【福島県川俣町】移住者希望者向け生活情報:特産品や支援制度、お試し移住
この記事では、地方への移住を考えている方へ向けて「福島県川俣町(かわまたまち)」での暮らしの情報についてご紹介します。
緑豊かな景観が魅力の川俣町は、江戸・明治時代から現在に至るまで日本の伝統的な工芸品や工業品を作り続けています。町内では多くの人で賑わうイベントも開催されるなど、のんびりとした田舎暮らしの中で、歴史と人々の温かさを感じられる町です。
さらに、移住者や新規就農を考えている方向けの支援を行うなど、町の活性化に向けた政策に力を入れています。
今回は、川俣町役場・川俣町政策推進課まちづくり推進係で主査を務める中井翔太さんに、川俣町の特徴や魅力、移住後の暮らしに関する情報について詳しくお話を伺いました。
川俣町の魅力:自然、利便性、特産品の3つの特徴
福島県の中通りに位置する川俣町での暮らしには、以下のような特徴があります。
それでは、これらの特徴について詳しく見ていきましょう。
緑豊かな里山と家族で楽しめる観光スポット
緑豊かな自然に恵まれた川俣町には、家族で楽しめる観光名所があります。
峠の森自然公園には広々とした芝生があり、休日にはご家族や友人たちと集まって大勢でサッカーやキャッチボールなどさまざまな遊びを楽しむ姿が見られます。水道やトイレ・炊事場なども完備されているため、キャンプやバーベキューを楽しむ方も多いそうです。
▲高台に位置する峠の森公園からの眺めは絶景
1992年には「そば打ち体験施設」が作られ、地元のそば研究会の方々が中心となり4~11月の期間限定でそば打ち体験ができます。自分で打った茹でたてのそばを食べる経験は、「おいしい!」という感動だけでなく、食育にもつながり、心の豊かさを育むきっかけにもなるでしょう。
▲そば打ちの経験がなくてもOK!お子さまと一緒に参加するのも良いでしょう
春には満開の桜も見られるため、家族や友人たちと集まってお花見を楽しむこともできます。
峠の森自然公園は景観がとても良く、展望台からの眺めも最高です。晴れた夜には満天の星や夜景も楽しめますよ。
福島市へのアクセスの良さと交通の利便性
川俣町は福島市に隣接しており、福島駅からは新幹線を利用して東京駅まで約1時間30分、仙台駅までは25分ほどで移動できます。
この交通の利便性は、旅行が好きな方にとって魅力的です。また、テレワークの普及により、自然豊かな環境で暮らしながら必要に応じて都市部へ通勤できる点が、移住を決める重要な要因となっています。川俣町では、のどかな生活と都市へのアクセスの良さを両立できるため、新しいライフスタイルを求める方々に人気があります。
JRバス東北が川俣町と福島駅を結ぶバスを運行しているので、自動車の運転免許をお持ちでない方でも、公共交通機関のみで東京まで行くことができます。
川俣町自慢の特産品:シャモ、花卉、シルク
川俣町は人口が約1万人の小さな町ですが、特産品の多さと質の高さで注目を集めています。特に、日本一の生産量を誇る製品もあります。ここでは、川俣町の主な特産品を詳しく紹介します。代表的なものとしては、川俣シャモ、川俣絹、そして伝統工芸品の川俣シルクがあります。これらの特産品は、長年培われてきた技術と地域の特性を活かして生産されており、町の誇りとなっています。
川俣シャモ:ブランド地鶏の食べ歩きやお祭り開催
川俣シャモは、「JGAP」や農林水産省の「地理的表示(GI)保護制度」に登録された高品質なブランド地鶏です。脂がよく乗っていながら食感も良く、長年地元の方々に愛され続けている鶏肉として知られています。
川俣町内には、川俣シャモを楽しめるお店が数多くあります。「川俣シャモグルメガイドマップ」を片手に食べ歩きを楽しむ観光客も増加しています。また、毎年開催される「川俣シャモまつり」は、近畿大学の方々も参加するなど、年々規模を拡大し、盛り上がりを見せています。
▲炭火で焼く世界一長い川俣シャモの丸焼きは、このイベントでしか味わえない絶品料理
川俣町にお越しの際は、ぜひ川俣シャモをお楽しみください。肉々しさとジューシーな味わいを兼ね備えた川俣シャモは、きっとあなたのお気に入りになるはずです。
花卉栽培:トルコギキョウとアンスリウムの名産地
川俣町では、トルコギキョウやアンスリウムの花卉栽培が盛んです。これらの花は、地域の特色ある農業として重要な役割を果たしています。
▲川俣町で栽培されているトルコギキョウ
▲艶やかな深紅が美しいアンスリウムは自宅に飾る方も多いそう
