石川県宝達志水町で暮らす魅力とは？移住に役立つ仕事・住まい・支援情報

この記事では移住を考えている人に向けて、石川県宝達志水町（ほうだつしみずちょう）の魅力をお届けします。

宝達志水町は石川県のほぼ中央部に位置しており、能登でいちばん高い宝達山（ほうだつさん）があるまちです。豊かな自然に恵まれながら、周辺の都市部にも行きやすいことが魅力の一つです。

日本海側には、車で走行できる世界有数の珍しい海岸があり、地元の人だけでなく多くの観光客が訪れます。

今回は、宝達志水町役場の北野さんに伺ったお話しも合わせて、地域の特徴や暮らしに役立つ支援情報などを紹介します。

石川県宝達志水町の暮らし：3つの特徴

宝達志水町の西は日本海に面し、東は富山県に接しています。石川県においては宝達志水町以北が能登半島地域とされるため、「能登半島のはじまり」ともいわれます。

それに倣って、いろいろな希望に溢れていることを表現した「あなたの物語が『はじまるまち。』」をキャッチフレーズにしています。

そんな宝達志水町は次のような方におすすめです。

• 自然を満喫する、田舎ならではの体験がしたい
• 田舎で暮らしながら、都市部にも気軽にお出かけしたい
• 学習環境の充実したまちで子育てしたい
• ご当地グルメや特産品を堪能したい

それでは、なぜ宝達志水町がおすすめなのか、詳しく説明していきます。

特徴1：山・川・海がある。車で走れる珍しい砂浜も

宝達志水町にはかつて加賀藩の御用金山として栄えた宝達山があります。その宝達山（標高637m）は山頂付近にブナの原生林が広がっています。平成7年には農林水産省の外局・林野庁から「水源の森百選」に選定されました。

▲宝達山と麓に広がる宝達志水町の平野部

宝達山から日本海に注ぐ宝達川は、一部が車道のトンネルの上を流れていることから「天井川」として有名です。過去に洪水があるたび川底に土砂がたまり、何度も堤防を補強するうちに、川底が平地より高くなったといわれます。

同じく宝達山系を水源とする子浦川（しおがわ）や新宮川、相見川のほか、町内を多くの河川が流れています。

▲宝達山を水源とする河川がまちを流れて日本海に注ぐ

宝達志水町は日本で唯一、世界でも3カ所しかないといわれる、車で走行できる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」のあるまちとして有名です。

▲車で走行できる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」

日本海に面す羽咋市千里浜町（はくいし　ちりはままち）から羽咋郡宝達志水町まで続く千里浜海岸は、砂浜なのに水分を含むと固く締まるため自転車や車で走行できるのです。

宝達志水町では山、川、海と自然に囲まれた豊かな生活が送れます。そのうえ、気が向けば「千里浜なぎさドライブウェイ」を走って特別なひとときを過ごせます。

ビーチドライブを楽しんだあとは、日本海に沈む夕日に癒やされるのもいいですね。

▲宝達志水町の千里浜から見た夕日が沈む絶景

特徴2：県庁所在地の金沢市まで30分。都市部へのアクセスがよい

宝達志水町は石川県内の羽咋市、かほく市、津幡町、隣の富山県にある氷見市、高岡市と隣接しています。

▲石川県における宝達志水町の位置を表わした図（引用元：宝達志水町HP）

石川県の県庁所在地である金沢市まで、約35kmしか離れていません。車なら無料の自動車専用道路「のと里山海道」を使って約30分で着きます。

宝達志水町にもスーパーマーケットやコンビニはあるので、日常生活には困りませんが、おしゃれなお店でショッピングを楽しんだり、アーティストのコンサートなどに行きたいときなどは金沢市まで気軽にお出かけできます。

また町内にはJR七尾線が走っており、停車駅が敷浪駅、宝達駅、免田駅と3駅あります。宝達駅から金沢駅までは45分～50分程度で着くので、通学や通勤に便利です。

特徴3：子育て支援や学習環境が充実。学力は全国トップクラス

宝達志水町は安心して妊婦・出産・子育てができるまちづくりを進めています。子育て世帯に向けた支援の一部を紹介します。

出産祝金	子どもが誕生したら、出産祝金を現金10万円＋商品券5万円分もらえます。
成長祝金	子どもが6歳、12歳、15歳、18歳になると、成長祝金として各3万円がもらえます。
子ども医療費無料	18歳までの子どもは、県内の医療機関で「子ども医療費受給資格者証」を提示すれば、窓口で（保険診療分の）医療費を支払わずに診療を受けられます。
保育料の軽減	3～5歳児の保育料は0円です。0～2歳児は町の基準額によりますが、2人以上が同時に入所している場合、2人目以降は無料となります。低所得世帯は第2子以降無料です。

