【静岡県磐田市への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報
本記事では、地方移住を検討している人に向けて「静岡県磐田市(いわたし)」の魅力を紹介します。
磐田市は約16.5万人が暮らす中都市でありながら、竜洋海洋公園や獅子ヶ鼻トレッキングコースなど自然を感じられるスポットが多数ある都市と自然が調和しているまちです。
Jリーグチーム「ジュビロ磐田」のホームタウンとして知られるスポーツのまちで、スポーツを通じた教育事業や地域活性にも注力しています。
育児をワンストップで支援するネウボラの導入や子育て支援施設の充実など、ファミリー世帯が暮らしやすい機能がそろっており若い世帯の移住も少なくありません。
このような魅力ある磐田市の特徴や暮らしの情報についてさらに詳しく紹介します。
磐田市の3つの特徴
磐田市は静岡県西部にあり、日本のほぼ中央に位置しています。政令指定都市の浜松市と隣接し注目されている一方、市街地を中心に各施設が充実しているため市外へ出ずとも生活しやすい環境です。
移住を検討する方に伝えたい磐田市の特徴は以下の3つです。
- プロスポーツチームのホームタウン。観戦も体験も楽しめる「スポーツのまち」
- 都市と自然が調和する”ほどよい地方暮らし”が叶うまち
- 「学びと対話」がキーワード。市民の声が届きやすい参加型のまちづくり
それでは、それぞれの特徴を解説します。
プロスポーツチームのホームタウン。観戦も体験も楽しめる「スポーツのまち」
▲磐田市と言えばJリーグチーム「ジュビロ磐田」でおなじみ!市民一丸となって応援している
磐田市は、Jリーグチーム「ジュビロ磐田」・ラグビートップリーグ「静岡ブルーレヴズ」・サッカーなでしこリーグ「静岡SSUボニータ」の3チームのホームタウンであり、スポーツ関連の認知度が高いまちです。
株式会社ブランド総合研究所が発表した『地域ブランド調査2023』(※)では、「スポーツのまちとして思い浮かぶ市町村ランキング」で全国1位を獲得しました。
※参考:地域ブランド調査2023(2023年6月20日〜7月3日)|株式会社ブランド総合研究所
また、市民の健康増進と地域活性を目指す「スポーツ交流健康都市宣言」を掲げ、スポーツイベントの実施や産官学連携によるスポーツ振興施策を展開しています。
このような取り組みが評価され、2023年にはスポーツ庁より「スポーツ・健康まちづくり優良自治体表彰制度」の優良自治体の一つに選定・表彰されました(※)。
※参考:「スポまち!長官表彰2023」開催! 26自治体の取組を表彰!|スポーツ庁
誰でもスポーツを楽しめるよう、市内にはサッカーグラウンド・野球場・テニスコート・武道場など数多くのスポーツ施設が整備されています。
▲整備された天然芝のフィールド。スポーツ大会はもちろん趣味やスクールでも使われている
特にサッカーは地域に深く根付いており、竜洋スポーツ公園サッカー場やスポーツ交流の里ゆめりあ球技場をはじめ、天然芝のグラウンドの数が多い点も特徴です。
本格的なグラウンドで思いっきりプレイできる環境は、スポーツに励む子どもにとっても魅力的でしょう。移住後は試合観戦やスポーツイベントを通して、地域交流を楽しんでみてはいかがでしょうか。
天然芝のサッカーグラウンド導入率は、10万人規模の自治の中でトップクラスに多いと思います。また、スポーツ強豪校を中心に人工芝のグラウンドを採用する高校もあります。
都市と自然が調和する”ほどよい地方暮らし”が叶うまち
▲コミュニティスペースが設けられている開放的な駅前。郊外には川・緑地などの自然が調和する
磐田市が住みやすい理由の一つに、都市の利便性と豊かな自然が共存するバランスの良さも挙げられます。
大型ショッピングモールや病院など施設が充実しており、市内ですべて完結します。浜松市まで車で約30分、東京へも新幹線で約1時間半と都市部へのアクセスも良好です。
郊外へ抜ければ、キャンプ場や温浴施設、プールが併設する竜洋海洋公園や、全長約5kmのトレッキングコースを有する獅子ヶ鼻公園など、アウトドアを楽しめるスポットが満載です。
全日本サーフィン選手権大会の会場に選ばれるほど波が良いサーフスポットである豊浜海岸もあり、市内で自然を満喫できます。
子どもが遊べる都市公園も豊富で、特に複合遊具や屋根付きの芝生広場がある「今之浦公園」は、未就学児から小学生まで楽しめる公園としてファミリーで賑わいます。
