長野県飯島町での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説|縁結び大学

この記事では、地方移住を検討している方に向けて、長野県飯島町の魅力をご紹介します。

長野県南部にある飯島町は、中央アルプスと南アルプスに囲まれたふたつのアルプスが見える町で、南駒ヶ岳、越百山、仙丈ヶ岳などの雄大な眺望を楽しめます。これらの山々を源にした与田切川が町の真ん中に流れ、名水を生かした稲作、果実栽培なども盛んです。町内のスーパーや道の駅には、地元産の新鮮野菜や切り花が棚いっぱいに並んでいます。

そんな飯島町では、町内の保育園が協力して子ども同士が一緒に活動できる時間を作っています。子育て支援も充実しているので、子どもがいる世帯の移住におすすめです。

また、49歳以下ならばさまざまな住宅支援制度も利用できます。最大で200万円の補助金も受けられるので、「若いうちにマイホームを持ちたい」という人も夢を叶えやすい町といえるでしょう。

それでは、飯島町の特徴、暮らしの情報、支援制度などについて詳しく解説していきます。

本日お話を伺った方
飯島町イメージキャラクターいいちゃん

飯島町役場 地域創造課 定住促進室 室長

北原 千穂さん

長野県飯島町での暮らし:4つの特徴

飯島町の暮らしの特徴

飯島町は、長野県南部にある伊那谷の中心に位置しています。現在は中央自動車道経由で東京まで3時間かかりますが、リニア中央新幹線の開通が予定されており、開通すれば東京までわずか1時間で移動できるようになります。

そして飯島町は、町のいたるところから見える中央アルプス、南アルプスの雄大な景色、水田や果樹園が広がるのどかな田園風景に心癒やされます。さらに、飯島町では子育て支援が充実していて、高校3年生まで医療費無料というのも見逃せません。

そんな飯島町への移住は次のような方におすすめです。

  • 季節の移り変わりを感じながらのスローライフに憧れている
  • お米やお水など毎日口にするものの美味しさ、安全性にはこだわりがある
  • 自然に恵まれた場所で、のびのびと子育てしたい

それでは飯島町の特徴を分析しながら、なぜ上記のような方におすすめなのかを解説していきます。

特徴1:まち全体が子どもを大切にしている

飯島町は地域の方も子育てに協力的で、子どもを一緒に育てるという雰囲気があります。地域の方が学校に来て一緒に田んぼを作ったり、保育園では芋掘りやいちご狩りに参加できたりなど、地域のつながりが強いことが魅力です。

町内にある3つの保育園では、3歳児以上の朝の体操やマラソンを実施するなど、少子化時代の中で子ども同士が触れ合う機会を増やす工夫もされています。

子育てに関する心配事ができたら「いいっ子センター」の愛称で親しまれている飯島町地域子育て支援センターに足を運んでみるのもよいでしょう。子育て世代包括支援センターの窓口でもあり、悩み相談にも対応しています。

子育て支援 子育て支援センター内部
▲子育て支援センター内部。木目調の落ち着く空間です。

いいっ子センターの室内には絵本、遊具、ボールプールなどが完備されています。室外のテラスには砂場や滑り台もあります。

いいっ子センターで遊ぶ乳幼児や幼児

飯島町に住む子育て世帯からも「安心して遊べる場所」「同年代の子どもと遊ばせることができる」などと好評です。

公式:飯島町地域子育て支援センター

また、古くから稲作が盛んな飯島町では、長野県の基準の半分以下の農薬・化学肥料で育てる特別栽培米「越百黄金(こすもすこがね)」を作っています。越百黄金は町の学校給食でも使用されているので、給食でも美味しいごはんを食べることができますよ。

飯島町で作られているお米
▲中央アルプスの清流で育った特別栽培米「越百黄金(こすもすこがね)」は甘みがあって美味しい

特徴2:自然の恵みに溢れている!その季節ならではの楽しみ方もあり

飯島町と陣馬形山の風景

飯島町は自然豊かで、美しい緑に囲まれています。与田切公園には信州の名水・秘水と呼ばれている「越百(こすも)の水」もあり、中央アルプスのおいしい水を汲むことができます。

