岐阜県安八町への移住ガイド|自然豊かな環境と便利な都市アクセスを両立

この記事では、地方移住を検討している人に向けて、岐阜県安八郡安八町の暮らしを紹介します。

岐阜県南西部に位置する安八町は、長良川と揖斐(いび)川に囲まれ、のどかな田園風景が広がる「田舎暮らし」を楽しめるまち。一方で岐阜市や大垣市といった県内都市、さらには名古屋市にも気軽にアクセスできるという生活の利便性も兼ね備えています。コンパクトなまちながら、アートスポットなどユニークな見どころを多く有している点もポイントです。

そんな安八町の暮らしの魅力や仕事、住まいの特徴などについて、移住に役立つ情報を詳しく紹介していきます。

本日お話を伺った方
岐阜県安八町のキャラクター「アンビー」

安八町役場 企画調整課
係長

河田 基宏さん

安八町で実現する自然と都会の調和した暮らし

岐阜県安八町の暮らしの特徴

岐阜県安八町は東西に長良川と揖斐川が流れ、のどかな田園風景が広がる自然豊かなまちです。20km²弱のコンパクトな町域の中に必要な生活機能がまとまっている暮らしやすさが魅力です。

程良い田舎暮らしを楽しめる環境がある一方で、岐阜市、大垣市、羽島市といった県内の都市とのアクセスが良く、都会の便利さも享受できます。

さらに2018年に名神高速道路の安八スマートインターチェンジが開通したことで名古屋市へ車で約30分でアクセス可能になりました。安八スマートインターチェンジ周辺への企業立地・企業誘致も進められており、今後は新たな雇用や賑わいが生まれることも期待されます。

そんな安八町での暮らしをおすすめしたいのは次のような方です。

  • 田舎と都会の“良いこと取り”の暮らしを楽しみたい
  • 名古屋市にもアクセスしやすい場所で田舎暮らしをしたい
  • 移住先ではリモートワークも含めて、いろいろな仕事の選択肢が欲しい
  • 自然やアートなどの写真を撮るのが好き

これらの特徴を持つ人になぜ安八町をおすすめしたいのか、3つの魅力を挙げながら解説していきます。

魅力1:名古屋に30分でアクセス!田舎と都会の“良いとこ取り”ができる

安八町のある岐阜県は、多数の美しい川を有することから「清流の国」と呼ばれています。長良川と揖斐川に囲まれる安八町も古くから清流の恵みを受け、稲作をはじめとする農業や産業を発展させてきました。町内には肥沃な田園風景が広がっており、水と緑の美しい景色を楽しむことができます。

岐阜県安八町の「水まつり」の様子
▲水の恵みに感謝するお祭り「水まつり」という、川に囲まれた安八町ならではのイベントが行われることも

岐阜県安八町の自然景観
▲長良川・揖斐川の堤防からは、平坦地に広がる田園風景を眺めることができる

そんな心癒されるのどかな風景の中で田舎暮らしを楽しめる一方で、生活の利便性も良いのが安八町の暮らしのポイントです。町内にも買い物施設や病院などの暮らしに必要な施設は一通り揃っていますし、県内有数の都市である岐阜市や大垣市、新幹線駅のある羽島市に近接しているために、大きな買い物などにも不便しません。

さらに名神高速道路の安八スマートインターチェンジを利用すれば、名古屋市までも30分でアクセス可能となっています。

広域アクセスも含めた交通の利便性は、週末のお出かけや仕事など、暮らしの選択肢を豊富に持つ上で重要なポイントです。程よく便利で程よく田舎な安八町で暮らしながら、必要なときにはすぐに都会にもアクセスできる。そんな「田舎と都会の良いとこどり」の環境があるのが、安八町ならではの魅力といえるでしょう。

(特徴2)多様な働き方を可能にする豊富な就業機会とテレワーク環境

広大な田園風景がある一方で、安八町内には企業や事業所も多くあり、工業都市としての一面も有しています。安八町では近隣市に通勤している人も多くなっていますが、町内でも雇用の選択肢は豊富にあるため、職住近接の生活を叶えることができるかもしれません。

現在、安八スマートインターチェンジ周辺では企業誘致や工業団地の整備が進められています。新たな企業が進出することで、雇用創出やまちの賑わいにつながっていくことが期待できそうです。

岐阜県安八町の「安八スマートインターチェンジ」周辺風景
▲現在は田んぼが広がる安八スマートインターチェンジ周辺の景色。今後は10社程度の企業誘致が予定されている

安八町内には「MUSUBUテラス」というテレワーク施設が整備されているのもポイントです。交通アクセスの良さを活かして都市部の企業に在籍しながら、町内で快適にテレワークを行うことも可能です。

