長野県茅野市への移住を考える!自然豊かな環境と充実した子育て支援
この記事では移住を考えている人に向けて、長野県茅野市(ちのし)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。
茅野市は長野県の中部やや東よりの諏訪盆地の中央にあり、東京・名古屋からともに車で約2時間半圏内と利便性に優れたまちです。
今回は、茅野市移住・交流推進室の田中さんと高橋さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。
茅野市の魅力:移住者を惹きつける3つの特徴
茅野市は、八ヶ岳、白樺湖、蓼科高原など観光資源を多く抱える観光都市である一方、工業も盛んであり工業生産額が県内でも上位となっています。
そんな茅野市での暮らしは、次のような方に適しています。
- 豊かな自然に囲まれて暮らしたい
- 子育て中またはこれから子育ての予定
- テレワークをしている
上記のような方に適している理由を、茅野市に見られる3つの特徴から解説します。
特徴1:八ヶ岳や白樺湖など、四季折々の自然を満喫できる環境
▲八ヶ岳。赤岳を最高峰に連なる個性豊かな山々は、ルートも多彩。登るルートによってさまざまな顔を見せてくれる
茅野市には八ヶ岳や白樺湖、蓼科高原などがあり、観光地としても人気の自然豊かな地域です。特に八ヶ岳の美しさは素晴らしく、八ヶ岳に魅了されて移住する方もいるほどです。
茅野市では、四季折々のさまざまな景色が楽しめます。例えば、初夏の白樺湖では、風に揺れる新緑の葉やオレンジ色の花を咲かせたレンゲツツジ、青い空と美しい山々を満喫しながら、のんびり過ごすことができます。
冬の北横岳は、樹氷に覆われた登山道など幻想的な風景に包まれます。ロープウェイがあるので、標高2,237メートルの山頂駅まで一気に移動することができ、登山初心者やお子さんも気軽に山頂からのパノラマを楽しむことができます。
また、八ヶ岳山麓を取り囲む全長200kmのロングトレイルやキャンプ、バーベキューなどアウトドアアクティビティも盛りだくさん。温泉もあるので、アウトドアの後はのんびりお湯に浸かって疲れを癒すこともできます。
このように「ベストシーズンは春夏秋冬」といえるくらい、四季の変化を存分に楽しめる点が茅野市の大きな魅力です。
▲御射鹿池(みしゃかいけ)。鏡のような水面が背景の山々の風景を逆さに映し、幻想的な光景を創り出している
▲蓼科湖(たてしなこ)。紅葉の季節は湖畔のライトアップも行っている
特徴2:0歳から18歳まで切れ目のない充実した子育て支援
▲こども館「0123広場」
茅野市では、0歳から18歳まで切れ目のない支援を行う体制を整えており、子どものステージに合わせて、さまざまな居場所を提供しています。
「0123(おいっちにさん)広場」は、主に0歳から3歳の子どもとその保護者が遊べる施設です。雨や雪でも遊べる、いわば屋根付きの公園のような施設で、子ども同士・親同士の出会いの場としても活用できます。
地区こども館は、子育て世帯を応援する拠点で、図書館分室に併設されています。折り紙教室やボランティアによる絵本の読み聞かせなどのイベントが行われています。
「CHUKOらんどチノチノ」は、中学生、高校生世代の居場所となる施設です。ダンスルームやスタジオ、学習室、クラフトルームなどがあります。
▲こども館「CHUKOらんどチノチノ」
無料で利用できるので、思いきり趣味に没頭することができます。学年、学校、世代を越えた交流ができる点も嬉しいですね。スタッフが常駐しているので、悩みごとの相談もでき、必要に応じて関係機関につなげてくれます。
茅野市では子どもの言葉と心を育てる読書活動に力を入れており、保育園から高校まで全校(園)一斉の読書の時間が確保されています。出生時には「ファーストブック・プレゼント」として絵本を贈り、小学校入学時には「セカンドブック・プレゼント」として本を贈り、読書習慣を定着させています。
また、市内すべての保育園、小学校や中学校で自園・自校給食を実施しています。地域の食材を使用し、地産地消に取り組んでいます。
