留学の機会が多数「福岡雙葉中学校・高等学校」のグローバルで活躍するための教育|中高一貫校

ぽてん読者の皆さまに注目の学校を紹介するこの企画。今回は福岡県福岡市にある「福岡雙葉(ふたば)中学校・高等学校」を取材しました。

福岡雙葉中学校・高等学校は中高一貫教育を行う私立の女子校です。グローバル社会で活躍できる人材の育成を目指し、グローバル教育と探究学習、プレゼンテーションスキルの向上に力を入れています。海外研修の機会が多いほか、留学生や帰国子女が多いことも同校の特徴です。

今回は、福岡雙葉学園 ・学園教育改革推進本部長の長村裕先生と福岡雙葉中・高 募集広報部長の有村奈津希先生に、教育目標や同校ならではの取り組みについてインタビューしました。

福岡雙葉中学校・高等学校が目指す、グローバルに活躍できる人材の育成

福岡雙葉中学校・高等学校の教員と生徒

編集部

初めに、福岡雙葉中学校・高等学校の教育目標について伺えますでしょうか。

長村先生

「グローバルシティズン」、つまりグローバルに活躍できる子どもたちを育てて、社会進出させるというのが本校の大きな目標です。その目標に向けて、カトリック精神を軸とした教育と、グローバルな視点での実践的な英語教育の2本柱で取り組んでいます。

カトリック精神を軸とした教育では、思いやりがあり、人のために尽くそうという生徒を育てることを目指しています。礼儀や挨拶、掃除といった基本的なことを重んじた教育は、外部からも高く評価されています。

一方で、グローバルに視野を広げて子どもを育てたいという保護者の要請もあり、グローバルシティズンに必要な、確かな英語力とグローバルな視点を身につけるためのグローバル教育も行なっています。

これらの2本の柱をもって、将来グローバルに誰かのために活躍できる子どもたちを育てようというのが、本校の教育の目指すところです。

福岡雙葉中学校・高等学校が力を入れるグローバル教育

福岡雙葉中学校・高等学校でタブレットを見る生徒

ここからは、グローバルに活躍する人材育成のための取り組みとして、グローバル教育について詳しくお聞きしました。

中高どちらも海外研修が豊富。長期留学時は希望で休学制度も利用できる

編集部

福岡雙葉中学校・高等学校で実践しているグローバル教育の特徴について教えてください。

有村先生

本校は短期・長期を含めた海外語学研修が充実しているのが特徴のひとつです。本校独自の研修や外部の機関の利用も併せて、多彩な海外研修プログラムが用意されています。

中学生が参加できるものもあり、3カ月と5カ月のプランがあるほか、夏休みの2週間、イギリス研修に参加したり、シンガポールの姉妹校との交流授業に教員が引率するプログラムもあります。

高校でも同様に短期・長期のプログラムに参加することができますが、本校の大きな特色として、1年間の長期留学には、「留学制度」と「休学制度」の2つで対応していることが挙げられます。

留学制度を選択すると、留学先での取り組みを単位認定して、次の学年に進級することができます。一方、休学制度は一旦学校をお休みして、トータル4年間での卒業を目指していく制度です。休学制度を利用すれば、受験の準備やその後の進路のことを考えて、ゆっくりと準備・対策を立てられます。

どちらの制度を選択するかについてはアドバイスはしますが、最終的には生徒本人と保護者が決めます。

他校にはない、この独自の制度があるから本校を選ぶという方も非常に多いです。

編集部

全体の割合でいうと、どのくらいの生徒さんが留学されるのでしょうか?

有村先生

1学年で5~6人は長期留学に行きます。2カ月までの短期海外研修ですと、学年の3分の1程度が参加しています。

本校では、中学ではGC(グローバルコミュニケーション)コース、高校ではGL(グローバル・リーダー)コースという英語教育やグローバル活動に特化したコースを設けていますが、留学に関してはどのコースも同じくらいの割合で参加しています。

トビタテ!留学JAPANへの選出数は県下1位。異文化に触れ海外へ進学する生徒も

福岡雙葉中学校・高等学校でさまざまな国の国旗を持つ生徒たち

編集部

留学は語学研修がメインですか。

長村先生

語学留学ももちろんですが、アフリカに実地研修に行ったり、社会貢献につながるようなNPOのプログラムに参加するために留学をする生徒もいます。

文部科学省が実施している「トビタテ!留学JAPAN(※)」を利用したもので、本校の「トビタテ!留学JAPAN」の合格者数は福岡県内で1位、全国でも3位です(参考:福岡雙葉高等学校。これは、志望理由書の添削やプレゼンテーションのアドバイスなどの指導があるためです。
(※)トビタテ!留学JAPAN:文部科学省が展開する留学促進キャンペーン

