「大阪桐蔭中学校・高等学校」が進学でも部活動でも実績を残すワケ|中高一貫校

特色ある教育プログラムで注目を集める学校を特集するこの企画。今回は大阪府大東市の「大阪桐蔭中学校・高等学校」を紹介します。

大阪桐蔭中学校・高等学校は学校法人大阪産業大学が運営する私立の中高一貫共学校です。東京大学・京都大学をはじめとする難関大学への進学や、野球部を筆頭とした全国大会での優勝など、進学面でもクラブ活動でも多くの実績をあげており、プロ野球選手をはじめとする著名人も多数輩出しています。

大阪桐蔭中学校・高等学校の卒業生のサイン

▲投手として阪神タイガースで活躍した岩田稔さん、アナウンサーの岡副麻希さんをはじめ多くの著名人を輩出

今回は同校校長の今田悟先生に、同校の建学の精神や教育理念、進学・クラブ活動の双方で実績を残す秘訣、生徒の探究の力を育む中高合同の「プロジェクトワーク」の内容について詳しくお話を伺いました。

地道な努力の積み重ねを尊ぶ建学の精神「偉大なる平凡人たれ」

大阪桐蔭中学校・高等学校校長の今田校長

▲インタビューにご対応いただいた今田校長

編集部

まず、大阪桐蔭中学校・高等学校がどのような学校なのかを簡単に教えてください。

今田校長

本校は1983年(昭和58年)に大阪産業大学高等学校大東校舎として開校し、1995年に中学校を設立し中高一貫校となりました。1998年には高校を現在のⅠ類・Ⅱ類・Ⅲ類に再編し、難関大学への進学を目指すⅠ類・Ⅱ類、全国レベルのクラブ活動に打ち込み進学を目指すⅢ類に分け、それぞれ特色ある教育活動を展開しています。

編集部

御校の建学の精神についてもご説明いただけますか?

今田校長

大阪桐蔭中学校・高等学校では「偉大なる平凡人たれ」を建学の精神として掲げています。これは本校を運営する学校法人大阪産業大学の創立者である瀬島源三郎が提唱した言葉で、名誉・地位の高い人間や金持ちになるためのおのれを中心とした考えを捨てて、いざとなれば、おのれを殺して人類社会に貢献できる“普通の人”が世の中を支えるのだという考えを表しています。

建学の精神を生徒たちにわかりやすく伝える上で、「平凡な日常生活を誠実に送っていくことが、実は偉大なことなのだ」という言葉を使っています。つまり地道な努力の積み重ねがなければ本人が望む結果にはつながらないということです。

編集部

「結果」というのは進学や部活動の実績を意味するのでしょうか?

今田校長

もちろんそれも1つの結果です。ただしそういった目にみえて分かりやすい結果だけを意味するわけではありません。生徒それぞれが持つ将来の目標をいかに実現していくのか、というのがこの建学の精神の本質です。

学校内外に表れる、大阪桐蔭の生徒ならではの「大きな心」

大阪桐蔭中学校・高等学校の授業風景

編集部

御校の教育理念「鼎立(ていりつ)成りて碩量(せきりょう)を育む」についても伺います。こちらは具体的にどのような意味が込められているのでしょうか。

今田校長

「鼎立成りて」には「徳・知・体」の3つを備えた人間を育成していくという意味が込められています。そして「碩量を育む」というのは「大きな心を育む」という意味です。

大きな心とは、他者を受け入れ、自分が身につけたことを世の中のために活かす姿勢を表します。進学実績や部活動の実績だけでなく、人格形成にも重点を置いている本校の姿勢が、この教育理念に表現されています。

編集部

御校の建学の精神や教育理念を象徴するようなエピソードがあれば教えていただけますでしょうか。

今田校長

自転車のチェーンが外れて困っていたとき、車椅子を使用している方が電車に乗るときなどに、本校の生徒が手伝ってくれたという外部の方からのお声をいただくことがあります。外部の方からのそういう話を聞くと、まさに「碩量を育む」という本校の理念が表れていることを感じて嬉しくなりますね。

私自身、学校生活のふとした瞬間に生徒たちの「大きな心」を実感しています。例えば雨の中で車の荷物を出し入れしていたら後ろから傘をさしてくれたり、荷物を持って移動しているときに何も言わずに手伝ってくれたりと、自然と相手のことを思う行動ができているなと感じますね。

編集部

そういった姿勢は生徒さん同士の関係性にも表れていますか?

