友達と楽しく学んで自主性が育つ、「ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平」の教育環境

神奈川県川崎市にある「ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平」はZ会グループの企業である「株式会社エー・アンド・アイ」が運営する全日制幼児園。モンテッソーリ教育に基づいた保育を提供しています。

子ども自身が持つ「伸びる力」を引き出すために、豊富な種類の教具を活用した取り組みを行っていることが特徴です。

今回はICEモンテッソーリこどものいえ宮前平が大切にしている保育理念や活動内容について、責任者の大﨑さんにインタビューしました。

伸びる力を育てる、ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平の保育方針

ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平の責任者の大﨑さん

▲ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平の責任者の大﨑さん

長い歴史を持つアイ・シー・イーのモンテッソーリ教育。ここでは、ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平の理念や保育方針などについてお聞きしました。

子どもたちが主体性を持って取り組めるような環境を整える

ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平の玄関

編集部

ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平の保育方針をお聞かせください。

大﨑さん

「アイ・シー・イー幼児教室」では、40年前からモンテッソーリ教育を行ってきました。モンテッソーリ教育をより長時間実践できる環境を子どもたちに提供したいと考え、約9年前に開設したのが「こどものいえ」です。

「伸びる子に育てる。」というアイ・シー・イーの理念を大切にしています。子どもたちが自己肯定感を持って伸びやかに成長していくために、子どもたちの主体性を尊重し、自分から進んで学ぶ力を存分に引き出せるようにしたいというのが保育方針です。私たちはそのための環境を整え、子どもたちを見守り、寄り添いながらサポートしています。

年齢の異なる子どもとの交流により社会性を育む

ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平の園内全景

▲木の温もりが感じられる園内には、様々な教具や絵本などが置かれている。

編集部

他の園にはないような、ここならではの特徴はありますか。

大﨑さん

1歳半から就学前までが通える園であるということです。年齢の異なる子どもたちが交流することは自分の個性を確立させ、社会性を育むのに役立ちます。この環境は保護者からとても喜ばれています。

編集部

年齢の異なる子ども同士で、どのような交流をされているのですか。

大﨑さん

公園に行くときには年長さんが年下の子の手をつないで、大きな道を歩いて横断歩道も渡ります。公園の中でも、年長さんがやっていることを年下の子が真似しながら一緒に遊んでいます。

夕方保育の時間も一緒に過ごすので、1歳半の子が年長さんのお膝に座る姿も見られます。

年下の子にとって、できないことを年長さんが手伝ってくれたり、困ったときに声をかけてもらえるのは良い経験だと思います。

その子が年長さんになったときに、自然と小さなお友達のお世話をしてあげる姿を見ると、年齢の異なる子どもたちが一緒に過ごすことはとても大事なことだと思います。

子どもの「こうしたい」「これをやってみよう」を引き出してサポートする

国名を書いた旗や国旗が立てられた世界地図

編集部

保育・教育の中で、工夫されていることを教えてください。

大﨑さん

子どもが自分たちで助け合って生活できるような環境を整えることを心がけています。

例えば遠足に行く予定があるときに、「ガイドブックがいるんじゃないか」とアイディアを出してくれた子がいました。「自分たちで作る」と「持ち物を載せよう」「表紙を作ろう」といった意見が出る中、「路線図を載せた方が良い」と言う子がいました。

その子は自宅で保護者の方にお願いして路線図をコピーし、園に持ってきてくれました。でもそれは遠足で利用する予定の路線図ではなかったのです。

そこで、お友達同士で「あれ、載ってないね」、「知っている子に聞けばいいんじゃない」と話し合って正しい路線図を書いていました。間違いがあったとしても、それが次の機会に活かせる学びになりますし、自分たちで考えて作っていけるのは楽しいことだと思います。私たちはその楽しさを引き出せるように、子どもたちを見守っています。

編集部

主体的な意見を安心して出せるような環境が整えられているのですね。

大﨑さん

小さい頃から様々な活動に主体的に取り組んでいるため、「自分でできた」という自信が積み上げられているのだと思います。「間違いがあっても、また挑戦すればいい」と思えるのは、自分に自信があって、お友達との信頼関係もできているからだと思います。

