1,500席のホールに人工芝のドーム。星野学園中学校・星野高等学校の「人間の土台」を育む環境|中高一貫校

ぽてんをご覧の皆さんに、全国の個性豊かな学校を紹介するこの企画。本記事では、埼玉県川越市にある私立で中高一貫の共学校「星野学園中学校・星野高等学校」にインタビューを実施しました。

同校は、習熟度別の丁寧な学習指導で、東京大学をはじめ難関大学への合格者を輩出するなど、高い進学実績を誇っています。

また、行事や部活動といった多彩な体験により感性を磨く教育を実践しています。合唱祭などを開く1,500席のホールや、部活動に使う全面人工芝のドーム施設など学内設備も充実。卒業生には、オリンピックの金メダリストもいます。

今回は、中学校教頭の渡邉朋子先生に星野学園中学校・星野高等学校の教育方針と、行事や部活動などについてお話を伺いました。
※星野学園には共学の「星野学園中学校・星野高等学校」と高校の女子生徒だけが在籍する「星野高校女子部」があります。今回は共学の「星野学園中学校・星野高等学校」についてご紹介します。

知性を高め、豊かな心を育む星野学園中学校・星野高等学校

編集部

まずは、星野学園中学校・星野高等学校の教育方針について伺えますか。

渡邉先生

礼儀正しく品格のある人格形成と、失敗を恐れずチャレンジし、真理や正義を探求する人間の育成を目指しています。

そうした人間を育成するために、習熟度別学習指導を中心とした「知を築く」、異文化への理解を養う「世界につながる」、行事や部活動などにより感性を磨く「心を動かす」の3つの柱で教育を実践しています。

一般的に「教育」というと「知性を高める」という意味で捉えられます。本校では、「真の教育とは、知性を高めることにとどまらず、健全な身体と豊かな心を調和させて育むこと」という考えのもと、生徒たちを育んでいます。

1,500席の学内ホールで開く合唱祭で生徒も保護者も感涙

星野学園中学校・星野高等学校のハーモニーホール

▲星野記念講堂(ハーモニーホール)

編集部

教育の3つの柱のひとつである「心を動かす」についてお伺いします。生徒の感性を磨くために行なっている、星野学園中学校・星野高等学校の代表的な取り組みを教えていただけますか?

渡邉先生

クラス単位で参加する合唱祭ですね。コロナ禍では、中止や縮小開催でしたが、2023年の秋にようやく全面再開でき、生徒だけでなく保護者の皆さまも大変喜んでいました。

本校には「ハーモニーホール」という1,500席を備えたホールがあり、その舞台に立って合唱を競い合います。保護者も見に来て下さる大きなイベントで、自分たちが舞台の主役になれる機会なので、みんな一致団結して取り組んでいます。課題曲も何十曲か提示された中から生徒たち自身で話し合って決めています。

ホールには「世界三大ピアノ」に数えられる「スタインウェイ」と「ベーゼンドルファー」のピアノがあるので、伴奏を務める生徒にとっても大きな喜びのようです。

合唱祭は本校でも力を入れている行事のひとつで、毎年専門業者にお願いして、記念のDVDを作成しているほどです。

編集部

合唱祭で印象に残っているエピソードはありますか?

渡邉先生

合唱祭当日は、歌い終わると涙ぐむ生徒もいます。それを見た保護者の皆さまも泣いてしまうようです。特に優勝したクラスは嬉しさのあまり泣き崩れてしまうくらいで、たくさん練習したんだなということが伝わりますね。

生徒の感想には、「こんなに一生懸命行事に取り組んだのは初めてだった」「合唱祭の練習を通して友人をより思いやるようになった」など、人間的な成長がうかがえるような言葉が書かれています。教員としてもとても嬉しくなります。

ホールでは世界的楽団や人間国宝の狂言師のパフォーマンスを生で体験する機会も

編集部

「ハーモニーホール」では他にどんな催しをしているのでしょうか?

渡邉先生

芸術鑑賞会として、東京フィルハーモニー交響楽団や、世界的なジャズピアニスト・小曽根真氏、能楽師・観世銕之丞氏、狂言師・野村万作氏の能・狂言の上演など多彩なプログラムを開催しています。これは、心が柔らかい多感な時期の生徒たちに本物の芸術を生で体験させて感動を味わってもらいたいという、星野誠校長の思いがあります。

編集部

若いうちに本物に触れる機会があるのはとても貴重なことですし、人生の糧にもなりますね。生徒の反応はいかがですか?

