40年前からモンテッソーリ教育を実践!「まこと保育園」の自由保育の魅力

注目の保育園・学校を特集するこの企画。今回は、東京都江東区にある「まこと保育園」にお話を伺いました。

まこと保育園は1979年に東京都江東区の下町情緒の残る深川地区で開園し、40年以上モンテッソーリ教育を取り入れた保育を提供しています。子どもの自由を尊重することによりのびのびと育つその姿は、同じ施設にいる高齢者の癒やしにも繋がっています。また、在園中だけでなく、卒園後も保育園との縁や絆が繋がっており、いつまでも成長を見守り続けてくれます。

今回はそんな「まこと保育園」の保育理念や、同じ敷地内に0歳から100歳超までが生活するその環境の魅力などについて、園長の中川信枝先生にお話を伺いました。

子どもたちの自由を尊重する、まこと保育園の保育方針

まこと保育園園長の中川先生

▲インタビューにお応えいただいた園長の中川先生

社会福祉法人聖救主福祉会が運営する「まこと保育園」には、子どもの“自由”が最大限尊重され、やりたいことをやらせてもらえる環境があります。子どもを案じ何かと行動を制限してしまう大人も多い中、なぜこのような環境を実現できているのでしょうか。まこと保育園の根底にある価値観や考え、その実現のための工夫について、中川先生に伺いました。

キリスト教の価値観のもと、モンテッソーリ教育を取り入れた自由保育を実践

まこと保育園の子どもたちの様子

編集部

まずは、まこと保育園で掲げられている保育理念を教えてください。

中川先生

まこと保育園の保育の根底には「子どもたちは自分で育つ力を神様から授かっている」という考えがあります。

子どもたちをよく観察しているとわかるのですが、子どもたちは、自分の発達段階に応じた刺激や活動を自分で見つけるアンテナを持っているんです。子どもが「面白そう」と興味を示すものは、今の自分を成長させるために必要な刺激や動きを持つもので、だからそれに一生懸命取り組んで吸収し、さらに次の面白そうなものを見つけて、また取り組む。そうやってステップアップしながら自分で自分を発達させていくことができる。子どもにはそんな生命の力が備わっています。

それは子どもの年齢に関わらず、生まれてきた瞬間からみな同じです。赤ちゃんでも、周囲の環境からさまざまな刺激を自分に取り込んで、日々どんどん成長していく力を持っています。

編集部

まさに「子どもには自分を育てる力が備わっている」というモンテッソーリ教育の理念に通じる考え方ですね。まこと保育園ではそういった子どもの好奇心、興味を発揮させていく上で、どのような保育を実践していらっしゃるのでしょうか。

中川先生

まこと保育園では子どもの興味に合わせて自由に過ごす「自由保育」を実践しています。自由というのは「何でもやっていい」ということではありません。「自分の行動は自分で決める」ということです。「選択肢がある中から自分で選ぶことができる」というのがまこと保育園の考える自由です。

まこと保育園の役割は、自分で選べる環境を子どもに提供してあげること。子どもをよく観察し、それぞれの年齢の部屋に子どもたちの発達段階にぴったりの活動ができる教材や遊具などを用意し、「どうぞ、自由にやりたい活動をしてください」という環境をつくっています。

子どもは、やりたいことをやっているとき、とても集中し、やり終えると(終了も子どもが決めます)とてもすがすがしく、気持ちの良い表情をします。見学に来られる皆さんも子どもたちの落ち着いた姿に驚かれます。

まこと保育園ではそれぞれ自由に探索しながら自分のアンテナに引っかかる遊びに自発的に取り組んでいるため、子どもがのびのびと過ごせています。

職員を多めに配置し、安全を確保したうえで「子どものやりたい」を尊重

まこと保育園の子どもたちの様子

編集部

大人は「これをしたら危ない」「これに取り組んでほしい」とつい子どもの動きを制御してしまいがちですが、まこと保育園の保育士さんは基本的に子どもの意思を尊重し、見守るスタンスでいらっしゃるんですか?

