【徳島県】上板町へ地方移住しよう!暮らし・仕事・子育て・手厚い支援を徹底解説
この記事では地方移住を検討している方に向けて、徳島県上板町(かみいたちょう)を紹介します。
上板町は、徳島県中北部に位置する田園都市です。藍染の染料であるすくもの生産量日本一を誇る”藍のまち”として知られています。そんな藍染の技術を学びに移住する方も珍しくありません。
自然がありながら、大阪市や神戸市といった関西圏の大都市まで車で約2時間とアクセス良好で、利便性を求める移住者からも住みやすいと評判です。
さらに手厚い移住支援で経済的負担を大きく削減できるため、広いマイホームを持ちたい方にも選ばれています。
今回は、上板町役場の方にまちの魅力と上板町の暮らしについて、詳しくお話を伺いました。
上板町の3つの特徴
上板町への移住を検討する際に、押さえておきたい特徴は以下の3つです。
- 徳島市まで車で約40分!近隣都市のベッドタウンとしても人気
- すくもの一大産地。『阿波藍』の歴史と技術が息づくまち
- 豊富な移住支援。住宅取得で年間固定資産税相当額を最大5年間助成
それぞれ詳しく解説します。
特徴1.徳島市まで車で約40分!近隣都市のベッドタウンとしても人気
上板町は、北は阿讃山脈が連なり、南は清流・吉野川が流れる風光明媚な田園都市でありながら、近隣都市へのアクセスが良く利便性にも優れています。
福島市まで車で約40分、藍住町と北島町は車で約30分と、通勤・通学圏内で、両町のベッドタウンとしても発展してきました。各町の大型商業施設は車で5〜10分の場所にあり、買い物にも不便がありません。
さらに、最寄りに2つの高速道路ICがあるため、関西圏の大都市まで車で2時間程度です。愛媛県松山市をはじめとする中国・四国地方の主要都市へ行くにも、高速道路でスムーズに移動できます。
穏やかな暮らしと利便性が融合した環境を探している方にとって、上板町は理想の暮らしを実現しやすいまちと言えるでしょう。
特徴2.すくもの一大産地。『阿波藍』の歴史と技術が息づくまち
▲天然染料のすくもから生まれる深みのある発色が美しい
上板町は江戸時代から、藍染の染料であるすくもの一大産地として全国に名を馳せてきました。
徳島県で生産される藍染料『阿波藍』は、冴(さえ)、滲み、絞り染め、色褪せの4つの技が醸し出す鮮やかな青色が特徴で、海外では”JAPAN BLUE”の愛称で高く評価されています。そして、この藍師の技は文化財を守る伝統的な技術として、1978年に選定保存技術に指定されました。
藍染体験施設「技の館」では、藍染の歴史と技術をより多くの方に発信するために、通年藍染体験を実施しています。
▲技の館の藍染体験では、むらくも染めやうずまき染めなど染め方を選択できる
藍染体験以外にも、技の館では伝統文化による地域創生や起業に関する講義を開催し、産業と伝統を盛り上げる人材の育成にも注力しています。移住を機に起業や新規就農を考えている方もぜひ活用してみましょう。
このように上板町は、藍染事業に挑戦できるのはもちろん、伝統文化が身近にあることでイベントを通して地域のコミュニティと深いつながりを持つこともできます。
藍染を使用した服飾関連の生産も全国トップシェアを誇ります。就農希望者の中には「藍染の伝統的な作り方や産業を学びたい」と、上板町を指定して来る方もいらっしゃいます。
特徴3.豊富な移住支援。住宅取得で年間固定資産税相当額を最大5年間助成
上板町は板野郡内の他の自治体と比較して、移住者向けの支援が充実しています。そのため、生活にかかる居住費や戸建て購入費などの経済的負担を抑えて移住できます。
上板町の移住支援
上板町わくわく移住支援事業 | 東京圏からの移住者を対象に移住支援金を交付
|
---|---|
住宅取得応援助成金 | 2028年3月31日までに住居を取得した場合、年間固定資産税相当額を最大5年間助成 |
空き家利活用改修支援事業 | 改修にかかった費用を補助(上限320万円) |
住宅リフォーム補助金 | 住宅リフォーム費用を補助(上限20万円) |
移住就業等支援金 | 町内の事業所へ就職した場合5万円支給(1回限り) |
中でも大きな特徴は、板野郡内では上板町だけの「住宅取得応援助成金制度」です。年間固定資産税は数万〜数十万円に及ぶので、浮いた資金は家具の購入や就農の準備など、別の目的に充てられます。
その他、39歳以下の夫婦を対象に居住費や引越し費用などを最大60万円補助する「結婚新生活支援事業」を設けています。さらに、上記以外に町民全員を対象とした子育て支援もあります。
