松江市での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説

この記事では、地方への移住を検討している方々に向けて島根県松江市の暮らしに関する情報をお伝えします。

島根県の東部に位置する松江市は、豊かな自然と、ほどよい利便性を兼ね備えた地域です。スーパーや病院、学校などの数も多く、買い物・通学・通院といった日常的な生活は市内で済ませられます。

市のシンボル・松江城周辺の街並みには、かつての城下町の面影が色濃く残っており、四季折々の風景を楽しめるのもポイント。神話の舞台にもなった地なので、歴史好きな方にもおすすめです。

今回は、松江市定住企業立地推進課・主幹の松本さんと、同課で移住コンシェルジュを務める角田さんに取材し、松江市の生活環境や仕事、住まいなどの詳細を教えていただきました。

本日お話を伺った方
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松江市定住企業立地推進課・主幹

松本さん

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松江市定住企業立地推進課・移住コンシェルジュ

角田さん

松江市の暮らし・3つの特徴

島根県松江市の暮らし・イメージ画像

松江市では若年層から高齢層まで、幅広い年代の方々の移住を歓迎しているそうです。そんな松江市には、大きく3つの特徴があります。

  • 豊かな自然と利便性を兼ね備えた地域
  • 市内に海水浴場・温泉あり
  • 松江城にまつわるイベントも人気

上記の詳細を含めた松江市の魅力を、取材内容を基にお伝えします。

特徴1:「松江駅」周辺に施設が集合!夕日がきれいな「宍道湖」も徒歩圏内

松江市内にある宍道湖大橋▲絶景を堪能できる「宍道湖大橋」

「地方への移住に憧れるけれど、ある程度の利便性は重視したい」という方には、松江市がおすすめです。松江市の中心部にあるJR「松江駅」周辺には、スーパーやコンビニ、飲食店、宿泊施設などが点在しています。また、アパートがいくつも建ち並び、小中学校や病院などがコンパクトに集まっているのが特徴です。

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角田さん

出雲空港・米子空港から松江駅までの所要時間は、30分〜40分ほどです。飛行機を使った移動もしやすいので、松江駅周辺に住まれる移住者もたくさんいらっしゃいますよ。

一方、JR「松江駅」から20分ほど歩くと、日本で7番目に大きいといわれる「宍道湖(しんじこ)」が見えてきます(※参考:島根県「島根の豊かな川と湖」

松江市内にある宍道湖大橋から望める夕日
▲宍道湖に沈む夕日は絵になる風景

宍道湖は夕日がきれいなスポットで、「はくちょう号」という観光遊覧船も運行しているそうです。便利な施設がそろいつつも、少し足を伸ばすと豊かな自然風景を楽しめるのは、松江市の大きな魅力といえるでしょう。

特徴2:市内に海水浴場・温泉施設あり。レジャーの選択肢が広がる

松江市内にある桂島

市内に海水浴場や温泉施設といったスポットがあるのも、松江市の特徴です。松江市の北部は日本海に面しており、夏には北浦海水浴場・桂島海水浴場・小波海水浴場などで海のレジャーを楽しめます。

いずれの海水浴場もJR「松江駅」から車で約1時間と、移動にそれほど時間がかかりません。ワンシーズンで複数の海水浴場に行けるので、「次の休日はどこで過ごそう」と頭を悩ませる必要もないでしょう。

松江市内にある桂島海水浴場
▲桂島海水浴場

JR「松江駅」から車で20分ほどの場所に位置する「玉造温泉」は、美肌の湯として知られるスポットです。周辺には美肌にまつわるグッズや、地元クリエイターが手がけた雑貨などを販売する店が建ち並びます。わざわざ温泉地に足を運ばなくても、市内で本格的な温泉と買い物、食事などを堪能できます。

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松本さん

その他、松江市内には家族でのんびりと過ごせる公園も点在しています。子ども連れのご家族には、市内最大の面積を誇る「松江総合運動公園」がおすすめです(※参考:松江市「公園の紹介」。園内の「子ども広場」にはローラー滑り台や縄の綱渡りなどを備えた複合型の遊具があり、お子さまをのびのびと遊ばせられますよ。

特徴3:出雲エリアの歴史を感じられる!「松江城」ではイベントも開催

古代出雲の中心地として栄えた松江市は、古墳あり、中世のお城や寺社仏閣ありと日本の歴史を感じられる地域です。JR「松江駅」から歩いて30分ほどの場所には、江戸時代に建てられた現存12天守の1つ、国宝「松江城」があります。