渡邉先生

本物の迫力に圧倒され、自分たちが素晴らしい体験をしていると実感するようです。そのため、鑑賞マナーがとても良いとお褒めいただくことが多いです。

芸術鑑賞会には、世界的バレエダンサー・熊川哲也さんのバレエ団「Kバレエカンパニー」も出演してくださったことがあるのですが、新体操部の生徒たちは熊川先生から直接ご指導いただいて、大感激していました。

40以上の部が熱心に活動。全面人工芝のドーム施設も整備

星野学園中学校・星野高等学校の星野ドーム▲星野ドームは約3,000人を収容できる

編集部

次に、星野学園中学校・星野高等学校の部活動について教えてください。

渡邉先生

星野学園中学校・星野高等学校では部活動に力を入れています。中学・高校とも全員加入制としており、部の数は40以上です。遠距離通学の生徒もおりますので、活動頻度も週2〜5回といろいろで、その中から選ぶことができます。

本校は施設が整っており、グラウンドと体育館もそれぞれ2つずつありますし、小ホールなどが揃っていることもあり、運動部も文化部も活動が盛んです。

編集部

特徴的な施設はありますか?

渡邉先生

屋根があり、全面に人工芝を敷いた「星野ドーム」は他校にはなかなかない施設だと思います。普段は中学の軟式野球部とサッカー部、バトン部が、3分割して練習場として使っています。

編集部

恵まれた環境の中で部活動ができるのですね。

ソフトボール部は金メダリストを輩出。箏曲部は全国1位に輝いた実績も

編集部

強豪校として実績のある部も多いと伺いました。

渡邉先生

ソフトボール部は全国的な強豪で、オリンピックにも卒業生が何人も出場しています。2021年に行われた東京五輪では見事金メダルを獲得し、本校の卒業生が川越市スポーツ賞をいただきました。記念式典は川越市長を招き、本校のホールで開催しました。インターハイに出場した部はソフトボール部の他にも、新体操部、陸上部、水泳部、卓球部、剣道部、ソフトテニス部、弓道部、バスケットボール部があります。

また、文化系では「文化部のインターハイ」と呼ばれる「全国高校総合文化祭」に出場する部が多くあります。過去には筝曲部が全国1位に当たる文部科学大臣賞をいただいたこともありますし、吹奏楽部・マーチングバンド、放送部、書道部、写真部、美術部、バトン部、新聞部、百人一首部、囲碁部、文芸部、吹奏楽部・ウインドオーケストラ、音楽部なども出場しています。

また、毎年9月に行われる星華祭(文化祭)は文化部の発表の場ですので、どの部も部長を中心に星華祭に向けて熱心に活動しています。

部活動は学校によって差が出てくるものですが、本校では勉学だけでなく部活動も全員が本気で取り組み、目標に向けて異なる学年の仲間たちと切磋琢磨する経験を積んでいます。これにより、社会性と向上心を高めています。

習熟度別の指導やHRでの小テストで着実に学力が身に付く

星野学園中学校・星野高等学校の授業の様子

編集部

星野学園中学校の学習指導の特徴についてお聞かせいただけますか?

渡邉先生

本校では、習熟度別の学習指導を教育の柱のひとつとしています。授業をしっかり聞いて「難しいけれど授業を受けるとわかる・できる」という体験をしてもらいたいということで、個々人の習熟度に合ったクラス分けをしています。中学校には「理数選抜クラス」と「進学クラス」の2クラスがあり、高校の「理数選抜コース」は難関国公立や医学部医学科への進学を目指すために設けられたもので、理系のみではなく、文系の進路にも対応しています。

入学試験を「理数選抜クラス入試」と、「進学クラス入試」に分けていて、それぞれ合格したクラスに入るのですが、1年生から2年生、2年生から3年生と、学年が変わるところで、クラス変更も可能です。そのため、授業の進度は同じようにしてあります。

さらに英語検定やGTECには、中学1年から継続的に受験して4技能(聞く・話す・読む・書く)を鍛えます。中学で英検準1級、高校で英検1級を取得した生徒もいます。

編集部

自分の習熟度に合ったクラスで学んでいく方が、最終的には学力も身についていきますね。生徒に自主性を持って学習してもらうために取り組んでいることはありますか。

渡邉先生

朝のホームルームの時間などを使って、小テストを中学・高校とも行なっています。本校の卒業生からは、「HRテストをしっかり積み重ねることで学力がついた」という感想をもらっています。

編集部

HRテストが学習を習慣づけていくきっかけになっているのですね。

明るく元気で礼儀正しい星野学園中学校・星野高等学校の生徒

星野学園中学校・星野高等学校の授業の様子

編集部

星野学園中学校・星野高等学校にはどんな雰囲気の生徒が多いですか?

