長野県平谷村での暮らしはどう?移住を成功させるための情報を徹底解説

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「長野県平谷村(ひらやむら)」をご紹介します。

長野県の南端に位置する平谷村は、県内で一番人口の少ない村。豊かな自然を満喫できる数々のスポットと、コンパクトな村だからこその、地域の密なつながりが魅力的です。

その環境に加え、子育て支援が充実し、親子留学制度もあるので、お子様のいるご家庭には特におすすめの村といえます。育児環境ファーストで移住先を探しているのなら、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

そんな平谷村について、暮らしの特徴や仕事・住まい探しなど、移住に役立つ情報をたっぷりとお届けします。

本日お話を伺った方
平谷村 移住コーディネーターの加藤さん

平谷村 移住コーディネーター

加藤 公理さん

平谷村の暮らしの特徴3つ

平谷村の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には平谷村がおすすめです。

  • 豊かな自然に囲まれて穏やかな暮らしがしたい
  • 暑さが苦手。夏に涼しい地域への移住を希望している
  • 子育て支援の充実した自治体を探している
  • 子どもには自然の中でたくさんの体験をさせ、のびのびと育てたい

なぜこのような方に平谷村が向いているのか、その理由を踏まえつつ、平谷村の暮らしの特徴を紹介していきます。

特徴1:豊かな自然に囲まれた、コンパクトなコミュニティ

ひまわり畑

平谷村は標高920mの高原地帯に位置し、面積のうち約97%が山林という、自然の豊かな村です。

登山やスキーといったアクティビティと、春は桜並木、夏は高原野菜や一面のひまわり畑、秋に紅葉、冬には雪景色など、四季それぞれの美しい景色がたくさん。心おだやかな暮らしが叶う“信州の里山”です。

夕方の高嶺山
▲村のシンボル・高嶺山では、高山植物や野鳥、雄大な景色を眺めながらの登山が楽しめる

高嶺山の上にパラグライダーをする人影
▲高嶺山はパラグライダーのフライトエリアでもある。広い空に、悠々と飛ぶパラグライダーが映える

高嶺山から見た星空
▲満天の星はまるで天然のプラネタリウム。平谷村からは、毎日のように流れ星が見える

そんな平谷村は、長野県で人口が一番少ない村でもあります。そのため、コミュニティがとてもコンパクト。地域の人同士の距離が近かったり、住民の声が役場に届きやすかったりといった点も特徴的です。

平谷村は、雄大な自然も地域の人々のつながりも、すべてが手の届くところにあるような“贅沢コンパクト”な村なのです。

特徴2:子育て世帯に優しい、充実の支援&環境

「裏山ランド」で遊ぶ女子たち

平谷村は移住先として、特に子育て世代の方におすすめできる村です。その理由は、手厚い支援と充実の教育環境。まず、支援面では以下のようなものがあります。

結婚祝金 1夫婦あたり15万円
出産祝金 子ども1人につき20万円(記念品含む)
ブックスタート 7ヶ月・2歳児への、絵本・図書袋プレゼント
小学校 入学祝金 在村月数×2,000円
校外活動費 無料 【小学校】給食費・修学旅行等の校外活動費 無料
阿智中学校 給食・通学補助 月額8,000円(給食分6,000円、通学分2,000円)
高校生 高校通学補助 阿智高校:月額7,000円
飯田・下伊那の高校:月額12,000円
その他の高校:月額5,000円

小学校の校外活動費(修学旅行費など)が無料というのは、かなり珍しく、手厚いと言えるでしょう。また、平谷村内には中学校・高校がないことから、近隣の市町村へ通うための通学費などが補助されます。

教育環境面では、子ども達を“自立して考え決断できる人”に育てる取り組みを行っています。小学校では学年の垣根を越え、自分達のやってみたいプロジェクトに挑戦。最近では、学校の裏山に、ブランコやターザンロープなどのある秘密基地「裏山ランド」を作りました。

