生徒の内なる志を育てる「岡山中学校・岡山高等学校」のグローバル教育とは|中高一貫校

特色ある教育に取り組む“注目の学校”を紹介するこの企画。本記事では、岡山県岡山市にある中高一貫校の私立共学校「関西学園岡山中学校・岡山高等学校」を紹介します。

グローバル教育や課題解決型の学習(探究学習)に力を入れている同校では、有名国立・私立大学の合格者を多数輩出しています。留学・海外語学研修にも注力し、現地で取得した単位を同校の単位として認める単位互換制度もあります。

今回はそんな関西学園岡山中学校・岡山高等学校のグローバル教育などの取り組みについて、同校で広報部長を務める金田先生にお話を伺いました。

慕われ尊敬されるリーダーを育成する「岡山中学校・岡山高等学校」

関西学園岡山中学校・岡山高等学校の正門

編集部

まず、関西学園岡山中学校・岡山高等学校の教育方針についてお聞かせください。

金田先生

本校では、社会の中で活躍するリーダー、それも周りの人から慕われ尊敬される真のリーダーとして活躍できる人材の育成を目指し、3つの「生きる力」を伸ばすことを目標にしています。

3つの生きる力の一つは「確かな学力」。基礎を身につけることで課題を発見し、自ら考え主体的に判断して解決に導くことができるようになります。それから「豊かな心」。自らを律しつつ、他人と協調し思いやる心や感動する心を育てます。もう一つは「健康・体力」。たくましく生きるために不可欠な健全な体を作ります。

また、本校の校訓は「天分発揮」です。本来、すべての人は優れた才能を持っています。本校では、生徒が自分自身の才能や可能性に気づき、能力を伸ばしていけるよう中高6年間かけてサポートしています。

実践的な英語力が身に付く、岡山中学校・岡山高等学校のグローバル教育

関西学園岡山中学校・岡山高等学校では、本物の英語を身につけることを目的に、オンライン英会話レッスンの受講や英検などの検定試験対策など、「話す・聞く・読む・書く」力をバランスよく伸ばせる英語教育を行っています。

ここでは、同校のグローバル教育の中でも特に注目度の高い、留学・海外語学研修プログラムについて紹介します。

イギリスの名門校の生徒として過ごす2週間で、英語力が飛躍的に向上

イギリスのパブリックスクール「イートン校」の校舎

▲イギリスの名門校「イートン校」。ここで授業や他の生徒との学校生活を体験する

編集部

関西学園岡山中学校・岡山高等学校のグローバル教育について教えてください。

金田先生

本校では、中学1年生〜高校2年生の間に1年間、海外の高校へ留学が可能です。高校では、現地校での留学の成果が上がっている場合、本校での進級を認めることができ、毎年3〜4名の生徒がこの制度を使って留学をしています。

また、本校は中国・四国地方で唯一、イギリスのパブリックスクールで行う語学研修プログラムを実施している学校です。このプログラムに興味を持ち、本校を志望した生徒もいる人気の研修です。

高校1年生を対象に、夏休み中の2週間を利用してイギリスへ行きます。イギリスの名門パブリックスクールであるイートン校やモーバン校のサマースクールで授業を受け、寮生活を体験します。授業はもちろん、寮での朝の点呼やスケジュールの説明もすべて英語です。

授業では、英語で日記を作成したり、イギリスの文化を学んだり、バッグのデザインや小物を作るなど、現地ならではの内容となっています。ハリーポッターや世界の名所について学んでいるクラスもありました。

イギリスのイートン校で授業を受ける関西学園岡山中学校・岡山高等学校の生徒たち

▲イートン校で授業を受ける生徒たち。

編集部

現地の高校生として生活するわけですね。学校生活以外ではどのような過ごし方をするのでしょうか?

金田先生

約6人のグループに対して現地スタッフが1人ついて、街を散策したり観光地を訪れたりもします。バードランドやコッツウォルズなど校外に出て、自然と触れ合ったり、古き良き街並みを楽しみます。公園でのピクニックや買い物を楽しんだり、現地の人の温かさに触れて、生徒も安心して買い物ができるようです。アフタヌーンティーで紅茶やスコーンをたしなみ、イギリスの雰囲気に浸ることもできます。

イギリスの夏は22時近くまで明るいため、夕食後にはグラウンドで現地スタッフと一緒にテニスやサッカーをして交流を楽しみます。

編集部

生徒の皆さんの反応はいかがですか?