有村先生

「トビタテ!留学JAPAN」は留学期間も留学先での活動も自分たちで決めることができる、多彩なプログラムになっています。これまでも南アフリカで人権問題を学んだり、コスタリカで環境問題に取り組んだ生徒がいました。

本校では留学プログラム専門の職員が説明会を開き、生徒たちに案内しています。このように留学制度をサポートする専門の担当教員がいるのも本校の特徴です。

編集部

語学留学にしろ、語学研修のない留学にしろ、留学から帰ってきた生徒の変化や成長はどのように感じますか。

長村先生

閉鎖的な一面もある日本と異なり、留学先でさまざまな価値観が受け入れられていることに衝撃を受ける生徒が多いようです。「トビタテ!留学JAPAN」で環境問題や人権問題などのプログラムに参加した生徒は、より価値観の変化が大きいようです。

帰国後はさまざまなことに積極的に取り組むようになる生徒が多く、留学先での経験を生かして大学入試を突破していく生徒も多いです。指定校推薦や総合型選抜入試の際に、留学先で活動したことが自信になるようです。

また、学んできたことをシェアする機会も設けているので、周囲の生徒にも良い影響を与えていると思います。

有村先生

私は、帰国後に一気に希望進路が変わる生徒が多いと感じます。海外の大学に進学する生徒も徐々に増えてきています。最近はアジアの大学へ進学する生徒も多いですね。さまざまな国から留学生が集まるので、グローバルな環境で学べるのと、経済的に費用を抑えられるというのが主な理由です。

英語圏以外の留学生や帰国子女が多く、当たり前に異文化を理解し英語を使う環境

帰国子女と交流している様子

編集部

福岡雙葉中学校・高等学校では留学生や帰国子女の生徒も多いと伺いました。そのことがグローバル教育に与えている影響はありますか。

有村先生

大いにありますね。留学生や帰国子女は1学年に10名以上いますが、中には日本語が不得手な生徒もいます。もちろん教員は手助けしますし、日本語教員もいて、週に2回の学習サポートもあります。

ただ、やはりいちばん大きなサポートは生徒たちがお互い助け合ったり、声を掛け合うことです。サポートし合う良い関係を築けていることは、グローバル教育という点でも大きな意味があると思いますし、大切にしていきたいです。

長村先生

福岡にはご両親の仕事の都合で来日する留学生も多いのですが、本校は受け入れ可能な数少ない学校のひとつなので、スリランカやスペイン、中国や韓国など英語圏ではないところからも多くの生徒を受け入れています。

さまざまな国の生徒と交流できる環境なので、異文化理解が進むというメリットもあると思います。

編集部

留学生や帰国子女が多いとなると、授業以外でも英語を話す機会は多いのでしょうか?

長村先生

一般的に、学校にいて授業以外で英語を使うというのは、あまりないことだと思いますが、本校ではそれが当たり前にできる環境です。

本校は留学生や帰国子女も多いですが、ネイティブの外国人教員もたくさんいます。他校ではあまりないと思いますが、外国人教員が部活動の顧問を受け持ったり掃除や試験の見守りをしていますので、自然と英語を話す機会が多くなりますね。

有村先生

英語を話すことが日常的なので、綺麗な英語でなくても許される環境という点も魅力だと思います。みんな一生懸命話して、「通じなかった~!」と言いながら戻ってきたりもします(笑)。

我々日本人は、英語を話すことに躊躇してしまう人が多いと言われていますが、本校でなら、英語を話す度胸がつくと思いますね。

福岡雙葉中学校・高等学校の英語教員

▲英語教員。ネイティブの外国人教員による授業が行われている

福岡雙葉中学校・高等学校の探究学習はSTEAMとPBLの2本柱

福岡雙葉中学校・高等学校で討論をする生徒たち

編集部

福岡雙葉中学校・高等学校では探究学習を実施しているとのことですが、具体的な取り組みについて伺わせてください。

長村先生

中学に関しては「教科横断型テーマ学習」と「総合学習」を行なっています。

教科横断型テーマ学習は、その名の通り、1つのテーマについて教科を横断して学んでいくもので、半期に1回実施しています。このところ、STEAM教育(※)という言葉がよく聞かれるようになりましたが、それを実践しています。
(※)Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の5つの要素を組み合わせた教育アプローチ

例えば、国語と数学の組み合わせでは、「走れメロス」の主人公は本当に間に合ったのかというのを半年かけて実証実験したり、数学と美術の組み合わせでは、オリンピックロゴと幾何学模様について探究を深めています。

編集部

総合学習ではどのようなことをするのでしょうか?

