小林市移住のすすめ:宮崎県の星空名所で始める新生活

この記事では、地方への移住を検討している方のために、宮崎県小林市の魅力を紹介していきます。

小林市は、宮崎県の南西部に位置する人口約43,000人のまちです。霧島連山の豊かな自然に囲まれ、環境省(当時は環境庁)が主催する「全国星空継続観察」では「星空が日本一美しい町」に5回も選ばれています。

そんな小林市での暮らしはどんなものか、市役所の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。

小林市・総合政策部・地方創生課・宮田さん

宮崎県小林市の暮らし:3つの魅力的な特徴

宮崎県小林市・暮らしの特徴

小林市は湧水に恵まれ、食べ物が美味しく、周辺地域へのアクセスも良好な、自然と生活の営みのバランスがほどよい地域です。

そんな小林市は以下のような人におすすめです。

  • 美味しい水と食べ物で心も体も元気になりたい方
  • 大自然に囲まれた環境下でのびのびと生活したい方
  • 週末は県外にも足をのばし、アクティブに過ごしたい方

ここから、小林市の魅力や特色について掘り下げていきたいと思います。

特徴1:自然遺産に認定された豊かな自然環境

風の庄「茅葺きのお宿 かるかや」の外観
▲風情溢れるお宿「かるかや」の奥には雄大な小野湖が広がる

小林市が有する自然環境は、重要な自然遺産として「霧島ジオパーク」と「綾ユネスコエコパーク」に認定されています。とは言っても、実際に見てみないとぴんと来ないかもしれませんので、そんな方は、まず小林市のPR動画を見てみてくださいね。

参考:YouTube(宮崎県小林市 移住促進PRムービー “ンダモシタン小林”)

こちらの動画では、小林市に移住してきたフランス人の目線で、小林市の魅力について語られ、小林市の豊かな自然について知ることができますよ。最後にちょっとした驚きがあるので、気になる方はご覧ください。

参考:YouTube(宮崎県小林市 観光促進PRムービー “ンダモシタン小林 360VR”)

また、こちらの360度VR動画では、小林市の景観についてより詳しく知ることができます。霧島連山をはじめとした山々、緑の美しい森林や高原、清らかな川と湖沼、広大な農地、満天の星など、まさに「豊かな大自然」と呼ぶべき自然資源に恵まれているのが小林市です。

特徴2:湧水の水道と豊かな食材が彩る美味しい暮らし

豊かな湧水を生み出す山々に見守られている小林市
▲豊かな山々から綺麗な湧水が生み出されている

小林市の南西部に位置する霧島連山。コンビニで売られている水に「霧島の天然水」と書かれているのを見たことがある方も多いのではないのでしょうか。その天然水を産出しているのが、この霧島連山なんです。清らかな霧島の水はもちろん小林市にも恩恵をもたらしており、水道から出てくる水はなんと湧水なのだそう

「昭和の名水百選」に選ばれた「出の山湧水」の採水地も小林市にあります。ゲンジボタルが生息しているほど澄んだ水は、優良農地を生み出し、農業や畜産業にも好影響を与えているんですよ。

小林市よかもんマップ
▲小林市の特産物を掲載した小林市よかもんマップ。(引用元:ンダモシタンマルシェ

小林市には宮崎牛、黒豚、地鶏、トマト、アールスメロン、完熟マンゴー、須木栗、焼酎など、美味しいものがたくさんあります。土壌と水に恵まれているので、家庭菜園をするのもいいかもしれませんね。

特徴3:周辺地域へのアクセスが良好で広がる生活圏

周辺から小林市へのアクセスマップ
▲熊本県と鹿児島県にも隣接している小林市(引用元:移住・定住支援情報パンフレット「裏表紙」

小林市は、9つの市町村と隣接しています(宮崎県の自治体も含む)。近隣の主要都市へは車で向かうことができ、都城市(約40分)、宮崎市(約1時間)、鹿児島市や熊本市(約1時間30分)と、アクセスも良好です。

