほど「仕事のある街」であるかがよくわかります。

この背景をみると、市内に介護施設が多いため福祉関係の求人が多いことと、大手企業の製造産業が盛んであることから、工場作業の募集が多いことが関係しているようです。

黒部市の求人情報は、大手求人サイトのほか、富山県黒部市就職支援・企業情報サイト「KUROBEST WORK」に掲載されています。企業紹介もありますので、ぜひご覧ください。

>>KUROBEST WORK

黒部市に移住して就職した人に15万円の補助あり

黒部市では、市内事業所に就職した方に対し、補助金の交付を行っています。交付を受けるには条件がありますので、詳細は以下をご確認ください。

>>黒部市就職定住促進事業補助金

事業をしたい人は「くろべ空き店舗情報バンク」を活用しよう

黒部市では、空き店舗を活用して新規出店しようという方向けの補助制度があります。条件に合う店舗探し、リフォームなどにかかる資金の補助など、新規出店を支援する制度があるので、ぜひ黒部商工会議所や黒部市に相談してみてください。

>>黒部市の空き店舗活用新規出店支援制度

住まい:いろいろな支援制度あり

黒部市で空家情報バンクを利用して空家の売買や賃貸借契約をした場合、売買代金もしくは1年間の賃貸借料の5分の1以内の金額が補助されます。詳細は以下をご確認ください。

>>黒部市空家・空地情報バンク

住まいに関する支援制度

黒部市移住促進賃貸住宅居住支援補助金 月額で最大1万5千円。
賃貸住宅にかかる費用の一部を最長2年間補助してもらえる制度。
黒部市住宅取得支援補助事業 最大で160万円。
新たに住宅を取得する場合、住宅取得費用の一部を補助してもらえる制度。

>>黒部市・補助金

黒部市に移住する人向けの役立つ制度

黒部市で見られる夕日

黒部市へ移住する際に受けられる支援情報をまとめました。最新の状況については、それぞれの詳細ページで確認してください。

お試し移住で黒部市の暮らしを体験

黒部市では、定住体験施設「住定夢の館(ジュテームのやかた)」でお試し定住体験ができます。住定夢の館は富山湾が見える「生地」地区にある施設で、2泊から6千円(1泊あたり3千円)で宿泊できます。

おいしいと評判の湧水スポット「清水」があちこちに点在する地域なので、ぜひ黒部の魅力を堪能してみてください。


>>定住体験施設「住定夢の館」

東京23区から移住し、特定企業に就職で60万円以上補助

東京23区から富山県へ移住し、移住支援金対象求人に就業した方に、移住支援金を支給する制度です。

補助金額は、単身の場合は60万円、世帯で移住した場合が100万円です。子育て世帯の場合、18歳未満の子ども1人につき30万円が加算されます。

>>富山県移住支援金制度

黒部市に移住した人の声・感想

富山県黒部市・移住者の声

黒部市への移住を考える人は、実際の暮らしについて、どのような声があるのか気になるのではないでしょうか。

ここでは、黒部市の移住サイト、「富山県黒部市移住サポートサイト」に掲載されている、移住者インタビューをもとに、実際に移住した人の理由や体験をご紹介します。

黒部へ移住したきっかけ、移住して良かったこと、今後期待したいことなど、実際に暮らしてみてわかった黒部暮らしの魅力や生活の様子などが満載です。

>>移住体験談の全文はこちらから

黒部市に移住したきっかけ

  • 黒部市の生地地区に何度か訪れたことがあり気に入った。
  • 黒部市の方に助けてもらったことがあり、温かさを感じて黒部市で暮らしたくなった。

きっかけは人により様々ですが、実際に訪れたことがあり、その際に黒部市の環境や人の暖かさに魅力を感じ、移住を決断したという意見がありました。

まずは訪れてみて、実際に自分に合いそうかどうか確認してみると良いですね。

移住者が考える、黒部市の魅力や楽しみ

  • とにかく絶景スポットが多くて食べ物も美味しく、温泉もあり、近い距離で魅力を堪能できる。
  • 海水浴場にスキー場・キャンプ場など、自然を感じる遊びが豊富。
  • 水がおいしく、移住してからミネラルウォーターを買わなくなった。
  • 人が温かく、近所の方が気軽に声をかけてくれるので子育てしやすい環境。

自然豊かな土地であるため、景色の美しさや食べ物の美味しさはもちろん、レジャースポットも豊富で飽きないという声が見られました。

また、地域の人の目が行き届き、子育てをする上で安心できる環境だという声もありました。

黒部市で移住を担当する花本さん
▲黒部市の移住相談を担当する地域おこし協力隊の今西さん

移住者の先輩で、移住に関する相談を担当されている今西さんからも、以下のメッセージをいただきました。

移住してきたときに、海と山の近さにびっくりしました。ここにしかない立山連峰の雄大さや、富山湾に沈むきれいな夕陽を見ることができる幸せを感じています。

黒部市に移住を検討されている方は、黒部市地域おこし協力隊にお声がけください。市内アテンドなどご相談をお受けします。まずは一度、黒部市に来てみてください。

黒部市への移住ステップとお問い合わせ情報

黒部市への移住に興味が出てきたら、相談窓口に問い合わせてみましょう。どんな生活を送りたいのか、あなたの状況をしっかりヒアリングした上で、必要な情報などを教えてくれます。

移住の説明会もありますので、参加してみてはいかがでしょうか。黒部市への移住や移住体験制度について詳しく知りたい方は、以下のお問合せ先に相談してみてください。

担当課 くろべで住もう移住定住サポート協議会事務局
黒部市総務企画部・企画情報課内
住所 〒938-8555
富山県黒部市三日市1301番地
電話番号 0765-54-2111
移住体験お問い合わせ https://www.kurobeiju.com/contact/
公式サイト https://www.kurobeiju.com/