檜原村への移住を考える!東京都の大自然と充実した支援制度

この記事では、首都圏での移住を考えている方に向けて「東京都檜原村(ひのはらむら)」をご紹介します。

檜原村は、国立公園に指定されている豊かな自然が魅力で、滝巡りやハイキング、温泉などを日常的に楽しむことができます。

東京都心まで約2時間でアクセスでき、子育て支援や教育環境も整備されていることから、静かな環境の中で子育てやテレワークをしたい家族におすすめのエリアです。

今回は、檜原村企画財政課の嶋崎さんにお話を伺い、村の魅力や移住者向けの支援制度について詳しく解説します。

本日お話を伺った方
嶋崎さんのプロフィール用アイコン

檜原村
企画財政課 むらづくり推進係 係長

嶋崎 洋樹さん

檜原村の魅力:移住者に人気の4つの特徴

東京都檜原村の暮らしの特徴のタイトル画像

檜原村は東京都の西部に位置する、豊かな自然に恵まれたエリアです。村の特徴の中でも特に移住者に人気があるのは、以下のポイントです。

  • 秩父多摩甲斐国立公園の豊かな自然の中での生活
  • 数多くの滝や温泉が有名。キャンプやハイキングに最適な環境
  • 都心から電車とバスを使って約2時間でアクセス可能
  • 地域全体で移住者を歓迎する雰囲気がある
  • 子育て支援や教育環境が充実しており、様々な支援制度がある

それでは、これらの特徴について詳しく見ていきましょう。

特徴1:国立公園の豊かな自然を満喫!滝巡りや温泉を楽しむ暮らし

東京都檜原村にある大滝の路

檜原村は面積の約93%を山林が占めており、大部分が秩父多摩甲斐国立公園に含まれています。

四季折々の自然の中で、鳥のさえずりや川のせせらぎが聞こえてくるような環境を求めて、移住してくる人も多いのだと言います。

村内には、払沢の滝(ほっさわのたき)を筆頭に50以上もの滝があり、滝巡りを楽しむことができます。冬には幻想的な氷瀑(※)を見ることもできます。
(※)ひょうばく。凍った滝のこと

冬に氷結した檜原村の払沢の滝▲多くの観光客が訪れる払沢の滝。冬には氷結することも

また、村内を流れる秋川沿いには、バーベキューやキャンプ場、ハイキングコースが豊富にあり、自然を満喫できる環境が整っています。

移住者の中には、空いている畑を借りて野菜を育てている人もいるそうです。

このほか、複合施設「やすらぎの里」にある「檜原温泉やすらぎの湯」は、村民は200円で利用できます。さらに18歳未満と60歳以上は無料で、中には毎日入浴に訪れる人もいるとのことです。

このように檜原村には、豊かな自然を十分に味わいながら暮らせる環境が整っていると言えるでしょう。

特徴2:都心から2時間のアクセス性とテレワーク環境の両立

檜原村の住宅エリア

檜原村は、東京都心部から約2時間でアクセスできる便利な立地にあります。そのため、都外への移住に比べて、仕事や買い物、娯楽など日常生活のさまざまな面で利便性を感じる人が多いようです。

特にテレワークを主体としながら、週に数回程度の出社が必要な人にとって理想的な環境を提供する村だと言えるでしょう。自然豊かな環境で暮らしながら、必要に応じて都心にアクセスできる利点があります。

特徴3:移住者を温かく迎える村民の気遣いとコミュニティ

嶋崎さんによると、檜原村へ移住した人からは「村民の方が温かい」という声をよく聞くそうです。

移住者を気づかって声をかけたり、困っていることにアドバイスをしたりと、とても友好的な雰囲気があるのだと言います。

また、各地域ごとに獅子舞などの伝統あるお祭りが行われています。これらのお祭りは、地域の人々と交流する絶好の機会となっており、移住者が地域コミュニティに溶け込みやすい環境を作り出しています。

