長野県安曇野市へ移住:美しい自然と充実の子育て環境が魅力
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「長野県安曇野市」での暮らしや移住情報をご紹介します。
長野県のほぼ中央に位置する安曇野市は、海抜3,000m級の雄大な北アルプスやそこを水源とする高瀬川、中房川などを望む美しい景観のまちです。自然豊かである一方で、衣食住のすべてを市内で完結できたり、中核市である松本市にも気軽にアクセスできたりと生活の利便性が高く、不便のない田舎暮らしが叶います。
子育て環境としてもメリットが多くあり、支援制度が充実していることはもちろん、安曇野市ならではの自然を活かした教育も魅力的です。水や食べ物の美味しさも評判が高く、自然に囲まれてのびのびと暮らしたい方にぴったりなまちですよ。
今回は安曇野市市民生活部移住定住推進課にお勤めの奥村さんにお話を伺いながら、安曇野市での暮らし・仕事・住居・支援内容などを詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
安曇野市の暮らしの魅力:移住前に知っておきたい3つの特徴
登山者に人気の常念岳や燕岳(つばくろだけ)といった山々があり、毎年多くの登山客が訪れる長野県安曇野市。市内は湧水など水資源が豊富で、田園風景も広がっており、豊かな自然を身近に感じながらのびのびと暮らせるまちです。
そんな安曇野市には、下記のような特徴があります。
具体的にどのような点が魅力的なのか、以下で詳しく見ていきましょう。
特徴1:四季折々の美しい自然を身近に感じられる暮らし
▲春の光城山では山頂まで桜が咲き誇り、登山者を楽しませてくれる
雄大な自然が身近にある安曇野市では、四季折々の美しい風景を存分に味わえることが大きな魅力です。
春には、まちの至るところに桜が咲き誇ります。桜の名所としては「光城山(ひかるじょうやま)」が有名で、山頂までの登山道沿いに桜の木がずらりと並んでいることから、登山を楽しみながらお花見を満喫できます。
また、5月頃になると菜の花の鮮やかな黄色が目立ち始めるほか、田んぼの水面に北アルプスの山々が映り込む「水鏡(みずかがみ)」の光景もまた見ものです。
▲水鏡の幻想的な風景は、何度見ても感動する絶景です
夏には北アルプスの麓は緑に囲まれ、森林浴や川遊びを楽しめます。烏川に沿って整備された「烏川渓谷緑地」の水辺エリアは子どもも遊びやすく、トイレや休憩できる広場などもあって大人気です。
公式:烏川渓谷緑地
子どもが自然に触れられるスポットとしては、「国営アルプスあづみの公園」もおすすめです。春はチューリップ、夏はひまわり、秋はコスモスといった四季折々の花畑を観賞できるほか、水遊びを楽しめる場所やアスレチックなどもあり、安曇野の自然やレジャーを思いきり楽しめますよ。
秋になると、周囲の山々が紅葉色や黄金色に染まります。また、特産のリンゴをはじめとする果物や新米、野菜などの農産物がずらりと店頭に並び、“実りの秋”を食卓で堪能できることもうれしい魅力です。
そして、冬は平地にもうっすらと雪が積もり、白銀に輝く北アルプスの風景が広がります。特に、朝日に照らされて山がピンク色に染まる「モルゲンロート」と呼ばれる光景を、自宅近くから望むことができるのは、安曇野市民ならではの贅沢なひと時と言えます。
▲白銀に輝く北アルプスの山々は息をのむ美しさです
特徴2:高い生活利便性と充実した都市機能
安曇野市は、自然豊かでありながらも生活の利便性が非常に高いまちです。
市内にスーパーやドラッグストア、コンビニなどが点在しており、食品や日用品の買い出しに困ることはありません。また、総合病院の「安曇野赤十字病院」と「穂高病院」をはじめ、高度な医療を受けられる県立こども病院や各種クリニックなど、医療施設も豊富です。
公式:安曇野赤十字病院
公式:穂高病院
公式:長野県立こども病院
