【木祖村への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「長野県木祖村」をご紹介します。

長野県の西南、木曽川の源流に位置する木祖村は、豊かな自然に囲まれた村。美しい風景や、大自然の中でのアクティビティが盛りだくさんです。また古くから受け継がれてきたお祭りや行事が多数あり、地域の伝統とともに、人と人とのあたたかなつながりを実感できる村でもあります。

さらに、特徴的なのが、結婚に関する支援の手厚さです。パートナー探しのサポートから、結婚・新生活への応援金など充実。「移住先で、ライフスタイルの合う人を見つけたい」という方にも「結婚相手と一緒に新しく暮らす移住先を探している」という方にもおすすめといえる自治体です。

そんな木祖村について、暮らしの特徴や仕事・住まい探しについてなど、移住に役立つ情報を詳しくご紹介します。

本日お話を伺った方
木祖村役場の田中さん

木祖村役場 総務課 企画財政係

田中 ひかるさん

木祖村の暮らしの特徴3つ

木祖村の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には木祖村がおすすめです。

  • 自然の豊かな環境で暮らしたい
  • 農業に興味がある。就農を検討している
  • お祭りや伝統行事など、地域のイベントに積極的に参加したい
  • 移住先で結婚相手をみつけたい。または、結婚とあわせて移住を検討している

なぜこのような方に木祖村が向いているのか、その理由を踏まえつつ、木祖村の暮らしの特徴を紹介していきます。

特徴1:豊かな自然がもたらす多彩な恵み

「木曽川源流の里」と書かれた看板と、木祖村入り口の風景
▲木祖村の村名には「木曽の祖」という意味があるのだそう

木祖村は、木曽川の源流に位置する、自然の豊かな村です。村の周りはぐるりと山に囲まれ、雄大な自然が織りなす春夏秋冬の風景はまるで写真集のよう。美しい自然に囲まれて暮らしたい方や、風景写真を撮るのが趣味の方には、ぜひ見て頂きたいです。

満開の花桃と鯉のぼり
▲桜の1週間遅れぐらいで見頃を迎える、花桃。木祖村には花桃の木が多く、各所で鮮やかな花が眺められる

床並の滝
▲階段状に流れ落ちる「床並の滝」には、夏場、涼を求めて訪れる人も多い

紅葉に囲まれた奥木曽湖
▲紅葉に囲まれた奥木曽湖。美しい風景はもちろん、カヌー体験などのアクティビティも楽しめる

夜桜と、満天の星空
▲標高が高く、建物が少ない木祖村の星空は、必見の美しさ

木祖村では、美しい風景そのものはもちろん、トレッキングやウィンタースポーツなどのアクティビティを楽しむこともできます。また白菜やスイートコーン、そばなどをはじめとする農業も盛んで、就農を希望している方にもおすすめ。自然がもたらすさまざまな恵みに、たっぷりと触れられる村なのです。

特徴2:伝統の行事を守り受け継ぐ、地域のつながり

伝統的な祭りの様子

木祖村の中には3つの地域があり、それぞれに古くからのお祭りや行事が伝わっています。以下にその一例を紹介します。

薮原神社例大祭 享保年間(1716~1735)に伝わったといわれる、歴史ある祭り。
荘厳な御神輿(みこし)、勇壮な雄獅子、華麗な雌獅子が、すれ違う際に獅子舞を行う「寄合い(よけあい)」が見どころ
縁結神社例大祭 恋愛をはじめ、さまざまな“ご縁”に御利益があるといわれる「縁結神社」の例大祭。
例年7月末前後、一年に一度の貴重な御開帳の元、開催される
木曽川源流夏祭り 毎年恒例、木祖村の夏の一大イベント。
木祖村内や木曽川下流域の団体による出店やステージ発表など、さまざまな企画でにぎわう
衣更着神社祭礼 9月に開催。
獅子舞が奉納されるほか、子ども神輿の巡幸や、神社名から取った衣更着太鼓の披露などが行われる
狼煙上げ 木曽地域で一斉に狼煙を上げ、新年を祝う行事

このように、季節と伝統を感じるさまざまな行事があること、そしてこれらを受け継いできた“人と人とのつながり”が、木祖村の大きな魅力です。

地方移住を希望している方の中には、もしかすると「都会のドライな人付き合いに寂しさを感じている」という方もいらっしゃるかもしれません。そんな方にこそおすすめといえる木祖村。実際、木祖村に移住してきた方からは「木祖村には温かい人が多い」「地域のつながりが強く、かつ干渉しすぎない距離感が心地よい」という感想がよく聞かれるそうですよ。

特徴3:新しい家族をサポートする、充実の結婚支援

木祖村は各種支援が手厚い村ですが、中でも「結婚」に関する支援の充実ぶりが特徴的です。

木祖村および木曽郡内の独身の方を対象にした「源気出会いサポートセンター」では、行政と民間が連携し、結婚に関する相談やお相手の紹介、イベントの開催などを行っています。移住して木祖村に暮らす中で、ライフスタイルや価値観の合うパートナーと出会いたい方には追い風となるでしょう。