特徴4:充実の子育て・教育支援制度と自然を活かした学び

檜原村にある保育園の外観と園庭
▲檜原村にある保育園。背後には緑豊かな自然が広がる

檜原村では、子育てや教育に関するサポートが充実しています。

まず、子育て支援について、主なものを表にまとめました。

▼檜原村の子育て支援制度の一例

制度 概要
出生祝金 第1子:50,000円、第2子:100,000円、第3子以降:200,000円
乳幼児育児用品助成事業 2歳になるまでの乳幼児の保護者に、一人あたり月額5,500円を支給
チャイルドシート購入費補助金交付事業 6歳未満の乳幼児一人につき、3万円を上限に交付
青少年医療費助成事業 15歳から18歳までの医療費について、自己負担額分を助成

このほかにも学校給食費の全額補助など、村独自の支援を実施しています。詳細については、檜原村の公式サイトをご確認ください。

公式:檜原村(出産・子育て

また教育面では、豊富な地元の木材を活用して、小中学校の教室の木質化を行っています。これにより、温かみのある学習環境が整えられています。

木質化された檜原村の小学校の教室
▲村内の小中学校の教室は、全面が木質化されており、温かい雰囲気がある

さらに小中学校はそれぞれ1校のみで、小学生が約60人、中学生が約30人と少人数であるため、先生の目が届きやすく、きめ細かな指導が可能です。

中学2年生を対象とするオーストラリアへの海外派遣事業では、希望者全員が全額補助を受けられるため、ほぼ全員が参加し、オーストラリアの生活を体験できます。これは国際感覚を養う貴重な機会となっています。

檜原村児童館
▲村内の児童館では、乳幼児とお母さんの手遊び・工作、絵本の読み聞かせ、ビデオ上映などが行われる

このほか、子どもの遊び場としては「檜原 森のおもちゃ美術館」が人気です。木材をふんだんに使ったプレイエリアがあり、自然素材を活かした遊び体験ができるため、村外からも多くの人が訪れています。

このように檜原村には地域性を生かした子育て・教育環境が整っているため、豊かな自然の中でのびのびと子育てをすることができるでしょう。

檜原村での生活:仕事・住まい・日常生活の実態

檜原村の中心エリアの俯瞰写真

それでは次に、檜原村の暮らしに関する情報について見ていきます。

気候 1月:平均気温1.5℃
8月:平均気温23.5℃
※参考:気象庁(小河内)
人口 1,996人
(2023年11月1日現在)
病院 診療所:1
学校 保育園:1、小学校:1、中学校:1
特産品 じゃがいも、こんにゃく、ゆずワインなど
アクセス 【車】
・中央自動車道「上野原I.C」より約30分、または「八王子I.C」より約50分
・圏央道「あきる野I.C」より約30分、または「日の出I.C」より約30分

【公共交通】
東京駅からJR中央線(約50分)で立川駅、JR青梅線(約12分)で拝島駅、JR五日市線(約18分)で武蔵五日市駅、西東京バス(約20分)で檜原村
近隣都市 八王子市、あきる野市、奥多摩町、神奈川県相模原市、山梨県上野原市

檜原村には村が整備を進めたミニスーパーが1軒あり、生鮮・加工食品や日用生活品を購入することができます。こうした施設は日々の生活に欠かせません。

檜原村にあるミニスーパー
▲村内にはミニスーパーがあり、生鮮食品も買うことができる

隣接するあきる野市の中心地までは車で約30分でアクセスできます。大型のスーパーや総合病院などを利用するために訪れる人が多いようです。

また、同じく車で30分ほどの日の出町には大型のショッピングモールがあり、映画を見たりする際にはよく利用するそうです。これらの施設は、檜原村での生活の利便性を高めています。

なお、村内唯一の公共交通機関であるバスは1時間に1本ほどの運行であるため、移住するなら車は必須だと言います。最寄りの駅は隣のあきる野市にあります。

仕事事情:テレワークや起業が人気、支援金制度も

檜原村を流れる川

大手求人サイトで檜原村の正社員求人を検索したところ、約100件の求人情報が見つかりました。ただし、都内・全国向けの在宅ワーク等の求人が多く含まれているため、実際の村内の求人数はより少ないと考えられます(2023年11月時点)
※参考:求人情報の一例(檜原村のみ

