ルールは変えられる。「新渡戸文化小学校」で自主性のある子どもが育つ理由

独自の教育方針を持ち、新しい取り組みを進めている学校にお話を伺うこの企画。この記事では、東京都中野区にある私立小学校「新渡戸文化小学校」を紹介します。

同校は、名前のとおり初代校長である新渡戸稲造の理念をベースとしながらも、それを現代にあわせて再デザインした多様な取り組みを進めているのが特徴です。学校からの「しあわせをつくる人になろう」「ルールは変えられる」といったメッセージを受け取り、子どもたちは自主性をどんどん伸ばしています。

今回は、「新渡戸らしさ」があふれる理念や取り組みについて、校長補佐・小学校教育チーフデザイナーである遠藤崇之先生と、教諭・教育デザイナーである沼尻淳先生にインタビューさせていただきました!

新渡戸文化小学校が掲げる「Happiness Creator」とは

新渡戸文化小学校の遠藤先生のインタビュー風景

▲取材にご対応いただいた遠藤先生

編集部

最初に、新渡戸文化小学校の教育理念についてお教えいただけますか?

遠藤先生

私たちは「Happiness Creator」という大きなビジョンを掲げています。小学校向けの言葉にすると「しあわせをつくる人になろう」で、いずれも本校の姿勢を表す重要なキーワードです。2019年に平岩(国泰)が学園理事長となったタイミングで、新しく定められました。

学校名でおわかりかもしれませんが、本校の初代校長は旧5千円札の肖像にもなった新渡戸稲造です。新渡戸の教えは「利他の精神」がひとつの柱になっているので、それを現代風にアレンジして、自分の幸せも他人の幸せもつくっていこうという想いを込めたのが「Happiness Creator」なんです。

編集部

子どもたちには、学校側の想いをどのように伝えているのでしょうか。

遠藤先生

単純に「しあわせをつくろう」という概念を伝えても、理解はできても行動にはつながりにくいですよね。

なので、具体的にどう落とし込むかを教員同士で議論してつくりあげたのが「12の学習者像」です。これは、「どんな要素があったら、Happiness Creatorに近づけるだろう?」という視点で教員全員で対話をしていき、最終的に「のぞむ人」「生み出す人」「ちがいを愛する人」などの12種類の像が生まれました

この学習者像はいろいろなシーンで使われています。クラスの目標として「今学期は楽しめる人、ふみ出せる人を目指していこう」というように伝えたり、行事でも「文化祭を通してどんな人になってほしいか」を考えるなど、教員が計画を立てる指標として使用したりしています。

ルールは自分でつくる。全校ミーティングを通して生まれる自主性とは

新渡戸文化小学校の校内の掲示物

▲「全校ミーティング」に関連する掲示物

編集部

「しあわせをつくる」ことを目標にした新渡戸文化小学校の取り組みの中で、特徴的なものを教えていただきたいです。

遠藤先生

いろいろなことをがんばってやっていますが、ひとつ紹介するなら全校ミーティングでしょうか。これは、簡単に言うと「学校のルールは子どもたち自身がつくる」というルールメイキングのプロジェクトです。

たとえば、シャープペンシルを小学校で使っていいかどうかは、どこの学校でも持ち上がる子どもにとっては大切なトピックですよね。全校ミーティングでは、「学校に必要な筆記用具を考えよう」というテーマを設定し、まずはクラスで話し合い、まとまった意見を紙にまとめたり動画を撮ったりして、全校で各クラスの意見を見られるようにします。

その後、各クラスの意見も参考にしながら再度話し合って、「にとべサミット」と呼んでいる最終的な議論の場にクラスの代表者が持っていく意見について決定します。

にとべサミットは、1〜6年生の各クラスの代表者が出席し、司会進行は代表委員が中心となって運営します。議題に上がるのは子どもたちの意見だけではなく、教員の代表が参加したり、保護者にアンケートを取ったものを教員が代理として意見を述べたりもします。そして、この場で最終的な結論が導かれます。

