「江戸川女子中学校・高等学校」の“生きた英語力”が身につく国際コースの魅力

特徴的なカリキュラムや他にはないカルチャーを持つことで注目を集める学校を紹介するこの企画。今回は東京都江戸川区の中高一貫女子校「江戸川女子中学校・高等学校」にお話を伺いました。

江戸川女子中学校・高等学校は1931年(昭和6年)に創立された90年超の歴史を持つ中高一貫校です。1986年から高校に英語科を開設し、さらに2021年には中学にも国際コースを新設するなど、英語教育に力を入れているのが特徴です。また中学生の頃から茶道や華道、箏曲や弦楽を経験し、日本の伝統文化に触れる機会があるのも魅力です。

そんな江戸川女子中学校・高等学校のカリキュラムの特徴や魅力、そして生徒たちの実際の学校生活の様子について、中学入試対策委員の水嶋先生、高校入試対策委員の山本先生に詳しく伺いました。

この記事の目次

「教養ある堅実な女性」「自立できる人」の育成を目指す

江戸川女子中学校・高等学校の山本先生、水嶋先生

▲インタビューに対応いただいた山本先生、水嶋先生

編集部

江戸川女子中学校・高等学校で掲げられている教育方針を教えてください。

水嶋先生

江戸川女子中学校・高等学校では、創立以来「教養ある堅実な女性の育成」を建学の精神として掲げています。本校での堅実な学びを通じて、最終的に「自立できる人」を育てていくのが目標です。

編集部

「自立できる人」を育んでいくために、日々の学びの現場ではどのような指導をされているのでしょうか。

水嶋先生

校外学習や行事など、より生徒の自主性が求められる場面で、特に「自立」を意識した指導を行っています。例えば社会科見学などは、中学1年生のときから完全に班行動かつ自主研修という形で実施しています。生徒たちが自分で予定を組み、現地集合・現地解散をするというのが江戸川女子中学校・高等学校の校外学習のやり方です。

それは旅行行事でも同じです。コロナ禍前は修学旅行も現地集合としていたんですよ。我々は現地にはいますが、様子を確認したり困り事があった際に電話をもらったりという補助的な役割に徹しています。そうすることで、生徒たちの学びに対する能動性や、自分たちのことは自分たちでやるという自立心を育む良い機会としています。

生徒に根付く自立の精神は、文化祭など生徒自治の場においても発揮

江戸川女子中学校・高等学校に通う生徒の特徴について語る山本先生

編集部

今お話いただいた教育方針のもと、江戸川女子中学校・高等学校にはどのような特徴や雰囲気を持つ生徒が育まれていると感じますか?

山本先生

「自立」を大切に教育を行っているため、自主性を持って物事を進める生徒は多いと感じます。それも「自分のことは自分でやる」という自主性にとどまらず、行事など集団で動く必要がある際にも、生徒が中心となって自主的な動きができているのが特徴です。

例えば文化祭などの大きな行事の場合は集団を統率していく役割が必要ですが、その役割を先生だけでなく生徒会がしっかり担っているんです。中学1年生のときから生徒会をはじめとするリーダーシップのある先輩の姿を見て学んでいるので、学年が上がるにつれて生徒たちのリーダーシップの取り方も段々向上しているなと感じます。

編集部

文化祭で印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

山本先生

文化祭では教室展示を行う関係で、各教室の机と椅子の個数調整を行わなくてはならないのですが、そのコントロールも生徒会の方で行っています。各クラスから希望個数を調査し、当日2,000個超ある机と椅子を動かしていくわけですが、実際に動かしてみると予め聞いていた希望個数通りにいかない場面が多々出てくるんですよ。

でも生徒会の子たちは各クラスが望むスペースを確保して展示ができるよう、本当に良く動いてくれるんですよね。その姿はまさに江戸川女子中学校・高等学校の校訓にある「喜働」に通じるところがあるなと感じています。「喜働」というのは「何事にも創意工夫を凝らし、自分にも他人にもより良い結果をもたらすように行動する」ことを意味する造語なのですが、そういう生徒たちの姿を見て、こちらも頑張ろうと思わされるところがありますね。

のびのびと過ごしつつ、勉強に前向きな生徒が多いのも特徴

取材に応じてくださった山本先生と水嶋先生

▲優しいまなざしで生徒の特徴を教えてくださる先生方に、生徒への大きな愛情を感じます

編集部

その他にも江戸川女子中学校・高等学校の生徒らしい特徴などがあれば教えていただけますか?