アンスリウムは、東日本大震災をきっかけに近畿大学との連携のもと「町の特産品」として栽培が始まりました。現在では国内シェアの6割以上を占め、日本一の生産量を誇っています。この成果は、地域の復興と新たな産業創出の象徴となっています。
川俣シルク:1400年の歴史を持つ「東洋一のシルク」
いまや「東洋一のシルク」とよばれる川俣シルクは、約1,400年もの歴史ある福島県川俣町の特産品です。
▲なめらかで柔らかい手触りに根強いファンも多いそう
川俣町は蚕のエサとなる桑の育成にぴったりな気候風土であり、昔から養蚕や機織業が盛んでした。川俣シルクの特徴は透けるような薄さと、純白でなめらかな美しさと光沢です。この独特の質感は、熟練の職人技と地域の伝統が生み出した結果といえます。
川俣シルクの品質の高さは世界レベルでも認められており、2012年には経済産業省主催の「ものづくり日本大賞」最優秀賞を受賞(※)しました。さらに、高級ウエディングドレスの素材としても活用されるなど、その名声は年々世界へ広がっています。
(※)参考:ものづくり日本大賞公式サイト
川俣町の生活基盤:仕事、住まい、子育て環境
ここからは、川俣町への移住後の生活をイメージしやすいよう、暮らしの情報を詳しくご紹介します。
気候 | 【平均気温】 1月:1.9℃ 8月:25.5℃ ※参考:気象庁(川俣町に観測地点がないため、隣接する福島市のデータを参照) |
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人口 | 約11,100人 ※2024年2月1日時点 |
病院 | 病院・クリニック・診療所:9件 歯科:5件 ※2024年2月13日時点 |
学校 | 小学校:2件 中学校:2件 認定こども園:1件 幼稚園:1件 ※2024年2月時点 |
交通 | 川俣松川線・川俣飯野線(自治体バス) JRバス(福島駅-川俣高校前) 福島交通(月舘経由川俣線・医大経由南相馬線) |
アクセス | 【川俣町から福島駅】 バスで約20分 【川俣町から仙台駅】 ・車(東北自動車道経由)で約1時間20分 ・福島駅から新幹線利用で約1時間 【川俣町から東京駅】 ・福島駅から新幹線利用で約2時間 |
近隣都市 | 福島市・伊達市・二本松市・飯館村・浪江町 |
「町」というと利便性に欠けるイメージがありますが、川俣町は町内にスーパーが4店舗、コンビニやホームセンターもあるため日用品の買い物は町内で十分に済ませることができます。
さらに、町内の山木屋地区にある「とんやの郷」で毎月第1日曜日に開催されるお気軽マルシェや、町内の各種イベントでは、地元産の新鮮な野菜を購入することもできます。
▲新鮮なお野菜が並ぶ町内のイベント時は、大勢のお客さんで賑わう
子育て世帯では車を所有している家庭が多く、休日は町内外の観光地へ出かけるケースが多いです。冬季は雪が降り路面が凍結することもあるため、スタッドレスタイヤへの交換が推奨されます。
▲推定樹齢500歳以上といわれる駒ザクラは圧巻の大きさ
仕事事情:町内外の豊富な就業機会と起業支援
大手求人サイトにて「正社員×川俣町」で検索をしたところ、約270件の求人情報がヒット(※2024年2月時点)しました。求人の内容としては、事務や接客業・製造業など、多岐にわたる業種で募集がありました。
求人の範囲を車で30分以内の通勤圏内(町内から25km以内)まで広げると、福島市が含まれるため求人数は一気に約12,300件と大幅に増加します。車通勤が可能な方にとっては選択肢が広がり、就職の機会がより豊富になります。
また、川俣町が運営する移住ポータルサイト「かわまた暮らし」では、川俣町内の求人情報が簡単に検索できます。企業写真も掲載されているため、就職先のイメージがつかみやすくなっています。川俣町内でお仕事を探される場合は、ぜひこちらをご覧ください。
公式:かわまた暮らし
福島県外から川俣町へ移住し、起業を考えている方で一定の要件を満たす場合、福島県から「12市町村起業支援金」として最大400万円の給付を受けられます。申請の際には県から無料のサポートも提供されますので、起業を検討されている方は詳細を確認されることをおすすめします。
住まい探し:空家バンクと充実の住宅取得支援制度
大手住宅情報サイトで川俣町の賃貸物件を検索したところ、約50件の物件情報が見つかりました(※2024年2月時点)。中でも2Kや2DKタイプ、築20~50年、家賃3~5万円程度の物件が多く見られます。
参考:物件情報の一例
川俣町の空家バンクには約20件の空き家が登録されています(2024年1月時点)。
公式:川俣町(空家バンク)