福岡市までは、在来線と新幹線を乗り継ぎながらトータル約3時間半で行くことができます。

小林市の最寄り空港は宮崎空港で、高速バスを利用して約1時間40分の距離です。宮崎空港から大阪(伊丹・関西空港)や名古屋(中部国際空港)までは約60分、東京(羽田空港)までは約80分のフライトで到着しますよ。

小林市を起点に周辺の市町村へドライブや観光に出かけられるので、週末をアクティブに過ごしたい方にもおすすめの場所です。

小林市の暮らし:仕事・住まい・生活環境の詳細情報

「のじりこぴあ」のシンボルであるケロケロ(帰ろ帰ろ)共和国のモニュメント

ここからは、小林市での生活に関する情報を、データとともに紹介します。

気候 ・夏:7月〜8月は、最高気温30〜32℃
・冬:1月の平均最低気温は1℃台だが氷点下にはならず、雪も降らない
※参考:気象庁ホームページ
・内陸型の温暖多雨地域に属しているため、夏は暑く冬は冷え込み、季節による寒暖差が大きい。また、昼と夜で気温差があることから、霧が多く発生する特徴を持つ
人口 約43,000人(約19,000世帯)※令和4年12月1日時点
病院 クリニック含め、市内には51の医療機関がある。「小林市立病院」が地域の拠点病院
学校 市立保育園(保育所)6園、私立保育園16園、私立幼稚園・認定こども園7園、小学校14校、中学校10校、高等学校3校、特別支援学校1校
文化
芸術
・旧岩瀬橋(きゅういわぜばし):橋の路面の部分は昭和38年に舗装したものだが、橋脚部分は明治25年築、鉄骨トラスは大正14年築のままであり、歴史的にも建築学史的にも貴重な橋である。国登録有形文化財に指定されている
・永久井野かくれ念仏洞:浄土真宗が禁止されていた江戸時代の薩摩藩において、信者たちが密かに集まり、講話を聴いたり、念仏を唱えるのに使っていた洞穴。入り口幅約70cm、奥行き18m、最大幅6mで入口は狭いが、内部は50人ほどが座れる空間になっている
・二原遺跡公園(にわらいせきこうえん):県の指定史跡である東二原地下式横穴墓群を活用、整備して公園化。発掘調査時に発見された16基の地下式横穴墓のうち、2基を発見時の状態で保存し、展示している
観光スポット ・出の山公園:「ふるさといきものの里」に認定され、湧水とゲンジボタルの名所として人気のスポット。ホタルは5月下旬から6月上旬が見頃。園内には淡水魚水族館もある
・三之宮峡:「遊歩道百選」に認定された全長4kmの遊歩道で11の手掘りトンネルを有する。川、滝、岩など自然の渓谷の景観を楽しむことができる
・のじりこぴあ:野尻湖の湖畔にあるレトロな雰囲気の総合レジャーランド。園内には、ゴーカートやこども列車、パターゴルフのコース、湧水のプールなどがある
食べ物 宮崎牛、チーズ饅頭、アールスメロン、梨、ぶどう、完熟マンゴー、完熟きんかん、須木栗、焼酎
交通 【空港】
最寄り空港:鹿児島空港または宮崎空港
【鉄道路線】
九州旅客鉄道(JR九州):吉都線(小林駅—西小林駅)
【路線バス】
・宮崎交通、小林市コミュニティバス
・高速バスで福岡市、長崎市、熊本市、宮崎市へ行くことも可能
【道路】
高速道路:宮崎自動車道(小林IC—霧島SA)
近隣都市 ・宮崎県:宮崎市、都城市、えびの市、西諸県郡高原町、東諸県郡綾町、児湯郡西米良村
・熊本県:球磨郡多良木町、あさぎり町
・鹿児島県:霧島市

小林市は、大きく「小林地域」「須木地域」「野尻地域」の3つのエリアに分けることができます。

「小林地域」は、スーパーマーケットやホームセンター、行政施設などが集まっており、市の中心と言える地域です。「須木地域」は市の北東に位置し、小野湖やキャンプ場がある山間の地域で、「野尻地域」は野尻湖や岩瀬川に隣接する地域となっています。