山本先生

女子生徒だけでのびのびと過ごしていることもあって、素直で落ち着いている、ほんわかした雰囲気の生徒が多いなと感じますね。学校全体に温かい空気感があります。

水嶋先生

女子校ならではの特徴ですが、共学に比べて単純に同性の生徒数が多いので、趣味が合う友達に出会う機会も増えるんですよね。そういう意味でも過ごしやすさはあるのではないかと思います。

それに加えて江戸川女子中学校・高等学校には、生徒同士でお互いの個性を認め合うような雰囲気があるのも特徴です。いろいろな趣味を持つ生徒がいますが、自分の趣味と違っても否定せず、違いを認めて共感し合えるような生徒が多いんです。

また江戸川女子中学校・高等学校では教育方針にも「教養」を謳っており、課題も含めて日々の勉強機会を重要視していますが、毎日の勉強に対しても前向きに取り組む生徒が多いと感じます。

とはいえ勉強だけでなく、部活動に打ち込む生徒も多いですよ。生徒にとって部活動はクラスとはまた違う居場所ができるという意味で、良いものになっていると思います。

江戸川女子中学校・高等学校の特色ある授業・イベント

ここからは、他にない江戸川女子中学校・高等学校ならではの特別授業や、伝統的な行事について紹介します。

日本文化を学ぶことで国際交流にも役立つ!茶道や華道などの教育活動を実施

江戸川女子中学校・高等学校の和室にある茶器

▲茶道、華道など江戸川女子中学校・高等学校ならではの活動が充実

編集部

江戸川女子中学校・高等学校らしさが伝わるような、特色のある教育活動があれば教えてください。

山本先生

中学校では特別教育活動として単位を1つ作っており、1年間、週に1回のペースで茶道や華道、箏曲を学んでいます。また、音楽の授業で弦楽器を習う期間もあります。専門の先生から継続的な指導を受けられるのは、他の学校にはなかなかない環境なのではないでしょうか。

編集部

普通に生活していても経験できない、すごく貴重な体験ですね。生徒の皆さんからはどのような反応がありますか?

水嶋先生

お茶の授業が一番好きという生徒もいるくらい人気です!作法を習うこと自体もそうなのですが、お茶を飲んでお茶菓子を食べるという時間でもあるので、授業とはまた違う落ち着く時間ということもあるようです(笑)。

山本先生

学んだときは「何となく楽しかった」というくらいだったとしても、卒業後に活きてくる場面が意外とあるのかなと思います。私の妻も同じく女子校出身で生け花の授業があったそうなのですが、今でもその技術が身についていて、華道の授業で余った花材を持ち帰るとうまいこと生けてくれるんですよ。

水嶋先生

あとは、日本文化を学ぶ機会になっているというのも大切なポイントです。日本にいると日本文化のことを話す機会はあまりないかもしれませんが、海外に行くと話す機会が多くなるんですよね。本校の英語科の生徒が海外研修に行った際にも「ホームステイ先でこの特別活動で学んだことを話せるのがとても良かった」と言っていました。

編集部

なるほど。自身のスキルになるだけでなく、国際交流においても重要な役割を果たしているんですね。

高校では父兄も巻き込んだ伝統行事「第九演奏会」を実施

江戸川女子高等学校で行われる特色ある活動について山本先生に教えていただいた

編集部

特別教育活動は中学校のときに行うプログラムとのことですが、高校で行う特色のある活動などがあれば教えてください。

山本先生

高校1年生のときに、学校行事として「ベートーヴェン第九演奏会」を行っています。1994年に第1回を実施しているため、もう30年続いている本校の伝統行事です。

行事の立ち上げ時には吹奏楽部しかなかったのですが、第九演奏には弦楽が必要ということで弦楽部を発足した経緯があります。実は中学校の特別教育活動の一つに弦楽があるのも、弦楽部の発足に伴ってのことなんですよ。

第九演奏会では、演奏は吹奏楽部・弦楽部員が行い、高校1年生全員で合唱を行っています。女子校なので、必要な男声パートに関して以前は男性職員が担当していたのですが、今では生徒の父兄にもご参加いただいています。

編集部

ご父兄の方も参加されるのですか!それは合唱に参加する高校1年生の保護者の方なのでしょうか?

