【和歌山県紀美野町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報
この記事では、地方への移住を検討している方のために、和歌山県紀美野町(きみのちょう)の魅力を紹介していきます。
紀美野町は、和歌山県の北部に位置する人口約7,800人の町です。「紀美野町こども子育て応援宣言」を宣言するほど子育て支援に力を入れており、移住や創業などのサポートも手厚い地域です。
そんな紀美野町での暮らしの特徴やその魅力について、まちづくり課の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。
和歌山県紀美野町の暮らし、5つの特徴
「関西エリアで田舎暮らしがしたい」という移住希望者からの注目が高まっている紀美野町は、町の中心に貴志川が流れ、山間部に囲まれた自然豊かな地域です。
町は東西に長く、西側が住宅エリア、東側が山深いエリアで町の東端から西端まで車で約40分の広さです。
紀美野町のキャッチフレーズは「最高の'ない'がここにある」で、確かに町内には電車やスーパーはありません。ですが、紀美野町には生活をする上でのさまざまな魅力や特徴があります。
- 子育てに関する支援制度・体制が充実している
- 関西圏からのアクセスが良好な立地
- 最長1年間滞在できる短期滞在施設が用意されている
- なりわいのヒントにもなる「きみの地域づくり学校」
- 月に1回移住者が集まる会が開催されている
それではここから、紀美野町の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。
特徴1:子育てに関する支援制度・体制が充実している
▲手と足が泥だらけになりながらも元気に遊ぶ紀美野町の子ども
紀美野町は、子育て世帯を支援するべく、令和4年に「紀美野町こども子育て応援宣言」を出しました。これは、次世代を担う子どもたちがかけがえのない存在であり、健やかに育って欲しいという願いから、子育てへの支援に力を入れることを宣言したものです。
ここでは、そんな紀美野町の主な子育て支援策をまとめてみました。
制度名 | 内容 |
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出産・子育て応援給付金 |
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新生児聴覚検査費助成事業 | 新生児期に受ける聴覚検査費用として上限5,000円/回を助成 |
乳幼児健診 | 4か月、8~11か月、1歳6か月~1歳9か月、3歳5か月~3歳9か月の子供を対象に、計測・診察・栄養相談・育児相談などを実施 |
こども医療費助成制度 | 0歳~18歳までのこどもを対象に、保険診療自己負担分の医療費を全額助成 |
小中学校等入学祝い金 | 新小1の子どもには5万円/人、新中1の子どもには8万円/人を入学祝い金として支給 |
高校生世代応援手当 | 新高校1年生世代~新高校3年生世代のこどもを対象に、月額10,000円/人を支給 |
この他にも、不妊治療の助成制度や、在宅での育児を支援する制度や、夜間や短期的に子どもを預けられる制度など、子育てに関する支援制度が幅広く制定されています。
公式:紀美野町(子育て支援)
町内にあるこども園は月2回遊びの場として開放されるほか、子育て支援センターもあるので、子育て世帯が孤立することなく、交流がはかれる環境も整えられています。
紀美野町は子育て世帯にとってぴったりの町と言えるでしょう。
特徴2:関西圏からのアクセスが良好な立地
自然豊かな地方で生活をしたいけれど、ある程度のアクセスの良さは確保しておきたい、という方にも紀美野町はぴったりの町です。
町内には鉄道は通っていませんが、お隣の海南市には和歌山や大阪へ繋がる西日本旅客鉄道の紀勢本線が通っており、紀美野町から海南市までは車で約20分ほどの距離です。
紀美野町から和歌山市までは車で約35分、関西国際空港まで約50分で行けるため、車があれば移動に不便することもありません。
町外に出やすい利便性を確保しつつ、帰ってくるとほっと一息つくことができる町、それが紀美野町の魅力の一つです。
