【鳥取県大山町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報

この記事では、地方への移住を検討している方のために、鳥取県大山町(だいせんちょう)の魅力を紹介していきます。

大山町は、鳥取県の西部に位置する人口約15,000人の町です。北に日本海、南に大山と、海と山に囲まれた自然豊かな地域です。登山やスキー、サーフィンなどのスポーツも楽しめ、20代~30代の若年世帯の移住者が増えています。

そんな大山町での暮らしの特徴やその魅力について、まちづくり課の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。

本日お話を伺った方
大山町のキャラクター「むきぱんだ」

大山町役場 まちづくり課 課長補佐

角田 拡朗さん

大山町のキャラクター「むきぱんだ」

大山町役場 まちづくり課 移住相談員

原 さおりさん

鳥取県大山町の暮らし、4つの特徴

鳥取県大山町の暮らしの特徴のイメージ画像

農業・畜産・漁業・観光が盛んな大山町は、2005年に鳥取県西部に位置する3つの町が合併して誕生しました。ブロッコリーをはじめとした農作物や、中国地方最高峰である大山から流れる伏流水を飲んで育った肉牛に、サザエ・ブリなどの海産物などが特産品です。

山岳信仰の霊場としても知られている大山や、神社仏閣に名所旧跡、スキー、サーフィンなどが楽しめ、観光資源にも恵まれています。

そんな一次産業と観光資源が豊かな大山町での暮らしにはどのような特徴があるのか、以下にまとめてみました。

  • 海と山に囲まれた雄大な景色を持つ自然豊かな町
  • 山の幸と海の幸の両方が手に入る食に恵まれた地域
  • 子育て世帯を手厚くサポートする各種支援制度がある
  • 釣り、登山、スキーとさまざまなアウトドアが楽しめる

それではここから、大山町の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。

特徴1:海と山に囲まれた雄大な景色を持つ自然豊かな町

大山町の地図

町の北側に日本海、南側に大山、町中を28もの川が流れる、海・山・川の豊かな自然に恵まれた町、それが大山町です。海側から山側までは、車で30分ほどの距離なので、どこに住んでも一年を通して美しい景色を見ることができます。

参考:Mapion(鳥取県西伯郡大山町の河川・湖沼・海・池・ダム一覧)

海を見るなら海側へ、山を見るなら山側へ、と思うかもしれませんが、実は雄大な景色を眺めるには逆側に行くのが一番です。つまり、海を見るならば山側へ、山を見るならば海側へ行くことになります。

山の上から見下ろす海、特に日本海に沈んでいく夕日は絶景の一言です。また、海側から見上げる大山も息を呑むほどの圧倒的な迫力があります。

高台から望む空と海
▲高台から見た日本海。真っ青な空の下に、海が広がっているのが見える

その他にも3月下旬ごろから約300本のソメイヨシノが咲き乱れる「名和公園」や、紅葉の季節になると大山内にある西日本最大の「ブナの原生林」が鮮やかな色合いに染まるなど、美しい景色が見られます。

紅葉の季節のブナの原生林
▲鮮やかに色づくブナの原生林は幻想的な雰囲気

季節や時間によって、海や山の見え方も異なるので、一年を通じての変化を楽しむこともできます。移住者の中にも大山町が海と山の両方をあわせ持つことに惹かれて移住を決めた人もいるほどだそうです。

大山町のキャラクター「むきぱんだ」
角田さん

住んでいるところで海と山を両方楽しめるのは、大山町の大きな魅力だと思います。

特徴2:山の幸と海の幸の両方が手に入る食に恵まれた地域

町の南側に臨む大山
▲雄大な大山で育まれた水が農作物の生産を支える

大山町は、農業・漁業・畜産と、一次産業が盛んな町です。農作物としては、大山山麓の良質な黒ぼく土壌で栽培されるブロッコリーや白ネギ、町の総面積の約1割を占める田んぼで育てられている水稲、大山町のふるさと納税の返礼品で一番人気の梨のほか、ブルーベリーなどが育てられています。