なお、先ほどの筆記用具の結果としては「低学年は運筆の練習も必要なので鉛筆が中心。中学年・高学年は勉強の邪魔にならないシャーペンも使用可能」ということが決定しました。児童としても「自分の意志を伝えれば変えていけるんだ」と実感する機会になったと思います。

沼尻先生

そうやって身についた姿勢は、全校ミーティング以外の場でも発揮されています。この前は、「体育館では必ず体育館シューズを履くこと」というルールに対して、「クラブ活動ではバスケットボールの専用シューズを履いているのだから、体育の授業でも使っていいのではないか」と交渉しに来た子がいましたね。

それを聞いた担当教諭も、すぐにOK・NGを出すのではなく「職員会議で話し合ってみるね」と返しています。ちゃんと自分の意見を聞いてくれるという信頼があるので、子どもたちの自主性がより育っているのだと感じています。

編集部

通常、小学校では「ルールを守りましょう」という教えが優先されると思うのですが、このような取り組みをしている理由は何なのでしょうか。

遠藤先生

それは、現状の教育の在り方に危機感を覚えたからです。ある調査結果(※)で、日本の18歳は他の国と比べて「自分が大人である」「自分で国や社会を変えられる」という意識がダントツに低いことが明らかになっています。
(※)日本財団「18歳意識調査 第20回 社会や国に対する意識調査」(2019年11月30日)
https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2019/11/wha_pro_eig_97.pdf

このデータを見て、教育に携わる者としてはショックを受けますよね。18歳は小中高の学校教育が一巡したタイミングなので、このような結果が出るということは、やはり何かしら学校教育に問題があるのではと考えてしまいます。

もしかすると、「先生に言われたことをやるのが良い子」という考え方が植え付けられているせいで自主性が育っていないのではないか。その状況を変えるために、自らが責任の一端を担って提案していける学校のルールメイキングの取り組みを始めたという経緯です。

先生というより「教育デザイナー」。子どもの自律を導くのが教員の役割

新渡戸文化小学校の沼尻先生のインタビュー風景

▲取材にご対応いただいた沼尻先生

編集部

これまでのお話から、御校は「子どもを子ども扱いしすぎない」考え方がベースにあるのだなと思いました。先生ご自身はどう感じていますか?

沼尻先生

おっしゃるとおりです。その考え方は我々の肩書きにもあらわれていて、本校では教員のことを「教育デザイナー」と名付けているんです。

私たちは「子どもが知らないことを教える先生」ではなく、カリキュラムや授業をデザインしながら伴走することで、児童が成長していくためにサポートしていく存在です。ただ上から下に教えるだけの役割ではないということですね。

言われたとおり勉強をしてテストで100点を取ってもらうのが目標ではなく、子どもたちには自律した学び手になってほしい。その過程では、友達との関係性、どうやったらうまくプロジェクトを進められるのか、やるべきことをさぼってしまう自分の心と向き合うことなど課題は出てきますが、それを乗り越えるためにいろいろな工夫をするのが、教育デザイナーの仕事です。

私は公立の学校から新渡戸文化小学校に移ったのですが、毎日の授業で工夫しながら教えることだけではなく、自律した学び手というゴールに向かうための授業デザインを設計することがメインになったので、授業者や教師というより、この『デザイナー』という呼び名がしっくりときていますね。

新渡戸文化小学校の「ワクワクする授業デザイン」

新渡戸文化小学校の遠藤先生と沼尻先生が賞状を持っているようす

▲「ソニー子ども科学教育プログラム」で沼尻先生の論文が受賞し、優秀校に選定された

新渡戸文化小学校の創意工夫や仕掛けがあふれる授業は、校外からも高く評価されています。ひとつの実績として、沼尻先生が取り組まれてきた探究型のプログラムは、ソニー教育財団「2023年度 ソニー科学教育プログラム」で優秀賞を受賞しました。

今回、その詳細についてご本人から紹介していただきました!