お隣の松本市には「信州大学医学部附属病院」をはじめ、大きな病院も多く、さまざまなジャンルの医療を不便なく受けられる環境が整っています。
公式:信州大学医学部附属病院
また、他地域へのアクセスがしやすい点も、安曇野市で暮らす大きな魅力です。市内には安曇野ICと梓川スマートICがあり、たとえば、名古屋までは約3時間、東京までは約3時間半でお出かけできます。
▲多方面へのアクセスに便利な安曇野IC
特徴3:自然を活かした子育て・教育環境の充実
安曇野市には下記のような子育て支援が整備されており、ゆとりを持って育児と向き合えることもうれしいポイントです。
- 産後ケア事業:出産直後のお母さんと赤ちゃんが病院や助産院に宿泊し、心身のケアや育児のサポートを受ける「産後ケア」の利用に対して、市が費用の一部を負担
- 子育て応援手当:第2子以降の児童(同一の保護者等に養育されている第1子が18才以下に限る)を家庭で養育している保護者を対象に、対象児童1人につき月額3,000円を支給
- 2歳未満の乳幼児に対するもえるごみ専用指定袋交付事業:2歳未満の乳幼児を養育している保護者を対象に、紙おむつの排出に使用するもえるごみ専用指定袋の一部を交付 など
公式:安曇野市子育て支援情報
また、市内に保育施設が充実している点も大きな魅力です。18か所ある認定こども園では「あづみの自然保育」を推進しており、近隣農家にて農作物の収穫体験を行ったり、裏山でどんぐりや葉っぱを拾って自然の遊びを楽しんだりと、各園がそれぞれの特徴を活かした屋外での自然体験によって豊かな心を育んでいます。
▲山でのどんぐり探しは子どもたちに大人気!
▲地域の農園での果物狩り体験を実施している園もあります
さらに、安曇野市には「児童館」も充実しており、親子遊びや仲間づくり等の場が豊富です。
施設によって遊具がたくさんあるところやボルダリングを備えているところ、イベントを豊富に行っているところなど特色が異なるため、その日の気分で「今日はここに行こう!」と場所を選んで利用できます。イベントは年齢を限定しているものも多く、月齢の近いお友達を作りたい場合におすすめです。
▲児童館では工作などのイベントが充実しており、親子での思い出作りに最適!
▲ママを対象としたヨガイベント等を開催している児童館もあり、運動不足の解消にぴったりです
公式:安曇野市児童館
▲安曇野市には大小さまざまな公園があり、外遊びも存分に楽しめます
なお、安曇野市では地域の自然を活かした学校教育にも尽力しています。
たとえば三郷小学校では、5年生になると「アイガモ農法」による米作りを体験。稲作後には「収穫祭」が行われ、収穫したお米を使ったお赤飯や、解体したアイガモの肉を用いた鴨汁を味わい、命をいただくことを学びます。
ちなみに、安曇野市における小中学校の給食で提供されるごはんは100%安曇野産です。また、安曇野にちなんだメニューが出される“安曇野の日”が月に1回設定されており、たとえば「安曇野林檎ナポリタン」や「わさびコロッケ」などを楽しめます。
各学校で実施している「お弁当の日」では、子どもたち自身がお弁当作りに関わります。一部の小中学校では、市から提供された地場産食材を用いてお弁当作りを行う取り組みが行われており、普段何気なく口にしている安曇野産農産物の新鮮さや美味しさを改めて実感できます。
▲地場産食材を使用して自分で作るお弁当は、子どもたちにとって大変貴重な体験です
安曇野市での生活:気候や交通、医療など暮らしに関する具体情報
続いては、気候や病院、学校、交通など、安曇野市での暮らしに関連するお役立ち情報をまとめました。
気候 | 1月:平均気温-0.8℃ 8月:平均気温31.1℃ ※参考:気象庁ホームページ(安曇野市には観測地点がないため、近隣の穂高町のデータを参照) |
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人口 | 約96,000人(2023年12月1日時点) |