山本先生

いえ、もう全然関係なく、希望があれば中学1年生のご父兄でも参加できますし、卒業生の保護者で続けていらっしゃる方もいます。現在では全部で100人くらいの方が登録されていて、土曜日などに集まって練習して本番に臨んでいただいています。

編集部

江戸川女子中学校・高等学校の伝統行事が、生徒だけじゃなく保護者の方にまで広がりながら続いているんですね。

江戸川女子中学校・高等学校の授業・進路指導

江戸川女子中学校・高等学校の門

「教養ある堅実な女性の育成」を建学の精神に掲げ、「自立できる人」の育成を目指す江戸川女子中学校・高等学校ですが、これらはどのような授業や進路指導につながっているのでしょうか。また、中学から持ち上がる内部生と、高校から入学する外部生との授業の進め方の違いや、クラス分けなどについてもうかがいました。

授業のメリハリがつきやすい、1コマ45分の“ハイブリッド授業”

編集部

江戸川女子中学校・高等学校の授業の特徴についても伺います。2022年度にもともと65分だった授業時間を45分に変更されたそうですが、こちらにはどのような背景があるのですか?

水嶋先生

65分授業にも45分授業にもそれぞれのメリットがあるのですが、45分7コマ制にしたことで、短期集中で学習の密度を高めてもらえるという効果があります。

また1コマと2コマを使い分けられる「ハイブリッド授業」も大きなメリットですね。短期集中の授業は1コマ45分の授業とし、演習を行ったりじっくり考えたりする必要がある授業は2コマ90分にするなど、授業のメリハリをつけることができます。生徒にとっても飽きずに集中できる環境になっているのではないでしょうか。

中学校では「勉強の面白さを実感できる」ことを重要視

江戸川女子中学校・高等学校の水嶋先生

編集部

具体的な学習指導内容についても伺いたいのですが、まずは中学校ではどのようなことを意識して授業を進められているのでしょうか?

水嶋先生

中学校は基礎の定着の時期であるため、勉強をする習慣を身につけるところから始めます。どの教科もまんべんなく勉強する必要はありますが、特にすべての勉強に関わってくる国語・数学・英語の3教科を重点的に教えています。

高校になると自分の夢や目標に向かって行う勉強がメインになってきますが、中学校の間は勉強の面白さを実感できるような学習機会を提供することが重要です。そのため理科や社会で実習を多く取り入れたり、夏休みの講習でも特別実験を行ったりと、子どもの興味を引き出すような工夫をしています。

高校では進路に合わせた効率的なカリキュラムを実施

江戸川女子中学校・高等学校の山本先生

編集部

高校に入ってからは大学受験を意識した勉強が増えてくると思いますが、高校ではどのような授業を実施されているのでしょうか。

山本先生

高校1年の段階で、私立受験型の「Ⅱ類」、国立受験型の「Ⅲ類」、そして特殊学科の「英語科」にコースを分け、希望の進路に合わせて効率的にカリキュラムを組めるようにしています。

編集部

中学から入学した生徒と、高校から入学した生徒では、授業の進度に違いがあるのではないでしょうか?

山本先生

仰る通りです。高校からは内部進学生と同じくらいの人数の外部生が加わるのですが、内部生は中学校のうちに高校のカリキュラムを先取りして学習しているため、授業の進度が異なります。そのため、高校1年生のあいだは内部生と外部生のクラスを分け、それぞれの進度状況に合わせた授業を行っています。

高校2年生からはさらに文系と理系でコースが分かれ、そこで内部生と外部生が混ざったクラスになります。進度の違いによってお互いの学習に不都合が出ないよう配慮しながら、生徒それぞれの進路希望の実現に向けて学習をサポートしています。

高校3年生になると、夏期講習の期間が倍になり、12月にも受験直前講習を行います。生徒たちの夢に向けて最後まで寄り添って一緒に戦う姿勢があるのが特徴です。

編集部

高校1年生の段階から、生徒それぞれの夢や進路希望、学習速度に合わせたきめ細かな授業を行っていることが良く分かりました。最後まで寄り添ってもらえることで、生徒の方たちも安心して受験に臨めそうですね。