■受賞のニュースリリースはこちらから!(新渡戸文化小学校公式サイト)
https://nitobebunka.ac.jp/media/media-4702/

■沼尻先生の論文はこちらから!(公益財団法人ソニー教育財団公式サイト)
https://www.sony-ef.or.jp/program/result/pdf/2023_sci_g_nitobe.pdf

自分が好きなテーマを深堀りしていく「WonderTime」

新渡戸文化小学校の「WonderTime」で調べた結果を記入する子どもたち

▲いろいろな環境で探究できるのがWonderTimeの特徴。これはグループで協力して行う「わくわくバトルーム」方式

編集部

新渡戸文化小学校の探究型の授業で、沼尻先生が先頭に立って進めたものについて詳しくお話しいただけるでしょうか。

沼尻先生

大きく分けると2つの軸があって、そのひとつが「WonderTime(自由探究)」です。

学習指導要領で定められているとおり、「総合的な学習(探究)の時間」はどの学校でも実施されていますが、その多くはクラス全員で「SDGsについて調べましょう」などと共通のテーマを設定されています。WonderTimeでは、個人が自由に探究テーマを深堀りしていけるのが特徴です。

「探究」というと、一般的に理科のイメージが強いと思います。でも、この時間ではそれぞれが発見した「Wonder」を調べればよいので分野は問いませんし、教科書に関連したトピックでなくてもいいんです。

たとえば「ポップコーンが大好き」という子は、映画館でなぜポップコーンが食べられているのかに興味を持ち、映画黎明期のアメリカのエピソードがきっかけだった(※)ということを調べてきました。
(※)面白くない映画に対してスクリーンに物を投げる客がいたので、投げてもダメージが少ないポップコーンを提供した(諸説あり)

テーマや調べた内容が重要なのではなく、関心を持った事柄を自分なりに掘り下げていって、「知ることの喜び」を実感することが大事なんです。

新渡戸文化小学校の「WonderTime」で発表する児童

▲「ポップコーン学」の発表風景。WonderTimeで調べたことは「◯◯学」という学問として定義される

編集部

自由に調べていくのは難易度が高そうなのですが、どんなサポートをしているのでしょうか。

沼尻先生

テーマが見つからない子には、いろんなテーマを時間と関心の度合いで当てはめたスケールを作って一緒に考えたり、深堀りするために戦隊モノのキャラクターが「比較してみたらどうなる?」「もし◯◯だったら?」といった問いを促したりと、自分から動き出すための工夫を用意しています。

また、WonderTimeで調べた研究結果は「スタディフェスタ」という行事内で発表するので、知ることに加え、それを伝えるという楽しさを実感できます。発表形式は、子どもの特性にあわせて壇上で話す「プレゼン方式」と、ボードを作成してまとめる「プロジェクトボード方式」の2つがあります。

新渡戸文化小学校の「WonderTime」で調べた結果をボードで発表しているようす

▲プロジェクトボード形式での発表風景。プレゼン形式との選択は子ども自身が行う

プロジェクト型の理科で、すごろくゲームを作ることも

新渡戸文化小学校のプロジェクト型の理科の授業風景

▲プロジェクト型の理科の授業。「ほねほねミュージアムを作ろう」「Osakana de Art」などユニークなものがいっぱい

編集部

探究型の授業について、他にも特徴的な取り組みはありますか?

