難関大の合格者多数!開智中学・高等学校の進学サポートと人間性を育む教育とは|中高一貫校

この記事では、特色ある教育に取り組む“注目の学校”として、埼玉県さいたま市にある「開智中学・高等学校(一貫部)」(※)をご紹介します。
(※)本記事では、高校から入学可能な「開智高等学校(高等部)」や「開智未来中学・高等学校」「開智日本橋学園中学・高等学校」には触れていません。

完全中高一貫校である開智中学・高等学校は、自ら考え課題に取り組む探究型の学習と、大学受験にも対応できる予備校いらずの学習サポートが特徴です。カリキュラムとしては、医学部を目指す生徒、グローバルな仕事に就きたい生徒など、それぞれの興味に合わせた4つのコースから選択できます。

また、大学訪問や職業体験などコースごとにカスタマイズされた学びを通じて、常に自分のなりたい姿を意識しながら主体的に学ぶことができます。

勉強だけでなく、自ら設定した「探究テーマ」にもとづいて行う調査研究の授業にも力を入れており、友達と楽しく切磋琢磨しながら高めあえると人気の開智中学・高等学校。その魅力にさらに迫るべく、教頭の清水先生にお話を伺いました。

開智中学・高等学校の教頭である清水先生

▲取材にご対応いただいた教頭の清水先生

開智中学・高等学校の「国際的リーダーを育てる」教育方針

開智中学・高等学校の英語で行われるホームルーム

編集部

まずはじめに、開智中学・高等学校の教育理念についてお聞かせください。

清水先生

本校は、「平和で豊かな未来を創ることに貢献できる創造型・発信型の国際的リーダーを育成する」ことを理念に掲げています。社会に貢献すると一口に言ってもいろいろなやり方がありますが、開智中学・高等学校としては「ある分野において高い専門性を持ったスペシャリストになること」が重要だと考えています。

編集部

専門性を磨くために、どんな教育を行っているのでしょうか。

清水先生

生徒が自ら考えディスカッションしながら問題を解決する「探究型の学び」を通して、探究力・想像力・発信力・コミュニケーション力を伸ばすことに力を入れています。また、授業やフィールドワークを通して得た知識やスキルを利用して、思考の方法を検討することにより探究の基礎となる学力を培います。

また、英語教育にも注力しており、授業はもちろん語学研修などを通して「使える英語力」を育てる工夫をしていますし、すべての教科でICT機器を活用しているのでタブレットやパソコンを使いこなすスキルも身につけることができます。

さらには、中高6年間を通したカリキュラムで、トップレベル大学への進学を意識した進路指導を徹底して行っています。

編集部

どのような先生が揃っていらっしゃるのでしょうか。

清水先生

教え方が丁寧で熱意のある教員がとても多いです。

本校は教員と生徒の距離も近く、相談しやすい環境を整えています。授業についていけない生徒が一人も出ないように、しっかり見守りながら丁寧に指導を行っています。また、生徒の理解度に合わせて小テストの頻度を調整したり、余った授業時間を無駄にしないよう追加資料をアレンジしたりと、熱意がなければ難しい、面倒見の良さがあると自負しています。

さらに、博士号を持った教員や、東京大学・京都大学出身の教員を、配置しているのが特徴です。ただ単に高学歴だというだけではなくて、教員から実情を交えた大学の話が聞けるのは生徒にとってもプラスだと思っています。

学校としても、博士号を持った研究者が集まるポスドクキャリアフォーラムや日本各地の教員採用説明会に出向き、ハイレベルな教師の卵を常に探しているんですよ。

開智中学・高等学校の進路に合わせて選べるコース設定とは

開智中学・高等学校の理科の授業風景

編集部

開智中学・高等学校の生徒は、どのようなコースを選択できるのでしょうか。

清水先生

本校では、将来の進路を意識した4つのコースを用意しており、入学前に生徒自身が選択しています。このコースには中学1年から高校1年まで所属し、高2・高3では志望大学にあわせてさらに細かく分かれていく形となりますね。