▲2021年にオープンした「今之浦公園」。夏は水遊び場で涼みながら楽しめる
「竜洋昆虫自然観察公園」では昆虫に触れ合える他、ゴキブリ展などのユニークな展示会も開催されており、子どもと一緒にはまる保護者も少なくありません。
▲竜洋昆虫自然観察公園は3つのエリアに分かれ、草花の観察や昆虫採集などができる
▲竜洋昆虫自然観察公園は木曜を除き9:00~17:00開園。GW・夏休み・正月(年末・元日を除く)は全日開園
都市の利便性と自然の豊かさを兼ね備えた磐田市は、ほどよい地方暮らしを送りたい方にピッタリです。
「学びと対話」がキーワード。市民の声が届きやすい参加型のまちづくり
磐田市では学びと対話をキーワードに、市民参加型のまちづくりに注力しています。
これまで、学びと対話を通じた交流を目的とした「磐田ここからラボ」の実施や市民ファシリテーターの養成を通じて、新たな学びの場を作り対話で生まれた声を市政に反映するための体制を整備してきました。
また、磐田市には住民やNPO、市民活動団体などによる地域づくり協議会が23団体あり、全市一律の施策では十分に行き届かない市の取り組みをサポートしています。
例えば、防犯・交通安全事業や防災対策事業、地域活動の課題解決に向けた講演会などを実施してきました。
このような住民一体となった地域づくりによって、磐田市では快適な生活環境が成り立っています。
日々対話の機会が増えていると実感しています。今後も多様な対話の機会を作り共創の実現を目指しています。
磐田市の暮らしに関する情報
ここでは、移住生活に役立つ磐田市の暮らしに関する情報をまとめました。
※2024年7月時点
気候 | 1月平均気温:6.2℃ 8月平均気温:26.8℃ ※参考:気象庁 |
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人口 | 人口:166,034人 世帯:71,517世帯 (2024年6月30日時点) |
医療機関 | 182件(うち病院8件) ※参考:ホスピタルズ・ファイル |
保育園・保育施設 | ・保育園:15園(公立3、私立12) ・保育所:13園(うち事業所内保育園2) ・認可外保育施設:16園 |
学校 | ・小学校:22校 ・中学校:11校(うち私立1校) ・高校:6校(うち特別支援学校1校、私立1校) |
交通 | 【鉄道】 主要駅:東海道本線「磐田駅」 ・JR東海:東海道本線「御厨駅」「磐田駅」「豊田町駅」 ・天竜浜名湖鉄道:天竜浜名湖線「敷地駅」「豊岡駅」「上野部駅」 【バス】 ・遠鉄バス、秋葉バス、浜松バス 【高速道路】 ・東名高速道路:磐田IC、遠州豊田スマートIC ・新東名高速道路:新磐田スマートIC |
隣接市町村 | 浜松市、袋井市、周智郡森町 |
気候は温暖で日照時間が長いのも磐田市の大きな魅力です。日照時間年間合計は2,582.8時間と国内トップクラス(※)で、年間通して開放的で明るいことも暮らしやすさにつながっていると考えられます。
市内にはららぽーと磐田やアピタ磐田店など大型ショッピングセンターがあり、地域の方のショッピングに利用されています。交通機関が発達していますが、行動範囲を広げたい方は車がある方が便利です。
【子育て】地区担当保健師が育児をサポート。支援施設や都市公園も充実
▲子育て支援施設「ひと・ほんの庭 にこっと」では、市民交流や学びの支援、絵本の提供などを行っている
磐田市では「i(あい)ぽーと」(磐田版ネウボラ)を導入し、妊娠・出産から子育て期までワンストップで母子をサポートしています。
子育て家庭ごとに一人の保健師が担当する地区担当保健師体制で、病院などの関係機関と情報を共有する重層的支援体制が魅力です。頼れる人がいない移住者にとって、妊娠初期から就学前までサポートしてくれる保健師の存在は心強いでしょう。
経済的支援では、18歳以下のこども医療費の完全無償化や出産育児一時金制度などが受けられます。
磐田市公式サイト:子育て・教育
子育て支援センターは市内12カ所にあり豊富です。子育て支援機能や図書館機能を備えた複合施設「ひと・ほんの庭 にこっと」では、育児相談やワーママの就職支援相談会の他、「ブックスタート」の配布と併せて絵本の読み聞かせも行っています。
精神的・経済的な子育てサポートはもちろん、子育て支援施設も豊富で育児がしやすい環境です。
磐田市には地域の方と交流を図れる場所がたくさんあります。絵本の読み聞かせを機に顔見知りになるケースも多いようです。
【教育】独自の教育事業が充実。本物に触れ多様な学びと交流を深める