沼尻先生

新渡戸文化小学校では、独自の教科として「プロジェクト科」というものを設けています。いわゆるPBL(※)的な取り組みで、正解のない問題に対してチームで探究してアウトプットをするという内容です。2023年度から各教科の学習にも落とし込んでいるのですが、中でも理科の授業は特徴的だと思います。
(※)PBL(Project Based Learning):課題解決型学習。自ら課題を見つけて解決することで、非認知能力(協働力・やり抜く力・計画力)を伸ばしていく手法

事例をひとつ紹介すると、植物が発芽後に成長して実ができるまでをゲームにした「プランツすごろく」を子どもたち自身で作りました。すごろくを進めながら、植物が育つために必要な条件を自然に学んでいける内容です。このすごろくを造る過程では、グループで話し合う中でいろんなアイデアも出て、「太陽カードと水カードが揃ったら芽が出る」というような仕組みも自然とできあがりました。

新渡戸文化小学校のプロジェクト型の理科で製作された「プランツすごろく<p class=

▲「プランツすごろく」の実物と製作風景。子どもたちのアイデアが存分に盛り込まれている

編集部

すごく面白い授業ですね!子どもたちの反応はいかがでしたか?

沼尻先生

1人ではなくグループでの作業にしたので、みんなと協働して作業を分担したり、うまくコミュニケーションを取ったりしていて、楽しそうに取り組んでくれましたね。

もちろん途中で失敗することもありますが、そういうときも基本的には児童の力を信じて任せていて、我々のやることは質問に答えることと、割と良い色鉛筆を用意したことくらいでしょうか。そのおかげもあって高いテンションで作業していたと思います(笑)。

新渡戸文化小学校の子どもたちがイキイキと過ごす場所とは

新渡戸文化学園のエントランス

新渡戸文化小学校を運営する新渡戸文化学園は、子ども園のほか中学校・高等学校・短期大学を設置しています。それらは小学校と同じ敷地内にあるため、子どもたちはいろいろな施設や設備を共有できるのです。

また、中学・高校では水曜日を「クロスカリキュラム」という探究の時間に充てており、その日は時間割がないので、小学生と高校生の授業が同じ場所で実施されるような光景も当たり前に見られます。異年齢の交流が活発なのも同校の特徴です。

ここでは、学園全体の各スポットをご紹介いただきました!

教わらないからこそ自由に創造できるものづくり空間「VIVISTOP」

新渡戸文化学園の「VIVISTOP NITOBE」のようす

▲国内・海外で展開されているクリエイティブラーニングスペース「VIVISTOP」。世界で初めて学校の中に誕生した

編集部

この広々とした、ものづくりに特化したスペースはいったい何なのでしょうか。

遠藤先生

正式名称は「VIVISTOP NITOBE」で、我々は単にVIVISTOPと呼んでいます。図画工作やプロジェクト科の授業で使うほか、中高生や短大生も普通に利用していますし、ときには地域にも開放しています。

新渡戸文化学園の「VIVISTOP NITOBE」の製作風景と製作物

▲理科の授業ではVIVISTOPで3Dプリンターやいろいろな道具を使うことも

遠藤先生

このスペースが面白いのは、そもそものコンセプトが「No Teacher. No curriculum.」だというところです。誰かが教えることもないし、決まったカリキュラムもない。あるのは道具と余白だけという環境が、子どもたちの「作りたい」という気持ちを刺激するんですね。

VIVISTOPを眺めていると、高校生が高度な工作をしている横で、電車好きな小学生がパタパタ動く方向幕を自作しようと頑張っていたりする。自分の好きなもの、得意なことをさらに追究していくための格好のツールになっていると思います。

新渡戸文化学園の「VIVISTOP NITOBE」内風景

▲さまざまな機材や作品が並ぶ。右下は取材中に児童にプレゼントされた折り紙のハト

沼尻先生

VIVISTOPには3Dプリンターやレーザーカッターなど最新の工作機器もあれば、金づちや糸のこのような工具もあります。

理科の授業の一環で子どもたちにアウトプットを促したとき、「こういう発表にしたいからVIVISTOPで作りたい」と向こうから言ってくることもありますね。校内に自由な作業スペースがあるというのは、児童にとってもすごく良いことだと感じています。