川俣町で空家を購入する場合、利用できる支援制度は全部で8件あります。各支援制度によって対象者、支援金額、必要書類が異なりますので、詳細は川俣町役場の公式ページでご確認ください。
東京圏からの移住者や子育て世帯向けの支援は特に充実しています。空家購入をお考えの方は、ぜひこれらの制度をご確認ください。
子育て支援:出産祝い金から進学祝い金まで手厚いサポート
川俣町では子どもが誕生した世帯へ、第一子誕生で10万円・第二子誕生で20万円・第三子誕生時は30万円の「出産祝い金」が給付されます。さらに、小学校・中学校へ進学する児童へは5万円が支給されます。
また、多くの妊婦さんが出産先として大きな病院・産院のある福島市を選ぶことから、町では妊婦さんの通院支援として往復のタクシー代の助成も始めています。
妊婦さんのタクシー代助成に関する情報はまだホームページに掲載できていません。詳細はメールやお電話でお問い合わせください!
川俣町へ移住した人の体験談
実際に川俣町へ移住された方に、川俣町での暮らしについて感想を聞きました。
田舎だけど不便がなくて、想像していたよりずっと暮らしやすい
- と感じています。
- 町の人がとにかく温かい。事業を始めた際も手厚くサポートしてもらいました。
- 関西出身で気候が心配でしたが、特に大変な思いをすることもなく暮らせています。
緑豊かな里山に囲まれている川俣町は、日常生活に必要な施設が整っており、家族での移住もしやすい環境です。移住者や起業家向けの充実した支援制度があり、新たな挑戦を応援する体制が整っているのも、移住者にとって魅力的な点です。
町の人々はとても温かく、移住者を歓迎してくれるコミュニティが形成されています。そのため、移住後もすぐに地域の一員として受け入れられ、心地よく暮らすことができると言えます。
川俣町への移住を実現するステップ
川俣町では、移住を検討している方に向けた「お試し移住」制度や、実際に移住された方へ向けた支援制度など、新しい住民を歓迎し応援するための様々な取り組みが整っています。これらの制度を活用することで、川俣町での新生活をより円滑にスタートすることができます。
お試し移住:かわまた暮らし体験住宅で町の雰囲気を体感
川俣町への移住を検討されている方には、まずは「お試し移住」がおすすめです。
川俣町では「かわまた暮らし体験住宅」を利用して、1泊2日から最大6泊7日まで、1泊2,350円で川俣町での生活を実際に体験できます。
▲清潔で広々とした室内は実際の家のように快適に過ごせる
2022年にリフォームされたばかりのお試し住宅には、エアコンやWi-Fi環境も整っているため快適に生活できます。スーパーやコンビニも車で10分以内の距離にあるため、日用品の買い出しも気軽に行けます。
滞在中は、川俣町内を散策したり、地域のイベントに参加したりして、川俣町での実際の暮らしをゆっくりと味わってみてください。
公式:かわまた暮らし体験住宅
移住支援金:最大200万円の給付制度を活用しよう
福島県外から川俣町へ移住された方は、福島県から移住支援金の給付を受けられます。
移住支援金額 | ・単身世帯:最大120万円 ・2人以上の世帯:最大200万円 ※いずれも転入時の人数 |
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対象者 | 住民票を移す直前に連続して3年以上、福島県外の地域に在住していた方 |
さらに、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)から移住された方で18歳未満のお子さまと同居している世帯については、お子さま1人につき最大100万円が加算されます。
これらの給付を受けるためには、川俣町役場公式ホームページに記載されている複数の要件をすべて満たしている必要があります。具体的な要件の内容については、必ずホームページで詳細をご確認ください。
公式:移住支援金について
川俣町への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 川俣町政策推進課 |
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住所 | 〒960-1492 福島県伊達郡川俣町字五百田30番地 |
電話番号 | 024-566-2111(代表) |
対応時間 | 8:30~17:15(平日) |
公式サイト | https://www.town.kawamata.lg.jp/ |