高知県安芸市の暮らしの魅力は?移住を成功させるための情報を徹底解説
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「高知県安芸市(あきし)」をご紹介します。
高知県の東部に位置する安芸市は、市街地に都市機能がまとまったコンパクトシティ。徒歩20分圏内に“衣食住游”のすべてがそろい、しかも平地なので自転車でも快適に移動できるエコタウンです。
また、まちは海・山・川と豊かな自然に恵まれ、歴史や文化を感じるスポットも多数あります。
安芸市はこのように、便利ながらもゆったりとした暮らしが叶うまち。仕事や住まいの情報、先輩移住者の体験談など、移住を検討するのに役立つ内容をたっぷりとお届けします。
安芸市の暮らし、3つの特徴
地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には安芸市がおすすめです。
- 身近な範囲で生活が完結する、便利なまちで暮らしたい
- 自然が好き。海・山・川と、できるだけ多彩な自然に触れ合いたい
- 豊かな自然と地域の輪の中で、子どもをのびのびと育てたい
- 歴史に興味がある。文化的で情緒あるスポットをめぐったり、散策を楽しみたい
なぜこのような方に安芸市が向いているのか、その理由を踏まえつつ、安芸市の暮らしの特徴を紹介していきます。
特徴1:便利&エコ!歩いて暮らせるコンパクトシティ
安芸市は、市街地の徒歩20分圏内に都市機能がそろう“コンパクトシティ”です。しかも平地なので、通勤やお買い物など自転車での移動もラクラク。暮らしやすさとエコ度が抜群のまちなのです。
この安芸市の仕組みはアメリカ・オレゴン州のポートランドによく似ています。
ポートランドは、コンパクトシティの先駆けとして知られるまち。周辺の豊かな自然を残しつつ都市機能を集中させ、安芸市と同じく20分圏内に“衣食住游”がそろいます。その暮らしやすさから移住先としても人気で、全米で“住みたい都市No.1”にも選ばれています。
安芸市内は、鉄道の南側に商店やオフィス、飲食店やレジャー施設が集まります。また医療機関が充実している点もポイント。中でも「高知県立あき総合病院」は高知県東部地域の中核病院であり、エリア内で唯一、分娩に対応できる病院でもあります。
特徴2:海・山・川の多彩な自然環境
都市機能がギュッとまとまった安芸市は、一方で、海・山・川の豊かな自然に彩られたまちでもあります。
市の南側には土佐湾。2つの川(安芸川・伊尾木川)がその土佐湾に向かって流れ、北部には森林が広がります。「妙見山(みょうけんさん)」は、初心者でも気軽に登山を楽しめる山。頂上からは海を一望することができます。
「伊尾木洞(いおきどう)」は、およそ300万年前に堆積した地層が波に侵食されて生まれた、天然の洞窟です。そして洞窟を抜けた先には、まるでジブリの世界のようなシダ植物の群生。神秘的な自然美に圧倒されます。
▲「伊尾木洞」の内部は、夏でも20度前後とひんやり涼しい。シダの群生は、国の天然記念物にも指定されている
安芸市は「利便性の高い生活と、自然との触れ合いの、両方を叶えたい」という“欲張り”な希望をお持ちの方に、とてもおすすめの移住先です。
特徴3:歴史文化の香るまちなみ
▲土居廓中にある武家屋敷。細く枝葉の多い「土用竹(どようだけ)」を用いた生垣は、この地域では武家にのみ許されたといわれる
鎌倉時代に築かれた「安芸城」を中心に栄えた、安芸市。市内には歴史を感じさせる、情緒あるまち並みが残ります。歴史文化に興味のある方にとっては、日々の何気ない散策の中にも楽しみや発見がいっぱいの、たまらない環境ではないでしょうか。
「土居廓中(どいかちゅう)」は日本風景街道の1つにも認定されているエリアです。沿道には、武家屋敷群や、明治時代にこの地の地主によって手作りされた「野良時計」など、見どころがたくさんあります。
▲「野良時計」は、それぞれの家に時計のなかった時代に、地主の畠中氏が製作。周辺で農作業をしている人も、この時計で時間を知ることができた
また、安芸市は、三菱創業者の岩崎彌太郎の出身地でもあります。生家は現在も保存され、その脇には彌太郎の銅像が。日本を代表する実業家の原点という、ロマンを感じさせる場所です。
▲岩崎彌太郎の生家。内部は無料公開されている
安芸市の暮らしに関する情報
ここでは、移住を検討するうえで重要となる、安芸市の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。
気候 | 1月:平均気温7.5°C 8月:平均気温27.4°C ※参考:気象庁ホームページ |