金田先生

最初はもじもじしていた生徒も、帰国するころには積極的に英語でコミュニケーションが取れるようになり、とても成長した姿を見せてくれますね。

研修中は各校の卒業生や在校生が生徒たちのサポート役をしてくれます。生徒たちからすると歳の近いお兄さん・お姉さんのような存在ですから、彼らにサポートしてもらっているうちに「もっと話したい!」という気持ちが芽生えるのでしょうね。

毎日一生懸命コミュニケーションを取っていると、だんだん英語を話すこと自体が面白く思えてきて、それがやがて自信や意欲に繋がるのだと思います。

実際、語学研修に参加した生徒からは「もっと英語を勉強したいと思った」「貴重な体験ばかりで充実の毎日だった」といった感想を聞きます。「将来は英語を使って働きたいので、この経験を糧に頑張りたい」と目標を新たにする生徒もいます。

イートン校ゆかりのものがディスプレイされた関西学園岡山中学校・岡山高等学校のウィンドウ

▲岡山中学校・岡山高等学校の中には、イートン校ゆかりのものが展示されている。

大学や企業とも連携した、岡山中学校・岡山高等学校の探究学習

レゴブロックを使ってプログラミングを行う関西学園岡山中学校・岡山高等学校の生徒たち

▲探究学習のひとつ、レゴブロックを使ったプログラミングの授業のようす

編集部

関西学園岡山中学校・岡山高等学校の探究学習ではどのような取り組みをしているのでしょうか?

金田先生

本校の課題解決型学習・探究学習では、体験型の授業を実施しています。これは、周囲と協力しながら課題を解決する力を養うためには、受け身の授業では得られない「体験」をすることが重要だと考えているためです。

中学1年生ではプログラミングの基礎を学び、レゴブロックでロボットを作ります。作ったプログラムで思い通りに動かすことができれば成功ですが、なかなか簡単には成功しません。生徒たちは、「何が足りなかったのか、どこが間違っていたのか」と考えながらトライアンドエラーを繰り返します。

編集部

これまでにはどのようなロボットを作成されたのですか?

金田先生

例えば、水害についてのテーマで「災害被害を軽減するロボット」を製作したことがあります。この時には、センサーを使って水位を測り、河川が氾濫しそうになるとブロックを風車のように回して危険を知らせるロボットを考えたグループなど、生徒たちは様々な創意工夫をしていました。

また、プログラミングについては、岡山県立大学の教授にお越しいただき、生徒に分かりやすくノウハウを教えていただきます。

編集部

学年があがると、探究学習の内容も変わるのでしょうか?

金田先生

中学2年生では、県外での社会見学の機会があります。愛知県にある日本最大のプラネタリウムをもつ科学博物館やトヨタの施設などを見学したり、京都大学の先生に特別講義をしていただき大学の授業を体験したこともあります。講義の内容はSDGsに関するもので、生徒たちは、とても興味深く聞いていました。

そして中学3年生になると、企業に体験入社をするプログラム「クエストエデュケーション」をします。企業に体験入社してその活動や働き方を学び、企業活動が社会に生み出す価値を考えるプログラムのことです。

体験先に企業は毎年変わるのですが、製薬会社や住宅メーカーなど、有名企業7〜8社にご協力いただいています。グループ単位で体験入社するため、グループ全体でそれぞれの企業について調べ、どこに入社するか選びます。

編集部

体験入社では、どのようなことをするのでしょうか?

金田先生

入社後は、企業から与えられたミッションに取り組みます。例えば住宅メーカーであれば「子どもからお年寄りまで、家族みんなが安心して一緒に暮らせるのはどんな家か」などのミッションです。それらに対する答えや解決策を考え、グループごとに社員の方にプレゼンテーションを行います。

企業の方も生徒たちの発表内容に対して真剣に向き合ってくださり、「もう少しここを考えてほしい」など、的確なアドバイスをくださいます。「取り組んで終わり」ではなく、一度出した提案を試行錯誤しながらブラッシュアップしていく経験ができる絶好の機会でもあると思います。