鉛筆立てや、図形を学ぶ教具が並んだ棚

▲カラフルで子どもの興味を引く教具は、色に合わせて片付けしやすい工夫もされている

編集部

子どもの好奇心や興味を刺激するために工夫していることはありますか。

大﨑さん

教具が美しく作られているので子どもたちから興味を示して手を伸ばしてくれます。あとはその興味を見逃さず、さらに広げられるように準備をします。

編集部

準備というのはどういうことでしょうか。

大﨑さん

例えば、星空が好きな子どもが星座を調べて興味を深めている様子であれば、さらに興味を持ちそうな教材を近くに置いておくことです。それを見つけて取り組むことで、さらに自発的に星座について掘り下げていけるようにします。「次はこれもやろう」と子どもたちが思い、主体性をもって取り組むための環境を整えるようにしています。

初めての教具を使うときは、「先生と一緒にやろう」と言っているのですが、試行錯誤しながら自分でできるようなことであれば、少し待ちます。やってみて難しそうであれば声をかけて一緒にやるようにします。

教具の使い方を教える先生

▲先生がまずやって見せて、使い方を伝える

ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平の環境

机の上に置いてある蝶々や鳥の絵が描かれたシール貼りの台紙と丸い形のシール

ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平では、モンテッソーリ教具だけでなくアイ・シー・イーが開発したオリジナルの教材も使用しています。これらを用いてどのような活動を行っているのかをお聞きしました。

教具を使って日常生活の練習が楽しくできる

お皿とスポンジが置かれたトレイ

▲スポンジを絞ることを練習をするためのセット

編集部

教具を用いた活動にはどういった狙いがあるのでしょうか。

大﨑さん

例えば1歳半から3歳のクラスでは「日常生活の練習」として、教具を使って実際の動作を行います。食器を洗う練習であれば、その前の段階としてスポンジを絞ることから始めます。

スポンジを絞る過程で水がこぼれてしまったときのために、床を拭く道具が用意されています。掃除や片付けも含め、子どもが自分で最後までやり遂げることができるよう準備がされています。

園内の手洗い場

▲手を洗う練習ができる場所には、バケツなどの掃除道具も置いてある

子どもが思わず手に取る魅力的なオリジナル教材

子どもが丸い台紙に糸を掛けている様子

▲「糸巻き台紙」は丸い台紙を持ち、糸を掛けていく。

編集部

オリジナルの教材を作られているとお聞きしましたが、たくさんありますね。
「糸巻き台紙」は、糸を扱う力や裁縫の練習をするものでしょうか。

大﨑さん

これは手首を回す動作を身に付けるものです。手首が柔らかくないとできませんし、台紙の持ち方によっては糸を巻く動作をうまくコントロールできません。

これも教えられるのではなく、何回もやったり友達のやり方を見たりして「ここを持つとうまくできる」というコツを見つけてできるようになっていきます。

亀、犬、魚、電車の形に作られた生地が入っている箱が並べられた棚

▲かわいらしいデザインの、つなぎあそびができるセット。

編集部

「つなぎセット」はかわいいデザインで、思わず触ってしまいますね。

大﨑さん

亀や犬の形に作られた素材をつないでいくことで、遊びながら衣服の着脱の練習ができるものです。面ファスナー(かめ)、スナップ(いぬ)、ボタンホール(さかな)、バックル(でんしゃ)の4種類が用意されています。

これらは保育の中で職員が手作りしていたものを商品化したものです。興味を示すようなデザインのもが豊富に用意されています。

子どもが紙に書かれたロケットの絵の枠に色紙を貼っている様子

▲枠に合わせて色紙を貼る様子。よく見ると正三角形や二等辺三角形など、形の異なるものがある。

木で作られたケースの仕切りの中に、丸や三角形の色紙、糊、筆が収納されている

▲「のりはり色紙」のセット。木のケースに優しい色合いの紙が入れられている。

編集部

この「のりはり色紙」もカラフルですね。

大﨑さん

子どもの興味を引くよう、色選びにはこだわりました。のりはりは、好きな色の紙を選んで台紙の枠にピッタリと合わせて貼る活動です。

三角形の中でも正三角形や二等辺三角形などがあり、微妙な違いもわかるようになります。糊が手につかないようにスポンジで紙をおさえるといった、自分なりの工夫も見えてきますね。

ハート形の編み込みバッグを作る様子

▲2種類の生地を編み、バッグを作る。

編集部

こちらのハートの編み込みのバッグはどういった教材なのですか。

大﨑さん

2色のフェルト生地を交互に編んでいくもので、編み終わるとハートの型のバッグが出来上がります。夢中になって編んでいくうちに指先のコントロールができるようになります。