あらゆる企業から対面で話が聞ける「進路講演会」でキャリアプランをイメージ

江戸川女子中学校・高等学校の進路指導について教えていただいた水嶋先生

編集部

進路を考える際、自分のやりたいことを明確に決められない生徒も多いと思います。進路に迷っている生徒をサポートするような取り組みもあるのでしょうか。

水嶋先生

定期的に行う個人面接や三者面談はもちろん、高校2年生の秋に行う進路指導課の教員による進路面接などで本人の希望や悩みを確認しています。

ただ生徒たちは、どうしても目の前の勉強に目が行ってしまう部分がありますよね。そのため生徒たちがその先にある未来のキャリアプランをイメージできるよう、進路指導課によって「進路講演会」を開催しています。

進路講演会ではさまざまな企業にお越しいただき、仕事のことやキャリア形成のことをお話いただいています。お越しいただく企業の方の年齢層がバラバラなのもポイントで、20代の方から40・50代の方がそれぞれブースにいて、それを生徒たちが自由に回りながらお話を聞けるような機会になっています。企業の方からお話いただくことで、学校の先生から聞くよりも新鮮で、より良い刺激を受けられているようです。

編集部

就職説明会のような形で実施されているんですね。それは高校生に限らずどの学年でも参加できるものなのですか?

水嶋先生

中学生でも高校生でも参加できます。中学生にとってはより遠い未来のことのはずですが、話を聞いている内に刺激を受けたようで、結構質問も出ていましたね。いろいろな企業のお話を聞くことで、また違う進路を考えるきっかけにもなっているようです。

昭和から続く英語教育を強化する中学校の「国際コース」

ここからは、江戸川女子中学校・高等学校の特徴の1つである『国際コース』について紹介します。開設から約40年という長い歴史を持つ江戸川女子中学校・高等学校はどのような英語教育がなされているのでしょうか。

中学3年生で英検1級合格も!英語力をさらに伸ばすことができる

編集部

御校では英語教育にとても力を入れていらっしゃいますよね。中学校にも国際コースを新たに設置されたとのことですが、どのような経緯があるのでしょうか。

水嶋先生

高校の英語科で海外研修などを行っていたことで、帰国生が中学校へ入学することが増えてきました。最初は、帰国生だけ別で英語の授業を実施していたのですが、段々と人数が増えてきたことで1クラス集めて集中的にやった方が良いと考え、2021年度に中学校での国際コースが新たに立ち上がりました。

編集部

国際コースは、具体的にどの程度の英語レベルを持つ生徒が集まっているのでしょうか。

水嶋先生

国際コースは英検2級以上の生徒を対象とした「Advanced Class」と、英検3級以上のレベルを持つ「Standard Class」に分かれています。「Advanced Class」は中学3年生の時点で英検1級に受かる生徒も出ており、元々持っている英語力をさらに伸ばすことができていると実感しています。

編集部

英検1級は「大学上級程度」とされているので、中学3年生で合格できるのは本当にすごいですね。英語の力を伸ばしていくために、中学校の国際コースでは具体的にどのような授業をされているのかを教えてください。

水嶋先生

特徴的なものに「グローバルスタディーズ」という授業があります。オールイングリッシュで行う探究授業で、AdvancedとStandard合同で実施しています。

グローバルスタディーズでは、ただ英語力をつけるのでなく英語を活かすことに重点を置いて進めています。世界の事象に関する幅広い知識を得て、それを英語で周囲の人に伝え、社会貢献できるようになるというのがグローバルスタディーズの目標です。そのため授業の中では、SDGsなどテーマに沿って調べたことを英語でまとめ、プレゼンテーションするといった内容を実施しています。

中学3年生ではバリ島に行き、探究型研修を行います。海外だけでなく、日本の京都や奈良にも行っていますよ。国際コースであっても、日本の文化を学び日本を語るという点も重要視しています。

音楽と美術のイマージョン教育を実施。音楽では、生徒が作曲を行う授業も!

イマージョン教育について教えていただいた水嶋先生

編集部

国際コースではイマージョン教育(※)も実施されているとのことですが、こちらはどのような内容ですか?
※イマージョン教育…「浸すこと」を意味する「immersion(イマージョン)」が語源。外国語以外の授業で外国語を使って行うことで習得を促す方法。

水嶋先生

国際コースでは音楽と美術のイマージョン活動を行っており、ネイティブ講師を中心とし日本人の教師がサポートしながら英語で授業を行っています。英語の授業とは違う環境で自然な形で英語に触れられる点も魅力ですが、授業の内容自体も芸術性が高いものとなっています。