病院・クリニック | 約170院(歯科医院・薬局を含む) ※参考:病院なび |
学校 | 公立認定こども園・幼稚園:19園 小学校:10校 中学校:7校 高校:4校 |
名所・観光 | 光城山、烏川渓谷緑地、国営アルプスあづみの公園、穂高神社など |
行事 ・イベント |
安曇野花火、あづみ野祭り、御船祭りなど |
交通 | 【鉄道】 JR篠ノ井線「明科駅」「田沢駅」 JR大糸線「梓橋駅」「一日市場駅」「中萱駅」「南豊科駅」「豊科駅」「柏矢町駅」「穂高駅」「有明駅」「安曇追分駅」 【バス】 中央高速バス(安曇野・白馬線) 花バス観光(トラビス安曇野) 中央道高速バス みすずハイウェイバス 新・公共交通システム「あづみん」 福祉バス 乗合タクシー 【道路】 長野自動車道 国道19号 国道143号 国道147号 国道403号 など |
近隣都市 | 松本市 大町市 北安曇郡:池田町、松川村 東筑摩郡:筑北村、生坂村 |
安曇野市は、基本的に夏はカラッとした涼しさがあり、冬の寒さは厳しいです。雪は年に数回20~30cm程度、積もることがあるものの、10cm以下の積雪がほとんどで住みやすいです。
▲雪が積もると子どもたちは大喜び!
なお、高低差の激しい地形の地域に住む場合は、台風や豪雨、地震などの災害時に土砂崩れが起こる危険性がある点に注意しましょう。安曇野市には可能性のある災害についての情報を公開している「防災マップ」があるため、そちらを参考にしながら住む場所を決めたり、災害対策を行ったりすることをおすすめします。
公式:安曇野市防災マップ
ちなみに、安曇野市は鉄道の駅は多いですが、路線バスは走っていません。車を所有しているほうが快適に生活できるでしょう。
安曇野市には、自宅と目的地の間を送迎してくれる乗り合い式のデマンド交通「あづみん」があり、大人は運行エリア内1回300円と手軽にご利用いただけます。アプリで簡単に予約できますので、そちらのサービスの利用も検討ください。
仕事情報:市内外の豊富な求人と移住者向け就業支援
大手の求人サイトで安曇野市における「正社員の求人数」を検索してみると、1,700件ほどがヒットしました。車で30分圏内のエリアも含める11,500件ほどの求人が公開されているため、近隣エリアの求人も候補に入れると仕事を見つけやすいでしょう。(2024年1月時点)
参考:求人情報の一例(安曇野市内)
参考:求人情報の一例(安曇野市から25km圏内)
市内では製造業や建設業、宿泊業、飲食サービス業、医療福祉関連などの仕事に就く方が多いです。近隣では松本市のほか、1時間ほどで通勤可能な塩尻市や大町市で働く方も多数いらっしゃいますよ。
なお、安曇野市で勤務する正社員の世帯年収相場は「約506万円」です(2022年4月末時点)。仕事探しの際に参考にしてみてはいかがでしょうか。
※参考:年収相場の一例
また、安曇野市には東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)や愛知県、大阪府から市内へ移住して就業や創業をする方を対象に支援金を支給する「UIJターン就業・創業移住支援事業」が設けられています。条件や申込期限などの詳細を確認し、ぜひ活用してみてください。
住まい情報:お手頃な物件と充実の空き家バンク制度
安曇野市においては、賃貸の場合は1Kや1LDK、2LDKの間取りが多く、家賃相場は5~7万円ほどです。一方で、一戸建て住宅の販売価格は2,990〜3,480万円程度となっており、生活の利便性が高い割にお手頃な価格相場となっています。(2024年1月時点)
参考:安曇野市における賃貸物件情報の一例
参考:安曇野市における新築・分譲一戸建て価格相場情報の一例
また、安曇野市では空き家バンク制度を利用して住まい探しを行うこともできるため、ぜひ合わせてチェックしてみるとよいでしょう。売買物件はもちろん、賃貸物件もちらほらみられます。