レゴブロックの授業で楽しみながら問題解決の基礎を身につけ、社会見学で外の世界を知る経験が、やがて中学3年生に1年間かけて行う「クエストエデュケーション」につながっていきます。

この取り組みの結果は、全国からクエストエデュケーションに取り組む学校が集まる「クエストカップ」に出場して発表します。本校の生徒は、これまでに何度も本選に出場しています。2023年度も、1つのグループが予選を勝ち抜き、東京で行われる本選に出場しました。入賞には届きませんでしたが、参加した生徒は他校の活動を目の当たりにしたことで大きな刺激を受けたようです。

その刺激が、高校からの探究学習・課題解決力に生きていると思います。

編集部

高校ではどのような取り組みをしているのでしょうか?

金田先生

高校では自分が興味のあるテーマに対し、必要に応じて外部の会社や団体と協力しながら課題解決に挑みます。そしてまたここでも、外部の大会に出場します。

ここ数年は、高校2年生が「LOCAL FISH CANグランプリ」という大会に出場しています。地域の課題魚を利用したオリジナル缶詰を開発しプレゼンテーションする大会なのですが、2022年は第3位、2023年はみごと優秀賞(第2位)を受賞しました。

これは、本校で学び身につけてきたスキルが、着実に成果に現れている例だと思います。

岡山中学校・岡山高等学校のスクールライフ

ここからは、同学ならではの「寮生活」「体育大会」の2つをご紹介します。

通学圏内でも入寮する生徒多数。トレーニングルームもある男子寮

編集部

岡山中学校・岡山高等学校には寮があるそうですが、どのような環境なのか教えてください。

金田先生

敷地内に男子寮があります。全室個室で、18平米と8平米の2タイプの部屋を用意しており、食堂、ラウンジ、本格的な運動器具を揃えたトレーニングルームなど、設備も充実しています。

寮というと、通学圏内ではないという理由で入るのが一般的ですが、近年、通学圏内にもかかわらず寮に入る生徒の割合が増えています。

生活リズムを整え、学校生活とプライベートのメリハリがつけられるというのが、入寮する生徒が多い理由です。

寮では一日のタイムスケジュールが決まっており、夜には約3時間の勉強時間が確保されています。週末は毎週帰省できるので、平日はしっかりと学習しつつ、土日は家族と過ごすことができます。寮生活をうまく活用して、心身ともに健康に過ごしている生徒が多いですね。

編集部

自習だとどうしてもだらけてしまいそうですが、寮独自の学習制度などがあるのでしょうか?

金田先生

中学生は、中学1年生から3年生までの縦割りで5〜6人のグループを作って学習します。自習時間中は勉強のことなら話してもいいというルールがあるので、みんなわからないところがあれば教えあっています。

定期考査の前にはグループごとに目標を立て、それを達成したらちょっとしたご褒美が出ることもあって、寮生はとても前向きに勉強に取り組んでいますね。

編集部

寮の雰囲気はどのような感じなのでしょうか?

金田先生

単調になりがちな寮生活に飽きないよう、年間を通じて刺激があるような工夫を凝らしています。寮生の楽しそうな様子に魅かれて入寮する生徒も多いんですよ。

例えば、年度始めには新入寮生歓迎会の意味を込めて、寮生が集まって行う運動会もあります。この寮生大運動会は、新入寮生がグループで活動する初めてのイベントです。チーム対抗戦で行われ、とても盛り上がります。

体育館で寮生大運動会を実施した「教育寮みしま」の寮生たちの集合写真

▲体育館で寮生大運動会を実施した「教育寮みしま」の寮生たち

定期考査が落ち着いたら焼肉パーティーをしたり、新春には餅つき大会をしたり、寮内にある自動販売機のドリンクを投票で決めるといったおもしろいイベントもあります。

また、企業や大学の方から貴重な話を伺うモチベーションアップ講座や地元岡山大学の全学部の学生から大学での学びや合格するための勉強方法を学べる講座があり、高校生だけでなく中学1年生から参加しています。

チームワークと責任感を養う。岡山ドームで開催する体育大会

岡山ドームに集まる関西学園岡山中学校・岡山高等学校の生徒たち

編集部

岡山中学校・岡山高等学校で行う行事の中で、特徴的なものはありますか?