松江市内にある松江城
▲国宝に指定さられている「松江城」

松江城の周辺には当時の武家屋敷が残る保存地区に遊歩道が整備されており、散歩をしながらツツジやツバキといった四季折々の花を楽しめます。桜が咲く時期に開催される「お城まつり」、冬にはこたつにあたりながらお堀を周る「堀川遊覧船」などがあり、季節問わずたくさんの観光客でにぎわっています。

松江市内で開催される「お城まつり」の様子
▲多くの観光客が訪れる「お城まつり」

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角田さん

松江市は出雲地方に含まれ、市内に神社・寺院が点在しているのが特徴です。パワースポットもあるので、歴史好きな方にもきっと満足していただけるはずです。

松江藩松平家7代藩主・松平不昧公が茶道に通じていたことから、松江市はお茶処として知られています。

松江城の近くにある松江歴史館では、日本庭園を眺めながら和菓子と抹茶を楽しむことが可能です。また、年に一度のペースで開催される「松江城大茶会」では、地元の抹茶・煎茶の流派がお手前を披露します。一般の方々も参加できるので、家族・友人と松江のお茶と和菓子を堪能してみてはいかがでしょうか。

松江市内の飲食店で提供されているぜんざいと和菓子のセット
▲見た目で楽しめるぜんざいと和菓子のセット。松江駅周辺にも和菓子を味わえる店がたくさんある

中心部は車なしでも生活可能。周辺部は車が必須

数回の合併を重ねてきた松江市は、中心部と周辺部によって生活環境が異なるのが特徴です。松江城やJR松江駅周辺に広がる中心部は比較的、バスの運行本数も多く、病院や駅などをつないでいます。

周辺部は海沿いや山麓に小さな集落が点在しており、集落をつなぐコミュニティバスが運行していますが、移動には時間がかかります。

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角田さん

利便性を求める方には、中心部への移住をおすすめしています。生活に必要な施設もそろっているので、車がなくても生活できますよ。

一方、海に近い北部や、山間部の南部エリアには、スーパー・コンビニなどがほとんどありません。

松江市内にある田園の様子▲南部エリアには、のどかな田園風景が広がる

松江市の北部で見られる日本海の夕日
▲北部エリアでは、日本海に沈む夕日を望める

周辺部の北部・南部エリアから、施設の集まるJR「松江駅」までは車で20分~30分ほど、バスだと1時間以上、電車でも1時間近くかかります。駅や電車の本数もそれほど多くないので、快適に生活するためには車の利用が必須です。

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角田さん

海や山に近いエリアへの移住を希望する方は、「漁業をしたい」「農業を始めたい」などの目的を持っていらっしゃる傾向にあります。移住者全体の割合としては少なく、中心部で移住をスタートされる方がほとんどです。

松江市の暮らしに関する情報

続いて、松江市での生活に役立つ情報をまとめてお伝えします。まずは、松江市の基本的な情報を整理した表をご覧ください。

気候 8月平均気温:29.4℃
1月平均気温:5℃
※参考:気象庁(島根県松江地点)
人口 人口:約19万5,000人
世帯:約9万1,000戸
(2024年1月末時点)
病院 診療所:229か所
病院:11か所
歯科:81か所
(2022年3月末時点)
学校 保育施設:86か所(2023年4月1日時点)
小学校:32校
中学校:17校
義務教育学校:3校
高等学校:13校
(2023年5月1日時点)
交通 【空港】
出雲空港・米子空港

【電車】
JR「松江駅」・一畑電車「松江しんじ湖温泉駅」

【バス】
松江市営バス・一畑バス・コミュニティバス

【車】
松江東IC・松江中央IC・松江西IC
近隣都市 出雲市・雲南市など

島根県の県庁所在地である松江市は、病院や教育施設などが充実した地域です。市内には産科に対応した総合病院もあるので、軽い風邪はもちろん、出産などの入院にも対応できます。

小学校・中学校・高等学校に限らず、大学のキャンパスが複数あるのも特徴です。市内に保育園から大学までの教育施設がそろっているので、市外へ出るよりは通学の負担が少なく済むでしょう。

仕事:市内の求人多数!IT関連の就業支援やイベントも実施

大手の求人情報サイトで松江市の正社員募集を調べてみたところ、5,000件ほどがヒットしました。
求人情報の一例

出雲市・雲南市など、車で30分〜40分ほどの場所まで範囲を広げると、求人数は8,000件以上に増えました。幅広い職種があるので、経験を生かして働くことが可能です。