特徴3:最長1年間滞在できる短期滞在施設が用意されている
移住をするにあたっては、本当にその土地の暮らしや風土に馴染めるか心配になるものですが、紀美野町ではそんな不安の解消を手助けするため、短期滞在施設が用意されています。
施設は全部で4つあり、最短1か月から最長1年、月額20,000円~30,000円で滞在することができます。先輩移住者の中には、施設に滞在しながら住居探しをし、希望する物件に巡り合えた人もいるそうです。
1年間滞在することで紀美野町の四季の移り変わりを感じることや、地元の人との繋がりを作ることができます。本格的な移住前に、住みながらの準備期間を設けることができるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
全く繋がりのない中で仕事や住居を探すのは、地方では結構難しいことだと思います。住民の方と顔見知りになればネットワークも広がるので、ぜひ短期滞在施設を上手く使って欲しいですね。
特徴4:なりわいのヒントにもなる「きみの地域づくり学校」
紀美野町は住民自らが主体的に「地域づくり」を行うような取り組みを重ねてきました。更にその地域づくりの裾野を広げるため、2023年度からスタートしたのが「きみの地域づくり学校」です。
「きみの地域づくり学校」は創業支援や、農山村で暮らす価値を伝えること、活気ある地域を生み出すこと、それに伴う還流人口の育成を目的としており、町外の人でも受講生になることができます。
初年度となる2023年度には、高校生から社会人まで計56名が参加し、座学編として講義を受講し、その後の実践編として町内の事業者の下でインターンシップに取り組みました。
なりわいづくりや、地域での暮らしに対する理解を深めるとともに、紀美野町についても知ることができる機会でもあるため、まずは「きみの地域づくり学校」の受講生として紀美野町に関わり始めるのも良いでしょう。
紀美野町での講義に参加するため、東京から毎月来てくださっていた方が、紀美野町に移住してこられるといった、繋がりを作る場にもなっています。
特徴5:月に1回移住者が集まる会が開催されている
移住後に心配になることの一つとしては、地域に溶け込めるか、つまりは人間関係が円滑に築けるかがあげられます。
紀美野町では移住者を支援するNPO団体である「きみの定住を支援する会」が、月に1回移住者が集まれる会を開催しています。情報交換ができるだけでなく、ワークショップなども行っており、参加はもちろん自由です。
移住者同士の繋がりも作りやすいため、移住後に孤立し心細くなることもありません。
和歌山県紀美野町の暮らしに関する情報
▲日本有数の星空スポットでもある紀美野町。「みさと天文台」からは満天の星空観察ができる
ここからは紀美野町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。
気候 | 夏(8月):平均気温26.5℃ 冬(1月):平均気温3.8℃ ※参考:気象庁ホームページ(かつらぎ地点) |
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人口 | 約7,800人(約4,000世帯) ※令和6年3月1日現在 |
病院 | 町内にはクリニックも含め13件の医療機関がある ※2024年3月時点 |
学校 | こども園2園、小学校3校、中学校2校、高校4校 ※2024年3月時点 |
交通 | 【路線バス】 ・大十バス(野上八幡宮、登山口) ・高野マリンライナー(登山口、たまゆらの里) ・町営コミュニティバス:ふれあい号 |
隣接自治体 | 海南市、紀の川市、伊都郡かつらぎ町、有田郡有田川町 |
大都市からのアクセス | 【大阪から】 ・車:阪和自動車道「海南東インターチェンジ」から、高野西街道(国道370号)ルートで約20分。または、阪和自動車道「泉南インターチェンジ」から、府県道泉佐野岩出線を経由し、県道岩出野上線ルートで約50分 ・電車とバス:天王寺駅からJR紀勢本線(阪和線)で海南駅まで約1時間20分、そこから大十オレンジバスで「曲谷」バス停まで約25分 【和歌山から】 ・車:阪和自動車道「海南インターチェンジ」から、高野西街道(国道370号)ルートで約25分 ・電車とタクシー:和歌山駅から和歌山電鐵貴志川線で貴志駅まで約35分、そこからタクシーで約15分 【関西国際空港から】 ・車:阪和自動車道を経由し、約50分 【伊丹空港から】 ・車:阪神高速4号湾岸線と阪和自動車道を経由し、約1時間30分 |