長村先生

総合学習では、学年で統一したテーマを半年かけて学習します。例えば、中学1年生は食育や農業、中学2年生はアントレプレナーシップ(起業家精神)、中学3年生はキャリアプランなどを扱います。

例えば食育なら食品メーカーの方を招いて講演していただき、カカオを収穫している子どもたちはチョコレートを食べたことがないといった児童労働の話につなげたり、地産地消の大切さを学んだりしています。

アントレプレナーシップでは、保護者が勤務している企業の商品開発を手伝ってみたり、お金を稼ぐということについて学んでいます。

中学3年生はキャリアプランを学ぶほかに、英語劇を体験するのですが、プロの劇団員を招いて、表現するとはどういうことなのか、劇を作るポイントはどこかなどを事前にインプットしています。

課題解決に取り組む国際組織と連携。企業ともコラボし課題解決に向け進行中

福岡雙葉中学校・高等学校のGLコースの探究学習

▲GLコースの探究学習で行われるプレゼンテーションの様子

編集部

高校ではどのような探究学習に取り組んでいるのでしょうか。

長村先生

高校の探究学習では、生徒が自らテーマを選んで、社会問題を解決するプロジェクトに取り組みます。
英語教育やグローバル活動に特化したGLコースでは、「若者のダボス会議(※)」とも呼ばれる「ワン・ヤング・ワールド(※)」とタッグを組んで、社会課題解決のプログラムを実施しています。
(※)ダボス会議:スイスで毎年行われる世界経済フォーラムの年次総会。世界経済や環境面での課題の解決に向けて議論する。
(※)ワン・ヤング・ワールド:課題解決に取り組む若きリーダーたちをサポートする、国際的プラットフォーム。世界の次世代リーダーが参加している。

有村先生

「ワン・ヤング・ワールド」と組んでいるいちばんの理由は、社会課題解決のために世界中で活動されている方とオンラインで繋がり、話を聞いたりディスカッションができるからです。そのためには英語力が必要なので、GLコースだからできる活動です。

編集部

具体的にはどんなプログラムがありますか。

長村先生

今年は、「コロナ禍明けの福岡でどんな施策をしたらインバウンドが成功するだろうか」という課題についてチームに分かれて検討し、英語で発表するというプログラムがありました。最終的には「ワン・ヤング・ワールド・サミット」でスピーチすることを目指しています。

このプログラムでは、福岡の商業施設で訪日外国人旅行者にアンケートをとってまとめたり、日本の文化に触れる体験をしてもらうためにそうした施設とコラボレーションするといった提案がありました。

また、駅のスクリーンで構内アナウンスをさまざまな言語で翻訳してくれるというアイデアは、大手IT系メーカーと準備を重ね、実際に鉄道会社で導入する準備が進んでいます。生徒が企業と連絡を取ってコラボレーションすることが多いですね。

編集部

企業とコラボすることもあるのですね。

有村先生

大手化学メーカーとコラボしてドラッグストア旗艦店舗内のレイアウトを考え、ある商品の売上を昨年月対比で200%にしたこともあります。当初は期間限定で1店舗のみということでしたが、結果が良かったので、他店舗でも実施することになり、生徒たちも喜んでいました。

医進サイエンスコースではゼミ型PBLでローカルなテーマを探究

福岡雙葉中学校・高等学校の探求学習

編集部

他にはどのような探究学習をしていますか。

長村先生

教員一人ひとりがゼミを持ち、生徒が自分の興味にあわせてゼミを選択できるようにしています。教員の専門教科や趣味、これまでに体験したことなどさまざまなジャンルのゼミがあり、その中で社会課題を解決していきます。

私が受け持っているのは国際協力ゼミなのですが、国際系ですから、初めは世界の貧困や教育について取り上げていました。ところが、ある時生徒たちが「貧困って日本にもあるよね」と気づきました。そこで、子ども食堂とコラボして定期的に手伝いに行ったり、材料の調達のために農家さんと提携し、形が悪くて売り物にならない野菜を子ども食堂に提供するチームができました。