また、結婚のお祝いや、新生活応援も各種。結婚が決まっているカップルの、新生活を始める場所としてもおすすめです。

結婚支援事業「源気出会いサポートセンター」 村内、郡内の独身者を対象に、結婚相談や紹介業務、出会いイベントの機会を提供する事業。
結婚相談や紹介、マッチングなどのサポートを、無料で利用できる
結婚祝金 新たに結婚した夫婦にお祝いとして【10万円】を支給
新婚世帯生活応援 結婚2年目・3年目の夫婦に、木祖村共通商品券(2年間で合計12万円分)を交付
結婚新生活支援補助金 結婚を機に、村内で住宅を購入または賃貸するための費用と、引っ越しの費用を【最大30万円】(※夫婦ともに29歳以下の場合は60万円)補助 ※年齢などの要件あり

木祖村の暮らしに関する情報

一面の白菜畑
▲特産品である白菜の畑がどこまでも広がる。木祖村には、高原ならではのおいしい野菜や山菜も多い

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、木祖村の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。

気候 1月:平均気温−1.4°C
8月:平均気温23.2°C
(木曽福島地点を参照)
※参考:気象庁ホームページ
人口 人口:2,601人
世帯数:1,093世帯(2024年6月1日現在)
近隣都市 松本市、塩尻市、木曽郡木曽町、東筑摩郡朝日村
公共交通 鉄道:JR東海中央本線
路線バス:木祖村営バス
大都市へのアクセス 東京へ:車で約3時間(高速利用)、電車で約3時間30分
名古屋へ:車で約2時間30分(高速利用)、電車で約1時間50分
病院 診療所1軒、歯科1軒
学校 中学校1校、小学校1校、保育所1か所
特産・名産 木工芸品、お六櫛、御獄白菜、とうもろこし、木曽和牛、漬物、地酒、そば

木祖村は、夏にはエアコンなしで過ごせるほど涼しく、快適な気候です。一方で冬場はー10℃を下回ることも多く、その寒さについては心づもりをしておいた方が良いでしょう。車の運転にはスタッドレスタイヤが必須。主要道路は除雪されますが、自宅周辺は雪かきなどが必要になります。

村内には品ぞろえの豊富なスーパーがあるため、日常の買い物には不自由しません。大きな商業施設などを利用する場合でも、隣接する町までは1時間かからず(木曽町まで車で約20分、塩尻市街、伊那市街まで約30分)、比較的アクセスは良好。決して「都市部へ遠すぎる田舎」ではないので、都会から移住する方にとっても、過度のギャップを感じることなく暮らせそうです。

木祖村では、古くから木工業が営まれてきました。村の特産品には、上質な木材を活かしたさまざまな製品があり、人気を博しています。

下駄、桶などの木工製品
▲木曽五木のひとつ「ネズコ」を使用した工芸品。素朴な風合いと木目の美しさで愛されている

お六櫛
▲職人の技が光る木祖村の特産品「お六櫛」は、江戸時代から中山道の名物として知られてきた

【仕事】近隣市町への通勤を視野に入れたい。就農・創業支援もあり

2023年6月現在、大手求人サイトで木祖村内の正社員求人情報を検索すると、約50件がヒットしました。またこの検索範囲を、村から25km圏内(車で約30分程度)に広げると、約4,400件と大幅に増加。車での通勤を視野に入れての検討がおすすめです。
参考:正社員求人情報の一例(木祖村内)
参考:正社員求人情報の一例(木祖村から25km圏内)

そのほか、会社勤めだけでなく、新規就農や起業などさまざまな選択肢があります。以下のような支援も利用できるので、ぜひ木祖村で自分らしい働き方を探してみてください。

農業担い手確保育成事業 農業研修生として、里親農家のもとで研修を行い「認定新規就農者」取得を目指す制度。3年目での就農実現が目標
木曽川源流の里きそむら創業支援 木祖村に移住して創業する方を対象に、以下の額を補助
〇村内者が創業の場合:対象経費の75%以内の額(上限45万円)
〇村外者が村内に住民票を置いて創業の場合:対象経費の80%以内の額(上限90万円)

【住まい】空き家バンク物件が充実

旅館風の空き家物件
▲<空き家物件の一例>明治17年に旅館として建てられた。古くから宿場町・工芸の町として栄えた木祖村には、伝統的なまち並みが残る

木祖村での住まい探しは、新築もしくは空き家バンクの利用が主な選択肢になります。

空き家バンクには多少の補修が必要な物件が多いものの、最近まで前の所有者がお住まいだったため電気・ガス・水道が通っているケースもあり、「すぐ住める家を探している」という方にもおすすめです。
参考:空き家バンク物件一覧