和歌山県といえば、なんとなく雪は降らないイメージがありそうですが、冬の紀美野町は雪が降ることもあります。積もる時には20~30cmほど積もることもあるため、「まさかここまで降るとは思わなかった」とびっくりされる人もいるそうです。
毎日降るわけではないので、急な雪に慌てることもあると思いますが、ご近所さん同士で助け合ったという話も聞きます。スタッドレスタイヤを履いてる方もいらっしゃいますね。
紀美野町内にはスーパーがないため、買い物をする場合は商店や近隣市のスーパーに出かけることになります。エリアによっては最寄りのスーパーまで所要時間がかかるところもあるため、住居探しの際には近隣のスーパーまでどれくらいかかるも確認すると良いでしょう。
町内には路線バスやコミュニティバスも走っていますが、本数が限られているため生活をする上で車は必需品です。狭い道や見通しの悪い道もあるため、速度の出し過ぎには注意しましょう。
紀美野町の特産品としては、山椒、みかん、柿などがあげられます。季節に応じた旬の農作物を楽しめるのも嬉しいですね。
▲山椒は紀美野町の特産品であり、盛んに生産されている
▲紀美野町で生産されているみかん
▲つやつやと光る、紀美野町産の柿
【仕事】町外も含めると求人数は多い。町は創業も支援している
大手求人サイトで「紀美野町×正社員」で検索したところ、約100件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(町内から25km以内)で検索したところ、求人情報は約17,000件まで広がりました。※2024年3月時点
※参考:求人情報の一例(紀美野町のみ)
※参考:求人情報の一例(紀美野町から25km以内)
傾向としては、海南市や和歌山市、紀の川市など町外に働きに出る人が多いようですが、紀美野町で起業をするなど新しいことに挑戦する人もいます。
▲紀美野町で新たにギャラリーを開いた人もいる
「紀美野町創業支援事業補助金」として、創業にかかる経費を支援する制度もあり、町内でお店を開業する人も多いようです。
パン屋さんや、ジェラート屋さん、古民家カフェや民泊など、繁盛しているところが多いですね。土日は町外からも多くの方がいらっしゃるんですよ。
▲古民家を活かしてカフェを創業するなど、アイデアは無限大
また、創業そのものについては「紀美野町商工会」がバックアップしており、経営や金融の相談をすることができる体制もばっちり整っています。
「最高の'ない'がここにある」紀美野町で、他には'ない'新しいことに挑戦するのも良いかもしれません。不定期にはなりますが、地域おこし協力隊を募集していることもあるため、気になる方はチェックしてみて下さい。
【住まい】賃貸物件は希少。町は空き家改修の取組みをスタート予定
大手住宅情報サイトで紀美野町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは数件だけ見つかりました。※2024年3月時点
参考:物件情報の一例
賃貸物件が多くはない紀美野町では、移住者は空き家に住むのが一般的です。といっても、すぐに住める空き家ばかりはないため、紀美野町では「紀美野町移住推進空き家リノベーション補助金」として、空き家を改修するための補助金制度を設けています。
実際の改修工事だけでなく、雨漏り等の劣化、不具合の状況を調査する「建物状況調査」にも使える補助金のため、改修にかかわる見通しも立てやすい制度です。
公式:紀美野町(移住推進空き家リノベーション補助金について)
また、紀美野町では2024年度から「移住定住推進空き家改修事業」を開始する予定です。これは、町が空き家を借り上げた上で改修し、改修後の住居を移住希望者へ貸し出すというものです。
空き家バンク制度として空き家の情報を出したり、改修の費用を補助したりする自治体は増えていますが、自治体が空き家を借り上げて改修まで行うのは和歌山県内でも先進的な取組みです。移住の際の負担がぐっと減ることになるのは嬉しいですね。