教育面でもスポーツと絡めた取り組みが活発です。代表的な例が磐田市と教育委員会による「磐田市小学生一斉観戦事業」で、市内全小学校の5〜6年生をヤマハスタジアムへ招待し、ジュビロ磐田の試合を一斉観戦しています。
▲ジュビロ磐田のクラブカラー「サックスブルー」を身にまとって応援する小学生たち
地元チームへの愛着やスポーツに関心を持つきっかけ作りを目的に2011年から始まり、今では磐田市ならではのスポーツ教育の一つとして定着しています。
2024年からは、中学2年生を対象にラグビーチーム・静岡ブルーレヴズの一斉観戦も始まりました。
また、対話を通じて多様な学びと交流を深める取り組み「磐田ここからラボ」では、オリンピックメダリストによる実技指導や、舞妓・芸妓の芸術鑑賞などを開催し、小・中学生に本物に触れる機会を提供しています。
▲『JR磐田駅北口のイルミネーション』は、いわた高校生まちづくり研究所で採用されたイベントの一つ
高校へは学生自らが企画する講演会の実現をサポートするため、市内各校へ50万円を支給しています。例えば、磐田東高校では元ラグビー日本代表選手を講師に招き、「夢を叶える力」をテーマとした講演会を成功させました。
他にも、高校生のフレッシュな発想を市政に活かす目的で「いわた高校生まちづくり研究所」を実施しています。
学生のうちから地域交流や市政への参加を経験することで、政治への関心が高まる他、社会で必要な問題解決力や伝える力を養えるでしょう。
「いわた高校生まちづくり研究所」では、駅前が暗いという意見をもとに高校生が考案した「JR磐田駅北口のイルミネーション」が採用されました。今では市の冬の風物詩となっています。
【仕事】製造を中心に求人豊富。海老芋農家への転身も目指せる
磐田市には製造業を中心に数多くの企業・工場があり求人が豊富です。
▼求人サイトに掲載されている磐田市の正社員求人数
磐田市 | 4,000件以上 ※求人一例 |
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※参考:静岡県磐田市の求人検索|indeed(2024年7月16日時点)
輸送用機器の大手製造メーカー「ヤマハ発動機株式会社」には全国各地から就職希望者が訪れ、就職を機に移住する方も珍しくありません。
事務職や時短正社員求人を募集している企業もあり、子育てと両立して働きたいワーママも仕事を見つけやすい環境です。
また、生産量日本一を誇る海老芋農業の次世代継承を目的に、就農支援「海老芋承継事業」を手掛けています。
就農希望者へ1年間農家のもとで経験を積める機会を提供しているため、農業に興味のある方は活用してみてはいかがでしょうか。
磐田市公式サイト:磐田市特産品(海老芋)承継事業
特産品の「海老芋」はクリーミーな舌触りが特徴的な芋で、京都の料亭などに使用されています。中山間地域の豊岡地区が産地として特に有名です。
【住まい】子育て世帯最大150万円補助。既存住宅補助で住宅コストを削減
磐田市は賃貸・購入ともに物件が豊富で住まい選びに困りません。
大手不動産情報・検索サイトでは、約2,000件(※)もの賃貸物件が掲載されています。アパート・マンションの間取りは単身向けの1K〜ファミリーに適した3LDKまで多種多様です。
※参考:磐田市の賃貸(賃貸マンション・アパート)|ホームズ(2024年7月16日時点)
賃貸物件の相場は、浜松市中央区と比較すると約1.5万〜2万円ほど安い傾向にあります。
▼1K〜3LDKの相場
磐田市 | 5.94万円〜6.08万円 |
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浜松市中央区 | 7万円〜8.27万円 |
※参考:磐田市の賃貸(賃貸マンション・アパート)|ホームズ(2024年7月16日時点)
既存住宅の購入を検討する場合は、空き家バンクの活用がおすすめです。工事費の一部を補助する「既存住宅取得等事業費補助金」も利用可能で、より住宅にかかるコストを削減できます。
磐田市公式サイト:空き家バンク
▼既存住宅取得等事業費補助金
事業 | 若者世帯・子育て世帯(※) |
それ以外 |
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取得 | 建物購入費の1/10 リフォーム工事費の1/2 |
なし |
建て替え | 除却費の1/2 | なし |