さらに、保育園においては子どもたちへの食育活動の一環として、野菜の栽培・収穫体験などを全園で取り組んでいます。この体験で子どもたちが食品を身近に感じ、料理や食事に関心を持てることを目指しています。
特徴3:約50施設のコワーキングスペースでテレワークに最適
▲茅野駅直結のビルにあるコワーキングスペース「ワークラボ八ヶ岳」
テレワークに便利なコワーキングスペースが多いことも、茅野市の特徴のひとつです。別荘やゴルフ場を有する三井の森では、テニスコートクラブハウス内に「ワークラボ」を開設し、コワーキングブースを設けています。
市内のコワーキングスペースは約50施設もあるので、その日の気分で仕事をする場所を選ぶのも楽しいですね。茅野市では、コワーキングスペースの充実もあり、ここ2年はテレワークをしている人の移住が多いそうです。
茅野市での暮らし:気候、交通、医療など生活に密着した情報
ここからは、茅野市の暮らしに関する情報をご紹介します。
気候 | 8月平均気温:24.1℃ 1月平均気温:-1.1℃ ※参考:気象庁 茅野市に観測地点がないため、近隣の諏訪のデータを掲載 |
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人口 | 人口:約55,100人 世帯:約24,600戸 (令和6年5月1日時点) |
病院 | 病院・クリニック:33件 歯科:22件 |
学校 | 保育施設:19所 小学校:9校 中学校:4校 高等学校:2校 |
交通 |
【電車】 |
近隣都市 | 諏訪市 |
▲雪をまとった八ヶ岳
茅野市は冬は寒く、-10℃くらいになる日もありますので、凍結に対する備えが必要です。住まい探しの際は、その点もよく確認しておきましょう。降雪はそれほど多くなく、標高1,000m付近で5cm前後です。
茅野市には電車が走っていますが、車はあった方が便利です。冬に備え、スタッドレスタイヤの準備もすると良いでしょう。
市内にスーパーマーケットやドラッグストアがあるので、日頃の生活は市内で完結できます。大型のショッピングモールで買い物をしたいときは、岡谷市や松本市に行くことが多いようです。
茅野市では、大きなイベントが2つあります。ひとつは「茅野どんばん」。夏に開催される盛大な市民まつりで、日中は神輿が練り歩き、各種団体のワークショップが楽しめます。夜は「連」と呼ばれるグループが「おんべ」と呼ばれる金色の棒を持って、路上を踊りながら練り歩きます。
▲「茅野どんばん」は大人も子供も楽しめる夏の大イベント
もうひとつが、諏訪大社における7年に1度行われる「御柱祭(おんばしらさい)」です。「御柱祭」は、山中から樅(もみ)の大木を切り出して曳行(えいこう)し、社殿の四方に建てて神木とする勇壮な祭りです。1,200年以上も連綿と受け継がれた伝統文化として、地域の人々に大切にされています。
▲「御柱祭」は諏訪大社における最大の行事で、日本三大奇祭のひとつとされる
【子育て】出産・医療費助成など、手厚い経済的サポート
茅野市ではさまざまな子育て支援を行い、子育て世帯をサポートしています。ここでは経済的な支援をご紹介します。
出産・子育て応援金支給事業 | 妊娠届出時に出産応援金5万円を支給 新生児訪問時に子育て応援金5万円を支給(多胎出産の場合は、5万円×生まれた子の数を支給) |
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こどもの医療費助成 | 0歳〜中学校3年生の子どもの医療費を助成(一医療機関につき月額500円の自己負担) |
産後ケア事業 | 医療機関や助産所等で母乳相談や育児相談等を受けた際に費用の一部を助成(1回2,000円の利用券×6枚) |
【仕事】製造業を中心に、観光業や農業など多様な就業機会
大手求人情報サイトで茅野市の求人を調べたところ、約2,150件ヒットしました。市内の求人は製造業・観光業が多いようです。(2023年5月時点)
※求人情報の一例
茅野市では、市外で働く人も多く、諏訪市などに通勤しているようです。通勤時間30分圏内の25km以内で求人を検索したところ、約10,800件ヒットしました(2023年5月時点)。豊富な求人の中から希望の仕事を探せそうですね。