なお、空き家バンクの利用時には、条件が合えば以下の制度を利用できます。
- 移住等空家改修利活用促進事業:空家を購入・賃貸等され、特定の要件を満たす方を対象に、予算の範囲内において補助金を交付(先着順)
- 空き家バンク活用促進支援事業(移住者支援補助):移住者が空き家バンク掲載物件を購入または賃貸し、引越し後そこに3年以上居住する場合に、不動産事業者へ支払う仲介手数料や引越費用を補助
公式:移住等空家改修利活用促進事業
公式:空き家バンク活用促進支援事業(移住者支援補助)
移住者の方ですと、一旦は賃貸で住み、その後戸建て住宅を購入するケースも多い印象です。安曇野市は広いため、住むエリアでお悩みの場合は一度移住窓口へご相談くださいね。
安曇野市移住者の声:自然と利便性のバランスに満足の声多数
ここでは、実際に安曇野市へ移住した方の体験談をご紹介します。
- 美しい景色に囲まれて田舎暮らしを堪能できることや、松本市へのアクセスの良さが決め手となって安曇野市へ移住しました。季節を肌で感じながら、生きている実感が自然と湧き上がる充実した日々を過ごしています。
- 安曇野市は景色・空気・水に魅力があり、1度訪れただけで「ここへ移住したい!」と感じました。商業施設や医療施設、学校などが多くある松本市には車や電車で30分ほどでアクセスできるため、生活の利便性が高いところも気に入っています。
- 冬の積雪が心配でしたが、思っていたよりも少なく、それよりも雪化粧をした北アルプスの絶景を毎日楽しめることに大きな幸せを感じています。大自然に囲まれて子どもたちものびのび育っており、「安曇野市に移住して本当に良かったね」と家族みんなで話しています。
雄大な北アルプスの絶景が広がるのどかな暮らしがありながらも、生活基盤が整っている点に満足されている方が多い印象です。自然に囲まれた暮らしを望む方はもちろん、子育て世帯からも大きな支持を集めており、「心穏やかに生活できるようになった」「家族の時間が増えた」などと喜んでいる方がたくさんみられました。
安曇野市への移住ステップ:登録から相談、体験住宅まで
安曇野市への移住を検討している方は、ぜひ以下のステップに沿って計画を進めてみてください。
ステップ1:移住希望者登録で情報収集をスタート
まずは「移住希望者登録」を行いましょう。登録するとオンライン個別相談を受けられるだけでなく、移住セミナー等の情報を得られたり、おためし住宅を利用できたりとさまざまなメリットがあります。
公式:移住希望者登録フォーム
ステップ2:オンライン相談やセミナーで疑問を解消
続いては、オンライン個別相談やセミナーなどのイベントを通じて安曇野市への移住に関する情報を集めましょう。不明点をひとつひとつクリアにしていくことで、安曇野市での暮らしをイメージしやすくなります。
公式:オンライン個別相談申込フォーム
公式:安曇野市の移住イベント情報
ステップ3:おためし住宅で安曇野市の暮らしを体験
移住を本格的に考えている場合は、ぜひおためし住宅を利用して安曇野市でのリアルな暮らしを体験しましょう。滞在中に住居探しや就職活動を行うと、移住計画をよりスムーズに進められます。
▲2泊3日~6泊7日まで無料で利用できます(寝具や食事等は持参が必要)
公式:安曇野市おためし住宅
安曇野市への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 安曇野市市民生活部移住定住推進課 |
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住所 | 〒399-8281 長野県安曇野市豊科6000番地 |
電話番号 | 0263-71-2081(直通) |
対応時間 | 平日8:30~17:15 |
公式サイト | ▼公式サイト https://www.city.azumino.nagano.jp/ ▼移住定住ポータルサイト https://azumino-ijyu.jp/ |