リフォーム | リフォーム工事費の1/2 | リフォーム工事費の1/2 |
上限 | 150万円 | 50万円 |
※若者世帯:世帯全員が39歳以下。子育て世帯:中学生以下の子どもがいる世帯
既存住宅をリーズナブルに購入して、和室をフローリングに替えたり2部屋をワンルームに変更したりとライフスタイルに合わせてリフォームを楽しむ移住者も少なくありません。
コストを抑えられる分間取りや立地にこだわれるため、子どもたちが快適に過ごせる環境を整えやすくなるでしょう。
磐田市公式サイト:既存住宅取得等事業費補助金
磐田市へ移住した人の体験談
ここでは実際に磐田市へ移住した人の感想を紹介します。
- 自然豊かで気持ちが良いです。子どもたちと一緒に庭で花を摘んだり野菜を育てたりと、自然体験を楽しんでいます。
- 磐田市の印象は「明るいまち」。日照時間が長く季節を問わずアウトドアを楽しめます。地域のママさんたちも気さくで閉塞感がありません。
- 自然と都市のバランスが良く住みやすい。自然がありながらも、車を少し走らせれば商業施設や飲食店があり快適です。
磐田市へ移住された方の多くが、自然と都市とのバランスの良さを高く評価しています。ファミリー世帯にとっては特に海・山・公園と子どもの遊び場が多く、のびのび子育てできる環境が好評です。
また、磐田市は地縁がある方の移住が多い一方で、「海老芋農業に興味を持った」「ヤマハへの就職を目指した」など、磐田市ならではの魅力に惹かれて移住した方も多い印象を持ちました。
磐田市が開催している移住相談・イベント
磐田市では移住を検討している方へ向けて、事前相談できる機会を設けています。磐田市で理想の移住生活を実現するためにぜひ利用してみましょう。
さくっと要点を聞ける「オンライン移住相談」
「下見したいけれど時間がない!」という方には、オンラインによる移住相談がおすすめです。
「磐田市の特徴を知りたい」「生活にかかる費用が気になる」など、磐田市の移住に関する疑問点を聞いてみましょう。
▼磐田市オンライン移住相談
開催日時 | 平日9:00〜17:00 (土・日曜、祝日を希望される場合は担当窓口へご相談ください) |
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方法 | Zoom |
移住相談を希望する場合は、希望日の1週間以上前までに申し込みが必要です。申し込み方法・流れは、下記よりご確認ください。
磐田市公式サイト:オンライン移住相談を実施します
深く磐田市を知りたい場合は、各種移住イベントに参加しよう
▲過去に実施された移住体験イベントのようす。毎回様々な企画で磐田市の魅力を発信している
磐田市ではより町を深く知れるように、移住フェアや移住体験ツアーも実施しています。
森町など近隣地域と共同で行う出張移住フェアは、首都圏・大都市圏の会場を中心に開催しており2024年も実施予定です。
▼2024年出張移住フェアの予定
出張移住フェア | 日程:8月18日(日) 会場:東京交通会館 |
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首都圏にお住まいで直接話を聞いてみたい方は、イベントに足を運んでみてはいかがでしょうか。
また、2024年11月には「ジュビロ磐田と連携した移住体験ツアー」の開催を予定しています。
過去には「移住・就農見学バスツアー」と題し、海老芋農家見学・市内巡り・空き家見学などのコンテンツを盛り込んだツアーを実施しました。
イベントの詳細・開催予定は、企画部政策推進課へお問い合わせください。
2024年11月には「ジュビロ磐田と連携した移住体験ツアー」も開催予定です。ツアーの詳細は開催2〜3カ月前に磐田市公式サイト内で公開します。
磐田市への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 企画部 政策推進課 |
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住所 | 〒438-8650 静岡県磐田市国府台3-1 |
電話番号 | 0538-37-4805 |
対応時間 | 8:30〜17:15 土・日曜、祝日を除く |
公式サイト | https://www.city.iwata.shizuoka.jp/ |
磐田市は年間通して晴れの日が多いため、季節問わずいつでも足を運びやすいかと思います。四季折々の風景や風土を体感しにぜひお越しください。