岩手県岩泉町で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住居・支援情報|縁結び大学

この記事では、地方移住を検討している人に向けて、岩手県下閉伊郡岩泉町の特徴や生活に役立つ情報をご紹介します。

岩泉町は岩手県の中でも山深いところにあり、日本三大鍾乳洞の龍泉洞など、素晴らしい自然の風景が広がっています

医療や娯楽の面では少し遠出しないといけない場面があるものの、山や海で遊びたい人、一次産業に関心のある人にはおすすめの地域ですよ。

今回は岩泉町の移住コーディネーターである金澤辰則さん、令和4年6月に岩泉町に移住した刈屋さんご夫婦、岩泉町役場政策推進課で働く三上さんに移住に関連するお話を伺いました。

岩泉町移住コーディネーターの金澤さん

岩泉町の暮らしの特徴3つ

岩泉町の暮らしの特徴

岩泉町は北上高地の東部に位置しています。町の大半を山と盆地、谷が占めており、洞窟や鍾乳洞もありますよ。また東部の小本(おもと)地区は太平洋に面しています。

日本三大鍾乳洞の龍泉洞
▲岩泉町を代表する観光スポット「龍泉洞」は日本三大鍾乳洞のひとつ

「森と泉のシンフォニー」岩泉町は総面積992平方キロメートルの本州一広い町です。町の総面積の92%を森林が占め、豊かな自然に憧れて移住する人が少しずつ増えてきていると言います。

以前は40代の移住者が多かったそうですが、最近は単身の20代や子育て中の夫婦などの移住も増えてきているとのことです。

それではあらためて、岩泉町の特徴について詳しく見ていきましょう。

特徴1:風景も水や空気も美しい、一次産業の町

岩泉町で育てられている短角牛
▲全国の和牛全体で1%にも満たない希少な品種である短角牛は、岩手県が全国シェア1位

岩泉町はわさび栽培、畜産業、林業などが盛んです。そのため、自然の中で働きたい人・暮らしたい人に向いている土地だと言えます。

風景はもちろん、水や空気もとても綺麗で、放牧地も広がるのどかな地域です。夏場は涼しく、熱帯夜がないという特徴もあります。

岩泉町に広がる豊かな森林
▲山に足を踏み入れると、美しい森林が広がっている

総合的に、スローライフを求める人に向いているエリアだと言えるでしょう。

特徴2:各種の子育て支援制度あり

岩泉町では3~5歳児の保育料が無料となっており、第3子以降なら0~2歳でも無料です。

また、町内の各所には公園など、子どもたちが遊べる場所が整備されていますよ。

さらに、町内にある岩泉高校に通う場合には通学費や寮費の助成があります。大学へ進学する場合には入学料や授業料の補助などを受けることも可能です。

詳しくは、岩泉町の公式ページから確認してみてください。

>>公式:岩泉町(子育て)

子育て支援制度も充実しており、妊娠中から大学生まで切れ目なく支援を受けられます。詳細はパンフレットをご覧ください。

>>公式:岩泉町(子育て支援パンフレット)

特徴3:移住者受け入れの実績があり、温かい雰囲気

虹のかかった宇霊羅山
▲アイヌ語で「霧のかかる峰」という名前の町の中心部にある宇霊羅山(うれいらさん)

町の担当者さんによれば、岩泉町は治安がよく、特殊詐欺なども含めて事件がほとんど起きないのだと言います。横のつながりが強く、情報共有がよくできているという声もあります。

一方で、これまでに地域おこし協力隊を20人以上受け入れてきた実績があります。先輩移住者や地域おこし協力隊が築いてくれた環境もあり、移住者をよそ者として扱わない雰囲気ができているそうです。

政策推進課の三上さん
金澤さん

「移住体験に参加したところ、温かく迎えてもらえた。他にも移住者が多かったので安心して移住を決めた」という声も頂いています。

岩泉町の暮らしに関する情報

岩泉町の海岸にある名所「熊の鼻」
▲熊の鼻に見える穴があることから名付けられた名勝、熊の鼻

では次に、岩泉町での暮らしをイメージするために、さまざまな生活情報を見ていきましょう。

気候 ・8月:平均気温22.3℃
・1月:平均気温-1.0℃
※参考:気象庁ホームページ
人口 人口:8,320人
世帯数:4,203世帯
(令和4年11月30日現在)
病院 1院
学校 高校1、中学校3、小学校6、認定こども園3
名所 龍泉洞(日本三大鍾乳洞、名水百選、洞窟潜水)、安家洞(日本最長の洞窟)、熊の鼻展望台、大川七滝、早坂高原、櫃取(ひっとり)湿原、宇霊羅山(うれいらさん)
食べ物 いわいずみ短角牛、畑わさび、まつたけ、菌床しいたけ、岩泉ヨーグルト
交通 【鉄道】
三陸鉄道リアス線「岩泉小本駅」
【バス】
・JRバス東北「早坂高原線」
・岩手県北バス「小本線」
・東日本交通「岩泉茂市線」
・岩泉町民バス
【道路】
・三陸北縦貫道路
・国道45号、340号、455号
娯楽 歴史民俗資料館、釣り(町内各地)、ふれあいらんど岩泉、龍泉洞旅行村、道の駅いわいずみ、道の駅三田貝分校
近隣都市 宮古市、盛岡市、久慈市、下閉伊郡普代村、田野畑村、岩手郡葛巻町、九戸郡野田村