与田切公園にある「越百(こすも)の水」
▲与田切公園にある「越百(こすも)の水」。軟水で飲みやすく、美味しいと人気

「花の里」とも呼ばれる飯島町は、アルストロメリア、バラ、ユリなど季節ごとにさまざまな花が咲き誇ります。

飯島町の早春の陣屋風特
▲早春、陣屋の前では可愛い紅梅が咲き誇る風景が見られます。

とくに桜は町内に数カ所の名所があり、春には週末ごとにお花見を楽しむこともできそうです。

提灯でライトアップされた藤巻川沿いの桜

▼飯島町のお花見スポット

場所 開花時期 特徴
与田切公園 3月下旬〜4月上旬 町内屈指の桜の名所。公園入口から長く続く「桜の回廊」では立体的な桜に囲まれる幻想的な体験ができる。
千人塚公園 4月上旬 標高が高く里より1週間遅れて見頃を迎える。城ヶ池の水面に舞う桜吹雪が美しい。緑の花が咲く御衣黄桜がある。
藤巻川沿い 3月下旬〜4月上旬 道の駅「田切の里」至近。提灯も飾られ夜桜も楽しめる。
慈福院 4月上旬 道の駅「花の里いいじま」裏手の寺院にあるしだれ桜。長年、地元民に愛され有志がライトアップしている。

また、与田切公園、千人塚公園にはキャンプ場もあり、とくに夏場には多くの人でにぎわいます。実りの秋の栗拾い、梨狩りなども楽しみです。冬にはふたつのアルプスが冠雪し、毎年恒例の大晦日新春花火大会では除夜の鐘のように尺玉8発が打ち上げられます。

以上のように飯島町には季節ごとの楽しみがいろいろとあります。「日本の四季を子どもに伝えたい」と、考えているファミリーにもおすすめです。

特徴2:秋には毎週末に花火大会がある「花火の町」

飯島町の花火大会で尺玉が打ち上がる様子

飯島町では秋には毎週どこかで花火大会が開催されているほど花火が身近な存在です。とくに9月上旬から10月の秋祭りのシーズンには2〜3社の神社が同時開催している日もあります。地元の花火愛好家グループが打ち上げに協力する千人塚水中花火大会も好評です。

飯島町の花火大会で火の粉が降りかかっている様子
▲花火の火の粉が降り注ぐ様子も圧巻!

じつは、飯島町には明治32年創業の伊那火工堀内煙火店という老舗花火屋もあり、全国から視察に訪れる花火職人も少なくありません。

また、自然体験ができる場所として人気の「いなかの風キャンプ場」では、伊那火工堀内煙火店製作のオリジナル花火を打ち上げるサービスもあります。このサービスを、誕生日のサプライズなどに利用するのもいいかもしれませんね。

公式:いなかの風キャンプ場「オリジナル花火」

長野県飯島町での暮らしに役立つ情報

長野県飯島町で生活する際に気になるデータを紹介します。

気温 8月:平均気温23.3度
1月:平均気温−0.7度
※参考:気象庁ホームページ
人口 人口:約9,000人
世帯:約3,600戸
(令和5年3月1日現在)
病院 病院・クリニック:4件
歯科:4件
教育 保育園:3園
小学校:2校
中学校:1校
交通 【鉄道】
JR飯田線
高遠原駅-七久保駅-伊那本郷駅-飯島駅-田切駅

【バス・高速道路】
飯島町循環バス
中央自動車道:駒ヶ根ICまたは松川ICから約15分
中央自動車道高速バス バス停「飯島」
近隣市町村 駒ヶ根市
飯田市
上伊那郡中川村
下伊那郡松川村
木曽郡大桑村
アクセス ■東京まで
・飯田線岡谷駅からJRで約4時間
・車で約3時間(中央自動車道経由)

■名古屋まで
・飯田線岡谷駅からJRで約4時間
・車で約2時間30分(中央自動車道経由)

日照時間は全国でもトップクラスで、比較的温暖なエリアです。夏の台風被害は少なく、冬は降雪もありますがあまり積もらず、年に3回ほど雪かきが必要な程度です。

町内には「花の里いいじま」「田切の里」とふたつも道の駅があり、新鮮な産直野菜や果物をリーズナブルに購入できます。その他、スーパーもホームセンターもあるので食品や生活雑貨の調達にも困りません。車で約10分の駒ヶ根市には大型商業施設もあるため、特別な買い物もしやすい環境と言えるでしょう。

【子育て】子育て支援が充実。高校3年生まで医療費無料

飯島町はさまざまな子育て支援を実施中です。たとえば、昭和48年年度から新小学校1年生に無料でランドセルを贈呈しています。長い伝統がありますが、最近ではブラウンも選択できるなど時代に応じて変化してきました。

ランドセルを背負って歩いている女の子たち
▲飯島町から贈呈されたランドセルを背負って歩く小学生。

その他、飯島町には妊娠前から保育園に入る頃までさまざまな子育て支援があります。

  • 不妊・不育症治療費補助
  • 成人風疹予防接種費用補助
  • 妊娠健康診査15〜17回分の費用補助
  • 産前産後サポートクーポン発行
  • 新生児聴覚検査費用補助
  • 乳幼児・育児相談
  • ハッピーバースフラワー事業(3ヶ月検診時に飯島町産の花束をプレゼント)
  • ブックスタート(絵本のプレゼント)
  • BP・BP2プログラム(保育園に入るまでの専門相談窓口)
  • 保育園未満児訪問(健康・発達・食事に関する相談)