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人口 | 人口:15,975人 世帯数:7,987世帯 (2023年8月現在) |
近隣都市 | 香南市、香美市、安芸郡安田町、馬路村、芸西村 徳島県那賀郡那賀町 |
公共交通 | 鉄道:土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線 バス:高地東部鉄道、安芸市元気バス |
大都市へのアクセス | 高知市へ:車で約1時間、電車で約1時間 |
病院 | 診療所16、病院2、歯科11 |
学校 | 保育施設8、小学校8、中学校2、高校1 |
特産・名産 | ゆず、なす、ちりめんじゃこ、茶 |
安芸市は年間を通して温暖な気候のまちです。冬でも日中は10度前後という日が多く、雪もほとんど降らないので、寒さの苦手な方や雪に慣れていない方には嬉しい環境と言えそうです。
まちの特徴としてもご紹介した通り、安芸市は都市機能のまとまったコンパクトシティ。市街地にはスーパーや飲食店、病院、各種公共施設などが集まっているため、日常生活には困らないでしょう。
一方で、大きなショッピングセンターの利用や、週末の家族でのレジャーには、車で30分程度の香南市や、1時間程度の高知市へ出かける方が多いそうです。こういったことを踏まえると、マイカーを持っていた方がより便利です。
安芸市の特産品としては、ナスや柚子が有名です。特にナスは生産量日本一。安芸市は施設園芸(ビニールハウス)の先駆けのまちとして知られ、環境保全型農業の取り組みにも積極的です。
また、土佐湾で水揚げされたちりめんじゃこも絶品と言われています。安芸市に暮らしたら、新鮮な海の恵みを、ぜひ味わってくださいね。
▲あつあつのご飯にちりめんじゃこと薬味をたっぷり乗せた「ちりめん丼」は、安芸市のご当地グルメ
【観光・名所】まちの歴史に親しむスポット多数
安芸市には“歴史文化のまち”ならではの観光スポットが数多くあります。週末にはゆったりと散策しながら、地域の歴史に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
内原野公園
もとは土佐・山内家の家老であった五藤家が遊園として整備した場所。現在は、約15,000本のつつじが咲き誇る、つつじの名所として愛されています。
「弁天池」は、農林水産省による「ため池百選」にも選定されています。
安芸市立歴史民俗資料館
土佐藩についての貴重な文書や、地元ゆかりの美術工芸品などが収蔵され、安芸市の歴史をたどることのできる資料館です。
常設展では、岩崎彌太郎をはじめとする、安芸市ゆかりの偉人が紹介されています。
安芸市立書道美術館
安芸城跡内にある「書道美術館」は、全国で初の書道専門の美術館です。古くから書道が盛んで優れた書家も多く輩出した、安芸市ならではの施設。安芸全国書展や特別企画展などが開催されています。
【仕事】新規就農に手厚い支援
2023年9月現在、大手求人情報サイトで安芸市の正社員求人を検索すると、約160件がヒットしました。
安芸市からは、南国安芸道路を利用して、近隣の南国市(車で約40分)や高知市(同約1時間)あたりまで通勤される方も多いそうです。
実際に、求人検索範囲を通勤1時間程度(安芸市から35km圏内)まで広げると、ヒット数は約5,600件と大幅に増加するので、こちらもあわせての検討をおすすめします。
また、農業の盛んな安芸市では、新規就農に対するサポートも充実。以下のような支援制度があります。
高知県立農業大学学費補助制度 | 安芸市内で就農する15歳から65歳までの方に対し【県立農業大学の2年間の学費の2分の1の額】を補助 |
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安芸市担い手支援事業 | 安芸市内の研修受入農家のもとで研修を行い、修了後に就農する方(18歳以上65歳未満)に対し【月額15万円以内】を助成 期間:1年以上2年以内 |
新規就農者育成総合対策(就農準備型) | 農業技術の研修中に、要件を満たす方に対し【年額最大150万円】を交付(最長2年間) |
新規就農者育成総合対策(経営開始資金) | 農業を始めてから経営が安定するまでの間、要件を満たす方に対し【年額最大150万円】を交付(最長3年間) |
【住まい】ライフスタイルに合わせたエリア選びがおすすめ
2023年9月現在、大手住宅情報サイトで安芸市の賃貸物件情報を検索すると、約25件がヒットしました。また、空き家・空き地は合わせて約30件が見つかります。
参考:賃貸物件情報の一例
参考:空き家・空き地物件一覧