中川先生

はい。多少危ないことでも子どもがやりたがっていたらやらせてあげています。普通は「危ないからだめ」となると思いますが、子どもがやりたいのなら、その中に自分を成長させられる要素があるということですよね。なので、そこに大人がひとりつき、危険なくやらせてあげています。こちらの都合ではなく子どもの「やりたい!やりたい!」という命の力の導きを優先しています。

ただし、当然ですが子どもたちの安全管理が最優先です。子どもたちに目が行き届くよう、保育士も多く配置しています。0~5歳、どのクラスも、配置基準をかなり超えた人数の保育士を配置しているため、子どもたちをしっかりと見守りながら自由な活動もさせてあげられます。

まこと保育園の子どもたちの様子

▲保育士に見守られながら、思い思いに過ごす子どもたち

例えば子どもが外に出たかったり、階段をのぼりたかったりした場合も、必ず誰かがついていって、危なくないようにサポートしながらやりたいだけやらせてあげます。そうすると、子どもは満足したタイミングで自分で遊びを終えることができるんです。安全に十分配慮しているからこそ、子どもたちはやりたいことを心ゆくまで行うことができています。

編集部

子どものやりたいようにやらせるというのは、ご家庭だとなかなか難しいところもありますよね。

中川先生

おうちでは、大人の価値観で環境がつくられていますし、お忙しい日々のなか、やってほしくないことなどをつい止めてしまうことはあると思います。また、子どもがいろいろなことをやりたがるのは自分を成長させるためだ、ということを保護者の方がご存知ない場合も少なくありません。

「ただの子どものわがままだと思っていた」という方もいるので、「子どもの成長にとって必要なことなんです」と伝えていくのも我々のとても大切な役割です。

「そうだったんですか! 子どもの見方が変わりました!」とおっしゃっていただくとうれしいですね。子どもと大人が「良い関係」になれるので。子育ての「喜び」や「楽しさ」を発見していただけます。

自由の尊重により育まれるのは「自己肯定感」と「思いやり」

まこと保育園の子どもたちの様子

編集部

「自分で自身を成長させるために子どもの自由を尊重する」という、まこと保育園の方針が良く分かりました。そうやって育っていった子どもは、どのような力を身に付けられるとお考えですか?

中川先生

自分で自由に選んだことには責任が伴うからこそ、成し遂げたときには達成感がありますし、失敗しても「どうしたらうまくいくのかな?」と考えることができるようになります。つまり、自分が人生の主体になることができるんです。それは人生を楽しく生きていくこと、力強く生きていくことにつながります。

また自由な意見を大人が認めてくれることで、子どもは「自分は自分でいいんだ」という自己肯定感を持つことができます。日本の教育は割と正解を求める傾向にありますが、そうすると間違いを恐れて発言しづらくなってしまいますよね。まこと保育園では子どもたちに正解を教えるのではなく、「どうしたい?」「どう思う?」と積極的に問いかけるようにしています。

それは人との関わりにおいても重要な意味を持ってきます。そうやって自分の自由を尊重された経験を持つ子どもは、相手に対してもそのような関わり方をするようになるんです。実際、園でケンカが起きたときも、子どもたちがお互いに話をしながら理解し合い、自分たちで解決している姿があります。

編集部

自由を尊重することで「子どもが自分のことしか考えなくなってしまうのではないか」と考える方もいるかと思いますが、そうではないんですね。

中川先生

人間は本来、自分だけ良ければいいという存在ではなく、皆が楽しくないと自分も嬉しくないと考える存在なんですよ。モンテッソーリ教育は「平和の教育」と言われており、自立・自律した人同士が理解し合って、幸せに暮らしていけるところを最終的に目指しています。

まこと保育園でも誰かが悲しそうにしていたら何とかしたい、誰かが嬉しそうにしていたら自分も嬉しいという気持ちを持つ子どもを育んでいきたいと考えています。

まこと保育園での成長が伝わる卒園後の子どもたちのエピソード

まこと保育園の幼児クラスの様子

編集部

まこと保育園でのそういった経験が、その後の子どもの人生で活きていることが伝わるようなエピソードがもしあれば教えていただけますか?