「MUSUBUテラス」ではコワーキングスペースなど仕事に集中できるスペースはもちろんのこと、屋内軽運動場やキッチンも備えており、適度に気分転換を図りながら仕事をすることができます。

岐阜県安八町のテレワーク施設「MUSUBUテラス」
▲「MUSUBUテラス」のコワーキングスペース

岐阜県安八町のテレワーク施設「MUSUBUテラス」
▲多目的に利用できる軽運動場も整備されているため、仕事の合間のリフレッシュも可能

(特徴3)自然とアートが融合:カメラ片手に巡りたい安八町の魅力スポット

安八町はコンパクトなまちながら、町内には魅力的なお出かけスポットが多く存在しています。

例えば100種類以上の梅の木が約1,200本植えられている「安八百梅園」や、縁結びで有名な「結神社」は県外からも多くの人が訪れる人気スポット。

岐阜県安八町の「安八百梅園」
▲早咲きの梅から遅咲きの梅まで、1,200本の梅を長い期間楽しめる「安八百梅園」

岐阜県安八町の「安八百梅園」
▲「安八百梅園」では新成人たちの振袖姿をおさめる撮影会が行われることも

岐阜県安八町の「結神社」
▲織田信長が戦に行くとき戦勝祈願したという「結神社」。縁結びで有名なためカップルで訪れる方も多いそう

また「安八温泉」は町民に愛されており、毎日入る方もいる程です。

岐阜県安八町の「安八温泉」
▲町内の温泉施設「安八温泉」。高齢者は100円で入湯できることも人気の秘訣

安八町には田園風景をはじめ、まちの中心を流れる中須川の両側に咲く千本桜や、「歴史の道」沿いのイチョウ並木など、いわゆる観光スポットではない何気ない場所にも季節の移ろいを感じることができる美しい景色があります。

カメラを片手に散歩をしてみたくなる景色が広がるのも、安八町ならではの良さといえるでしょう。

岐阜県安八町・中須川の千本桜
▲春に楽しめる中須川の両側に咲く千本桜の風景

岐阜県安八町の田園風景
▲夏の田園風景も魅力

岐阜県安八町の歴史の道にある銀杏並木
▲秋には銀杏並木が色づく景色も楽しめる

さらに安八町には「Roam Couch(ロームカウチ)」の名で活動するストリートアーティストの小川亮さんが居住しており、農業用倉庫や空き家、コンテナなど町内のあちこちに小川さんが描かれたステンシルアートが点在しています。

ウォールアートというと都会的なイメージがありますが、安八町の美しい田園風景の中にあるウォールアートは、そのギャップもあいまってとても魅力的です。

安八町は平坦地で坂が少ないため、サイクリングをしながら宝探し感覚でウォールアート巡りをしてみても楽しいかもしれません。

岐阜県安八町にあるステンシルアート
▲町内各所にあるステンシルアート。アートの場所を示した地図もあるが、宝探し感覚で巡るのもおすすめ

岐阜県安八町にあるステンシルアート
▲自然景観とアートのコントラストも見どころ

安八町の暮らしを支える充実した生活インフラ

岐阜県安八町のロゴ

ここでは、移住を検討するうえで重要となる安八町の暮らしに関するさまざまなデータを紹介します。

気候 1月:平均気温4.7℃
8月:平均気温28.1℃
※参考:気象庁ホームページ
(安八町内に観測地点が無いため、直近の大垣地点を参照)
人口 約14,000人
※参考:公式サイト(2023年11月1日現在)
病院 一般診療所:8か所
歯科医:6か所
交通 【公共交通】
名阪近鉄バス大垣羽島線・安八穂積線

【車】
町中心部から名神高速道路安八スマートICまで車で5分
近隣都市 隣接市町:大垣市、羽島市、瑞穂市、安八郡輪之内町
近隣市:岐阜市

まず気候面を見てみると、安八町は比較的温暖な気候となっています。冬期にも積雪はほぼありません。

大きな川に囲まれている安八町なので水害は心配されるところかもしれませんが、揖斐川では徳山ダムの完成により水量を調整しており、長良川では堤防を強化しているため、近年では洪水による破堤は起きていないようです。

町内に鉄道駅はないため、車は必須です。1家に1台というよりは、1人につき1台あった方が良いかもしれません。車があることでJR東海道本線大垣駅まで15分、新幹線岐阜羽島駅まで10分でアクセスでき、 生活圏が飛躍的に広がります。坂道の少ない地形なので、町内の移動は自転車もおすすめです。