渡邉先生

明るく元気で礼儀正しい生徒が多いです。みんな挨拶がしっかりできますね。オープンスクールなどで本校の生徒たちの礼儀正しく真面目ではつらつとした様子を見て入学して下さるためか、自然とそのような雰囲気の生徒が多くなっています。

また、自分の意見をはっきり言える生徒が多いと感じます。本校では1年生から毎年、iPadでプレゼンテーションを行う場面があります。友人の発表を聞いて良いところを取り入れていくので、3年生ともなると説得力のあるプレゼンテーションになります。

さまざまな行事の後に取る、感想などを聞くアンケートでも、自分の意見をきちんと表現している生徒が多いですね。

星野学園中学校・星野高等学校からのメッセージ

編集部

最後にぽてん読者にメッセージをお願いします。

渡邉先生

星野学園中学校・星野高等学校では、オープンスクールや入学説明会、星華祭(文化祭)中には生徒によるミニ説明会など、来校頂く機会をたくさん用意しております。入学説明会は毎回内容を変えて実施しています。10月からは受験時と同じ会場で過去問題を解いて解説を聞くことができます。

また、私学入試の直前には小学校5年生(新6年生)を対象に、「中学校入試を1年前に体験しよう」というPRE模試も用意しています。

校風がお子さんに合うか確認できる場を多く設けていますので、ぜひ一度お越しになって、学校の雰囲気や本校の生徒たちの様子を見ていただきたいと思います。本校の教育方針とご家庭の教育方針が合っていると嬉しい限りです。

本校は開校して128年目を迎えますが、建学の精神を受け継ぎ、教育方針はずっと変わっておりません。そのような中で、生徒たちははつらつと勉強や部活動、行事などに勤しんでいます。どうぞ、安心してお子さまを預けていただきたいと思っております。

編集部

知性だけでなく心と身体も育む教育方針と、そこに込められた強い思いが伝わってきました。来校されたら、ハーモニーホールや星野ドームなど、充実した施設にも注目してほしいですね。本日はありがとうございました!

星野高等学校の進学実績

星野高等学校の2023年度進学実績を見ると、国公立大学の合格者が96名で、大阪大学・東北大学・獨協医科大学医学部医学科に現役合格を果たした生徒がいました。既卒生ですが東京大学や日本大学医学部医学科にも合格しています。また、「早慶上理(※)」と呼ばれる難関私立大学へは合計39名が合格、医学科へは4名、歯学科に11名、獣医学科に5名、薬学科に57名が合格しています。
(※)難関大「早稲田大学」「慶應義塾大学」「上智大学」「東京理科大学」をまとめた名称

教員が難関大向けの特別講習を無料で開催し、合格まで一人ひとりの小論文の指導・添削や、面接や口頭試問の対面指導を繰り返していることが好調の一因となっているようです。

■進学状況(星野高等学校公式サイト)
https://www.hoshino.ac.jp/pass_record

星野学園中学校・星野高等学校の卒業生・保護者の口コミ

最後に、星野学園中学校・星野高等学校の卒業生・保護者の声をご紹介します。

(卒業生)
星野では、「人としてどうあるべきか」というような大切なことを教えてもらったと思っています。礼儀作法や挨拶はもちろんですが、何事も真面目に取り組む姿勢や、生きるうえでの根幹のようなものが身についたと思います。

(卒業生)
振り返ってみると、自分のクラスの環境がとても恵まれたものであったと思います。何より友人の存在が大きかったです。私のクラスは全員が高い目標を持ち、各教科を極めるつもりで懸命に学業に励んでいました。その雰囲気がよい刺激になったと思います。また、苦手科目を互いに教え合うことができたのはとても良かったです。

(保護者)
行事が多く、楽しい学校生活を送っている様子です。勉強にも力を入れていて、生徒が楽しく授業を受け、その内容が身につくよう工夫しているようです。放課後などにも質問を受け付けてくれ、丁寧に教えてくれているという話を子どもから聞きました。

(保護者)
文武両道を掲げている学校で、学校生活が楽しそうです。施設はどれもきれいです。進学校のためか穏やかな生徒が多いようです。

生徒同士が互いに刺激を与え合う学習環境に加え、教員からも丁寧な指導が受けられるという声が多くありました。また、勉強面だけではなく、人間力も培えたという意見も見られました。

星野学園中学校・星野高等学校へのお問い合わせ

運営 学校法人星野学園
住所 埼玉県川越市石原町2-71-11
電話番号 049-223-2888
問い合わせ先 049-223-2888
公式ページ https://www.hoshinogakuen.ed.jp/

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