海産物としては、沿岸漁業の漁獲高が県内2位を誇る御来屋(みくりや)漁港で、ブリ、ハマチ、サワラ、アジ、サザエなどなど、さまざまな魚介類が日々水揚げされています。

海と山の両方がある大山町は、食べ物にも恵まれた町であることが魅力の1つです。地元の食べ物が生活の糧になり、地産地消できるのは嬉しいですね。

公式:大山町(大山町のあらまし)

大山町のキャラクター「むきぱんだ」
原さん

大山町には、若手の農家さんも多いんです。こだわりの農業でおいしい野菜を作っておられる夫婦もいて、消費者としてもより一層美味しく頂けるような気がしています。

特徴3:子育て世帯を手厚くサポートする各種支援制度がある

大山町の子育て支援センター
▲ちょっとした遊具や絵本など、子どもたちの好奇心を刺激するものがたくさんの子育て支援センター

若者の移住者が増えているという大山町、その理由の1つに挙げられるのが子育てへの支援の手厚さです。ここでは主な支援制度をご紹介します。

制度名 概要
ブックスタート・ブックセカンド・ブックサード
  • ブックスタート:6-7か月の健診時に絵本2冊を含むブックスタートセットをプレゼント
  • ブックセカンド:3歳児を対象に、絵本1冊と絵本リストをプレゼント
  • ブックサード:小学校に入学する児童を対象に、幼年童話1冊と幼年童話リストをプレゼント
チャイルドシート購入費助成 1万円を上限としてチャイルドシートの購入費を補助(乳幼児1人につき1回限り)
産婦人科・小児科オンライン相談 小児科医・産婦人科医・助産師にオンライン上で24時間相談が可能
保育料の無償化及び軽減など 【保育料】
  • 2歳児以上:無償
  • 第3子以降:無償
  • 第2子(2子同時入所の場合):半額または所得階層により一部無償
【給食費】
給食費のうち主食費・副食費無償
児童・生徒教材等購入費補助金 学校教育において、児童・生徒全員が一律に購入する教材等の購入費用を、児童一人あたり20,000円、生徒一人あたり30,000円を上限として補助
児童・生徒修学旅行費補助金
  • 小中学校、特別支援学校に在籍する児童・生徒などを対象に、修学旅行費を助成
  • 参加児童一人あたり20,000円
  • 参加生徒一人あたり50,000円
高等学校等通学定期乗車券の購入費補助 公共交通機関を利用して県内高等学校等へ通学する生徒の保護者に対し、定期乗車券の購入費用の一部を補助
(1)1月あたりの通学費が7,000円以下:対象となる経費の1/2以内の額
(2)1月あたりの通学費が7,000円超え:7,000円を超えた金額を(1)に加算

公式:大山町(手当・助成)

また、町内には「地域子育て支援センター」が3ヶ所、「子育てサークル」が3つ、子育ての手助けをしてほしい人と、子育ての手伝いができる人が会員となり相互援助を行う「ファミリー・サポート・センター」などもあり、子どもと保護者が集える場や困った時に支援を求めることができる体制もあります。

公式:大山町(地域子育て支援センター)
公式:大山町(子育てサークル)
公式:大山町(ファミリー・サポート・センター)

大山町のキャラクター「むきぱんだ」
角田さん

地域子育て支援センターでは親子向けのイベントなども定期的に開催されていますよ。

幼少期から高校生になるまで、幅広く子育てを支援する制度や体制を整備しており、大山町は子育て世帯にとっても住みやすい町と言えます。

特徴4:釣り、登山、スキーとさまざまなアウトドアが楽しめる

海の見える大山町のスキー場▲ゲレンデから海が見える大山町のスキー場。この景色を求めて多くのスキーヤーがやってくる

海と山に恵まれた大山町は、景色や食に恵まれているだけではありません。海や川では釣り、大山で夏は登山、冬はスキー、サーフィンは年中と一年を通じてアウトドアスポーツを堪能することができます