20〜30代の子育て世帯は利用できる支援制度が特に多いため、移住する際は存分に活用しましょう。
上板町の暮らしに関する情報
ここでは上板町の基本情報と、子育て・仕事・住まいなど生活に密着した情報をまとめました。
※2024年10月時点
気候 | 1月平均気温:6.3℃ 8月平均気温:28.1℃ ※参考:気象庁(町内に観測地点がないため徳島市を参照) |
---|---|
人口 | 人口:10,744人 世帯数:4,854世帯 |
医療機関 | 病院:1院 クリニック:13院 |
学校 | 幼稚園:4園 小学校:4校 中学校:1校 |
交通 | 【飛行機】 ・徳島阿波おどり空港よりタクシーで約40分 【電車】 ・主要駅:JR高徳線「板野駅」 【路線バス】 ・徳島バス 【車】 ・徳島自動車道「土成IC」より15分 ・高松自動車道「板野IC」より15分 |
近隣都市へのアクセス | ・徳島市:県道15号経由で約40分 ・大阪市:高速道路利用で約2時間 ・松山市:高速道路利用で約2時間20分 |
町内にはスーパーやホームセンターなどの商業施設や総合病院があり生活に困りません。買い物や映画などの娯楽も、徳島市へ行かずとも生活圏内の藍住町と北島町で完結します。
最寄りには高速自動車道のICが2カ所あり、四国・中国圏はもちろん関西方面へもお出かけにも便利ですよ。
町内のファミリーでお出かけできるスポットは、「上板町ファミリースポーツ公園」が人気です。
▲動物をモチーフにしたかわいらしい複合遊具が豊富に揃う上板町ファミリースポーツ公園
温水プールやテニスコートの他、ソフトボールやサッカーがプレイできるグラウンドがあるので、一日中アクティブに楽しみましょう。
子どもの遊び場の他、休日にふらっと立ち寄れる観光スポットも多数点在しています。
まちを代表する観光名所の一つ「安楽寺」は、四国八十八箇所霊場の第六番札所であり、お遍路最初の宿坊がある寺として県外からも多くの人が訪れます。
▲安楽寺の堂内では、ご本尊の薬師如来や約3mの巨大な阿弥陀如来が拝観できる
境内には日本庭園があり、池で泳ぐ鯉の姿を眺めることができます。朱色の多宝塔と四季折々の自然が調和した光景に心が癒されますよ。
紅葉を見るなら、四国別格二十霊場一番札所・大山寺(だいさんじ)がおすすめです。銀杏やもみじが華やかに染まり、歴史ある寺の静寂とともに趣深い風景を感じられます。
▲大山寺の紅葉。銀杏の葉が落ちると黄金色の絨毯を敷いたような景観も楽しめる
大山寺では1月に初会式が行われます。餅投げや巨大な鏡餅を持って歩いた距離を競う伝統行事「力餅大会」など、家族で参加できるイベントがあり、老若男女問わず地域の方で賑わいます。
リフレッシュしたい時や地域の方との交流を図りたい時は、町内を散策してみるのもいいですね。
ファッションや雑貨などの買い物は、藍住町の大型ショッピングモール「ゆめタウン」または、北島町の「フジグラン」を利用する方が多いです。
【子育て】出産祝い金最大20万円支給。教育では1人1台端末を配布
上板町は子育てに関する支援も豊富です。また、地域の方が発足した支援グループもあり、地域全体で子どもを見守る文化が根付いています。
子育て支援の一例
出産祝い金 | 出産児の数に合わせて祝い金を支給 第一子3万円、第二子5万円、第三子10万円、第四子以降20万円 |
---|---|
出産育児一時金 | 産科医療制度に加入している場合:50万円 産科医療制度に加入していない場合:48万8千円から代理受取額を差し引いた額 |
育児用品等配布 | 出生届提出時に紙オムツなどの育児用品を配布 |
医療費無償化 | 医療費無料(通院・入院) ※高校生は通院のみ1医療機関1カ月600円まで自己負担 |
地域子育て支援センター以外に、交流の場を提供するグループや絵本の読み聞かせをするグループなど、町民主体の支援活動も活発なので積極的に活用しましょう。
教育面ではICT環境の整備を強化して、小・中学校の全生徒に1人1台Chromebookを配布。個人の習熟度に合わせて問題が出題されるアダプティブラーニングを導入し、英語学習などに活用しています。
一方で、地域に根ざした教育として藍染体験を取り入れ、伝統文化も学んでいます。最新技術を使ったICT教育と地域の伝統文化に触れることで、早いうちから多様な視点と柔軟な思考を養えます。
【仕事】藍染関連の仕事を希望する方多数。近隣地域は製造業の求人が豊富