すでに目指す大学がある場合は「先端ITコース」、医師・薬剤師・獣医師になりたい場合は「先端MDコース」、これから将来の夢を探すという場合は「先端FDコース」、AI、ロボットなどを扱うようなグローバルな仕事を目指したい場合は「先端GBコース」を推奨しています。

基本的な学習内容や進度は4コースとも同じですが、大きく違う点としては、ホームルーム、探究、放課後の活動です。例えば、先端ITコースでは大学について調べたり大学訪問したりしますし、先端MDコースでは卒業生の医師との座談会や医療福祉体験などを行っています。

また、先端FDコースでは仕事について調べて職業体験をしますし、先端GBコースでは英語でホームルームを行うほか、英語スピーチコンテストに出たりもしていますね。

開智中学・高等学校の先端MDコースで行われた「高齢者疑似体験」の実施風景

▲先端MDコースで行われた「高齢者疑似体験」

清水先生

授業内容は基本的に同じですが、生徒の状況を見て、各コースごとにアレンジした教え方をすることもあります。たとえば私は数学を教えているのですが、先端GBコースの生徒に向けた授業であれば、「この数式は英語だったらこう表現するよ」と教えるなど、生徒が興味を持てるような授業になるよう細かいカスタマイズを心掛けています。

編集部

各コースが見据える進路に合わせた工夫があるのですね。ですが正直、中学1年生でそこまで将来のことを考えるのかと、少し驚いてしまいました…!

清水先生

もちろん「将来を考えるには早すぎるのでは?」といったご意見もいただきます。ただ、一度コース選択をしたら変更できないわけではなく、希望に応じて移動することができるんです。

たとえば、最初はお医者さんになりたいと医学部を目指す先端MDコースを選んだけれど、やっぱりもう一度将来のことを見つめ直そうと思ったら先端FDコースに移っても良い。重要なのは、「将来自分がなりたい姿」を早い段階から真剣に考えることなんです。

「与えられたものをただこなす」「上位クラスへ行くために頑張る」のではなく、自分で自分の人生を切り拓くことを目標にしてほしい。本校がコースを設定しているのは、常に未来の自分の姿を身近において、そこへ向かって努力し続ける人を育てようという狙いがあるんです。

編集部

将来のことをしっかり自分で考えようという意図があるんですね。コースを変更できるタイミングは決まっているのでしょうか?

清水先生

基本的には2年ごとです。本校では、中学1年生と2年生、中学3年生と高校1年生、高校2年生と3年生というように、2学年をひとくくりで考え学習の進め方をステップアップしていきます。ですから、多くの生徒は中学3年生に上がる前に入学時に選んだコースを見直すといったかたちになります。

2024年に新設された特待生向けの「創発クラス」

開智中学・高等学校で数学の特別講座に取り組む生徒たち

編集部

開智中学・高等学校では新たなコースがスタートしたと伺いましたが、どのような内容でしょうか?

清水先生

2024年4月から選択できる「創発クラス」というコースのことですね。先ほどお話しした完全希望制の4つのコースとは異なり、入試の結果「S特待生」に該当する生徒がこのクラスへの入学を希望した場合に選択できます。

編集部

創発クラスが生まれた背景はどういったところにあるのでしょうか?

清水先生

4つのコースの「いいとこ取り」をしながら、学力に合ったハイレベルな内容を扱うことで、幅広い知識を得られるクラスを作ろうと考えたからです。やはりある程度能力がある生徒は、いろいろなことに興味関心があるんです。すると、1つのコースを選ぶのが難しい場合もあるんですよね。

たとえば海外大学で医学の勉強をしたい場合は、グローバルなことが学べる先端GBコースでも、医学部受験を意識した先端MDコースでもいいわけです。高い能力と幅広い視野を持った生徒に対して最適な教育ができるよう、このクラスを設けることになりました。

編集部

創発クラスには何人くらい所属しているのでしょうか?

