和歌山県高野町で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報

この記事では移住を考えている人に向けて、和歌山県高野町(こうやちょう)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。

高野町は和歌山県の北東部に位置し、高野山真言宗の総本山である「高野山」を中心とするまちです。

今回は、高野町観光振興課の吉田さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
高野町観光振興課の吉田さん

高野町観光振興課

吉田 洸祥さん

高野町の特徴を3つご紹介

和歌山県高野町の暮らしの特徴

高野町の高野山地区には、多くの貴重な文化財や建造物などがあり、2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されています。観光地としても人気で、世界中から多くの観光客が訪れています。

そんな高野町には次のような特徴があります。

これらの特徴について、詳しく紹介します。

特徴1:1200年を超える歴史の高野山と昔ながらの田舎が混在するまち

高野山の生身供
▲高野山の生身供(しょうじんぐ)。弘法大師に食事を届けるための儀式

高野山は弘法大師空海によって開かれた真言密教の聖地で、1200年以上の歴史があり、現在も多くの人々の信仰を集めています。そのため、高野山にはお寺や宿坊がたくさんあり、歴史と信仰を身近に感じながら暮らすことができます。

お寺では朝勤行、護摩行、瞑想などさまざまな体験をすることができます。移住したら、休日に聖地をゆっくり巡ってみるのはいかがでしょうか。高野山でしか得られない体験が、自己を振り返る機会や高野山の美に圧倒される瞬間をもたらすかもしれません。精進料理などを味わってみるのも素敵ですね。

一方で、高野山周辺地域では田舎らしい風景が残っています。田んぼや昔ながらの家が点在し、のどかな雰囲気を醸し出しています。

このように、高野町は長い歴史の高野山と昔ながらの田舎が混在するまちです。

高野町の当帰畑
▲当帰(とうき)畑。当帰は生薬として使用される

特徴2:子育て支援が充実!子育て世帯に優しいまち

高野町の学びの杜の完成予想図
▲学びの交流拠点「学びの杜」の完成予想図

高野町は子育て世帯への支援が充実しています。経済的な支援の一部は次のとおりです。

子ども医療費の助成 0〜18歳の医療費を助成
出産祝い金 第1子:5万円
第2子:10万円
第3子:20万円
第4子以降:30万円
給食無償化 こども園から中学校までの給食を無償提供
教材費無償化 小中学校の教材費を無償化
通学費用の補助 小中学校の通学費用(路線バスの定期券等)を補助

また、教育にも力を入れており、2024年4月からこれまで休校になっていた富貴(ふき)小学校が復活しています。さらに、2024年9月には学びの交流拠点として、小学校と中学校及びこども園、公民館等が一体化した「学びの杜(もり)」が開設される予定です。

特徴3:大阪まで電車で1本。交通アクセスが良いまち

南海電鉄の観光列車「天空」
▲南海電鉄の観光列車「天空」

高野町には南海電鉄高野線が通っており、大阪市のなんば駅まで最短1時間30分で到着します。また、春から秋には京都駅まで直通の高速バスが1日1往復運行されており、出張やお出かけに便利ですね。

高野町の高野山駅
▲南海電鉄高野山駅

高野町の高野山ケーブル
▲高野山ケーブル

高野町の暮らしに関する情報

ここからは、高野町の暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 8月平均気温22.8℃
1月平均気温-0.3℃
※参考:気象庁
人口 人口:約2,600人
世帯:約1,500戸
(2024年3月末現在)
病院 病院・クリニック:3件
歯科:2件
(2024月4月現在)
学校 こども園:1園
小学校:3校(分校1校含む)
中学校:1校
高等学校:1校
大学:1校
(2024年4月現在)
交通 【電車】
南海電鉄高野線:紀伊細川駅、紀伊神谷駅、極楽橋駅、高野山駅

【バス】
南海りんかんバス
野迫川村営バス
大十バス(春から秋の土・休日に運行)
京都高野山線(春から秋に運行)

【車】
大阪市まで約2時間
和歌山市まで約1時間30分
近隣都市 橋本市、奈良県五條市

和歌山県というと温暖なイメージがありますが、高野町の冬は厳しく、雪も10〜50cm積もります。車はスタッドレスタイヤが必須です。雪に慣れていない人は一度冬に下見に行くと安心でしょう。

高野町には医療機関やコンビニ、商店、飲食店などがありますが、買い物は近隣の橋本市(車で約1時間)やかつらぎ町(車で約30分)に行く人が多いようです。また、大きな商業施設に行きたい場合は、車で約1時間30分から約2時間の和歌山市か大阪府和泉市、奈良県橿原市(かしはらし)まで行くようです。