例えば音楽の場合、通常の授業では「歌を歌う」「音符を習う」といった内容が一般的ですが、国際コースでは「一つのルールを設定してその中で作曲を行う」というような独自性のある内容を実施しています。そういう自分を表現することに対して意欲的なのも、国際コースの生徒たちの持つ特徴だと思っています。

高校では海外研修の機会を充実し、さらなる実践的な英語力を鍛える

高校の国際コースについて紹介してくださる山本先生と水嶋先生

編集部

高校には元々英語科があったとのことですが、中学校の国際コースがそのまま高校進学時も続いていくという流れになるのでしょうか。

山本先生

はい。中学校・高校と6年間実施することで、より教育効果を高めていけるのではないかと考えています。

編集部

中学校の国際コースは2021年度に新設されたばかりなのでまだ高校に進学された生徒さんはいらっしゃらないと思いますが、従来の高校の英語科ではどのような教育を実施されているのでしょうか。

山本先生

高校の英語科が開設されたのは1986年と、40年近い長い歴史を持っています。英語科では海外研修の機会が数多く設けられており、それが修学旅行の代わりにもなっています。長ければ10週間行くこともあるんですよ。

もっとじっくり学びを深めたいという場合は、1年留学することも可能です。オーストラリアとニュージーランドには単位互換ができる学校があるため、そこに1年間留学しても3年間で同学年の皆と一緒に卒業できるのも魅力です。

また2023年度からは「デュアル・ディプロマ・プログラム」もスタートしました。これは江戸川女子中学校・高等学校に通いながらアメリカの名門高校卒業資格を取得できるプログラムです。それだけでなく、アメリカの指定大学への推薦入学が認められるという特典もあるため、海外進学を視野に入れる生徒から注目を集めています。

国際コースでは、英語だけでなくプレゼンテーション能力も高まる

江戸川女子中学校・高等学校の山本先生

編集部

これまでの英語科の長い歴史の中で、生徒さんはどのような力を身につけられていると感じますか?

山本先生

英語力が高まることはもちろんのこと、プレゼンテーション能力が高まっているなと感じます。特に海外研修を経験した生徒は向こうで得た見聞を用いて伝える力が育まれていますね。

江戸川女子中学校・高等学校の中学入試の際には、在学中の生徒たちが受験生の保護者に向けてプレゼンテーションを行っています。基本的にその役割を担うのは英語科の生徒がほとんどです。そういった点でも、日頃の座学勉強以外の部分で身につけたスキルが活かされているなと感じます。

編集部

まさに生きた英語の力が身につくわけですね。高校の英語科で積み重ねてきた英語教育が、中学校への国際コースの新設や「デュアル・ディプロマ・プログラム」により今後はさらに進化していきそうです。

江戸川女子中学校・高等学校の校内と学生生活を紹介

江戸川女子中学校・高等学校の校内の様子

▲中庭には噴水もある雰囲気のある校内

小岩駅からにぎやかな商店街であるサンロードを抜けた先、住宅街を数分歩いた先に、江戸川女子中学校・高等学校の印象的な渡り廊下が見えてきます。

ここからは先生方に校内を案内していただきながら、生徒たちの学校生活の様子をご紹介します。

カフェテリアやベンチなど生徒同士が憩いの場が多く、生徒同士の交流もさかん

江戸川女子中学校・高等学校の校内の様子

▲校内にはベンチも多くあり、いろいろな場所で集まることができる

編集部

江戸川女子中学校・高等学校の生徒さんたちは、普段どのように通学されているのですか?

水嶋先生

本校の生徒は江戸川駅よりも小岩駅を使っている子が多いのですが、小岩駅からくる場合はサンロードを歩きながら友達と顔を合わせて楽しく登校しているようです。

編集部

学校に着いてからどのように過ごされているのかも教えてください!

水嶋先生

クラスで机の周りに集まってワイワイしている生徒も多いのですが、廊下のベンチなど憩いの場が多いので、いろいろな場で集まったりまどろんだり、自由に過ごしていますよ。

お昼休みになったら、おうちから持ってきたお弁当やコンビニで買ってきたものなどを皆それぞれに食べています。カフェテリアもあるのでそこでお昼を食べる子も多いですね。

編集部

カフェテリアの人気メニューはありますか?

水嶋先生

季節によってもメニューが変わるので何ともいえませんが、女子校なのに豚キムチ丼やラーメンなど、結構ガツっとしたものが多いですね(笑)。デザート系のメニューも人気です!

