東村の暮らしの魅力は?移住を成功させるための情報を徹底解説

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「沖縄県東村(ひがしそん)」をご紹介します。

東村は、世界自然遺産にも登録されている、豊かな自然を有するむらです。広大なヒルギ林(マングローブ)には多種多様な動物や植物が息づき、生き物が好きな方にはたまらない環境と言えるでしょう。

移住の目的が「きれいな海」という方には、村内にある、美しい砂浜をもつ天然のビーチをご案内。知る人ぞ知る穴場的な場所で、プライベート感のあるゆったりとした時間を楽しめます。

このように自然あふれる環境に恵まれていることに加え、教育・学習サポートが充実していることから、子育て世代の方にもおすすめです。

そんな魅力たっぷりの東村。移住に役立つさまざまな情報をお届けしていきます。

東村役場の金城さん

東村の暮らしの特徴3つ

東村の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には東村がおすすめです。

  • 植物や生き物が好き。豊かな自然のそばで暮らしたい
  • 寒さや雪は苦手。暖かい地域を希望している
  • 子どもをのびのびと育てたい。同時に、教育も充実している方がいい
  • 美しい海(できれば、観光客があまり多くないところ)で遊びたい

なぜこのような方に東村が向いているのか、その理由を踏まえつつ、東村の暮らしの特徴を紹介していきます。

特徴1:多様な動植物が暮らす、世界遺産の森がすぐそこ

慶佐次湾のヒルギ林でカヌーをする人々

東村は沖縄本島北部に位置する村。2021年、この東村をふくむ「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が、世界自然遺産に登録されました。

登録の理由は、同地域が世界的にも希少な亜熱帯の森であり、多様性の高い独自の生態系を有することと、絶滅危惧種が生息する重要な場所であることです。

東村を流れる慶佐次川の下流に広がるのは、沖縄本島最大のヒルギ林(マングローブ)。遊歩道やカヌーツアーを利用して探索すれば、生い茂る植物と、そこに暮らす両生類や爬虫類などたくさんの生きものに出会えます。

東村は、人間が、多くの動植物を抱える雄大な森と隣り合わせに生活する村です。自然と生きものが好きな方にはたまらない環境ではないでしょうか。

また「子どもに、自然への興味をもってほしい」と願う方にもピッタリと言えるでしょう。村内の「山と水の生活博物館」では、そんなヒルギ林をはじめとする豊かな森を再現したジオラマや、はく製・標本などが多数展示され、好奇心をかき立てます。

「山と水の生活博物館」の館内展示

自然と言えばもう1つ、東村で出会えるとっておきの風景が「星空」です。沖縄本島には背の高い建物が少なく、天候条件が良ければ満天の星空を眺めることができます。

星の美しい夜には、まるで宇宙の中に浮かんでいるかのような不思議な気分が味わえるかもしれません。都会ではなかなか体験することのできない、贅沢なひとときです。

星空を眺める人のシルエット

特徴2:子どもの「学び」と「育ち」をサポートする、充実の環境

ジャングルジムで遊ぶ保育園児

東村は、子育て支援が充実したむら。特に、教育・学習環境に力を入れており、特色のあるさまざまな取り組みが行われています。

保育施設の特徴・取り組み

東村立保育所は、沖縄県内で一番最初にできた木造建築の保育所です。子どもが木のおもちゃなどに触れることで、豊かな感性をはぐくむ「木育」を行っています。

村の「つつじ祭り」で子ども達による伝統芸能「エイサー」の披露があったり、文化舞台発表会があったりと、園生活での取り組みの成果をお披露目する場も多々。親御さんたちは、節目節目に、我が子の着実な成長を目にすることができます。

学校教育の特徴・取り組み

村内の小学生、中学生を対象に、漢検・英検・数検の検定料の全額補助を行っています。

さらに、海外短期留学や英語キャンププログラム制度も設けられ、意欲のある生徒を派遣。こういったところから、将来グローバルに活躍する人材が育っていくかもしれませんね。

その他の施設・制度など

村立の中央公民館内には、土日も開館している図書室があります。マンガを含む、欲しい本のリクエストができるので、子ども達にも大人気。無理なく本に親しむきっかけとなっています。

学童保育の代わりとなる、放課後の子ども達の居場所「あがりキッズ」は、講師を招いて勉強を教えてもらったり、子ども達が調理実習をしたりと充実の内容。夏休み中も利用できる、お仕事をしている親御さんの強い味方です。

学習塾に関しては、小中学生を対象とした村営の「東てぃーだ塾」が開設されています。これによって、大きな都市まで交通費をかけて通う必要がなくなり、家庭への負担が少ない形で子ども達の学力アップをサポートしています。