有村先生

私は歴史の教員ですが、美術史が好きでアートゼミをしています。ゼミで取り組んだことを大学受験で役立てるケースもあり、例えば過去には「時代の変遷によって漫画のタッチが変わるのはなぜか」を調べて、美術系大学の受験の際に成果として提出した生徒もいます。

編集部

探究学習を行なった生徒のみなさんの反応はいかがですか。

長村先生

地域の食材を使ったお弁当メニューを考案したり新聞を作成するなど、楽しみながらさまざまな課題に取り組んでいるようです。勉強だけでは得られない経験を積むことができると好評です。

探究学習では必ずプレゼンテーションをするのですが、生徒はみな準備に余念がありません。そのおかけで、本校の生徒はみんなプレゼンテーションが上手なんです。

先ほど紹介した大手メーカーさんとコラボした際にも、「アイデアが斬新だし、社会人顔負けのプレゼンテーション力だ」との評価をいただきました。日頃からプレゼンテーション能力を磨いているからいただけたお褒めの言葉だと感じ、とても誇りに思いました。

有村先生

最終的には全校でプレゼンテーション大会があるのですが、そこでグランプリを取ったチームが、「まだ自分たちは納得していないから、来年度も同じメンバーで探究を続けます」ということもあります。

成果に満足せず、深く探究する姿勢があるところが、本校の生徒の良いところだと思います。

福岡雙葉中学校・高等学校からのメッセージ

福岡雙葉学園 学園教育改革推進本部長 元中高総合探究担当の長村裕先生(左)、募集広報部長の有村奈津希先生(右)

▲インタビューに応じてくださった長村先生(左)と有村先生(右)

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

長村先生

本校に入学すると、英語とプレゼンテーション能力が相当上がることはお約束します。また、探究学習では、主体性・積極性を培っています。自分から積極的に行動できるようなお子さんを育てたいのであれば、ぜひ本校に入学していただきたいです。英語とプレゼンテーション能力、主体性はこれからの時代を生きていく子どもたちには本当に必要な力だと思います。

有村先生

本校は女子校ということもあり、活気のある学校で、屈託なくいろいろなことにチャレンジする生徒が多いです。そうしたチャレンジ精神やさまざまなスキルを身につけたいという方がいれば、一緒に楽しんでいきたいと思っています。

編集部

本日はありがとうございました。

福岡雙葉中学校・高等学校の進学実績

福岡雙葉中学校・高等学校のネイティブ教員と向き合う生徒たち

福岡雙葉中学校・高等学校では、多くの生徒が難関の国公立・私立大学に進学しています。2024年度は国公立大学は17名、早慶上理は21名、MARCH・学習院大は11名、関関同立は19名、海外の大学は8名が合格しています(合格者延べ人数)。

学校推薦・総合型選抜入試での進学率が高いのは、グローバル教育や探究学習の成果と言えるでしょう。

■進路指導・合格実績(福岡雙葉中学校・高等学校公式サイト)
https://www.fukuokafutaba.ed.jp/jh_school/course/results.html#success

福岡雙葉中学校・高等学校の卒業生・保護者の口コミ

福岡雙葉中学校・高等学校の授業風景

福岡雙葉中学校・高等学校の卒業生と保護者の声から、いくつか抜粋しました。

多様な価値観や国際感覚を養う最良の環境が整い、生徒の夢を全力で応援する雙葉の校風、常に寄り添い支えてくれた先生方や友人たちには今でも感謝の気持ちでいっぱいです。(卒業生)
(※)公式サイトから一部抜粋し引用しました。

勉強だけでなく部活や多くの学校行事等を頑張った達成感が大きな自信になっています。(卒業生)
(※)公式サイトから一部抜粋し引用しました。

学習環境が充実しており、放課後に勉強できる環境が整っています。先生のサポートもあり安心できます。(保護者)

勉強熱心な子が多いです。授業態度や宿題の提出状況に問題があれば、担任の先生から連絡が入るので、家庭内での指導にも役立ちます。(保護者)

福岡雙葉中学校・高等学校へのお問い合わせ

運営 学校法人 福岡雙葉学園
住所 福岡県福岡市中央区御所ヶ谷7番1号
電話番号 092-531-0438
問い合わせ先 https://www.sipstool.com/fukuokafutaba/anq/index.php?p=20111205205011
公式ページ https://www.fukuokafutaba.ed.jp/jh_school/

※詳しくは公式ページでご確認ください