住宅関連では、以下のような支援が利用できるので、あわせて検討してみてください。

木祖村移者分譲地購入補助金 村が分譲する宮の森地区分譲地を購入し住宅を建築する方(※条件あり)に対し、以下の補助金を交付
〇補助対象経費の2分の1の額(上限:150万円)
木造住宅新築等補助金 木曽郡内の施工業者(および一定数の村内下請納入業者)により、村内で木造住宅の新築・増改築を行う方、または建売新築住宅を購入する方に対し、以下の補助金を支給
〇工事部分述べ床面積1㎡当たり2,700円(上限:63万円)
空き家改修事業補助金 空き家バンクを通じて、物件を賃貸または購入した方が空き家の改修を行う際の費用を補助(上限:45万円)

【育児・教育】「子どもが真ん中の村」の、きめ細やかなサポート

児童クラブで遊ぶ子ども達

木祖村には保育園、小学校、中学校がそれぞれ1つずつあります。子どもの人数は多くありませんが、その分、子どもの成長過程にあわせた、継続的できめ細かいサポートが行われています。

育児支援

支援の一例として、以下のようなものがあります。

お六櫛セット 新生児訪問の際、村の特産品であるお六櫛を、赤ちゃんの名前を入れて全員にプレゼント
絵本3冊 10ヶ月健診で対象者全員にプレゼント
ベビーカー購入補助 第1子に限り、27,000円を限度として補助
チャイルドシート購入補助 30,000円を限度として補助
小中学校入学祝金 小・中学校に入学する児童・生徒の保護者に、それぞれ入学時に10,000円を交付

補助金・お祝い金といった経済的支援がありがたいのはもちろん、村の特産品であるお六櫛や絵本といったプレゼントに、地域のあたたかさが感じられますね。

教育体制

「すくすく倶楽部」の様子
▲小学生を対象とした休日体験課外活動「すくすく倶楽部」

木祖村では、学校、行政、地域が一体となって教育を進めています。

保育園への通園は保護者の送迎が基本ですが、それが難しい場合には、巡回バスやデマンド交通による送迎も利用できます。

小学校・中学校は、各学年1学級ずつ、20名前後という規模です。村の伝統や文化を大切に、地域の人との交流や地域素材に触れる機会を多く設けた教育を行っています。

源流トラッククラブ 小・中学生の基礎体力と陸上競技レベルの向上を目的に開催される運動教室
源流図書館(地域図書館) 小学校内にある源流図書館にて、公民館図書と学校図書を一元管理。児童・生徒だけでなく一般の方も利用できる
すくすく倶楽部 小学校の休校日に、児童が幅広い体験をするための場として開催
活動例:絵画教室、木工体験、農業体験など
すくすく大学 中学校の放課後活動として、地域の方を指導者とする体験学習を実施
活動例:フィットネス、郷土料理教室、絵手紙など

子どもの遊び場

木祖村には、豊かな自然を活かした子どもの遊び場が豊富です。季節をいっぱいに感じ、のびのびと身体を動かせる環境の中で、都会ではなかなかできない貴重な体験と思い出がたくさんできそうです。

「こだまの森」の芝生で人々がくつろいでいる
▲キャンプ場「こだまの森」には、広大な芝生の公園、巨大迷路や渓流釣りなど楽しみが盛りだくさん

やぶはら高原スキー場のゲレンデ
▲雄大な自然とパウダースノーを満喫できる「やぶはら高原スキー場」

木祖村へ移住した人の体験談・感想

木祖村に移住した人の体験談

ここでは、実際に移住して木祖村に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。

  • きれいな空気や水、美しい風景、満天の星空と、都会にはない自然の恵みがたくさんある
  • 夏は涼しくて快適。その代わり冬は寒い
  • 地域みんなで子育てをしている雰囲気がある。
  • 村全体がアットホームな雰囲気。特に、子どもを地域全体で見守ってくれる
  • 買い物は村内で事足りるし、松本市や塩尻市まで1時間かからずに行けるので、ほとんど不自由なく生活できる

季節の移り変わりが感じられる豊かな自然と、アットホームであたたかい村の雰囲気が気に入っているという声が多く見られました。子育て世帯の方からは特に「育児に最適な環境」と好評です。

木祖村への移住に向けた行動

木祖村の紅葉風景

移住を検討するため木祖村を訪れたいとお考えの方は、まずは役場へ相談してみてください。村営住宅や空き家の紹介、村内を見て回る移住体験ツアーなども対応してもらえるそうです。

どの季節もそれぞれに魅力のある木祖村ですが、避暑を兼ねて夏に訪れれば、涼しく快適な気候が実感できるでしょう。また、紅葉の美しい秋もおすすめです。

木祖村への移住に関するお問い合わせ

木祖村役場の外観

担当課 木祖村役場 総務課
住所 長野県木曽郡木祖村大字薮原1191-1
電話番号 0264-36-2001
公式サイト https://www.vill.kiso.nagano.jp/kurashi_joho/iju_teiju/ijyuguide.html