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松本さん

特に、市外への通勤では出雲市で働く方々が多い印象です。JRや一畑電車が通っているので、車がなくても通勤できます。

松江市ではIT関連に力を入れており、島根県と協力して支援やイベントを実施しています。松江市内にはシステムエンジニアなど、IT関連の正社員求人も400件ほどありました。

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角田さん

今までITに触れていない方々を対象とした就業イベントも実施しています。ITの仕事に興味がある方の移住も大歓迎です。今年度の募集は終了していますが、地域おこし協力隊として働き、松江市に移住する方もいらっしゃいます。興味のある方は移住コンシェルジュまでお気軽にご相談ください。

住まい:賃貸・購入ともに物件数が豊富。空き家バンクの活用も可能

大手の住宅情報サイトでは、280件ほどの松江市内の賃貸物件が公開されていました。築年数の浅いアパートやマンションなども多く、ワンルームで5万円台、2LDKだと9万円台が相場です。
賃貸物件の一例

新築一戸建ての販売価格を調べてみたところ、3LDKで2,000万円台〜3,000万円台の住宅が多く見られました。空き家バンクもあるので、DIYが好きな方は古民家をリノベーションして暮らすのもおすすめです。空き家バンクの物件情報は公式サイトに公開されているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

公式:松江市空き家バンク「空き家情報新着物件」

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角田さん

移住コンシェルジュが松江市の状況を踏まえて、住まい選びのご相談に乗ることも可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

移住した人の体験談・感想

島根県松江市の移住者の声・イメージ画像

ここからは、実際に松江市に移住した方々から寄せられた感想をまとめて紹介します。移住者の声を参考に、暮らしをイメージしてみましょう。

  • 時間に追われることがなく、ゆったりと生活できる
  • 自然が多い環境ながら、スーパーや薬局などが近くて暮らしやすい
  • 住民同士の距離が近すぎず、ほどよく付き合える

移住者の感想からも、海や湖などが近くにありつつ、生活環境が整っている松江市の暮らしが伝わってきます。タイムスケジュールに追われない生活だと、心にも余裕が生まれそうですね。

移住に向けた2ステップ

移住を成功させるためには、事前の準備が大切です。最後に、松江市への移住に向けた行動を2ステップに分けて紹介します。

ステップ1:移住定住サイトを使った情報収集

松江市に関する情報収集には、移住定住サイトの「定住松江 まつえで暮らす」が便利です。移住者の感想がたくさん紹介されているので、似たような状況の人の生活を参考にできます。

オンラインツアーやバス婚活など、移住に役立つイベントも随時公開されているので、こまめにチェックしてみてくださいね。

公式:移住定住サイト「定住松江 まつえで暮らす」

ステップ2:移住相談で、松江市での生活をイメージ

情報収集をしたら、移住相談を活用して住まいや仕事などについて話を聞いてみましょう。松江市には、移住の準備から移住後の定住までをサポートする「移住コンシェルジュ」が配置されています。

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角田さん

移住の不安や悩み相談はもちろん、市内企業などと連携した就業支援も実施しています。松江市の移住に興味がある方は、ぜひお気軽に移住コンシェルジュの私までご連絡ください。

さらに、松江市役所の産業経済部・定住企業立地推進課でも、予約制で移住に関するオンライン相談を受け付けています。具体的には、移住コンシェルジュを含む、複数名の定住支援員にZoom上で話を聞いてもらうことが可能です。

こちらは、相談内容によって就業支援コーディネーターや他課の担当、外部関係機関などにもつないでもらえます。受付時間や予約方法などの詳細は、移住定住サイトをご確認ください。

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角田さん

何回か松江市に足を運び、生活環境を理解してから移住を決断される方がほとんどなので、移住後のギャップは少ない傾向にあります。移住相談で松江市のイメージをつかんだ後は、ぜひ一度観光がてら松江市にお越しください。

松江市への移住に関するお問い合わせ

担当課 松江市役所 産業経済部 定住企業立地推進課
住所 〒690-8540
島根県松江市末次町86番地
電話番号 0852-55-5215
対応時間 8:30〜17:15
公式サイト 松江市:https://www.city.matsue.lg.jp/index.html
移住定住サイト:https://www.city.matsue.lg.jp/iju_teiju/index.html