昼休みや放課後はクラスのお友達同士で固まっていることも多いですが、部活のコンクールが近い場合などは昼休みに集まって練習をすることもあります。

江戸川女子中学校・高等学校のフリースペース

▲校内には自由に使えるフリースペースも充実

生徒と先生の距離感が近く、先輩・後輩も規律がありつつ良好な関係

編集部

日頃の学校生活で、生徒と先生はどのように関わっているのでしょうか。

山本先生

先ほどもご説明したように授業によっては2コマ連続で行う場合もあるのですが、コマの間の休み時間は我々教員もそのまま教室で過ごすことがあるんですね。そういうときは生徒たちと普通にしゃべっています。掃除の時間は担任も加わっているので、生徒と先生がいろいろと話すのが日常茶飯事なんです。そういうところにも、最初に言った「ほんわかした雰囲気」が感じられるのではないかなと思っています。

編集部

日頃からすごく自然な形で生徒と先生がコミュニケーションを取っているんですね。

中高一貫ということで幅広い年齢の生徒さんがいるのも特徴かと思いますが、上の学年と下の学年の関係性はいかがですか?

水嶋先生

我々は運動部の顧問をしているのですが、規律はありつつも「この先輩みたいになりたい」というポジティブな縦のつながりが生まれているなと感じます。

編集部

6年制で上の学年が身近な存在だからこそ、憧れが生まれやすいのかもしれないですね。

水嶋先生

そうですね。顧問としても6年間見て育てられるというのは嬉しいものがあります。

2022年度に制服がリニューアル!スラックス・ポロシャツ導入で機能性もアップ

編集部

こうして学内の生徒さんたちの様子を見ていると、すごく制服にバリエーションがあるんだなと感じました。

水嶋先生

実は江戸川女子中学校・高等学校の制服は、2022年度に実に30年ぶりにリニューアルしたんです!私は新しい制服を検討する委員会のチーフをしており、いろいろ検討を重ねて今のこの形になりました。

一番のポイントはスラックス、ポロシャツを導入したことです。これまでスカートやシャツしか着ることができなかったのが、気温や好みによって生徒が自由に選択できるようになりました。

編集部

機能面も含めて選択肢が広がったのは、生徒にとって嬉しいポイントですよね。

山本先生

ジャケットは中高同一で、スカートの柄は違いますが色合いは同じです。統一性がある点が良いと思っています。

前の制服もデザインが人気でとても良かったのですが、機能性という点でいうと低かったと思うんですよ。夏は暑く冬は寒く、生徒がかわいそうだなと思うときもありました。そういう点で機能性が向上したのは、生徒にとって良い変化だと思っています。

水嶋先生

保護者の方の負担も軽減できるようにしたのもポイントです。リニューアル後の制服は、実は上着も含めてすべて洗濯機で洗えるんですよ!「クリーニングに出すしかないから頻繁に洗えない」というご家庭の悩みも解消されると思います。

編集部

江戸女子らしさを保ちつつ機能性がアップしたというのは、とても素敵なリニューアルですね!

おしゃれな校舎と授業の様子を紹介。高校3年生専用の新館も!

江戸川女子中学校・高等学校のエントランス

▲江戸川女子中学校・高等学校のエントランス。階段は「シンデレラ階段」と呼ばれているそう

編集部

ここ本館のエントランスは、すごく洗練されたデザインですよね。

水嶋先生

ありがとうございます。吹き抜けの階段は、生徒たちから「シンデレラ階段」と呼ばれているんですよ。

編集部

確かに、お城を彷彿とさせるようなすごく良い雰囲気の空間です!

江戸川女子中学校・高等学校の和室の様子

▲箏曲の練習を行う生徒たちの様子

編集部

こちらの和室では、皆さんお琴の練習をされていますね。

水嶋先生

来週が発表会なので、みんな張り切っていますね。

江戸川女子中学校・高等学校の中学校の国際コースの様子

▲少人数制で授業を行う国際コースの様子

編集部

真剣に授業を受けている様子も覗かせていただきます。少人数での授業ですが、ここは中学生の教室ですか?

山本先生

中学校の国際コースの授業です。「Advanced Class」と「Standard Class」の2クラスに分かれている内の1クラスなので、少人数制の授業となっているんですよ。

江戸川女子中学校・高等学校の新館エントランス

▲ホテルのようなおしゃれな新館のエントランス

編集部

西館はかなり新しいように見えますが、いつできたのでしょうか?