その他、出産祝金の制度(第1子:10万円、第2子:20万円、第3子以降:30万円)があるほか、0歳から満18歳までの子どもの保険診療の自己負担分が助成され、医療費は実質無料となるなど、子育て世帯に嬉しい制度が充実しています。

特徴3:知る人ぞ知る穴場ビーチを満喫

青い海と砂浜

沖縄県への移住を検討している方の中には「海が好き」「きれいな海の近くに暮らしたい」という方も多いことでしょう。そして、さらに言うと「観光客などの人混みがない場所だったら最高」なのではないでしょうか。

東村にある「慶佐次ウッパマビーチ」は、1km以上にわたって美しい砂浜が続く天然のビーチ。観光客でごった返すようなことのない穴場的な場所で、プライベート感たっぷりなところが魅力的です。家族や友達とのお出かけにも最適ですよ。

そしてもう1ケ所、海遊びのできるおすすめのスポットが「福地川海浜公園」です。

2015年にオープンしたこの公園は「シーサイドエリア」と「リバーサイドエリア」から成り、海水浴やSUP、バナナボート、カヌーなどさまざまなアクティビティが行えます。設備が整っているので、子連れでも安心して楽しめそうですね。

福地川海浜公園

その日の気分や目的によって選べるビーチ。「大好きな海を。心ゆくまで満喫したい」という願いが、東村でならきっと叶いますよ。

東村の暮らしに関する情報

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、東村の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。

気候 1月:平均気温16.5°C
7月:平均気温28.9°C
(東村内に観測地点が無いため、直近の名護地点を参照)
※参考:気象庁ホームページ
人口 人口:1,752人
世帯:946世帯
(令和5年1月1日現在)
近隣都市 名護市
国頭郡:国頭村、大宜味村
公共交通 バス:コミュニティバス
大都市へのアクセス 那覇市へ:車で約1時間45分
名護市へ:車で約25分
病院 診療所:1
歯科診療所:1
学校 中学校1、小学校3、幼稚園2
名所・観光 村民の森つつじエコパーク、慶佐次湾のヒルギ林、福地川海浜公園、ながはま海岸
行事・催事 つつじ祭り、海神祭
特産・名産 パインアップル、マンゴー、タンカン、シイタケ、カボチャ、ハーブ製品

沖縄ならではの暖かさが特徴の東村。冬場の最低気温でも10度台と、コートがいらないほどです。寒さが苦手な方や、雪の降らない地域を希望している方にはピッタリですね。

村内では無料のコミュニティバスが利用できますが、生活にはマイカーが必須です。特に買い物に関しては、村内にコンビニやスーパーがないため、お隣の名護市まで行くという方が多いそうですよ。

東村のキャッチフレーズは「花と水とパインの村」です。

村の「花」といえば、つつじです。かつては、東村の環境に適したケラマツツジが、村内のいたるところに自生していたそう。現在では「村民の森つつじ園」が設置され、村をあげてつつじの花を大切に保護しています。

毎年3月に開催される「東村つつじ祭り」では、5万本のつつじが咲き誇り、その鮮やかな色が青い空に美しく映えます。

つつじの花が満開の様子

ちなみに、つつじ園は体験型の広大な自然公園「村民の森つつじエコパーク」に隣接されています。エコパーク内には、パークゴルフ場や、子どもが遊べる遊具広場もあり、家族で一日中楽しめます。

「つつじエコパーク」内の遊具広場

「水」は、大小14の河川と海、そして沖縄県最大の規模を誇る福地ダムです。福地ダムは沖縄本島の水がめとして大きな役割を果たし、またその周囲は展望台や遊歩道が整備されています。豊かな自然を感じながらのんびりと歩けば、なんだか大らかな気分になれそうですね。

福地ダム▲福地ダムには資料館や自然観察船など、水環境を楽しく学べる設備も整っている

そして東村の気候は、パインアップル、マンゴーなどの栽培に最適。特にパインアップルに関しては、生産量日本一を誇ります。高い糖度が特徴の、東村ご自慢のゴールドバレルを、ぜひ味わってみてくださいね。