新渡戸文化学園の「VIVISTOP NITOBE」に置かれている椅子の模型と実際の椅子

▲VIVISTOPを活用したプロジェクトでは、子どもとデザイナーが連携し実際の椅子を製作したことも

できるだけ無添加にこだわった手作りの給食「にとべごはん」

新渡戸文化小学校の給食「にとべごはん」の一例

▲学園内のカフェテリアで作られた「にとべごはん」。食にこだわっているのも同校の特徴

編集部

新渡戸文化小学校では、手作りの給食を提供されていると伺いました。

遠藤先生

そうなんです。私たちは「にとべごはん」と呼んでいるのですが、給食は校内で手作りかつ完全無添加で、栄養士が監修しています。また、一般社団法人全日本・食学会とも包括連携協定を結び、スターシェフコラボの「にとべごはん」も年に数回行われています。

小学校の給食ではめずらしいと思うのですが、メニューの7割が和食なのも特徴で、さらにその中の3分の1が魚料理です。箸使いが自然と身につくよう、骨を取る必要があるものも平気で出しています。

このような方針は、初代校長の新渡戸稲造が日本初の農学博士であることも影響しています。伝統的に「食」を大切にしているので、毎日の食事自体をメッセージにして、素材を活かした栄養のあるものを美味しく食べられるようにしているんです。

実は保護者様からも好評をいただいていて、レシピ本も発売されているくらいです。

■新渡戸文化小学校の給食を取り上げたレシピ本はこちら!(新潮社公式サイト)
https://www.shinchosha.co.jp/book/337051/

「NITOBE THEATER」などスタイリッシュな空間が多い

新渡戸文化学園の「NITOBE THEATER」の入口と室内

▲レッドカーペットの先にある「NITOBE THEATER」

編集部

その他に、御校ならではの施設をご紹介いただけますか?

遠藤先生

わかりました。レッドカーペットを通ってたどり着くこの「NITOBE THEATER」は、スクリーンに資料を映してプレゼンをしたり、音楽の演奏を楽しんだりできる場所です。

先ほど少し触れた「スタディフェスタ」もそうですが、本校はみんなの前でプレゼンをするイベントが比較的多いので、結構頻繁に利用しますね。

新渡戸文化学園の「PC LOUNGE」

▲インタビューを実施したPCラウンジ

編集部

こちらのPCラウンジはすごくおしゃれですね!

沼尻先生

ありがとうございます。本校は建物自体は古いのですが、木を使った温かい内装であったり、昔からあるものをリノベーションしたりと、デザインにはこだわっています。

PCラウンジには最先端のPC等が揃っていて、短大生が実習をするために利用しているのをよく見ます。

新渡戸文化学園のグラウンド

▲全面が天然芝のグラウンドも!

新渡戸文化小学校の「父母会」と「アフタースクール」

新渡戸文化小学校のアフタースクールのプログラム一覧

▲アフタースクールのプログラム一覧

編集部

小学校のPTA活動について関心をお持ちの保護者の方も多いと思います。新渡戸文化小学校ではどのように取り組まれていますか?

遠藤先生

本校ではPTAではなく「父母会」と呼んでいますが、参加する保護者の皆様には、通学の見守りや校外学習の付き添いなどさまざまな学校運営のサポートをしていただいています。

ただ、負担としては昔に比べるとかなり軽減されていると思いますね。今は共働きのご家庭が増えていることもあり、文化祭に出店するなど「楽しいけどちょっと大変」という活動は基本的には減らしています。

編集部

子どもたちだけでなく、時代に合わせて保護者視点でも学校を変化させているのですね。

遠藤先生

はい。そもそも本校は、「ワーキングペアレンツサポート」をひとつのキーワードとして、共働きであっても安心してお子さんが成長していくような学園を目指しているんですね。その象徴が、日本一を目指しているアフタースクールの存在です。

アフタースクールでは、夜19時まで児童をお預かりしているのですが、ただ自由に過ごせるだけではありません。自分で予定を決めてタイムマネジメントの能力を伸ばしていけるほか、20種類以上の多様なプログラムを用意しています。