特に大山のスキー場のゲレンデは、海が見渡せるとして全国的にも有名で、町内外から多くの人が訪れる人気のスポットです。

釣りやマリンスポーツ、ウィンタースポーツを楽しむために、わざわざ別の地域に行く必要はなく、町内で全て完結してしまう、大山町はそういった面でも贅沢な町だと言えます。

鳥取県大山町の暮らしに関する情報

大山夏山開き祭の様子
▲大山夏山開き祭の前夜祭で行われる「たいまつ行列」で1日限りの火の河が見られる

ここからは大山町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。

気候 ・夏(8月):平均気温26.3℃
・冬(1月):平均気温5.0℃
※参考:気象庁ホームページ(塩津地点)
人口 約15,000人(約5,500世帯) ※令和6年2月1日現在
病院 町内にはクリニックも含め12件の医療機関がある ※2024年2月時点
学校 保育施設5園、小学校4校、中学校3校 ※2024年2月時点
交通 【鉄道】
・山陰本線:中山口駅、下市駅、御来屋駅、名和駅、大山口駅

【バス】
・日本交通:大山・名和・中山地区

【デマンドバス路線】
・スマイル大山号:町内全域で運行している予約制乗合バス

【自動車専用道路】
・山陰自動車道:赤碕中山IC、中山IC、名和IC、大山IC
隣接自治体 米子市、西伯郡伯耆町、日野郡江府町、東伯郡琴浦町
大都市からのアクセス 【米子鬼太郎空港から】
・車:約50分
・バス・電車:米子駅までバスで約30分、米子駅から御来屋駅まで山陰本線で約30分

【米子市から】
・車:約25分
・電車:米子駅から御来屋駅まで山陰本線で約30分

【鳥取市から】
・車:約1時間10分
・電車:鳥取駅から御来屋駅まで山陰本線で約1時間45分

【岡山市から】
・車:米子自動車道を経由し、約2時間10分
・電車:岡山駅から伯耆大山駅まで特急で約2時間10分、伯耆大山駅(ほうきだいせんえき)から御来屋駅まで山陰本線で約20分

大山町は降雪地帯です。海沿いにある幹線道路の9号線は、そこまで深く積もることはありませんが、山側に行くにつれ、積雪の量は多くなります。公道はそれぞれの道路管理者の除雪車が入って除雪を行いますが、私道や私有地、共有地などは住民自らの手で雪かきする必要があります。

そのため、大山町では「大山町小型除雪機購入費補助金」制度を設けており、新品の小型除雪機の購入費用を最大100万円まで補助しています。

公式:大山町(大山町小型除雪機購入費補助金交付要綱)

雪が降る地域ならではユニークな制度と言えますが、ちょっとした雪であれば近所の人たちと協力して、雪かきをする住民も多いようです。大山町は10の地域にわかれており、それぞれの地域で草刈りや共有場所の掃除など、定期的な地域活動が行われています。

地域ごとでイベントなども行われているため、そこに顔を出すことで横の繋がりが作りやすい風土があります。

町内には鉄道とバスが通っていますが、本数は多くないので車での移動が基本の車社会です。冬はスタッドレスタイヤが欠かせません。

町内にもスーパーはありますが、買い物や病院に行く際には、米子市や琴浦町など隣接する市町に行く人も多くいます。米子市も琴浦町も車で30分もあれば行くことができるので、日常の買い物で不便することはないでしょう。

大山町のキャラクター「むきぱんだ」
原さん

海側、山側、田畑が多い場所、観光地と、一口に「大山町」と言っても、エリアによっても雰囲気はがらりと異なります。エリアごとで、それぞれの魅力があります。

【仕事】大山町は一次産業が盛ん。近隣も含めると選択肢は広がる

大手求人サイトで「大山町×正社員」で検索したところ、約100件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(町内から25km以内)で検索したところ、求人情報は約4,500件まで広がりました。
※2024年2月時点
※参考:求人情報の一例(大山町のみ)
※参考:求人情報の一例(大山町から25km以内)