※求人情報の一例
【住まい】市街地から別荘地まで、多様な選択肢で理想の住まい探し
大手住まい情報サイトで茅野市の賃貸物件を調べたところ、約310件ヒットしました。家賃相場は2LDK・3K・3DKで7.88万円です。(2023年5月時点)
※賃貸物件の一例
茅野市では、市街地と別荘地の間くらいの山側のエリアが人気です。ライフスタイルに合わせて、場所を選べるのも茅野市の魅力のひとつです。住まい選びの際は色々なエリアを見てまわりましょう。
また、茅野市では空き家バンクが利用できます。賃貸・売買の両方がありますので、チェックしてみても良いでしょう。
公式:田舎暮らし楽園信州ちの協議会「楽園信州ちの空き家バンク」
茅野市移住者の声:自然と利便性のバランスが魅力
次に、茅野市に移住した方の感想をご紹介します。
- 身近に四季を感じられる。ゆったりとした時間が流れている気がする
- 適度に田舎で自然もあり、ほどほどに便利
- 買い物がしやすく、病院も近くにあるため日常生活には困らない
- 公共交通機関の便が良くないので、自家用車があった方が便利
豊かな自然が身近な点と利便性が高評価のようです。車はあった方が良さそうですね。
茅野市の移住支援:体験住宅から相談窓口まで充実のサポート
茅野市では、市×商工会議所×⺠間企業が「田舎暮らし 楽園信州ちの協議会」(通称:楽ちの)を組織し、三位一体となって茅野市への移住推進活動を行っています。
ここでは、楽ちのの主な取り組みについてご紹介します。
公式:⻑野県茅野市移住⽀援サイト(八ヶ岳に暮らす 楽園信州ちの)
【移住体験住宅】最長2ヶ月の長期滞在で茅野市の暮らしを体験
▲移住体験住宅。基本的な家具・家電は揃っている
茅野市では、移住体験住宅が利用できます。使われていない教員住宅を整備したもので、移住を検討中の⼈が1〜2ヶ月間利用できます。
利用は事前申し込み制となっています。茅野市での住まい探しや仕事探しに活用してみてください。
【物件見学ツアー】季節ごとに開催、バスで巡る空き家・土地探し
▲物件見学ツアー
年に4回(春・夏・秋・冬)、茅野市で開催するツアーで、市内の中古物件や土地などをバスに乗って見てまわります。物件の見学と一緒に、茅野市の雰囲気を体感することができるのも魅力です。
【移住セミナー】大都市圏で開催、茅野市の魅力を直接伝える機会
▲「移住関連セミナー」
主に東京、名古屋、大阪などでセミナーを開催しています。 開催については随時「楽ちの」のホームページにて掲載されるので、チェックしてみてください。
「楽ちのステーション」:先輩移住者から生の声を聞ける相談所
茅野市では、「楽ちのステーション」があります。移住生活を始めた先輩が営む移住相談協力店で、地元の情報や移住後の暮らしなど、先輩移住者の生の声を聞くことができます。
▲このステッカーが「楽ちのステーション」の目印
▲楽ちのステーションのひとつ「コミン家」。カフェ・バー・ゲストハウス・イベントホールのほか、コミュニケーションスペースとして利用されている
東京圏からの移住者向け:最大40万円の移住支援金制度
茅野市では、長野県と協働し、地方創生推進交付金を活用して、移住支援金を支給しています。該当する人は活用してください。
移住支援金(茅野市就業・創業移住支援事業補助金) | 東京圏から茅野市に移住し、対象求人へ就業する等の一定の要件を満たす場合に、単身での移住に10万円、世帯での移住に20万円を支給 ※18歳未満1人につき、20万円を加算。 |
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公式:茅野市「移住支援金(茅野市就業・創業移住支援事業補助金)」
茅野市への移住に関するお問い合わせ
移住相談窓口 | 茅野市 移住・交流推進室 |
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住所 | 〒391-8501 茅野市塚原二丁目6番1号 |
電話 | 0266-72-2101(内線236) |
公式サイト | ちの移住ライフ |