しかも、プログラムは学校の教諭が片手間で教えるのではなく、各分野の一流の外部講師に依頼しています。バスケットボールであればBリーグのプロプレイヤーに来ていただいてますし、ダンスであればミュージシャンのバックダンサーとして大きなステージにも立った方に教えてもらえます。

編集部

ただ子どもを預かってもらえるだけの場所ではなく、新たな学びや成長のきっかけを得られるのが御校のアフタースクールなんですね。保護者の方も大喜びなのではないでしょうか。

新渡戸文化小学校から保護者へのメッセージ

新渡戸文化小学校の遠藤先生と沼尻先生

編集部

最後に、新渡戸文化小学校から読者の皆様へメッセージをお願いいたします。

遠藤先生

「Happiness Creator」が育つ学校を目指す本校は、よく「ベンチャーみたいですね」と言われることがあります。それは我々にとって本望で、教員自体も学び続けながら、ベンチャー企業のようなスピードで変わり続けたいと考えているんです。

本日お話ししたような取り組みはあくまで「いま」考えるベストウェイであって、今後予定が変更となったり、チャレンジがうまくいかなかったりすることもあるかと思います。

でも、子どもを主語にしながらも改革を続けていく新渡戸文化小学校のスタイルに賛同いただき、これからの教育を一緒に作り上げていきたいと感じていただける方がいらっしゃったら、ぜひご入学を検討していただければと思います。

沼尻先生

私からは、この学校を象徴するようなエピソードをぜひお話ししたいと思います。

私が赴任して1年生の担任を受け持ったとき、集団で行動するのが少し苦手な子がいました。いまやりたいことを優先したいけど、学校生活の中では思いどおりにいかないことが多くて、それで苦しくなってしまう。

でも、私たち教員と周りの子どもたちは決して急がすことなく、その子が自分のタイミングでみんなの輪に入ってくるのを待ってあげられたんです。すると、ひょんなタイミングで向こうから話しかけてきて、お互いに認めあい、ほめあうことができました。これがすごく嬉しかったんです。

その子はものづくりの分野ですごく才能があって、理科の「ほねほねミュージアムを作ろう」という授業では、驚くほど精密な動物の骨格を紙粘土で製作していました。

このように、自分の得意なことを他の子と共有しながら意見交換をして、多少違いがあっても尊重しあうような関係性を築けるのが、本校の良いところだと思います。どうしてもキャッチーなプロジェクトが注目されるのですが、こんな雰囲気で学んでいける学校だということも、ぜひ知っていただければと思います。

編集部

「しあわせをつくる人になる」という明確な方針をもとに多くの取り組みをされている新渡戸文化小学校。その根底には、他人のことを思いやる姿勢があるのだと改めて感じました。本日はありがとうございました!

新渡戸文化小学校に通う児童の保護者の声

ここでは、新渡戸文化小学校に通うお子様を持つ保護者の声から、いくつかを抜粋して紹介していきます。

新しい取り組みを積極的にされていて、スタートアップ企業のように魅力的。でも、基礎学力をつけることもおろそかにしていないと感じています。

小学校だけでなく学園内のいろんな施設が使えたり、アフタースクールでプロの先生から教わったりと、いろんなことが体験できる。子どももいつも「楽しい」と言っています。

全体の児童の数が少ないぶん、授業でもその他の機会でも丁寧に見てもらえている印象。

私もそうですが共働きの家庭が多いので、放課後はアフタースクールで安心して過ごせるのが本当にありがたいです。

全体的に「今までにない新しい学校」だと感じている方が多く、教育方針に共感している声がたくさん見られました。また、共働きのご家庭が多いためか、アフタースクールの存在を頼もしく思っているという意見も複数ありました。

お問い合わせ

問い合わせ先 学校法人新渡戸文化学園 新渡戸文化小学校
住所 東京都中野区本町6-38-1
電話番号 03-3381-0124
公式サイト https://www.el.nitobebunka.ac.
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