近年、移住者が増加している富貴地区では、地域の人と移住者の交流が活発です。例えば、地域の人と移住者が一緒になって古い校舎をリノベーションし、皆が気軽に集える映画館「フキシネマ」を作り、定期的にイベントを開催しています。移住後、地域になじめるか心配な人にはうれしいですね。

高野町のフキシネマイベント
▲「フキシネマ」のイベント風景

高野町のフキシネマイベント
▲「フキシネマ」のイベント風景

【子育て】「子育て世代包括支援センター」が切れ目ない支援を提供

高野町には「子育て世代包括支援センター」があり、妊娠・出産から18歳までの子育て期の家庭を対象に、支援や相談を行う拠点となっています。妊娠・出産・育児の疑問や悩みは、保健師等の専門家が相談に応じてくれますので、一人で悩まずに気軽に相談するようにしましょう。

また、高野山こども園に併設した「子育て支援センター」は、未就学のお子さんと保護者を対象に、親同士・子ども同士のコミュニケーションの場として利用できます。積極的に活用しましょう。

就学中の子どもたちは、放課後は学校の校庭や友達の家で遊ぶことが多いようです。放課後児童クラブも開かれています。

さらに2024年9月には、学びの交流拠点として「学びの杜」の開設が予定されています。教育環境の整備に力を入れている点も、高野町の魅力の一つと言えるでしょう。

【仕事】橋本市やかつらぎ町など近隣地域も含めると求人数は多い

大手求人情報サイトで高野町の求人を調べたところ、約60件ヒットしました(2024年4月現在)
※求人情報の一例

車での通勤時間30分圏内である25km以内で検索すると、約3,400件ヒットしました(2024年4月現在)。近隣地域も含めて探すと、希望の仕事が見つかりやすいかもしれませんね。
※求人情報の一例

町内では、高野山地区の宿坊に勤めたり、ゲストハウスを運営するケースが見受けられます。町外では、近隣の橋本市やかつらぎ町に通う人が多いようです。

【住まい】賃貸物件は少ない。新築する人には最大200万円を支給

大手住まい情報サイトで高野町の賃貸物件を調べましたが、とても少ないようです(2024年4月現在)
※賃貸物件の一例

高野町では空き家バンクが利用できますが、現在は空き家情報が少ない状況です。こまめに下記サイトをチェックしてみてください。

公式:わかやま住まいポータルサイト

高野町では、「移住定住推進補助金」として、住宅を新築する人を対象に、購入金額の1/2(最大200万円)、中古住宅を購入する人を対象に、購入金額の1/2(最大80万円)の補助金を支給しています。対象となる人は活用しましょう。

公式:高野町「移住・定住(Iターン・Uターン)について」

また、空き家の水回りのリフォームについては「水回り改修補助金」があります。かかった金額の1/2(最大100万円)が支給されます。

公式:高野町「移住・定住(Iターン・Uターン)について」

高野町に移住した人の声・感想

和歌山県高野町に移住した人の声

次に、高野町に移住した方の感想をご紹介します。

  • 夜はとても静かで心が落ち着く。夏の夜空も綺麗
  • 夏は湿度が高い。冬は寒く、乾燥して雪も積もる
  • 医療機関やコンビニ、飲食店などがあり、生活するのに不便がない
  • 小さなまちだが閉鎖的なところはなく、疎外感を感じたこともない

高野町へ移住するために利用したい窓口・支援

高野町の移住相談会
▲移住相談会の様子

高野町では随時、移住相談を受け付けているほか、和歌山県と連携して移住の相談会を開催しています。興味のある人はチェックしてみてください。

また、高野町では、移住相談などを済ませ、高野町への移住を希望している人を対象に、お試し住宅を提供しています。高野山地区にある住宅街にあり、入居期間は7日間から1カ月まで(更新することで最長半年まで)。住まい探しなどの際に利用すると良いでしょう。

公式:高野町「お試し住宅チラシ(高野山)」(PDFファイルが開きます)

高野町観光振興課の吉田さん
吉田さん

高野町は、弘法大師空海さんが開いた歴史あるお寺と、日本の原風景と呼ばれるような景色が混在するまちです。ぜひ一度足を運んでいただいて、高野町の魅力をご自分の目でお確かめください。

高野町への移住に関するお問い合わせ

移住相談窓口 高野町 観光振興課
住所 〒648-0211
和歌山県伊都郡高野町高野山357(高野山観光情報センター内)
電話 0736-56-2780
公式サイト 移住・定住(Iターン・Uターン)について