大山町は農業・畜産・漁業などの一次産業と、観光業が盛んな町です。より選択肢を広げる場合は、近隣市町村も含めて仕事探しをするのが良いでしょう。米子市までは車でも電車でも30分ほどで行けるため、町外で働いている人も多い傾向にあります。

大山町のキャラクター「むきぱんだ」
角田さん

住んでいると口コミで仕事を紹介してもらえることもあるそうです。いろいろな人と繋がりができると、思わぬ仕事との出会いもあるかもしれませんね。

【住まい】賃貸物件は希少。空き家バンク活用や新築には補助制度あり

大手住宅情報サイトで大山町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは数件のみ見つかりました。※2024年2月時点
参考:物件情報の一例

ネット上では賃貸物件の掲載数は多くないため、不動産会社に問い合わせてみるのも一つの手です。

大山町では空き家バンク制度にも取り組んでいますが、こちらも登録物件数は多くはないのが実情です。賃貸物件よりも売り物件が多い傾向にあり、すぐに住める物件ばかりではありませんが、気になる物件があれば、すぐに問い合わせをすることをおすすめします。

公式:大山町(登録している『空き家』情報)

大山町では新築物件に対してや、空き家を取得した人に対しての補助金制度、「大山町未来につながる移住定住助成金事業」も整備しています。こちらの活用も検討すると良いでしょう。

対象 内容
新築助成 ・認定住宅の場合:100万円助成
・認定住宅以外の場合:50万円助成
空き家活用事業 ・空き家の修繕補助で、上限150万円の補助率2分の1(空き家バンクを利用し、賃貸または売買契約をした人)

公式:大山町(大山町未来につながる移住定住助成金事業(新築助成・空き家活用事業)実施要綱)

大山町のキャラクター「むきぱんだ」
原さん

住居についてもお気軽に町までご相談下さい。

鳥取県大山町に暮らす先輩移住者の声

鳥取県大山町に移住した人の声のイメージ画像

実際に大山町で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。

  • 毎日夕日を見て綺麗だな~と思っている
  • 都会にいた時と違って人疲れをすることがない
  • 移住者が多いので、移住者同士の繋がりが作りやすい
  • 関係性ができてから、野菜をおすそ分けでよく頂くようになった
  • 山と海の両方あるところが好き。海まで見渡せる広大な眺めの景色が贅沢
  • 住みやすい町であることは当然のことながら、水の綺麗なところが特に気に入っている
  • 至る所に子どもの遊び道具になるものがあり、遊べる場所も多い。子育て環境としてもとても良い

大山町の良いところとして移住者の皆さんが声を揃えて挙げるのは、やはり「自然の豊かさ」でした。海と山の両方がある恵まれた環境で、景色を楽しみながら生活ができているようです。

鳥取県大山町への移住

大山町への移住を検討し始めたら、現地に行ってみるのが一番ですが、何もわからないままにいきなり行くのは不安ですよね。大山町では「移住交流サテライトセンター」があるので、まずは相談から始めてみるのが良いでしょう。

オンラインでも相談可能「大山町移住交流サテライトセンター」

地域のコミュニティスペース「まぶや」
▲多くの人たちが集まる地域のコミュニティスペース「まぶや」

「移住交流サテライトセンター」は、大山町から委託を受けた民間の組織が運営しています。その名の通り移住についての相談ができたり、「こういった話を聞いてみたい!」となった時に、住民と繋いでくれたりと、移住全般をサポートしてくれる心強い存在です。

地域のコミュニティスペースである「まぶや」の中にあり、直接相談に行くこともできますが、オンラインでの相談もできます。大山町のリアルな暮らしについて知りたいと思ったら、移住交流サテライトセンターに聞いてみましょう。

公式:大山町移住交流サテライトセンター こっちの大山暮らし
公式:まぶや(鳥取県大山町上市にある古民家コミュニティカフェスペース)

大山町への移住に関するお問い合わせ

担当 大山町役場 まちづくり課
住所 〒689-3211
鳥取県西伯郡大山町御来屋328
電話 0859-54-5202
公式サイト https://www.daisen.jp/
移住サイト https://www.daisen.jp/1/c337/