移住者は小林地域に住むことが多いそうですが、野尻地域に住む人もいるそう。住居探しの際には、エリアの違いにも注目するようにしてみて下さいね。

仕事事情:小林市内と近隣都市の就業機会

大手求人サイトで「小林市×正社員」で検索したところ、約1,600件の求人情報が見つかりました。車で30分程度の通勤圏(小林市から25km以内)を含め検索すると、結果は約4,200件となりました。

※参考:求人情報の一例

移住者の約7割は、一般企業に就職するそうです。都城市や宮崎市まで通勤される方も多いらしく、求人数も少なくはありません。

起業支援:空店舗活用補助金で新規出店をサポート

起業を考える人への支援策として、小林市には「空店舗活用新規創業者支援事業費補助」という制度があります。これは、「小林都市計画用途地域の商業地域内にあり、かつ、過去に事業を営んでいたが現在は閉店している店舗を活用し、新たに出店する新規創業者」へ店舗等改修費および店舗等賃借料の一部を補助するものです。

店舗を構えることを視野に入れている方は、活用を検討してみてくださいね。

公式:小林市(空店舗活用新規創業者支援事業費補助)

コワーキングスペース「TENOSSE」:新たなビジネスチャレンジの拠点

小林市では、起業を考える人や、新しいことに挑戦したい人を応援するため、拠点となるコワーキングスペース「TENOSSE(テノッセ)」を開設しています。

小林駅から徒歩5分ほどに位置し、日曜・祝日・年末年始を除き、9時から18時まで利用することができます。利用料は活用するスペースによって異なります。

起業・創業支援や空き家バンクの相談窓口にもなっているので、気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

公式:小林市(小林市コワーキングスペース「TENOSSE」)

住まい事情:宮崎市と比較して安めな賃貸物件

大手賃貸サイトで小林市の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは約100件でした。平均家賃は約4.5万円で、宮崎市の約5.0万円と比べるとやや安いといえます

(※2022年9月時点、縁結び大学調べ)

部屋の広さ別の平均家賃額を比べてみました。

広さ 小林市の平均家賃 宮崎市の平均家賃
1R-1K 4.4万円(約10件) 3.9万円(約550件)
1DK-2DK 4.4万円(約40件) 5.2万円(約550件)
2LDK-3DK 4.5万円(約40件) 5.7万円(約330件)
3LDK-4DK 4.9万円(約10件) 8.2万円(約40件)

※()内は物件数

1Rから1Kの広さの物件は小林市の方が平均家賃が若干高い結果となりましたが、それ以外の広さでは宮崎市よりも安い結果となりました。また、1Rから4DKまでの平均家賃額に大きな差は見られず、家賃の出費を抑えながら広い家に住むこともできそうです。

市では空き家バンク制度も実施しており、賃貸と売買両方の希望が出ているようなので、一軒家に住むことを考えている方はチェックしてみてくださいね。マッチング件数は多くないとのことでしたので、思わぬ物件に巡り合えるかもしれません。

公式:てなんど小林(空き家バンク)

小林市移住者の声:実際の暮らしぶりと感想

宮崎県小林市・移住者の声

小林市には、自然の豊かさに惹かれてやってくる移住者も多いです。実際に移住した先輩方は、いま小林市に対してどのような印象を抱いているのでしょうか。ここでは、「小林市の魅力」と「予想外だったこと」について、先輩移住者の声を紹介します。

移住者が語る小林市の魅力:自然と人の調和

  • 幅広い年齢層の人とかかわることができ、みんな親切であると感じる。
  • 春には種を撒いて芽吹き、秋には作物が実るという、自然の循環の中にある暮らしをしていると感じられる。
  • 旬の食べ物をおすそ分けしあったり、家族や友人とBBQや餅つきをしたりと、日常の暮らしが豊かで充実していると思う。