のこぎりで木を切る子ども
▲「裏山ランド」は発案・準備・作業などすべてを児童主体で行った。のこぎりを使って木の切断にも挑戦

裏山ランドのブランコ
▲完成したブランコからは村の風景が眺められる

裏山ランドのお手製滑り台
▲迫力満点のお手製滑り台。保育所の子どもたちも一緒になって楽しむ

また、地域おこし協力隊が運営するみんなの居場所「ひらひら平谷」では、子どもたちが自由に出入りし、キャンプやバームクーヘン作りなど、思い思いに活動できます。

テント張りをしている子ども達

手作りバームクーヘンを切っているところ

このように、子どもを真ん中に据えた学校・地域づくりを進めている平谷村。学校行事には保育所の園児も誘い、給食も小学校・保育所で一緒に食べるなど、年齢を越えた交流も常に実施しています。地域が一体となって子どもの成長をサポートしているところは、村の大きな魅力と言えるでしょう。

実際、平谷村に移住した人からは「地域の人がいつも子ども達を見守ってくれる安心感がある」「都会では子どもに“ダメ”と言わなければいけないことが多いけれど、アットホームな平谷村では、禁止の少ないのびのびとした育児ができる」という声が多く聞かれるそうです。

特徴3:「親子で山村留学」制度の、手厚いサポート

平谷村が子育ての方におすすめなのはご紹介のとおりですが、未就学~小学校のお子様のいる方に特にピッタリなのが、平谷村の「親子で山村留学」制度です。

これは「自然あふれる山村で、子どもをのびのびと学ばせ育てたい」と考えているご家族向けの取り組み。ご家族での平谷村への引っ越しと、1年間の山村生活体験をサポートしています。

住まいについては、3LDKの住宅を月額2万円で利用できます。引っ越し費用や生活費用など各種支援も充実していて、経済面の心配が少ないのが嬉しいところです。

親子留学向け住宅外観
▲豊かな自然の中にある、親子留学向け住宅

親子留学向け住宅室内

平谷村では、学校で、地域で、都会ではなかなかできない自然の中での体験を通し、子どもがたくましく成長していくことを実感できるでしょう。

「移住の第一目的は、子育てに最適な環境に暮らすこと」という方は、ぜひ「親子で山村留学」制度の利用を検討してみてください。

自転車に乗る子ども達の後ろ姿

ほお葉餅作りの様子
▲平谷村の初夏を感じる郷土料理「ほお葉餅」づくりを、地域の人に教えてもらう

川遊びをする子ども達
▲夏には川で水遊び。川虫も探せる

杵と臼で餅つき
▲自分たちで育てたもち米で、お餅つき大会

親子留学募集概要

募集対象 保育園児(3~5歳)および小学生(1~6年生)
留学形態 親子留学
※両親どちらか1名から家族全員での留学(子どものみの受け入れは不可)
留学期間 1年間(希望があれば延長が最長11年まで可能)
費用サポート ○義務教育費無償(学年費や修学旅行、スキー教室なども無償。学用品等の私物以外は村で負担)
○学校給食費無償(自校調理。地域色のある温かい給食が食べられる)

詳細:親子で山村留学|平谷村

平谷村の暮らしに関する情報

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、平谷村の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。

気候 1月:平均気温-2.3°C
8月:平均気温21.2°C
(平谷村内に観測地点がないため、近隣の浪合地点を参照)
※参考:気象庁ホームページ
人口 370人
近隣都市 下伊那郡阿南町、阿智村、売木村、根羽村
岐阜県:恵那市、中津川市
公共交通 路線バス:西部コミュニティバス
大都市へのアクセス 名古屋へ:車で約2時間
病院 診療所1
学校 小学校1、保育施設1
※隣接する阿智村への学校事務委託により、平谷村の中学生はスクールバスで阿智村立阿智中学校へ通学している
特産品 とうもろこし、高原野菜

標高の高い平谷村では、夏場30度を超す日は少なく、クーラーもほとんど使用せずに過ごせる快適な気候です。一方で冬は寒く、-10度程度が平均気温。光熱費・暖房費が高くなることは心づもりをしておきましょう。道路に関しては、夜や朝早くに運転しない限り、凍結しないように整備されています。

平谷村にはスーパーがないため、買い物などは近隣の町村を利用することになり、生活には車が必須です。村内では、週末にまとめ買いをしたり、ネットショッピングなどを併用している方が多いそうです。