子育て環境:充実した保育サービスと魅力的な子どもの遊び場

保育施設 認定こども園:3か所
学校 小学校:3校
中学校:2校

安八町にはもともと6か所の認定こども園があり、それぞれの園で提供する保育サービスが異なっていました。2022年に3か所に統合したことで、全園で一時保育や延長保育、乳児保育を行うなど、サービスの拡充が図られています。

認定こども園や子育て支援センターでは園庭開放を行っており、子どもが体を動かして遊ぶことができます。

また約10mのローラーコースターが人気の総合公園「アンヒルパーク」や、岐阜県最大の天体望遠鏡がある生涯学習施設「ハートピア安八」など、町内で子どもと一緒に楽しめる場所も充実しています。

岐阜県安八町「ハートピア安八」の天文台
▲「ハートピア安八」にある岐阜県最大の天文台

就業機会:町内外の豊富な求人と多様な働き方の選択肢

安八町の正社員の求人数を大手求人サイトで調べると、約300件の求人がヒットしました。車を使うことでかなり勤務範囲が広がるため、近隣も含めると求人数は約8万件と飛躍的に増加します。
※参考:町内の求人情報の一例近隣も含めた求人情報の一例

先述の通り、安八町では多様な働き方を選ぶことのできる環境があります。職住近接か、近隣市に通勤するか、リモートワークを行うかなど、自分の希望に合わせて検討してみるのが良いでしょう。

住まい選び:豊富な賃貸物件と住宅取得支援制度の活用

大手住宅情報サイトで安八町の賃貸物件を検索すると、約110件がヒットしました。移住者の中ではまず賃貸物件を借りる人もいますが、近隣に比べると土地の相場が安い傾向があるそうなので、新築を建てる人も少なくないようです。
※参考:賃貸物件情報の一例

安八町では町内で住宅を取得した場合に支給される助成金制度もあります。転入後の経過年数などの諸要件で助成金額が変わってくるため、移住先での住宅取得を検討されている方は事前にチェックしておくことをおすすめします。

▼安八町定住促進住宅取得助成金制度

基本助成金 町内在住者:3万円
転入者:5万円(転入後1年以内)
※中古住宅は半額
加算金 配偶者がいる場合:2万円
中学生以下の子ども1人につき:2万円(上限6万円)
親と同居の場合:3万円

安八町移住者の声:温かい地域性と自然豊かな環境の魅力

岐阜県安八町へ移住した人の声

ここでは、実際に移住して安八町で暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。

  • 多世代世帯が多く、昔ながらの近所づきあいも残っているなど、温かみのある地域だと感じる
  • 自然が豊かで、水や空気がきれい
  • 閑静な田舎町で、子育てがしやすい

程良い田舎で落ち着いた暮らしができるという声があがっています。近所づきあいも残っており、都会暮らしとはまた違う地域の温かみを感じながら暮らすことができそうです。

安八町は、大東建託株式会社が実施した「いい部屋ネット住み続けたい街ランキング2022<岐阜県版>」で1位になっており、住む人がまちに愛着を持っていることが伺えます。住み続ける程、安八町のまちの魅力を実感することができるのではないでしょうか。

安八町への移住サポート:支援制度と現地訪問のすすめ

ここでは、実際に安八町に移住をする際に役立つ情報を紹介します。

移住支援金制度:安八町独自の制度と岐阜県の制度を確認

安八町への移住を促進する制度として、町独自のものと、岐阜県のものと2つの移住支援金があります。移住を検討する際には、自分が該当するかどうか予めチェックしてみてください。

安八町東京圏からの移住支援金 世帯の場合:100万円
単身の場合:60万円
安八町清流の国ぎふ移住支援金 「安八町東京圏からの移住支援金」対象外の世帯を対象
支援金:50万円

事前訪問のすすめ:コンパクトな町内と周辺地域の魅力を体感

具体的に移住を検討していない場合でも、少しでも安八町に興味を持った方はまずは実際に訪れてみてはいかがでしょうか。

安八町は南北に約9km、東西に約3kmととてもコンパクトなまちなので、車を使えばすぐに一周できます。町内の様子を見るのはもちろん、車で近隣市や名古屋市との実際の距離感を確かめてみるのも良いかもしれません。

移住相談窓口:安八町役場企画調整課の連絡先情報

担当課 安八町役場企画調整課
住所 〒503-0198
岐阜県安八郡安八町氷取161番地
電話番号 0584‐64‐7101(直通)
対応時間 8:30〜17:15
公式サイト https://www.town.anpachi.lg.jp/