就学前の子どもを持つお母さん・お父さんは、子育て支援センター「どんぐり広場」を覗いてみましょう。育児の悩みを気軽に相談したり、親子や子どもたちといっしょに遊んで仲間をつくることができます。

また、子どもたちの遊び場として「ほっぴーパーク」を無料で利用できます（6歳までの幼児には大人の付き添いが必要）。トランポリンのように跳ねて遊べるふわふわドームをはじめ、ブランコやクライミング、スラックレール、キッズバイクなど子どもたちが遊びながらバランス感覚を身につける遊具が揃っています。

▲宝達志水町初のふわふわドームがある「ほっぴーパーク」（引用元：『ほっぴーさん【公式】インスタグラム』）

宝達志水町は文部科学省が行う全国学力テストで全国トップクラスの成績を維持しています。

教育立町として学習環境の整備をすすめており、ICT教育によって次世代の人材を育てるための「GIGAスクール構想」にも取り組んでいます。

また町内の小中学校に通う生徒は、英語検定や漢字検定、数学（算数）検定、理科検定といった検定を受験すると、「宝たち検定チャレンジ事業補助金」として検定料の全額あるいは半額を受け取ることができます。

子育て支援や学習環境に関しては宝達志水町公式サイトをご覧下さい。

公式：宝達志水町子育てサイト

宝達志水町の暮らしに関する情報

ここでは、宝達志水町への移住を検討するうえで参考になる、暮らしに関するさまざまな情報を紹介します。

気候	8月平均気温：26.5℃ 1月平均気温：3.5℃ 宝達志水町に観測地点がないため近隣の羽咋市のデータを掲載 ※参考：気象庁HP
人口	人口：約12,160人 世帯：約4,930世帯 ※2023年5月末現在
近隣都市へのアクセス	【車】 石川県羽咋市：約10分 かほく市：約15分 津幡町：約30分 富山県氷見市：約30分 高岡市：約45分 【JR七尾線】 宝達駅→羽咋駅：約15分 宝達駅→津幡駅：約35分
町内の交通	南北シャトル便：病院への通院や買い物に使える路線バス（有料） コミュニティバス：中学校スクールバスの空き時間を活用（無料） デマンドタクシー：予約制乗り合いタクシー（有料）
学校	小学校：5、中学校：1、認定こども園：4 ※2023年6月現在
病院	総合病院：1、内科・小児科：2、歯科：4 ※2023年6月現在

雪は山間部では降りますが、積もるのは年に1度くらいです。

イベントでは花火大会が楽しめます。昭和初期から続いていた花火大会がここ数年開催されなかったところ、クラウドファンディングなどで資金を募り、2022年に「宝達志水大花火」として復活しました。会場は太鼓の演奏が行われたり、ご当地グルメのお店が並んで賑わいました。

「宝達志水大花火2023」も10月に開催予定です。

▲数年ぶりに復活した宝達志水町の大花火大会

フルーツ・農産物の特産品やオムライスなどグルメがたくさん

「紋平柿」発祥の地である宝達志水町には、ほかにもフルーツや野菜からサンゴミズキといった花木（かぼく）まで特産品がたくさんあります。

石川県がブランド化をすすめている高級ぶどう「ルビーロマン」は一粒が大きく、果皮が赤いことからその名がつけられました。希少なため最高級クラスになると1房10万円の高値がつくこともあります。

▲高級ぶどう「ルビーロマン」は1房10万円の値がつくこともある

宝達志水町では特産の黒イチジクを「黒蜜姫」と名づけてブランド化に取り組んでいます。さまざまなメニューを考案しており、ロールケーキ「黒蜜姫ロール」などの加工品も販売しています。

▲「黒蜜姫」の愛称でブランド化をすすめている黒イチジク

また新ご当地グルメとして注目を集めているのが「やわらぎオムライス」です。オムライスの生みの親とされる、大阪の洋食店「北極星」の創業者・北橋茂男氏が宝達志水町の出身であることから、同町が「オムライスの町」と呼ばれるようになりました。

元祖オムライスの店「北極星」さんが宝達志水町のためにレシピを考えてくれたことから、「やわらぎオムライス」が誕生しました。特産品を使ったオムライスは、町の人々や観光客の皆さんに喜ばれています。

▲宝達志水町の新ご当地グルメ「やわらぎオムライス」

【仕事】町内で起業、町外に通勤。どちらも支援制度あり

宝達志水町では町内に商工業の事業所等を新設して起業・創業した場合、補助金として最大150万円がもらえます。詳細は公式サイトでご確認ください。

公式：宝達志水町公式サイト「宝達志水町起業・創業支援事業補助金」

また、宝達志水町定住促進協議会の移住支援サイト「ほうだつしみずで、暮らそう。」では町内の求人企業情報を掲載しており、農業後継者を求める農園なども紹介されています。