2024年度から始める新規事業なので、手探り状態なところはありますが、まずは2軒の空き家の改修を予定しています。
【子育て】遊具からパークゴルフ場、キャンプ場まで揃う公園がある
▲何もない道端でも子どもにかかれば遊びの場になる
紀美野町で一番大きな公園は「紀美野町のかみふれあい公園」です。1haもの広さを誇る芝生広場に、巨大複合遊具が設置されたわんぱく広場、和歌山県内最多の36ホールを有するパークゴルフ場に、キャンプサイトまであります。
特に天気の良い週末は大勢の人で賑わう人気のスポットです。
小さなお子様であれば「総合福祉センター」にプレイルームがあるので、雨の日も安心です。自然豊かな町なので、何もないところでも子どもは遊びを見つけて楽しそうにしている姿も見かけます。
和歌山県紀美野町に暮らす先輩移住者の声
実際に紀美野町で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。
- 和歌山県は海に面している県なので、紀美野町でもいい魚が安く手に入る
- 餅まきの文化にはびっくりした。なんで餅をまくんだろう?と今でも思っている
- 虫が大きい。都会では巡り逢わない野生動物(イノシシ、シカなど)にもよく出会う
- 紀美野町は劇的な何かを求める場所ではなく、ゆっくりと生活していくところだと思う
- 子育て支援センターに通ううちに、ママ友ができた。ママ友の中には移住者が多く、価値観が近いから話が合う
「最高の'ない'がここにある」がキャッチフレーズの紀美野町に移り住んだ先輩移住者は、住居確保に苦労したり、都会とは違ったご近所付き合いに戸惑ったりしながらも、紀美野町で自分だけの暮らしを確立されているようでした。
もっと詳しく先輩移住者の声が知りたい方は移住サイトも見てみて下さい。
和歌山県紀美野町への移住
紀美野町への移住を考え始めたら、更なる情報収集をしたり、相談したり、実際に紀美野町へ行ってみるのが良いでしょう。
YouTubeの公式チャンネルで魅力や移住者の声を知る
紀美野町にはYouTubeの公式チャンネルがあり、観光PRムービーや、移住者の声、知られざる町の魅力などを発信しています。まずは動画を通じて紀美野町のことを見て、聞いてみると、その暮らしがぐっと身近に感じられるかもしれません。
移住イベントへ参加や移住担当へ相談してみる
紀美野町は全国各地で行われている移住イベントにも参加しています。現地に行くのが難しい場合は、オンラインのイベントに参加するのも良いでしょう。イベントの情報は移住サイトで掲載しているので、定期的に確認してみて下さい。
イベントだと何かと慌ただしそう、ゆっくり相談したいな、という方はお問い合わせから問い合わせてみるのも手です。紀美野町役場まちづくり課と連携している「NPO法人きみの定住を支援する会」が移住についての相談を受け付けています。
実際に紀美野町を訪問してじっくり検討してみる
移住候補先を訪問する際に気になるのが「どの時期に訪問するのが良いか」ということですが、紀美野町の答えとしては「四季を通じて紀美野町を知り、じっくり検討して欲しい」です。
夏の気候が気に入っても、冬の意外な雪の多さにびっくりして、「こんな筈ではなかった」となってももったいないですよね。
紀美野町では最大1年間滞在できる短期滞在施設も用意されているので、思い切って紀美野町で1年間を過ごしてみることも検討してみましょう。
紀美野町への移住に関するお問い合わせ
紀美野町に興味を持った方は、まずはまちづくり課に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。
担当 | 紀美野町役場 まちづくり課 |
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住所 | 〒640-1243 和歌山県海草郡紀美野町神野市場226番地1 |
電話 | 073-495-3462(代表) |
公式サイト | https://www.town.kimino.wakayama.jp/index.html |
移住サイト | https://kimino-de-kuraso.com/ |