パイナップル

東村には、歴史あるお祭りや行事もあります。「海神祭」では、豊漁と安全を祈る神事と、競い合って船を漕ぐ「ハーリー」が催されます。

海神祭で船を漕ぐ人々

また、3年に1度行われる伝統行事が「有銘大綱引き」。健康と豊作を願って始まったとされ、地域の人々が力を合わせて編み上げた綱を、東西に分かれて引き合います。

大綱引きをする人々

地域独特の行事に参加することで、その歴史や文化を感じるとともに、地域の一員になった実感がしっかりと味わえそうです。

【仕事】観光業や就農など「ここならでは」の仕事が見つかる

大手求人情報サイトで東村周辺の正社員求人を検索したところ、車で約30分までの範囲(25km圏内)で、2,000件がヒットしました。(2023年2月現在)
参考:求人情報の一例

地域色のある求人としては、果物の栽培・出荷スタッフや、ホテル・リゾートなどでの業務が見つかります。

パインアップルの生産が盛んな東村へは、パインアップル農家を志望して移住してくる方も多いそうです。新規就農の場合、補助金などが利用できることもありますので、興味のある方はお問い合わせをしてみてください。

お問い合わせ先 農林水産課
電話番号:0980-43-2208

【住まい】割安家賃が魅力の定住促進住宅あり

東村は、移住者のための住宅整備に積極的。現在、村内には「一戸建て型」と「集合型」の定住促進住宅が用意されています。どちらも、地域内の一般的な賃貸住宅と比べお手頃な家賃設定となっているのが、何かとお金のかかる移住初期には嬉しいところです。

定住促進住宅<一戸建て型>

一戸建て型定住促進住宅の外観

概要 子育て世代(世帯主が40歳未満、または中学生以下の子どものいる家庭)の定住支援を目的とした、村直営管理の賃貸住宅
間取り 2LDK
家賃(月額) 35,000円
申し込み方法など 募集時に役場HPに記載、または、企画観光課窓口にて配布

定住促進住宅<集合型>

集合型定住促進住宅の外観

概要 子育て世帯およびU・Iターン者の定住支援を目的とした、アパートタイプの賃貸住宅
入居条件:入居申込者(世帯主)が45歳未満であること
間取り・家賃(月額) 1K:29,000円
2LDK:35,000円
3LDK:45,000円(子どもがいる世帯に限る)
申し込み方法など 委託管理のため、下記の委託管理会社へ連絡
キングス川田:中部興産(0980-52-7515)
オアシスげさし、アザレアたいら:沖創建設(0980-52-3618)

詳細:定住促進住宅について

東村へ移住した人の体験談・感想

東村に移住した人の体験談

ここでは、実際に移住して東村に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。

  • 森も海もある。自然環境が最高
  • 人と人との距離が近くて温かい。よく知らない人でも気さくに話しかけてくれる
  • 村全体で子どもを大切にしてくれる。子ども連れでどこへ行っても親切にしてもらえるし、保育園も先生の目がよく届いていると思う
  • スーパーが地域にないのは少し不便。また、夏には野菜の価格が高くて驚いた

森と海に囲まれた、大自然の中での生活を満喫している方が多いようです。ものづくりをされる方の「自然の音を聞きながら作業できるところが気に入っている」という感想も見つかりました。

人と人とのつながりが密であることに加え、地域全体で子どもを大切にする文化も感じられ、特に子育て世帯の方にはピッタリの環境と言えそうです。

一方で、買い物関連は少し苦労しているという声も見られました。温暖な気候は東村の大きなメリットですが、反面、夏場は暑すぎて地元で野菜が育たず、価格が高くなってしまうようです。

東村への移住に向けた行動

ここでは、東村への移住に向けて、実際に起こせる行動をご案内します。

東村子育て田舎暮らし体験

移住体験住宅の外観

「自然豊かで温暖な環境で、のびのびと子育てをしたい」という方から、移住先として注目を集める東村。そんな東村では、子育て世代の方を対象とした、滞在体験住宅を用意しています。

都心からの移住であれば沖縄は決して近くはありませんが、やはり移住をする前には現地に滞在して、実際の暮らしを体験しておきたいものです。日常生活に必要最低限の住宅備品はそろっているので、身軽に訪れることができますよ。

なお、この体験住宅は、定住促進住宅(集合型)内の一戸を利用しています。通勤・通学の便、地域の雰囲気など、移住後の生活がよりリアルにイメージできそうです。

対象者 東村への移住を検討中の、おおむね45歳未満の子育て世代の方
宿泊可能日数 最長13泊
料金 1,500円/1泊

東村への移住に関するお問い合わせ

担当課 企画観光課
住所 沖縄県国頭郡東村平良804番地
電話番号 0980-43-2265
対応時間 8:30~17:15(土・日・祝日、12月29日から翌年1月3日を除く)
公式サイト https://www.vill.higashi.okinawa.jp/higashison_life/index.html