公式：移住支援サイト「ほうだつしみずで、暮らそう。」（求人企業）

宝達志水町役場の北野さんに伺ったところ、町内から金沢市など近隣都市にある職場まで通勤する人も一定数いるとのことでした。

宝達志水町内および金沢市内、また宝達志水町から通勤30分圏内（25km以内）における仕事がどれくらいあるか、大手求人サイトで調べたところ次のようになりました。

宝達志水町内	約240件 ※参考：求人情報の一例（2023年6月現在）
金沢市内	約21,700件 ※参考：求人情報の一例（2023年6月現在）
宝達志水町から約30分圏内	約1,0900件 ※参考：求人情報の一例（2023年6月現在）

宝達志水町では町外へ通勤している場合、「金沢市以南又は県外」「満18歳以上30歳未満」など諸条件を満たせば、助成金として年間2万円をもらえます。

公式：宝達志水町公式サイト「令和5年度若者通勤サポート事業助成金のご案内」

宝達志水町に地方移住して田舎暮らしを満喫しながら、車やJRで金沢市まで通勤するという選択肢もあります。

【住まい】マイホーム取得で奨励金。空き家改修補助など支援制度が充実

宝達志水町では町内に定住するため、新築住宅や建売住宅、中古住宅を購入した場合、奨励金として最大270万円がもらえます。

公式：宝達志水町子育てサイト「マイホーム取得奨励金」

また、空き家バンクに登録された物件を利用することができます。2023年6月時点での登録物件は賃貸物件が5件、売却物件が10件ありました（2023年6月25日現在）。

公式：宝達志水町公式サイト「空き家バンク制度」

空き家バンクは基本的に状態がよい物件を登録していますが、なかには改修が必要なこともあります。そんなときは「空き家改修費等助成金制度」を活用できます。

登録物件を借りた場合、改修や残っていた家財道具の撤去、清掃などにかかった費用の助成金として最大113万円を受け取れます。

公式：宝達志水町公式サイト「空き家改修費等助成金制度」

なお宝達志水町では、民間賃貸住宅で住み始めた夫婦がともに45歳以下の場合、月額家賃の補助として最大1万5千円、最長で36か月間受け取ることができます。

公式：宝達志水町公式サイト「宝達志水町民間賃貸住宅家賃補助事業」

宝達志水町に移住した人の感想や体験談

東京から家族でUターンしてきた方、脱サラして就農した方など、先輩移住者の皆さんによる感想や体験談を紹介します。

• 寒さもそんなに感じないし、雪も心配ない。本当に住みやすい。
• 空気も、水も、お米も美味しいです。
• 保育園に入れないのではと不安でしたが、待機児童はまさかのゼロ。悩みが一気に解消しました。
• 移住して自然栽培を一緒にやる仲間が増えたらいいですね。全力で応援します。

古民家を利用してカフェをオープンしたり、新規就農してお米と果樹の自然栽培に取り組んだり、生き生きと宝達志水町での暮らしを楽しんでいるようでした。

移住に役立つ、暮らし体験やオンライン相談

宝達志水町への移住を検討されているならば、実際に滞在して現地の雰囲気を感じてみてはいかがでしょうか。

宝達志水町の暮らしを体験できるシェアハウスや古民家

4部屋の一軒家「宝達志水町暮らし体験の家」および、8部屋のシェアハウス型「古民家暮らし体験の家」があります。

▲4部屋ある一戸建て「宝達志水町暮らし体験の家」

▲8部屋からなるシェアハウス型の「古民家暮らし体験の家」

水洗トイレ、キッチン、風呂（近くに温泉あり）、寝具、車庫、Wifi設備とテレビ以外はほぼ揃っています。シェアハウス型はトイレ、キッチン、風呂が同居人と共有になります。どちらの体験の家も1泊2日から6泊7日まで滞在が可能です。

公式：移住支援サイト「ほうだつしみずで、暮らそう。」（暮らし体験）

町内を案内してもらい、宝達山のブナ林やブドウ農園を見学する移住希望者もいました。

▲宝達山のブナ林を案内してもらう移住希望者

▲ブドウ農家からブドウ畑を見せてもらう移住希望者

移住前の情報収集や疑問を解消できる「オンライン移住相談」

宝達志水町への移住に関心を持ちながら、仕事や子育てに忙しくてまとまった時間がとれない方は、ZoomやSkypeなどのアプリを使ってビデオ通話で相談することが可能です。

移住するための情報収集や、疑問点、不安に思っていることなど、なんでも相談できます。

宝達志水町定住促進協議会による「オンライン移住相談」は予約制のため、公式サイトのお問い合わせフォームよりお申し込みください。

公式：移住支援サイト「ほうだつしみずで、暮らそう。」（オンライン移住相談）

宝達志水町への移住に関するお問い合わせ

問い合わせ窓口	宝達志水町役場 企画情報課
住所	石川県羽咋郡宝達志水町子浦そ18番地1
電話	0767-29-8230
公式サイト	宝達志水町