清水先生

今のところ20人くらいですね(取材は2024年4月実施)。1年ごとの成績で入れ替えを行うことになっているので、他のコースを選んでも、希望者のうち成績上位者は、進級の際に創発クラスに入ることもできます。

本校としても、やる気のある生徒にはぜひこのクラスで視野を広げてもらいたいので、これから徐々に人数を増やしていきたいと考えています。

開智中学・高等学校の探究・フィールドワーク

開智中学・高等学校で探究型の授業に取り組む生徒たち

「探究型」の教育を大切にする開智中学・高等学校。ここからは、その象徴とも言える探究・フィールドワークの学びについてお聞きします。

全生徒が個々に行う「探究テーマ」の研究

開智中学・高等学校で探究テーマのプレゼンテーションを行う生徒

編集部

開智中学・高等学校の教育の中で、教科学習以外に特徴的なポイントはありますか?

清水先生

本校では、「探究テーマ」の研究と「フィールドワーク」を、教科の学習に並ぶ教育活動の柱と位置づけています。疑問に対する仮説を立て、検証・考察を繰り返す中で、思考力や課題解決能力を養うことが目的です。

編集部

探究テーマの研究では具体的にはどのようなことをするのでしょうか?

清水先生

中学1年生から高校1年生までは、生徒全員が個人の研究テーマに取り組みます。テーマは何でもよくて、たとえば「最近流行りの音楽の特徴は何か?」とか「稲はどんな水でも育つのか?」などについて調べ、中学2年生・高校1年生のときに発表を行います。

高校2年生では、「英国フィールドワーク」で英語でプレゼンテーションをします。探究テーマが大学進学につながり、将来の夢や仕事にまで発展させる生徒もいるんですよ。

グループで探究活動を行う「フィールドワーク」

森のフィールドワークを行う先生と生徒たち

編集部

先ほど英国フィールドワークのお話が出ましたが、他の学年でもフィールドワークがあると聞きました。

清水先生

はい。中学1年生では「磯のフィールドワーク」、2年生では「森のフィールドワーク」、3年生では「関西フィールドワーク」があります。

フィールドワークでは史跡や自然の中でグループメンバーと協力して疑問を見つけ、ともに考え、まとめて発表するんです。この一連の流れを取り仕切る「フィールドワーク実行委員」という生徒がいるのですが、最初に「委員をやってみたい人はいますか?」と聞くと100人近く手が挙がるんですよ。

編集部

100人とはすごいですね。活発な生徒が多いのでしょうか?

清水先生

もちろん、そういった生徒もいますが、おっとりしたおとなしい生徒も多い印象です。しかし、普段は前に出ない生徒でも、実行委員などに積極的に参加できる雰囲気があるのが本校の特徴でもあります。

指導の中でも、「誰かがやってくれる」という考え方ではなくて「自分がやりたいかどうか」で意思決定をするようにと伝えいています。そうすると、目立ちたがり屋の生徒でなくても自然と手を挙げるようになるんですね。

開智中学・高等学校は「国際的リーダーの育成」を教育理念に掲げているとお伝えしましたが、リーダーの性質にもいろいろありますから、前に出るリーダーがいればそれを支えるリーダーがいてもいいと考えています。

編集部

なるほど。生徒自らが自分の頭で考え行動することを大切にされているのですね。

清水先生

そうです。最近は自主的に課外活動にチャレンジしている生徒もいます。学生が各国の大使になりきる「模擬国連」というものに参加したり、企業のコンテストに出品してグランプリを受賞したり…。ボランティア活動で地域のお年寄りを手伝っているうちに畑仕事が好きになり、校内に農園を作った生徒もいます。

教員は「学外でこんな活動をやっているよ」と紹介したり適宜サポートを行ったりはしますが、基本的には生徒が自分で参加を決定し活動を進めます。校長の菅沼が「視野を外へ、未来へ広げる」考え方を大切にしていることもあり、本校としても生徒には学校行事という枠にとらわれずに挑戦してほしいと考えているんです。