今田校長

はい。本校の生徒には勉強を頑張る子もいればクラブ活動に打ち込む子など、さまざまなタイプに分かれていますが、個人の活動を尊重する空気感が醸成されています。

勉強をしているから、クラブ活動を頑張っているから偉いということではなく、お互い認め合って尊重し合っているその様子は、教員から見ていてもすごいなと感じます。

進学・部活動で確かな実績を残す大阪桐蔭中学校・高等学校の教育プログラム

大阪桐蔭中学校・高等学校の校舎内観

大阪桐蔭中学校・高等学校では東京大学・京都大学といった最難関大学などにも数多くの合格者を輩出する進学校としての一面を持つ傍ら、野球部が甲子園で複数回の優勝を果たすなどスポーツ強豪校としての顔も持っています。

ここでは学習面でもクラブ活動でも確かな実績をあげる大阪桐蔭中学校・高等学校ならではの教育プログラムの特徴に迫っていきます。

塾は不要!日々の授業と確認テストで、受験にも通用する確かな学力を培う

大阪桐蔭中学校・高等学校の授業風景

編集部

御校では高校のⅠ類・Ⅱ類を中心に、東京大学や京都大学などの最難関大学も含めたさまざまな進路が実現していますよね。進路実現に向けた学習サポートなどで特徴的なものがあれば教えてください。

今田校長

難関大学への進学を念頭に置いた高校のⅠ類・Ⅱ類では、1年次から大学受験を想定した授業を行い、2年までに大学受験に必要な学習内容をほぼ修了しています。そして3年生からは志望大学別にクラスを編成してきめ細かなサポートを実施しています。

また授業に加えて、「早朝テスト」「終礼テスト」という、朝のホームルームと終礼の時間を活用した英語、数学などの確認テストを毎日行っているのも特徴です。毎日の確認テストで繰り返し授業内容を落とし込んでいくことは、基礎学力の定着の上で大きな効果を発揮していると思います。

大阪桐蔭中学校・高等学校の中庭

▲生徒の憩いの場となっている広々とした中庭。休むときは休んで、メリハリをつけて勉強に取り組んでいる

編集部

毎日確認テストがあることで、自然と自宅で勉強する習慣が培われていくという効果もあるのでしょうか?

今田校長

その通りです。ただし本校では早朝6時半から最大夜8時(中学生は夜7時)まで開放している自習室があるため、自宅だけでなく学校で自習をする生徒も少なくありません。自習室を利用して毎日の確認テストや課題の勉強を行い、家に帰ったら一切勉強をしない、というようにメリハリをつけて学習をしている生徒も多くいますよ。

本校の学校の授業と確認テストや課題をきちんとこなしていけば、受験勉強にもしっかりと対応できます。事実、本校の生徒はほとんど塾に通っていないんです。進路実現に向けて、授業と自習という学校内で完結する学びで対応できるというのは本校ならではの魅力といえるでしょう。

大阪桐蔭中学校・高等学校の図書室

▲吹き抜けと螺旋階段が特徴的な図書室。自習に励む生徒も多い

全学年で毎年実施する「学習合宿」でモチベーションアップ

大阪桐蔭中学校・高等学校の図書館

編集部

大阪桐蔭中学校・高等学校では、生徒の皆さんが学習のモチベーションを高めるためにどのような工夫をされていますか?

今田校長

本校では毎年4月半ばに中学1年生から高校3年生までの全学年を対象とした学習合宿を実施しています。中学1年生は入学してすぐに体験することになるため、学習のペースをつかむきっかけとなっています。

明確な学習目標を定め、そこに向かって頑張っている高校生の姿を身近に感じることは、中学生にも良い影響を与えています。

また、学習合宿にはOBの大学生も参加し、自身の学校生活や勉強方法などについて話をしてもらっています。卒業生であるOBから「毎日のテストがあったことで、大学受験にとても役立った」といった話を聞くと、在校生の取り組む姿勢も変わってきます。教員から話すよりも、学校の先輩という身近な存在から話してもらうことで学習への刺激を受ける機会となっていると思います。