中川先生

まこと保育園では子ども同士の話し合いの機会をたくさんつくっているので、小学校にあがってからもポジティブな話し合いができているという話をよく聞きます。

印象的だったのが、まこと保育園で育った障がいを持つお子さんにまつわるエピソードです。その子が小学校でお友達に失礼なことをされ、先生もそれに対応してくれなかったといった出来事があったそうです。卒園児たちがそれを知ると、すぐに皆で先生にその状況を改善するよう直談判したそうなんです。

その後、きちんと話し合って状況を改善したとのことで、保護者の方も「あの子たちはすごい!」とおっしゃっていました。

そんなエピソードを卒園保護者からたくさん教えていただきます。私たちもとてもうれしいです。

編集部

大人でもなかなかできることではありませんよね!相手を思いやり、それをきちんと主張するというところに、本当にまこと保育園での経験が活きているんだと感じました。

まこと保育園での園生活の様子を紹介

ここからは中川先生と一緒にまこと保育園の施設内を巡りながら、施設全体の特徴やそれぞれの年齢のクラス紹介をしていきます。まこと保育園で子どもたちがどのような生活を送っているのか、ぜひイメージしながらご覧ください!

地域ぐるみの交流がさかん!0歳から104歳までたくさんの人の交流拠点に

まこと保育園の施設外観

編集部

まこと保育園のあるこの敷地には、同じく貴法人が運営するさまざまな施設があるんですよね。

中川先生

まこと保育園がある8階建ての建物は、「教会を中心とした一つの大きな家」をイメージしています。

1・2階がまこと保育園、3階から8階が高齢者施設「深川愛の園」、そして敷地内には教会付属の幼稚園もあり、施設全体で0歳から104歳までの大勢の方が暮らしています。建物1階には小学生の学童保育もあり、学校が終わると120人くらいの小学生がそこに集まってきますよ。

編集部

まこと保育園の園児と高齢者の方が触れ合う機会もあるのでしょうか?

中川先生

園児と高齢者の方が一緒に遊んでから一緒にお食事をするという機会を定期的に設けていますし、普段から園児が上の階に行って「歌を歌ってきた」「握手してきた」というように交流することもあります。施設には毎日子どもたちの声が響いているので、それが高齢者の方にとっても元気の源になっているようです。

また夏祭りや運動会、バザー、餅つきなどの行事は施設全体で実施しているため、赤ちゃんから小学生、ご年配の方まで参加します。運動会ではお子様と高齢者が一緒に踊ったり玉入れをやったりもしていますよ。

行事には地域の方も大勢来てくれるので、バザーのときなどは人がギュウギュウになっています!子どもにとって日常生活の中でいろいろな出会い、刺激、交流がある環境です。

編集部

まこと保育園が、地域の方も含めた多くの方との交流拠点のような存在になっていることが伝わります。

中川先生

本当にそうですね。行事のたびに卒園児もたくさん集まってくれるんですよ。小学生だけでなく、中学生、高校生、大学生、大人になっても来てくれるので、ずっとつながっているんだと実感できて嬉しくなりますね。保護者の方も「第二の故郷だよ」とおっしゃってくれます。

長く働いてくれている職員が多いので、子どもたちが帰ってきたときに当時の担任がいるということも大きなポイントです。卒園児が職員として戻って来てくれることもあるんですよ!私も今、教え子と一緒に働いています。

編集部

とても素敵ですね!まこと保育園が変わらない存在としてこの地域に存在していることが、卒園児にとっての安心にもつながっているんだなと感じました。

乳児クラスの保育:手作りおもちゃで子どもの発達をサポート

まこと保育園の子どもたちの様子

編集部

0歳から2歳の乳児クラスからご紹介ください。ここでは、子どもたちは普段どのように過ごしているのでしょうか。

中川先生

みんな、自分の興味のあるものを持ってきて遊ぶなど、思い思いに過ごしています。1歳児以降になると手先を使った遊びをしたがるので、たくさんある教材の中から自分で選んで持ってきて、遊び終わったら自分で戻しています。通路を通って外に行けるので、気候の良いときは外のテラスにも自由に行き来できますよ。

まこと保育園の子どもたちの様子

編集部

さまざまな教材がありますが、他の保育園ではあまり見かけないような手作り感のあるものもありますね。いくつか紹介していただけますか?