さらに、飯島町の子育て支援は子どもが小さい時だけにとどまりません。高校3年生まで医療費無料と、長期間にわたるサポートを実施しています。

公式:子育て支援

【仕事】商・工・農のバランスがとれた求人がある

大手求人サイトで長野県飯島町の正社員雇用の求人数を調べると約220件ほどありました。「商・工・農のバランスのとれた就業構造」を目標に企業誘致を進めてきた飯島町では、さまざまな産業の求人があります。
※求人情報の一例

30分圏内で通える範囲まで検索対象を広げると、大手求人サイトでも約2,400件まで求人数が増え、さらに選択肢が広がります。在宅勤務可のデスクワークの求人などもあるので、できるだけ飯島町で過ごす時間を長くしたい方にもおすすめです。

【住まい】マイホームを持ちたい若者への支援が充実

飯島町では独自の土地・住宅情報を提供しており、賃貸物件は1Kから2LDKまで掲載されていたいました。

公式:土地・住宅情報

賃貸で家を探している人には、飯島町の町営住宅もおすすめです。町営住宅は「一般の町営住宅」「特定公共賃貸住宅」「地域有料賃貸住宅」の3種類あります。どの町営住宅も基本的に「現在同居している・同居予定がある親族がいること」が条件になります。住宅によって入居資格が異なるため、詳しくはHPをご確認ください。

公式:町営住宅

一軒家の物件では築年数を重ねた中古物件が中心ですが、金額は都内の1/10程度という例も少なくありません。リフォーム済みの物件もありますが、まだリフォームされていない場合でも、飯島町ではリフォームに関する補助金制度などもあるので活用してみてもよいでしょう。

飯島町の移住者向けの充実した住宅支援には次のようなものがあります。数ある支援のなかでも注目したいのが49歳以下を対象とした「飯島町に光をそそぐ」シリーズで、若いうちにマイホームを取得したい人におすすめです。復数の支援を重複して受けることはできませんが、もし、ひとつでも対象にあてはまりそうならば利用してみてはいかがでしょうか。

▼49歳以下が対象:「飯島町に光をそそぐ」シリーズ

マイホーム取得補助金 対象:住宅の新築、住宅用地や中古住宅を購入した49歳以下の人(申請者が規定年齢を越えていても配偶者が49歳以下ならば可)。2人以上で5年以上継続して定住を確約し、自治会に加入できる等の一定の条件を満たしていること。令和4年4月1日から令和7年3月31日までに交付決定を受けること。
・補助対象経費の50%(補助限度額200万円)
・町内業者で新築した場合、お米60kg・いいちゃん商品券(20,000円分)をさらに贈呈
住宅リフォーム支援補助金 対象:個人住宅で30万円以上のリフォーム、耐震補強対策、下水道接続工事等をした49歳以下(申請者が規定年齢を越えていても配偶者が49歳以下ならば可)の人。2人以上で5年以上継続して定住を確約し、自治会に加入できる等の一定の条件を満たしていること。
・補助対象経費の50%(補助限度額200万円)
マイホーム取得奨励金 対象:令和4年4月1日から令和7年3月31日までに住宅の新築や中古住宅を購入した49歳以下の人(申請者が規定年齢を越えていても配偶者が49歳以下ならば可)。2人以上で定住し、自治会に加入できる等の一定の条件を満たしていること。
・取得した住宅の住宅部分にかかる固定資産税相当額10年分

▼その他の制度

住宅取得(新築・中古住宅)に関する補助 対象:住宅の新築や中古住宅を購入した49歳以下の人。5年以上の定住を確約、自治会に加入できる等の条件を満たしている。
・Iターン:50万円および米1俵
・Uターン:30万円
・上記以外:町内業者を利用すれば20万円、利用しなかった場合10万円
住宅リフォームに関する補助 対象:屋内の改修、下水道の接続工事、バリアフリー化、屋根や外装の補修、耐震補強、塀の耐震補強および撤去をした人。
・工事費用の5%(補助限度額10万円)
・町内業者に限る
空き家の改修費等補助 対象:飯島町の土地・住宅情報を利用して売買か賃貸(親族間は除く)した人。
・改修費、解体費:補助対象経費の1/2以内(補助限度額50万円)
・不要物の撤去:補助対象経費以内(補助限度額10万円)
・町内業者に限る