全国大会優勝を“現実的な目標”として設定。確かな指導力で高みに導く

大阪桐蔭中学校・高等学校の人工芝グラウンド

▲人工芝グラウンドにはヒノキを使ったウッドチップを利用し、夏場に熱くなりすぎないよう工夫している

編集部

数々の実績を残すクラブ活動を中心とする、高校のⅢ類の特徴についても教えてください。

今田校長

Ⅲ類は先ほども言ったように、全国レベルのクラブ活動を通じて進路実現を目指すコースです。そのため入学時点から明確な目標と、その実現に向けた強い意志を持つ生徒が大半です。学校側としてもその目標をいかにして実現するかという点に重点を置いて指導を行っています。

編集部

実績を持つクラブが多いからこそ、必然的に入学してくる生徒さんの目標も高くなりますよね。

今田校長

そうですね。Ⅲ類の11クラブはすべて全国大会に出場しており、野球部を筆頭に、ラグビー部や女子バスケットボール部、ゴルフ部などでは全国優勝を果たしています。

そのため生徒の多くが初めから全国のレベルを念頭に置いて入学してきますし、すべてのクラブの目標が「全国大会出場」ではなく「全国大会優勝」であることも本校のⅢ類ならではの特徴です。

大阪桐蔭中学校・高等学校校長の今田校長

▲優勝旗やトロフィー、表彰状の数々。「大阪桐蔭」が積み重ねた実績がひと目でわかる

編集部

全国大会優勝という高い目標を実現していくポイントは何でしょうか?

今田校長

よく「夢と目標は違う」と言われますが、本校では生徒たち自身が全国優勝を「夢」ではなく「現実的な目標」として設定しています。夢ではなく現実としてそこに向かっているからこそ、何を・どの時期に・どのくらいやるのかという具体的な行動を実践できているのだと思います。

また、当然ながら伝統校として生徒たちを優勝に導くための指導のノウハウが学校に蓄積されていることも大きいですね。さらに、先輩たちがどのような練習をしているのかを間近で見られることも、後輩の成長につながっています。

大阪桐蔭中学校・高等学校のアリーナ

中高合同の「プロジェクトワーク」で、生徒の探究の力を育む

大阪桐蔭中学校・高等学校の授業風景

編集部

続いて探究学習について伺います。御校では独自の探究活動として「プロジェクトワーク」を実施されていますが、こちらはどのような内容の取り組みですか?

今田校長

プロジェクトワークは生徒が興味・関心のあるテーマに1年間かけて取り組む、中学校と高校が合同で行う体験型学習です。

本校の教員が用意した50超の講座の中から生徒自身が選択し、週に1回その分野で学びを深めていきます。中高合同のため、同じ講座を選んだ生徒は学年問わず一緒に受講することになります。

編集部

体験型学習ということなので、ただ講座を聞くだけではないのですよね。

今田校長

はい。教員はテーマは設定しますが、生徒が主体となって探究を行います。毎年11月3日の文化の日に実施している文化祭で中間発表を行い、3月に最終的な成果発表を行っています。

1つの分野を深く突き詰める上での「考える力」や「行動力」、そしてそれを対外的に発信する「プレゼンテーション能力」といった探究に必要な力を総合的に培っていける内容です。

大阪桐蔭中学校・高等学校の授業風景

編集部

例えばどのような講座があるのでしょうか。

今田校長

「医学研究」という学術的なものから「植物を植える」「ギターを演奏する」といったものまで本当に幅広い講座があります。

中でも、以前に実施していた「おやつをつくろう」という講座は人気でした。具体的なレシピを提示せずに材料だけを用意し、その材料でできるおやつを考えていくという講座で、中学生と高校生が一緒になっていろいろ考えながらつくっていました。こういった講座をはじめ、自身の好きな分野を突き詰めていけるため、生徒たちが楽しんで学んでいるのがプロジェクトワークの何よりの特徴です。

編集部

プロジェクトワークからは多くの活動が生まれていると思いますが、その中でも印象に残ったもの、特徴的なものを教えてください。

今田校長

文化祭での発表を見ていると、どの分野でも我々教員が考える以上に高度な内容の研究を行っています。その中でも医学研究ではかなり専門的な内容を行っているのが印象的でした。

病院に実習に行ったり、医師の方をお招きして医療現場のお話を聞いたりしながら、1つの病気や症状にフォーカスして今後の治療方法を考えるという内容で、かなり専門的な発表となっていましたね。他にも生物に関する研究では実際にメダカの交配をして種の変化の研究をしたり、植物の研究ではさつまいもの栽培から収穫までを近隣の子どもたちと一緒に行ったりと、多様な活動が行われています。