金田先生

生徒たちがいちばん楽しみにしているのは、岡山ドームで行う体育大会です。中学1年生から高校3年生までの縦割りで赤・青・黄の3つのチームを作り、対抗戦をします。学年ごとに行われる競技でも自分のチームの選手が必ず参加しているので、先輩後輩関係なく常に声援が飛び交っています。

チームごとに行う応援合戦は、百人以上の生徒が一緒にパフォーマンスをするので、非常に華やかで見応えがあり、特に盛り上がります。振り付けや練習はすべてチームの上級生の指導で行うので、「自分たちが体育大会を作っている」という責任感が芽生え、どの生徒も意欲的に参加していますね。

本番前日から岡山ドームで団別応援練習、入場行進、各競技の最終練習に打ち込み、準備にも励む姿があります。

勉強だけでなくこういった行事にもまじめに取り組み、企画力やチームワークの大切さを学ぶことによって、社会に出た後も魅力的なリーダーとして成長していってくれるのではないかと思います。

岡山中学校・岡山高等学校からのメッセージ

関西学園岡山中学校・岡山高等学校で広報部長を務める金田先生

▲取材に対応してくださった金田先生

編集部

最後に、記事をご覧のお子さんと保護者の方に向けてメッセージをお願いします。

金田先生

本校は、東大・国立医学部コースや難関大コースを備え、進路選択も手厚くサポートしています。実際に、医学部へ進学し岡山県内をはじめとする全国の病院で卒業生が活躍しているほか、難関国立大学へ進学し大学教授になったり、アナウンサーの職に就いたりしている卒業生もいます。

学力はもちろん、多様な経験を積み、変化の激しい現在の社会で、自分で考えて自分で行動して課題を解決するスキルを手に入れ成長できる学校です。本校のホームページでも雰囲気を感じ取っていただき、ぜひ説明会やオープンスクールなどで授業や学内のようすを体験いただけたらと思います。みなさんのご参加をお待ちしています。

編集部

さまざまなプログラムを通じて、段階を踏みながら問題解決力やグローバル意識を高める工夫が印象的でした。また、充実した行事や寮生活も非常に楽しそうで魅力を感じました。本日はありがとうございました。

岡山中学校・岡山高等学校の進学実績

東大・国立医学部コースや難関大コースがあり、高い目標を持って学ぶ生徒が多い岡山中学校・岡山高等学校では、難関国立大学、国公私立大学医学部や有名私立大学に合格者を輩出しています。

2024年度は、東京大学、大阪大学、岡山大学、高知大学などの国公立大学や、学習院大学、慶應義塾大学、早稲田大学をはじめとする難関私立大学などに多数の生徒が合格を決めました。

また、医療系への進路を希望する生徒は、京都薬科大学、立命館大学などの薬学部、北海道医療大学などの歯学部、獨協医科大学などの私立大学医学部などに進学しています。

■近年の大学合格実績(岡山中学校・岡山高等学校公式サイト)

https://www.okayama-h.ed.jp/careers/

岡山中学校・岡山高等学校の保護者の口コミ

教室で生徒たちに授業をする関西学園岡山中学校・岡山高等学校の教員

岡山中学校・岡山高等学校に通う生徒の保護者から寄せられた感想の一部をご紹介します。

先生が愛情深く、生徒に良い経験を積ませたいという熱意を感じます。子どもも先生を信頼しているのがわかり、親としても安心して託しています。

先進的な授業や行事を通じて、これからの社会で必要な力を得る機会を与えてくれます。子どもも生き生きと通学しており、この学校に決めてよかったと思っています。

ハイレベルな問題も熱意を持って丁寧に教えてもらえます。学習進度が早く、受験にもしっかり備えられるので安心です。

最寄駅からは少し遠いですが、スクールバスが7ルートもあり、岡山・倉敷地区からなら乗り換えなしで通えます。

レベルの高い内容をしっかりと教えてもらえるという声が多く上がっていました。また、教育熱心で丁寧な先生が多く、親の悩みにも真摯に向き合ってもらえて安心という声もありました。

岡山中学校・岡山高等学校へのお問い合わせ

運営 学校法人関西学園
住所 〒701-0206 岡山県岡山市南区箕島1500番地
電話番号 086-282-6336
問い合わせ先 学校法人関西学園 岡山中学校・岡山高等学校
公式ページ https://www.okayama-h.ed.jp/

※詳しくは公式ページでご確認ください