開智中学・高等学校からのメッセージ

開智中学・高等学校の生徒が放課後に自習を行うようす

編集部

最後に、記事をご覧のお子さん・保護者の方に向けて、メッセージをお願いします。

清水先生

ここまで開智中学・高等学校の教育の特徴について紹介させていただきましたが、もうひとつ強調したいのは大学受験に向けた対策をしっかりと行っている点です。

本校は難関国立大学や医学部受験について、学習面のサポートから面接まで、すべて含めた対策を実施しています。保護者の方からは、「予備校がいらないくらいですね」と言われることもあるくらいです。

高校2年生の9月下旬ごろからは、放課後に参加自由かつ無料の受験生向け講座を2〜3時間開いています。その後は、21時まで開いている自習室で好きなだけ勉強することもできるんです。

開智中学・高等学校の学内にある自習室

▲学内にある自習室

清水先生

学校内で受験対策ができる最大のメリットは、普段の授業と放課後の受験対策講座がリンクしているので、授業中の生徒の様子を見て理解が進んでいなさそうな部分を効率よく補習できる点ですね。

生徒も、普段過ごしているクラスメイトと一緒に頑張るので、いい意味でリラックスしたり、刺激しあいながら勉強しています。

開智中学・高等学校の校舎1階の吹き抜けスペースで自習する生徒たち

▲自習する生徒が集まる校舎1階の吹き抜けスペース

清水先生

もちろん、探究の授業やフィールドワークのところでお話ししたように、勉強ばかりしているわけではありません。人間性を育てるためには、それ以外の活動も大切だと考えています。生徒や保護者の方からは「宿題がもっと出るのかと思っていたけど、そんなに多くないんですね」と言われることもあるくらいです。

将来なりたい姿をイメージしながら、個々の興味をしっかり伸ばせる点、そして受験勉強とそれ以外の活動のバランスをしっかり取って、将来活かせるスキルを身につけられる点が、本校の強みです。受験の際には、ぜひ開智中学・高等学校も選択肢のひとつに入れていただければと思います。

編集部

単なる受験対策では終わらず、6年間かけて将来の解像度を上げられるカリキュラムに大きな魅力を感じました。自ら定めた目標に向かって、いきいきと学習を進める生徒の姿が目に浮かぶようです!

本日はありがとうございました。

開智中学・高等学校の進学実績

開智中学・高等学校で数学の特別講座に取り組む生徒たち

個々の興味を伸ばす教育のほか、大学受験対策にも力を入れている開智中学・高等学校は、多くの生徒が国立大学や医学部、有名私立大学へ進学します。

2023年度は、東京大学をはじめとする国公立大学に76名、医学部に60名、難関私立大学である早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学・東京理科大学に計239名が合格しています。

■近年の大学合格実績(開智中学・高等学校公式サイト)
https://ikkanbu.kaichigakuen.ed.jp/career/results/

開智中学・高等学校の保護者の口コミ

最後に、開智中学・高等学校に通う生徒の保護者から寄せられた感想の一部をご紹介します。

先生が熱心に授業に取り組む姿勢が感じられます。大学進学実績も年々伸びており、今後にも期待できます。

先生や先輩との距離が近く、みなさん優しいです。休み時間は他クラスへ行っておしゃべりしたり、自由度が高くワイワイしている印象です。

子どもが「毎日楽しい」と言っており、満足しています。休み時間や放課後に友達どうしで集まり勉強しているようで、みんなで学力を高めあっているようです。

生徒の自主性を育てつつ、きちんと指導するべきところは指導するメリハリがいいなと思いました。きょうだい揃ってこの学校を選ぶ人も多いようです!

おだやかな校風や、先生がとても良いという声が多数見られました。また、友達と切磋琢磨しながら楽しくレベルアップしていける開智中学・高等学校ならではの雰囲気も感じられました。

開智中学・高等学校へのお問い合わせ

問い合わせ先 学校法人開智学園 開智中学・高等学校(一貫部)
住所 埼玉県さいたま市岩槻区徳力186
電話番号 048-795-0777
公式サイト https://ikkanbu.kaichigakuen.ed.jp/