村の特産品は、糖度の高さが自慢のとうもろこしと、うまみたっぷりの高原野菜。農産物直売所などで手軽に手に入るので、ぜひ味わってみてください。

とうもろこしの収穫の様子

【仕事】近隣市町村も含めての仕事探しがおすすめ

2023年6月現在、大手求人情報サイトで平谷村の正社員求人を検索すると、約30件がヒットしました。小さな村なので、やはり求人は限定的というのが実情です。もっとも、この検索範囲を通勤約30分(25km圏内)程度まで広げると約4,000件と大幅に増加するので、あわせて検討してみることをおすすめします。
参考:正社員求人情報の一例(平谷村内のみ ※2023年6月現在)
参考:正社員求人情報の一例(平谷村から25km圏内 ※2023年6月現在)

仕事に関する支援としては、起業や就農の際のサポートも利用できます。移住を機にお店や農業など、新しい働き方にチャレンジしたい方は、お気軽にお問い合わせをしてみてください。

起業支援 地域創造的起業補助金が利用できる。起業に関する手続きや申請書類作成のお手伝い

【お問い合わせ先】平谷村商工会(0265-48-2667)
新規就農支援 ・土地あっせんのお手伝い
・トラクターレンタル半日500円、マルチャーレンタル半日500円
・給付金の申請書類作成のアドバイス など

【お問い合わせ先】平谷村役場 産業建設課(0265-48-2211)

【住まい】まずは村営住宅の利用が主流

平谷村への移住者が住まいを探す方法としては、まずは賃貸を選ぶ方が多いそうです。

村役場で村営住宅をあっせんしてもらえるのでそちらを利用し、その後ご希望にあわせて新築や、空き家リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。住宅に関する支援は以下のものがあります。

家屋新築補助金 100m²以上:100万円(50歳以下)
20m²以上:25万円(60歳以下)
空き家取得改修等補助金 経費の1/2:限度額50万円(60歳以下)

空き家物件は、長野県全体の空き家情報を紹介する「楽園信州空き家バンク」にて探すことができます。2023年6月現在は平谷村の物件は見つかりませんでしたが、空き家利用を希望する方は、定期的に情報をチェックしてみてください。

公式:楽園信州空き家バンク

平谷村へ移住した人の体験談・感想

平谷村へ移住した人の体験談

ここでは、実際に移住して平谷村に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。

  • 自然の豊かさに惹かれて移住を決意した。山や川、星空とすべてに感動。
  • 平谷村のコンパクトなサイズ感が気に入っている。行政が近く、村長に直接意見が言えたりするのもこの村ならでは。
  • 村の人達と世代を超えて親しくなれるのは、子ども達が育つ環境としてもとてもいいと思う。
  • 買い物は、急に足りないものがあった時が不便。余裕と計画性をもった買い出しが必要

“自然豊かな、小さな村”ならではの環境を満喫して暮らしている方が多いようです。買い物は決して便利ではありませんが「ネットショッピングなども注文した翌日には届くので、慣れれば苦にならない」という声も見つかりました。

平谷村への移住に向けた行動

平谷村への移住を検討している方には、現地へ足を運んでみることをおすすめします。

見学の場合は、移住コーディネーターの加藤さんが村を案内してくれます。加藤さん自身も移住者なので、リアルな体験談などを聞くこともできるでしょう。

日帰りor宿泊を選べる移住体験ツアー

平谷村では、1日1組限定の移住体験ツアーを、通年受け入れています。

希望に合わせて、訪れる場所を自由に選べるフリースケジュール。保育所や小学校、移住住宅などを見学して、移住後の生活のイメージを膨らませてはいかがでしょうか。日帰りのほか、専用コテージでの宿泊も選べるので、家族のお出かけの日やお休みを利用して、気ままに平谷村を体験してみてください。

なお、季節としては夏が一番人気だそうです。涼しくて高原植物や野菜も豊富。村の魅力をたっぷりと味わえそうですね。

詳細:移住体験ツアー

平谷村への移住に関するお問い合わせ

担当 平谷村役場
住所 長野県下伊那郡平谷村354番地
電話番号 0265-48-2211
対応時間 8:30~17:15
公式サイト https://hiraya-iju.com/