また、車で約30分程度の通勤圏(25キロ圏内)まで広げると、約65,000件の求人情報がありました。こちらも八王子市などの近隣地域の求人に加えて、都内全域を対象とする求人が含まれています(2023年11月時点)
※参考:求人情報の一例(檜原村から25キロ圏内

嶋崎さんによると、村内には大きな企業が少ないことから、近隣のあきる野市などで勤めている人も多いそうです。

檜原村の地域おこし協力隊の方が農作業をする様子
▲地域おこし協力隊として農作業を行う移住者の姿

一方で移住者の中には、テレワークをしている人が一定数いるようです。村内では全戸で光回線が利用可能なため、リモートワークをしやすい環境が整っています。

また、コワーキングスペースや宿泊場所として利用できる施設もあります。キャンプやアウトドアサウナを楽しみながら、ワーケーションをすることも可能です。

公式:Village Hinohara(ヴィレッヂヒノハラ)

嶋崎さんのプロフィール用アイコン
嶋崎さん

新しく事業を始める移住者の方もいらっしゃいます。最近では、民泊の準備を進めている方の話を聞いています。

このほか、都内から檜原村に移住して就業・起業する、あるいはテレワーク業務を行う場合には、単身なら60万円、世帯なら100万円の「檜原村定住促進サポート事業支援金」を受けられる可能性があります。

条件などの詳細については、下記の公式サイトをご確認ください。

公式:檜原村(定住促進サポート事業

住宅事情:空き家活用と若年世帯向け住宅支援制度

檜原村に広がる豊かな山林

嶋崎さんによると、檜原村には民間会社が運営する賃貸物件はないとのことです(2023年11月時点)

村営住宅は70戸ありますが、常に満室状態が続いており、空きが出た場合にのみ募集を行っています。

一方で、村内には多くの空き家があり、改修すれば十分に使える物件も多いそうです。現在、定住促進空き家活用事業により登録されている物件が3件あるので、移住を検討している方はまずこちらをチェックしてみることをおすすめします(2023年11月時点)

公式:檜原村(空家登録物件一覧

また、およそ50歳未満の方が村内で新規に住宅を建設または購入する場合、100万円の「若年世帯定住促進事業」の補助金を受けられる可能性があります。

公式:檜原村(若年世帯定住促進事業

嶋崎さんのプロフィール用アイコン
嶋崎さん

檜原村への移住で一番の課題となるのが住む場所の確保です。現状では、空き家の活用か、村で人脈を築いて地元の方から空き家を紹介してもらうかが主な選択肢となっています。

檜原村移住者の声:自然豊かな暮らしの魅力と実感

東京都檜原村への移住者の声のタイトル画像

ここで、実際に檜原村へ移住した方々の体験談や感想をご紹介します。

  • 豊かな自然環境の中で、ゆったりとした時間の流れを感じられる。
  • 地域の方々が気さくで優しく、人間関係のストレスが少ない。
  • 豊富な木材と近隣のDIYショップを活用し、ものづくりを楽しめる環境がある。
  • 日当たりが良く、空気や水がきれいで美味しい。特に夏は涼しく過ごしやすい。
  • 静かな環境で、仕事に集中しやすい。

檜原村への移住者は、豊かな自然や木々に囲まれた環境を求めて来られる方が多いようです。自然と共に暮らすことに魅力を感じる方にとっては、理想的な村といえるでしょう。

檜原村への移住相談:イベント情報と問い合わせ先

檜原村にある払沢の滝

檜原村への移住を検討する際は、8月中旬に開催される「払沢の滝ふるさと夏まつり」の時期に合わせて訪れることをおすすめします。この時期なら、自然の美しさと地域の活気を同時に体験できます。

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嶋崎さん

まずは一度、檜原村に来てみてください。自然豊かな環境の中で生活することには、便利な都市部とは異なる面もあります。そうした環境に納得できる方に移住していただきたいと考えています。

檜原村への移住に関する詳細な情報や相談については、企画財政課むらづくり推進係までお問い合わせください。

担当課 企画財政課 むらづくり推進係
住所 〒190-0212
東京都西多摩郡檜原村467-1
電話番号 042-519-9556
公式サイト https://www.vill.hinohara.tokyo.jp/