都市機能が集中している安芸市。市街地であれば、都会からの移住でも大きなギャップを感じることなく暮らせるでしょう。逆にもう少し田舎らしい暮らしを希望する方には、市の北側、やや山間地寄りのエリアが人気だそうです。
▲緑の豊かな中山間地域
住まいに関しては、以下のような支援制度も利用できます。新婚夫婦や子育て世帯の三世代同居など、特にファミリーに向けた支援が手厚いのが特徴なので、当てはまる方はぜひ活用してください。
結婚生活支援事業補助金 | 34歳以下の新婚世帯が新生活を始める際に、新居の住居費・引越し費用を助成(上限:24万円) |
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三世代同居等移住支援事業補助金 | 子育て世代が転入し、三世代が同居や近居となる場合に以下の額を支援 A:<引越費用><賃貸借契約に要する仲介手数料>合わせて上限20万円 B:<住居購入費><住宅改修費>合わせて上限24万円 ※利用はA・Bのどちらかのみとなります |
空き家改修費等補助金 | 安芸市空き家バンクの登録物件を改修する移住者などに対し、その改修費用の一部を補助(上限:270万円) |
【育児】地域全体で子育て世帯をバックアップ
▲特産品のナスをモチーフにした遊具のある「安芸広域公園」は「ナス公園」の愛称で親しまれている
安芸市では、地域全体で、子どもがすくすく・のびのびと育つ環境づくりに力を入れています。
乳幼児期のお子様のいる家庭には「家事育児支援ヘルパー派遣事業」によって、家事・育児などを支援。市立の小中学校では完全給食を実施するなど、子どもと子育て世帯をバックアップします。
子連れでのお出かけには「安芸広域公園」が人気です。安芸川沿いの広い敷地に、芝生広場やこども広場、陶芸館などがあり、ファミリーで1日のんびりと楽しむことができます。
安芸市へ移住した人の体験談・感想
ここでは、実際に移住して安芸市に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。
- ほどよく都会でほどよく田舎。便利な生活ができている上に、自然の中で過ごす時間も増えた。
- 歴史が好きなので、土居廓中を歩いているととても楽しい。すぐ身近にこんな場所があることが素敵だと思う。
- 安芸市にはフレンドリーで親切な人が多い。移住直後にも「安芸の暮らしはどう?」など色々な人が気軽に声をかけてくれた。
- 子どもが騒いでも「にぎやかでいい」と言ってもらえるなど、地域全体が子どもに優しいところがありがたい。
先輩移住者の体験談からは、都会と田舎の“いいとこどり”の、安芸市の暮らしを満喫しているという声が多く見つかりました。
また、地域のオープンで温かな雰囲気も特徴的で、特に子育て世帯の方から好評のようです。
安芸市への移住に向けたステップ
安芸市への移住を検討している方は、ぜひ「お試し滞在住宅」を利用して現地に滞在してみてください。その後、本格的な移住スタートの際には「移住者支援住宅」の利用もおすすめです。ここでは、その2つについてご紹介します。
ステップ1:「お試し滞在住宅」で安芸市暮らしを体験
安芸市では、移住を検討している方に向けて、最長6ヶ月間利用できる「お試し滞在住宅」を用意しています。
住宅は安芸市から徒歩5分のところにあり、スーパーや学校、病院などへ行くのにも便利な立地。安芸市の「コンパクトシティ」としての魅力を十分に味わえるでしょう。
なお、下見に訪れる時期としては、まちの中に柚子の香りが漂う10~12月や、温暖で過ごしやすい気候を実感できる冬場がおすすめです。反対に夏場は台風が多いため、交通面などで、事前の予定通りにいかない場面があるかもしれません。
詳細:お試し滞在住宅
ステップ2:移住後は「移住者支援住宅」に暮らしつつ生活の基礎作り
安芸市には、定住の意思のある方が最長2年間利用できる「移住者支援住宅」もあります。「移住自体は決まっているけれど、住まいはじっくりと探したい」という方は、こちらを利用してはいかがでしょうか。
ファミリーで広々と暮らせる間取りに、縁側からは立派な日本庭園が眺められるという環境ながら、家賃は29,000円と格安。何かとお金のかかる移住初期には嬉しいところですね。
詳細:移住者支援住宅
安芸市への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 企画調整課 |
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住所 | 高知県安芸市矢ノ丸1-4-40 |
電話番号 | 0887-35-1012 |
対応時間 | 8:30~17:15(土・日・祝日を除く) |
公式サイト | https://www.city.aki.kochi.jp/iju/ |