飯島町に移住した先輩移住者たちの声

長野県飯島町の移住者の声のイラスト

長野県飯島町に実際に移住した先輩たちは、どのような感想を抱いているのでしょうか。まずは「移住してここがよかった」という体験談を紹介します。

  • 噂通りに山の景色が素晴らしい。窓の外にいつも雄大な山々が広がっていて気持ちいい
  • 昔から住んでいる方々の気質が穏やか。話していて楽しい
  • 農家も多く「たくさん採れたから」と、おすそ分けをしょっちゅういただく。親切な人が多い
  • 野菜や果物が美味しい
  • 田舎ならではのいい意味でのつながりが残っている
  • 子育てのための環境が整っている。いろいろな支援があって助かった
  • 「飯島の子は地域の子」という地域の方々に見守られながら子育てできる
  • 移住体験ができたり、住居費用の補助があったり、移住支援が手厚くて助かった

以上のように数多くのポジティブな移住体験談がありました。続いて、「移住してここが困った」という声もご紹介します。

  • 水道代が少し高めだった。でも「日本の名水」が自宅の蛇口から出てくるのは贅沢だし、実際に美味しい
  • 公共交通は発達していないが、地域コミュニティバスもあるし、自分は普段から車での移動がメインなので気にならない

飯島町での生活には車があった方が便利かもしれませんね。東京への電車移動は現在4時間ほどかかりますが、リニア中央新幹線が近隣の飯田市に接続されるという計画もあります。リニア中央新幹線が接続されれば、東京まで約1時間半で行けるようになるので、将来性に期待して移住するというのもひとつの選択です。

長野県飯島町が実施している移住支援

長野県飯島町ではいくつかの移住支援を実施しています。たとえば、後ほど詳しくご紹介する飯島町田舎暮らしリサーチ住宅では、短期から長期まで希望に応じた生活体験ができるようになっています。

まだ、移住についてそこまで本気で決めているわけではない人には、飯島流ワーケーションという手もあるので、利用してみてはいかがでしょうか。

飯島町田舎暮らしリサーチ住宅で生活体験

移住体験トレーラーハウスの内観

飯島町には移住を体験できる飯島町田舎暮らしリサーチ住宅があります。リサーチ住宅とは、移住を検討している方が、その土地での暮らしを実際に体験してみるために用意されたお試し住宅のことです。

リサーチ住宅は一軒家からトレーラーハウスなど複数の種類があり、物件によってはバス・トイレつき、冷暖房完備、駐車場つきです。生活に必要な家具、家電、調理器具、食器等もそろっている物件もあるので、タオルやアメニティグッズのみの持参で気軽に生活体験できます。

トレーラーハウスタイプのリサーチ住宅は2種類あり、条件に合わせて選択可能です。

移住体験トレーラーハウスの外観
▲移住体験トレーラーハウスは外観もおしゃれ!

いずれも飯島町への移住を真剣に検討中で町役場の定住促進室に相談した人が対象となります。

超短期間移住体験

期間 1泊2日〜1週間
料金 無料
利用目的 移住に向けての物件探しやイベント参加、農業体験

中間期移住体験

期間 連続した1ヶ月以上6ヶ月以内
料金 月額18,000円(電気、ガス、水道代別)、水道の開閉線手数料1,000円、指定ごみ袋代、ごみステーション利用料
利用目的 移住に向けての物件探しやイベント参加、農業体験

また「移住したら自分たちの食べる分の野菜などは育ててみたい」と、考えている人には農業体験もおすすめです。年間通しのプログラムになっていて、移住者だけではなく移住希望者でも先生の手厚いサポートのもと、野菜づくりの基礎を無料で学べます。

公式:お試し移住

農業ヒーリングをプラスした飯島流ワーケーション

飯島流ワーケーションで使用されるトレーラーハウスと農園

飯島町ではワーケーションに農業ヒーリングをプラスした飯島流ワーケーションを実施しています。5棟あるトレーラーハウスの前にはそれぞれ農地があり、そこで野菜や土に触れることで心の癒やし効果を得るものです。

「まだ移住について本格的に決心しているわけではないが、興味はある」という人はもちろん、毎日の仕事に疲れていて「農業体験や自然で癒やされたい」という人などにもおすすめです。滞在中には、農業以外にも様々な体験プログラムが用意されており、移住への具体的な行動を起こすためのきっかけにしてみてはいかがでしょうか。   

公式:飯島流ワーケーション

長野県飯島町への移住に関する問い合わせ

長野県飯島町への移住に関するお問い合わせは下記の通りです。まずは、どんな小さな疑問でも尋ねてみることからはじめてみませんか。

担当課 地域創造課 定住促進室
住所 〒399-3797 
長野県上伊那郡飯島町飯島2537番地
電話 0265-86-3111
公式サイト https://www.town.iijima.lg.jp/