自然と人の暮らしが調和している小林市。ゆったりとした時間が流れる中で、豊かな営みを送ることができるのかもしれませんね。

移住者の驚き:予想外だった小林市の良さ

  • 蛇口をひねれば湧水が水道から出てくること。都会では考えられない。
  • 意外に都会でビックリした。スーパーマーケットなど生活に必要なものが近くにある一方、車で走れば大自然を堪能することができるというバランスのよさがある。

自然の豊かさが目立つ小林市ですが、車があれば生活の利便性も高そうですね。利便性と自然が両立するのは、生活する上でも大きな利点なのではないでしょうか。

小林市への移住ステップ:お試し滞在から本格移住まで

地域の本当の魅力は実際に住んでみてこそ、見えてくるもの。小林市での暮らしに興味がわいてきたら、まずは思い切って滞在してみるのはいかがでしょうか。「いきなり滞在するのは不安」という方もご安心ください。小林市では2つの施策であなたのお試し滞在をサポートします。

  • 小林市お試し滞在支援事業補助金
  • お試し移住施設

ここからこの2つについてご説明していきます。

お試し滞在支援事業補助金:短期滞在で小林市を体験

小林市では、お試し滞在をする移住検討者に対して補助金を出しています。

対象者 市外に住所を有し、連続して2日以上滞在する者
対象活動 市内での住居探し、仕事探し、また就業のため農林漁業従事者等から研修を受ける活動、その他移住を目的とした活動として市長が認めるもの
補助対象経費 ・宿泊費用:補助対象者及び同行者の宿泊施設の基本宿泊料金(最大1人2,000円/泊)
・レンタカー費用:補助対象者及び同行者が、市内に滞在した際に利用した、レンタカーの借上料(最大1回あたり1組につき3,000円)

活用を希望の方は事前に地方創生課へ相談する必要があります。細かな活用要件もありますので、必ず詳細も確認するようにしてくださいね。

公式:小林市(小林市お試し滞在支援事業補助金)

お試し移住施設:実生活に近い環境で小林市暮らしを体験

野尻地域にあるお試し移住施設
▲野尻地区には用意されているお試し移住施設(引用元:【野尻地域】短期型お試し移住施設

「お試し移住をする際の宿泊費をなるべく抑えたい」、そんな人におすすめなのが、市が用意している「野尻地域」のお試し移住施設の活用です。

地上1階建のお試し移住施設には、駐車場、風呂(シャワー付き)、水洗トイレのほか、生活に必要な冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、掃除機、炊飯ジャーなどが用意されているため、実際に小林市で暮らしているかのように滞在することができます。

利用料は1日1,000円で、連続で最長14泊15日まで滞在することができます。利用する際には細かな要件等を確認し、あらかじめ申し込むことを忘れないようにしてくださいね。

公式:小林市(【野尻地域】短期型お試し移住施設)

こばやしファン・サポーターズCLUB:最新情報をキャッチ

「やっぱり、いきなりの滞在はちょっとハードルが高い」と思われた方は、「こばやしファン・サポーターズCLUB」に入ってみるのはいかがでしょうか。

「こばやしファン・サポーターズCLUB」は市が取り組む地元目線の情報発信ツールです。小林市民はもちろんのこと、小林市が好きな方ならどなたでも入ることができます。

月に1回、ローカルな情報から最新のトピックスまで、小林市のリアルな情報が発信されるそうなので、まずは気軽に参加して小林市のことを知ってみるのはいかがでしょうか。会員だけのお得な情報なども先行案内してもらえるようですよ。

公式:小林市(こばやしファン・サポーターズCLUB)

小林市移住相談:お問い合わせ先と連絡方法

小林市に興味を持った方は、まずは、総合政策部地方創生課に問い合わせてみてくださいね。「まずはぜひ一度お試し移住で小林市に来てください!」とのことです。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。

担当 総合政策部地方創生課
住所 〒886-8501
宮崎県小林市細野300番地 小林市役所 本館3階
電話 0984-23-1148
公式サイト https://www.city.kobayashi.lg.jp/