中川先生

これは、ペットボトルキャップをポトンと入れられるように作ったおもちゃです。(0~1歳)

まこと保育園乳児クラスの教材

▲まこと保育園の教材は、子どもの「やりたいこと」に合わせてつくった手作りのものが多い

同じようなもので、コインを入れるものもあります。入れるとチャリンと音がするのもそうですし、コインを持ったときの冷たさや重さなど、さまざまな感覚を刺激しながら遊べるのがポイントです。

またつまむことも好きなので、ペットボトルキャップより小さなどんぐりをつまんで入れられるおもちゃもあります。

まこと保育園の子どもたちの様子

▲成長につれて小さいものをコントロールできるようになっていく(0歳児クラス)

2歳になるともっと複雑な動きがやりたくなるので、ピンセットを使ったり、ボタンを留めたりというものも増やしています。自分の服のボタンを留めるのはまだ難しくても、子どもサイズの穴の大きなボタンなら、1~2歳でもできるんですよね。やりたいけれどまだ難しいことでも、子どものやりやすいように工夫することで「できた!」という体験を積み重ねられるようにしています。

まこと保育園乳児クラスの教材

▲2歳児クラスにはさらに複雑な動きができる教材が揃う

まこと保育園乳児クラスの教材

▲ボタンで連結できる電車の教材

中川先生

0歳から2歳までの乳児クラスの場合は特に、子どもが小さいものを扱うことで誤飲の可能性なども懸念されますが、だからといって一律で禁止してしまったら、子どもの「やりたい」という気持ちを阻害してしまいます。

小さいものを「つまむ」活動は何より0歳の子どもたちの発達に大切な、とっても「やりたい活動」なのです!

まこと保育園の0歳児クラスでは必ず保育士が1対1でついて危なくないように配慮しながら、やりたいことをやらせてあげられるようにしています。

まこと保育園の子どもたちの様子

▲小さいものを扱うときはもちろん、先生がしっかりと見守る

編集部

まこと保育園には量産された同じおもちゃがたくさんあるわけではないので、遊びたいおもちゃを他の子どもが使っている場合もあると思うのですが、その点はいかがですか?

中川先生

当然そういうこともあります。たくさん同じものを用意してあげれば良いのではないかと思われるかもしれませんが、1つしかないということも重要なポイントなんです。「これをやりたい、でも他の人が使っている」というときに、終わるまで待つというのも子どもにとって大切な体験になります。待ったら必ずできるという体験を重ねることは、「待つことのできる精神」=ゆとりのある「こころ」、信じる「こころ」を育みます。

先生から「今は他の人が使っているから待っていて」と言われると、怒られているように感じて「もういいや」となってしまう場合もあります。そのため「これ素敵だからやりたいよね」と、子どもの「やりたい」を受け止めて共感してあげることを意識しています。他に興味がいき、待つのをやめるのもOK。その子自身の判断ですから。

編集部

「やりたい!」も「もういいや!」も共感してもらえる存在が近くにいるからこそ、子ども自らが「待つ」ことを選べるようになるんですね。

まこと保育園の2歳児クラスのお茶コーナー

▲飲みたいときに飲めるお茶コーナー

コップがたくさん置かれていますが、ここは何のコーナーですか?

中川先生

ここは喉が渇いたらお茶を飲むことができるコーナーです。「お茶タイム」を設けてみんなで一斉に飲むという保育園もありますが、喉が渇くタイミングはそれぞれ違いますよね。そのためまこと保育園ではお茶コーナーを用意し、飲みたいときに飲めるようにしています。自分が欲しいタイミングで飲むからこそ「美味しい」と感じられる体験もできます。

また自分の「必要」は自分で訴えていいのだ、ということ、そうすればあなたをとりまく環境は必ず応えてくれるよ!ということを、乳幼児期にたくさん体験してほしいのです。

2歳児になるとお茶を自分で注ぐことができるので、こぼれたときに拭くための雑巾も一緒に置いています。こぼしたときに先生が拭くと、子どもは「またこぼしてしまうかも」と気兼ねしてしまうのですが、「こぼれたら拭けばいいんだ」という体験は、自分の行動を自分で完結させることができ、子どもにとって大きな「喜び」となります。

お茶を注ぐ・飲むという行動が、子どもの自立につながっているのです。

編集部

子どもも、自分で完結させることで満足感を得られそうですね。

中川先生

子どもは本来、自立したいという気持ちを持っているんですよね。大人のお世話になりたくないんです。自分のできることを増やしてあげることは、能力の習得だけでなく心の成長、自己肯定感を育むことにつながります。

幼児クラスの保育:みんなでやる活動から「思いやり」「コミュニケーション」を育む

まこと保育園の幼児クラスの様子

編集部

次は、3歳から5歳の幼児クラスについて紹介してください。

中川先生

3~5歳は、子ども同士の育ちを大切にする異年齢混合の「たて割クラス」になっています。幼児クラスでも、乳児クラスと同様に発達段階に応じてたさまざまな教材があります。

棚にある色鉛筆やはさみ、のり、画用紙、折り紙などは何でも自由に使用できます。壁に写真を貼っていて、それを見ればどこに何があったかがわかるようになっているため、子どもたちはそれを見て使ったものを自分で戻しています。それも「自分の行動を完結させる」という、乳児クラスでお話しした子どもの自立のための工夫のひとつです。

まこと保育園の幼児クラスの様子

▲壁に貼ってある写真を見本に、子どもたちで整理整頓できる

編集部

幼児クラスの子どもも、保育時間の間ずっと自由に過ごしているのですか?