水嶋先生

90周年記念事業の一環として建設し、2022年度から利用されています。ここには高校3年生の教室が配置されています。2022年度から成人年齢が18歳に引き下げられたこともあり、成人を迎え、受験生となる生徒にふさわしい環境を用意するために新設された校舎です。

編集部

すごくきれいですね。下級生にとって憧れの場所となりそうです!

江戸川女子中学校・高等学校の新館教室

▲設備ばっちりの西館の教室

江戸川女子中学校・高等学校からのメッセージ

山本先生・水嶋先生からのメッセージ

編集部

最後に、記事をご覧の読者の方に江戸川女子中学校・高等学校からメッセージをいただけますか?

水嶋先生

私は中学受験をお考えのお子様、保護者の方に対してメッセージを送ります。私立中学はたくさんありますが、やはりお子様がみて「ここで学びたい」と思える学校を選ぶことが大切だと思うため、保護者の方とお子様が一緒に学校を見た上で中学受験をする学校を決めていただけたらと思います。江戸川女子中学校・高等学校は6年間の中高一貫教育で、年齢に応じたカリキュラムや行事を用意しているので、お子様が興味を持って過ごせるのではないかなと考えています。

共学の小学校から進学される場合は、女子校に対して不安を持たれる方もいるかもしれません。しかし最初に申し上げた通り、江戸川女子中学校・高等学校には穏やかで多様な価値観を受容できる生徒が多くいます。思春期の大切な時期を、周りと認め合いながらのびのび過ごせるというのは大切なことだと思います。実際に生徒たちに聞くと「女子校最高!」と言ってくれますよ(笑)。もちろん共学には共学の良いところがあるので、「女子校だから」「共学だから」と線引きせず、興味を持ってよいところを見つけてもらえたらと思います。

山本先生

私は高校からの入学を検討されている方にメッセージを送ります。江戸川女子高等学校には内部進学生と外部生が1対1くらいの割合でおり、どちらに対してもしっかりとしたカリキュラムを設定しています。

1学年300人と大規模ではありますが、その分いろいろな生徒との出会いがあります。部活動や行事、生徒会、海外研修、修学旅行などさまざまな経験ができ、充実した学校生活を送れるのではないでしょうか。その先にある皆さんの夢、進路の実現にも寄り添ってサポートしていきたいと思いますので、前向きな印象を持って本校に来ていただけるとありがたいなと思います。

編集部

江戸川女子中学校・高等学校では先進的な英語教育や日本伝統文化の体感など、他にない体験をしながら成長できる環境があると感じました。リーダーシップのある生徒会や上級生の生徒、さらには高校3年生のための西館など、憧れの対象が常に身近な存在としてあることも、自分を成長させてくれると思います。

本日はお忙しい中、ありがとうございました!

江戸川女子中学校・高等学校の卒業生の声

先生方の親身で熱心な指導のもと、落ち着いて勉強に集中できる環境がある。

英語教育にとても力を入れており、語学研修を通じてとてもたくさんの良い経験が得られた。

江戸川女子中学校・高等学校の掲げる「教養ある堅実な女性」「自立した人」という女性像は、今も私の目標となっている。

勉強だけでなく、部活動、委員会活動など活躍の場が多数ある。学校説明会で学校の魅力を伝えたプレゼンテーションの経験もとても役に立った。

落ち着いた環境の中でのびのびと過ごし、勉強に打ち込めるという意見が多く聞かれました。また英語教育だけでなく、江戸川女子中学校・高等学校でできるさまざまな経験が、その後の人生にとっても大切な価値になっているという方も多いようです。

江戸川女子中学校・高等学校の進学実績

江戸川女子中学校・高等学校では90%以上の生徒が大学に現役で進学しており、国公立や難関私立大学の合格者、医学部現役合格者も輩出しています。

江戸川女子中学校・高等学校の進学実績の特徴として、ただ著名な大学への合格者を出しているだけではなく、多様な進学先がみられることがあります。大学の知名度ではなく、生徒がどのような夢を抱いているかを重要視し、「生徒たちが行きたいところに行けるように」サポートを行っているからこその進学実績となっているようです。

お問い合わせ

問い合わせ先 https://www.edojo.jp/contact/contact_01.html
住所 東京都江戸川区東小岩5-22-1
電話番号 03-3659-1241
公式サイト https://www.edojo.jp/