岩泉町の役場近くの「岩泉地区」にはひと通りの買い物施設が揃っており、移住者にも人気のようです。おしゃれなイタリアンやピザ屋など、夜10時過ぎまで営業している外食店舗もありますよ。

ただし、漫画喫茶やカラオケ、映画館などはありません。盛岡市まで約90分かけて車で遊びに行く人も多いと言います。

一方で自然環境は本当に豊かで、日本三大鍾乳洞に数えられる龍泉洞や紅葉、海など、美しいスポットがたくさんありますよ。

旧小川小学校の紅葉
▲旧小川小学校の紅葉は、地元の有志が手入れをしており、シーズンにはライトアップされる

政策推進課の三上さん
金澤さん

移住を希望される方には、最初に「岩泉町にないもの」を伝えることにしています。例えばチェーン店、ファミレス、専門医のいる病院がなく、車は必須です。
こうしたことを知ったうえで、それでもいいと思う人に来ていただきたいですね。

仕事:農林業など求人は増加傾向

岩泉町で栽培されている畑わさび
▲畑わさびを栽培している様子

大手の求人情報サイトで岩泉町の仕事情報を検索したところ、約170件の正社員求人が見つかりました。高齢化により農業・林業関連の担い手が不足していることもあって、求人は増えているそうです。

※参考:求人情報の一例

町外へ働きに出る人は、町の中心部から1時間圏内で行ける宮古市や久慈市を選ぶケースが多いようです。盛岡市は通勤に少し時間がかかるため、選ぶ人はほとんどいないと言います。

また岩泉町は、農林水産業を始めたり、後継したりしようとする人への各種支援事業が充実しています

例えば「次世代就農者支援事業補助金」では、新規就農者を対象として最長3年間・年間150万円(12万5千円/月)補助を受けることができます。

詳しくは岩泉町の公式ページをご確認ください。

>>公式:岩泉町(農林水産関係支援事業)

住宅:賃貸のアパート・空き家あり

町の住宅については、単身者用の賃貸アパートは一定数があるようです。一方で、世帯向けの物件は数に限りがあるようなので、いま希望の条件に合った物件があるかどうか、一度探してみるとよさそうです。

公式ページから空き家バンク、町営住宅などの情報をチェックしてみてください。

>>公式:岩泉町(空き家・空き地バンク)

町営住宅の入居者募集が始まると以下ページにて告知されます。

>>公式:岩泉町(町営住宅)

また岩泉町には不動産業者がいないため、住宅関連で気になることがあれば、移住コーディネーターの金澤さんに相談するとよいとのことです。

>>公式:いわて暮らし移住定住ポータルサイト(移住コーディネーター)

さらに岩泉町では、下記のような住宅に関連する助成制度を活用できます。

概要
住宅リフォーム事業奨励金 住宅リフォーム工事を町内業者等に発注した場合、費用の1/10(上限30万円)を補助
町産材利用拡大事業費補助金 町産材を使って住宅を建てる場合、建築費用の一部を助成
浄化槽設置助成 浄化槽の設置費の一部を、浄化槽の大きさ別に補助(5人槽の場合は557,000円)

>>公式:いわて暮らし移住定住ポータルサイト(岩泉町)

岩泉町へ移住した人の声

岩泉町への移住者の声

それではここで、実際に岩泉町へ移住した刈屋さんご夫婦の声を聞いてみましょう。

  • 都会では経験できない自然の中での遊びを満喫できます。ロッククライミングや、ロープを使って木に登るツリークライミング、簡単な木の板で雪上を滑る雪板遊びなど、お金のかからないものばかりです。
  • 畑わさび農家の後継者募集という目新しさに惹かれました。支援制度も魅力的で、今は地域おこし協力隊として活動しています。
  • ご近所さんが6〜7人のエリアに住んでいます。仲良くなってからは毎週のように飲み会があり、山菜やキノコなど旬の美味しいものを一緒に食べています。

岩泉町へ移住した人は、自然に囲まれた生活に魅力を感じているようです。自然を生かした一次産業を志し、自然の中で遊ぶことが好きな人に特に向いている土地だと言えるでしょう。

移住を考えているなら「おためしプログラム」の利用を

岩泉町では、移住を検討している人に向けて「おためしプログラム」を実施しています。

これは岩泉町に2泊3日の日程で滞在しながら、さまざまな町の魅力を体験できるもので、畑わさび関係、林業関係、地域振興関係などのプログラムが用意されています。

その中で、自然豊かな岩泉町の空気や水、食材などを味わうとともに、現地の関係者・移住者と交流を深めることができますよ。

盛岡駅から岩泉町までの送迎も可能なので、岩泉町が少しでも気になった人は、ぜひ活用してみてください。

>>公式:岩泉町(おためしプログラム)

>>公式:岩泉町(地域おこし協力隊)

岩泉町への移住に関するお問い合わせ

岩泉町の渓谷に広がる紅葉

移住に関する相談先は下記の通りです。

担当課 政策推進課政策推進室
住所 〒027-0595
岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字惣畑59-5
電話番号 0194-22-2111
対応時間 8:30〜17:15
※土・日・祝日・年末年始を除く
公式サイト ▼岩泉町役場
https://www.town.iwaizumi.lg.jp/
▼いわいずみFREAKS
https://0194.net/