中川先生

登園してから夜帰るまで、基本的に自由に過ごしています。午前中の時間で「お集り」を行い、日によっては散歩や体操、劇の練習などのみんなでやる活動も行っています。もうすぐ音楽会があるので、今はそのお歌の練習をしていますよ。

まこと保育園の幼児クラスにあるピアノ

▲幼児クラスは歌の練習も行う。讃美歌を歌うこともあるそう!

編集部

「自分のやりたいことをやる」という自由を尊重する姿勢はそのまま、皆で何かをするための時間も設けているんですね。

中川先生

0歳から2歳までは子どもが自分自身を育てる時期なので、その成長は「自分を満たす」ことに重点が置かれます。そこまででしっかりと自分を満たすと、今度は周囲に目が向いてくるんですね。

そこからどんどんと社会性が育っていくため、3歳くらいからは次の段階として「一緒に何かをする」ことが「子どもたちのやりたいこと」になってきます。いろいろなお友達とたくさんかかわり、いろいろな思いをし、いろいろな体験をする中でお友達への思いやり、コミュニケーションの部分が育くまれていきます。

まこと保育園の幼児クラスの様子

▲文字や数字を学習できる教材も

編集部

ひらがなの書き方がわかる教材もありますね。幼児クラスでは文字や数字の勉強も行っていますか?

中川先生

文字や数字の練習教材もありますが、子どもによって興味を持つタイミングや発達段階は異なります。子どもの成長のステップを無視して大人の都合で教えても興味を持てず、吸収もできないので、一斉に教えることはせずに子ども一人ひとりに合わせることを心がけています。その子のタイミングがその子にとっての「吸収の時」なんです。

まこと保育園の幼児クラスの様子

「たて割りクラス」により異なる年齢の人との接し方を体験している

まこと保育園の子どもたちの様子

編集部

幼児クラスは3歳児、4歳児、5歳児と異なる年齢の子どもが同じクラスになるたて割りなのですね。先ほどの高齢者との交流機会もそうですが、まこと保育園では意識的に異年齢交流を促進されているのでしょうか。

中川先生

その通りです。いろいろな年齢の人と関わるというのは、実社会のなかでは当たり前ですよね。しかし子ども時代に限って、大人の都合で年齢ごとのくくりにずっと入れられてしまうんです。それをたて割りクラスにすることで、自分より下の年齢、上の年齢の人と日常的に関わり合い、そこから多くのことを学んでいます。

この「日常的な関わり」というのがポイントです。例えば、年長の子のマネをして年少の子が折り紙をして上手くできない状況があったとき、その年長の子は「こうやるんだよ」というように声かけをします。言われてやるのではなく、自然にその行動ができるのは、普段から一緒に生活して「その姿を見て感じている」からこそです。そこが大切です。

また、自分も大好きなお兄ちゃん、お姉ちゃんがいて、その子たちにしてもらったから、自分も上の年齢になったときに同じことをする。そういう循環も生まれていきます。そこには「小さい子に優しくしよう」という「ルール」は必要ありません。

1階と2階で外遊びができる!自然や生き物に触れるため公園に出かけることも

まこと保育園の園庭

編集部

続いて施設内の園庭について紹介してください。園庭は走り回れるくらいの広さがありますね!