上板町内は会社が多くないため、藍住町と北島町へ通勤する方も少なくありません。どちらも工場が多く、製造業の仕事は比較的見つけやすいといえます。
例えば、北島町には工業団地があり、家具・仏具・木材関連の製造・卸売業者などが入っています。藍住町にも大手企業子会社の工場が複数あり、自動車部品製造から食品加工、検品・梱包と仕事内容も多様です。
上板町と近隣地域の正社員数
上板町 | 約110件 ※求人一例 |
---|---|
藍住町 | 約770件 ※求人一例 |
北島町 | 約490件 ※求人一例 |
※参考:インディード(2024年11月時点)
上板町は一次産業が盛んで、藍染に携わる仕事を希望する移住者もいます。例えば地域おこし協力隊では、藍染体験として藍作から染織まで全工程に携われるため、活動を通して就農を目指すことも可能です。
近隣の市町村で働く方が「住宅取得応援助成金」を利用して、上板町に家を構えるケースも珍しくありません。
【住まい】比較的安く広い家を持てる。大半の空き家は改修不要
上板町の移住者は戸建て購入が多い傾向です。理由として以下3つのメリットが挙げられます。
- 住まいに関する移住支援が手厚い
- 徳島市と比較して土地価格が安い
- 空き家の状態が良く改修の手間が省ける
上限320万円の「空き家利活用改修支援事業」などを利用すると経済的負担が軽減できるため、戸建てを購入しやすいです。加えて、徳島市より土地価格が安く、庭付きの広いマイホームを持つことも夢ではありません。
土地価格相場の比較
徳島市 | 約30万円/坪 ※徳島市の土地価格相場 |
---|---|
上板町 | 約5万8000円/坪 ※上板町の土地価格相場 |
※参考:土地DATA 2024年(令和6年)|Land Price Japan (2024年11月時点)
さらに、空き家バンクに登録されている物件は築年数30〜40年がほとんどで、ある程度改修すれば長く住むことが可能です。そのため、新規で物件が登録されるとすぐに買い手がついてしまいます。
中古物件の購入を検討する場合は、早めに問い合わせましょう。
上板町公式:空き家バンク
過去に3〜4件登録があった際も、1年以内にすべて成約に至りました。購入をご希望の場合は、空き家バンクをこまめにチェックすることをおすすめします。
上板町へ移住した人の体験談
ここでは、上板町で暮らしている先輩移住者の体験談や感想を一部紹介します。
- 交通の便がいい。岡山・神戸・大阪などの都市部へ車で2時間程度で行けるので、買い物やレジャーの幅が広がる。
- 広い家を比較的安い価格で購入できる。休日は庭の畑で野菜作りを楽しんでいます。
- 都会より人との距離感が近く、地域全体で子どもを見守っている印象。知り合いがいない移住者にとってとてもありがたい。
移住者の多くが利便性の良さに魅力を感じているようです。みなさん「自然豊かでありながら、近隣地域や大都市へのアクセスが良いため不便がない」と話します。
さらに、手厚い子育て支援・温かなコミュニティ・マイホームの建てやすさも、ファミリー世帯にとって移住の決め手になっている印象を受けました。
上板町への移住に向けた行動・問い合わせ先
上板町への移住を検討する際は、まちの魅力をさらに深く知るために移住相談フェアを利用しましょう。移住に関するお問い合わせ先も併せて紹介します。
東京・大阪の移住希望者は、移住相談フェアへ参加しよう
上板町では、年に1〜2回大都市圏の移住希望者を対象に、四国4県と共同で移住相談フェアを開催しています。過去には東京と大阪の会場で、藍染の伝統技術を中心にまちの魅力を発信する他、先輩移住者を囲んだ座談会などを行いました。
「仕事が多忙で下見する時間がない」「役場の方や移住者からリアルな情報を聞きたい」という方は、ぜひ足を運んで移住後のイメージを膨らませましょう。
今後の開催スケジュールは、上板町役場へお問い合わせください。
就農に関する質問はもちろん、「テレワークで働きたい」というご相談にも対応しています。気になることがあれば気兼ねなくご相談ください。
上板町への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 企画防災課 |
---|---|
住所 | 〒771-1392 徳島県板野郡上板町七條字経塚42 |
電話番号 | 088-694-6824(企画防災課) |
対応時間 | 8:30〜17:15 ※土・日曜、祝日、年末年始を除く |
公式サイト | https://www.townkamiita.jp/ |