ハート形の編み込みバッグを作る様子

▲輪の中にもう一つの生地を通し、編んでいく。

編集部

これは難しそうですね。私もできないかもしれません。どのようにしてできるようになるのですか。繰り返しやっていくのでしょうか。

大﨑さん

最初に先生がお手本を見せて、それを見て自分でやってみることの繰り返しですね。先生のやり方を見ていると生地を交互に、輪の中に入れながら編んでいることがわかるので、何度か練習すればできるようになります

教具の種類が多く、多彩な活動ができる環境

様々な教具が並べられた棚

▲数を学ぶ教具もたくさん揃っている

編集部

保護者の方は、どのような理由でICEモンテッソーリこどものいえ宮前平を選ばれるのでしょうか。

大﨑さん

「教具が充実している」とよく言われます。これまでご紹介したオリジナルの補助教材的なものも含め、モンテッソーリ教具がこれだけ揃っているところは少ないようです。

ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平の理念を支える先生方

数字を学ぶ教具が置かれた棚

ここからは、ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平で子ども達を支えていらっしゃる先生方の雰囲気や、子ども達に良い環境で過ごしてもらうために取り組まれていることについて、お話を伺いました。

先生同士・保護者とのコミュニケーションを欠かさない

絵本が置かれた棚

編集部

まずは先生方の雰囲気を教えてください。

大﨑さん

年齢は幅広く20代の方から60代の方まで在籍しており、モンテッソーリの勉強をした資格者や保育士がいます。日々のコミュニケーションを密にとりながら、相談し合ったり子どもたちのことを共有したりしています。

保護者との距離も近いですね。その日あった出来事や成長ぶりをその都度お伝えするようにしています。なるべくタイムリーにお伝えしたいという思いがあるので、毎日のコミュニケーションはとても大事にしています

保護者の皆さんも喜んで聞いてくださるので、嬉しいですね。その日の活動内容に沿ったかたちで「家庭ではこういう声かけをたくさんしてみてください」とお伝えすることがあります。保護者とのコミュニケーションで園の活動と日常生活が結びつき、より興味が深まるきっかけになっていると思います。

系列園との情報交換でさらに質の良い保育環境を提供

スプーンやトングを使って物を移す練習をする教具が並べられた棚

編集部

研修会なども積極的にされているそうですね。

大﨑さん

「ICEモンテッソーリこどものいえ」は宮前平以外にも関東圏に数か所あり、合同の会議や研修を毎月行っています。活動について情報交換し、他園の取り組みを導入してみることもあります。

お子様を預かるにあたっては何よりも安全管理が第一です。他の園の取り組みなどを共有し、安全性を高めるための努力は積極的にしていますね。

そのほかにも共有できる情報はたくさんあるので、教育知識や理念、安全管理についての考えをより深めるきっかけになっていると思います。

ボタンやファスナーの練習ができる教具が並べられた棚

編集部

他園の活動をお聞きして、実際に取り入れたことはありますか。

大﨑さん

手作業の得意な先生が編み物や刺しゅうの教材ファイルを共有してくれたことがありました。それによって、新しい編み方や図案を子ども達に提供できるようになりました。

子ども達の「やりたい」という興味や好奇心を、他園との情報交換によって膨らませられるのは私たちの強みです。

ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平から保護者へのメッセージ

笑顔で話す責任者の大﨑さん

編集部

最後に「ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平」に興味を持った方に、メッセージをいただいてもよろしいでしょうか。

大﨑さん

お子様の初めての集団生活はいろいろと心配することがあると思いますが、こどものいえでは温かく迎えたいと考えています。安心して預けられるような雰囲気作りを大切にしているので、ぜひ、こどものいえの良さを体感していただきたいです。

一緒にモンテッソーリ教育の楽しさを共有しながら、お子様の興味を引き出していきましょう。

ICEモンテッソーリこどものいえ宮前平の基本情報

住所 〒216-0006 神奈川県川崎市宮前区宮前平1-10-15-B1F
東急田園都市線 宮前平駅より1分
電話番号 050-1790-0512
受付時間 月曜日~金曜日 9:00~17:00
公式サイト https://www.ice-kodomonoie.com/class/miyamaedaira/

※最新の情報はホームページでご確認をお願いいたします。