中川先生

1階には中庭、2階には園庭と乳児用テラスがあります。大きな子どもたちは、滑り台遊びが好きで毎日何回も滑っていますよ。これはもともと避難用の滑り台なので、普段から慣れていることで緊急時にも問題なく滑れるようになるという利点もあります。

まこと保育園の中庭

園庭だけでなく、外に行くこともあります。園庭には土がないので、草や虫と親しむために近くの公園にあちこち行っていますよ。

子どもの頃から、礼拝堂の厳かな雰囲気を体感

まこと保育園の敷地にある礼拝堂

編集部

まこと保育園の子どもは何歳くらいから礼拝堂に行くのでしょうか。

中川先生

秋の収穫感謝礼拝、クリスマス礼拝には0歳から全員集まっています。2歳の11月から、週に1度幼児礼拝を行っています。子どもたちはここで牧師さんと一緒に歌を歌ったり、聖書のお話を聞いたりしています。子どもは大人よりも素直なので、無条件に神様を信じ、「神様が守ってくれるんだ」と感じています。

編集部

とても厳かな空間ですよね。幼いうちからこういった普段とは違う空気を感じることは、子どもにとって貴重な経験になると思います。

中川先生

人の世の秩序の中で生きていく上で、人間を超えた存在を感じること自体が大切なんですよね。そして人知を超えた存在から「守ってもらえる」と感じられることが、生きていく上での安心感にもつながると思います。

成長とともに教会に行かなくなるというのはありますが、それでもここでの経験はずっと残ると思います。実際に、まこと保育園に見学に来る方も子どもの頃にキリスト教の幼稚園・保育園に行っていて、それが記憶に残っているという方も多いんですよ。

まこと保育園に通う保護者からの声

編集部

まこと保育園に通っている子どもの保護者の方からは、どのようなお声をいただくことが多いですか?

中川先生

「卒園してみて、まこと保育園はすごいんだというのが分かった」という声をよく聞きます。学校生活を通じて、子どもたちが自分で物事を考え、意見を言い合い、協力する姿勢が育っていることを実感されるようです。生徒会などいろいろなフィールドで活躍している子が多いということも聞きますね。

また先ほど卒園児がよく訪問してくれるというお話をしましたが、まこと保育園は卒園児同士のつながりも深いんですよ。保護者の方からも「第二のおうちです」と言っていただくことが多く、ここで過ごした時間がいかに子どもたちにとって大切なものになったのかを実感できて嬉しく思っています。

卒園してからも、お子さんのことで、またご自身のことで悩まれた時に相談に来てくださる保護者の方も大勢いらっしゃいます。私たちのことを思い出していただけるのは、とてもうれしいことです。

卒園児だけでなく、まこと保育園を見学に来られた方からも、よく「全然子どもの様子が違う」「笑顔がたくさん見られる」「いきいきしている」と言っていただいています。

古い建物で決して整然と片付いているわけではないのですが、「そんなことはまったく気にならない。子どもが自由にのびのびしていて、本当に楽しそう」というお言葉をいただけています。まこと保育園では園児はもちろん職員も含めて「皆自分でいていいよ」という方針を取っているので、皆の個性が輝く空間になっているんだと思います。

まこと保育園から保護者へのメッセージ

まこと保育園園長の中川先生

編集部

最後に中川先生から、まこと保育園に興味を持った保護者の方に向けてメッセージをお願いします。

中川先生

保育園を選ぶ際には、ぜひ実際の様子を見てください。子どもたちがどんな表情で過ごしているのか、先生はどんな声掛けをしているのか、先生たちはどんな表情なのか。園の雰囲気はその園によって全く違います。その上で、いいなと思う園を選んでいただきたいです。まこと保育園の子ども表情を見ていただいたら、本当にどれだけいきいきしているのか、楽しそうなのかが伝わると思います。

子育てに関して不安を抱えているご家庭も多いことと思います。でも安心してください。子どもは自分で育ちます。子どものやりたいことを自然にできる環境であれば、子どもはすくすくと伸びていける力をもともと持っています。まこと保育園にはそれを実現できる環境があります。ぜひまこと保育園の子どもたちの様子を見て、選んでいただけたらと思います。

そして、子どもとの生活が、こんなに豊かで楽しいものだということを、ぜひ感じていただきたいです。私たちは皆さんの子育てライフを共に歩む同志でありたいと願っています。

編集部

今回インタビューにお伺いして、子どもたちの本当に楽しそうな表情が強く印象に残りました。心から子どもに寄り添って、のびやかな育ちのために仕組み・環境を整えていらっしゃるまこと保育園さんだからこそだと思います。

本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

まこと保育園の基本情報

お問い合わせ http://makoto-hoikuen.com/contact/
住所 〒135-0041
東京都江東区冬木16-7
電話番号 03-3641-1428
公式サイト http://makoto-hoikuen.com/

※最新の情報はホームページでご確認をお願いいたします。