また、プロジェクトワークの活動から発展して、大東市で実施されている英語の弁論大会に参加をしたケースもありますよ。プロジェクトワークだけにとどまらず、そこから周辺との交流や外部への活動に広げる動きが出てきているのが特徴です。

大阪桐蔭中学校・高等学校からのメッセージ

大阪桐蔭中学校・高等学校のシンフォニックホール外観

▲運動部のみならず、吹奏楽部も注目を浴びる。専用施設のシンフォニックホールでは200人近い部員が一度に練習できる

編集部

最後に、大阪桐蔭中学校・高等学校の学校生活に興味を持った読者の方に向けてメッセージをお願いします。

今田校長

本校では中高一貫の環境の中、勉強、スポーツ、音楽などさまざまな分野で活躍している生徒がいます。中学生が高校生を見て憧れたり、Ⅲ類の生徒たちが高い目標に向かって頑張っている姿に刺激をもらったりと、生徒同士で高め合える環境こそが本校ならではの魅力です。

大阪桐蔭の学校としての役割は、生徒一人ひとりが持つ目標の実現に向けてサポートすることです。これまで進学やクラブ活動で多くの実績を残している大阪桐蔭中学校・高等学校だからこそ、さまざまなノウハウをもって生徒たちを導いていけると思っています。そういった環境に魅力を感じる方は、ぜひ本校で学んでいただけると嬉しいです。

編集部

今田先生、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!

大阪桐蔭中学校・高等学校の進学実績

大阪桐蔭中学校・高等学校の制服

大阪桐蔭高等学校の2023年度の合格実績をみると、国公立大学・大学校への合格者が200名超となっており、最難関校である京都大学には20名超の現役合格者を輩出しています。その他にも大阪大学や北海道大学などの旧帝大、神戸大学や三重大学など国公立の医学部医学科に複数の合格者を生んでいるのも特徴です。

また私立大学では関西地方の名門校である関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)に400名超の合格者、早慶上理(早稲田大学・慶応義塾大学・上智大学・東京理科大学)に10名超の合格者を輩出しています。

■大阪桐蔭中学校・高等学校の合格実績(公式サイト)
https://www.osakatoin.ed.jp/result/

大阪桐蔭中学校・高等学校の生徒・保護者の口コミ

大阪桐蔭中学校・高等学校の授業風景

ここでは、大阪桐蔭中学校・高等学校に寄せられた生徒・保護者からの口コミを一部抜粋して紹介します。

(生徒)電子黒板を使ったわかりやすい授業が魅力。朝早くから夜まで使用できる自習室や、先生への質問がしやすい環境など、学習環境がとても整っている。塾に通わなくても学校の授業と課題で十分に対応できる。

(生徒)大阪桐蔭中学校・高等学校といえば高校Ⅲ類の実績が目立つが、他のコースの生徒を対象とした部活動もあり、そこでもさまざまな活動ができる。高校Ⅲ類のクラブは輝かしい実績を残しているし、それぞれの分野で一生懸命頑張る姿に刺激を受けられる。テレビの取材も多く、桐蔭生としての誇りを感じられる!

(生徒)広々としたアリーナや螺旋階段のある図書館など、とにかく学校施設がとてもきれい。

(保護者)子どもが困っていたときに、桐蔭の卒業生が声をかけて助けてくれた。

(保護者)校則や学習指導は厳しいと思う。しかし熱心に指導してもらえるからこそ子どもが成長できる環境がある。

生徒や保護者から寄せられた実際の口コミからも、塾に通わなくて良いしっかりとした学習サポート、学校の外で困っている人を助ける姿勢など、インタビューでお聞きした内容を裏づけるような声が多くありました。

学校施設については、広々とした廊下・通路など、過ごしやすい空間が高く評価されています。また、食べ盛りの生徒たちを満足させる校内の食堂も人気でした!

大阪桐蔭中学校・高等学校の校内各所の風景

▲開放的かつ重厚な雰囲気の校内。食堂の人気メニューは唐揚げ・焼き肉・生姜焼きが揃った「スタミナセット」とのこと

大阪桐蔭中学校・高等学校へのお問い合わせ

運営 学校法人大阪産業大学
住所 大阪府大東市中垣内3丁目1番1号
電話番号 072-870-1001(代表)
問い合わせ先 https://www.osakatoin.ed.jp/request/
公式ページ https://www.osakatoin.ed.jp/

※詳しくは公式ページでご確認ください