新時代に対応する「アレセイア湘南中学校・高等学校」の探究学習とグローバル教育|中高一貫校

ぽてんをご覧の皆さんに、全国の個性豊かな学校を紹介するこの企画。本記事では、神奈川県茅ヶ崎市で中高一貫教育を提供する私立の共学校「アレセイア湘南中学校・高等学校」にインタビューを実施しました。

同校では国際文化交流などのグローバル教育や、時代の最先端をいくアイドルやYouTuberをゲストに迎える探究学習など、世界で活躍できるリーダーを育てるためのカリキュラムが豊富です。

今回は、中学募集室長の辰巳直之先生に、グローバル教育や探究学習について詳しくお話を伺いました。

アレセイア湘南中学校・高等学校の中学募集室長の辰巳直之先生

▲中学募集室長の辰巳直之先生

平和の追求を掲げる「アレセイア湘南中学校・高等学校」

アレセイア湘南中学校・高等学校の石碑

編集部

まず初めに、アレセイア湘南中学校・高等学校の建学の精神について伺わせてください。

辰巳先生

アレセイア湘南中学校・高等学校の建学の精神は「キリスト教信仰にもとづき、自由で平和であたたかい愛の学園をきずき、神を信じ隣人を愛する人、真の平和をつくるまことの人を世に送り出すこと」です。本校は学校法人平和学園の一員であり、平和の追求を共通の理念として掲げている点が特徴です。

ちなみに校名のアレセイアとはギリシャ語で「真理」という意味です。聖書の中に「真理はあなたたちを自由にする」という、本校で大切にしている言葉があります。物事の本当の大切なことを追求していく。それが何ものをも恐れない自由を得ることになりますし、最終的には平和にもつながっていくと考えています。

編集部

建学の精神の中の「まことの人」は、どのように捉えられているのでしょうか。

辰巳先生

本当に大切なことを大事にできる人間というふうに捉えています。日頃から私たちは「小さな平和から大きな平和」と言っています。他人を尊重するような身近なことが大きな平和につながっていくと考えています。

「まことの人」はそうした小さなことを積み重ねられる人のことで、私たち教員もそこを意識しながら日々生徒と接するようにしています。

アレセイア湘南中学校・高等学校の礼拝の様子

▲アレセイア湘南中学校・高等学校の礼拝の様子

アレセイア湘南中学校・高等学校のグローバル教育

アレセイア湘南中学校・高等学校のネイティブによる英語教育

編集部

アレセイア湘南中学校・高等学校のグローバル教育についてお伺いします。特徴的な取り組みについて教えていただけますでしょうか。

辰巳先生

まず本校のグローバル教育の前提として、世界平和に貢献できる人材の育成があります。そのためには世界の人々と相互理解を深めることが必要であり、コミュニケーションツールとしての英語の力を重要視しています。

具体的には、中学1年生からネイティブ教員によるオールイングリッシュ授業を行なっています。しっかりと生徒に英語力を身につけてほしいため、オールイングリッシュ授業では少人数制で授業を実施していることが特徴です。

アレセイア湘南中学校の放課後ネイティブ講座

▲少人数で授業を行う、オールイングリッシュの英語授業

日本文化の体験や鎌倉の歴史に触れ、己のアイデンティティを知る

アレセイア湘南中学校・高等学校の日本文化体験・華道(左)、日本舞踊(右)

▲日本の文化を知るため、日本舞踊と華道を体験

編集部

他にもグローバル教育について力を入れているものがあれば教えてください。

辰巳先生

中学の総合学習で、まず日本の文化を学ぶことを大切にしています。これは異文化を理解する前に、まず日本を知り、その上で海外について学ぶことを目指しています。自分たちの文化や立ち位置を知ることが重要だからです。

中学2年生が体験する鎌倉での研修では、グループごとにテーマを決めて地元の方にインタビューを行なっています。

例えば、なぜ鎌倉に幕府が置かれたのか歴史的な背景を調べたり、獅子舞や神楽などの伝統芸能の保存会に対して、どのように伝統芸能を保存していくのかなどです。寺の多い鎌倉ならではの取り組みとしては、重要文化財の修復を行なっている公的機関にヒアリングをするという活動もしています。

また、茶道や華道、日本舞踊といった日本文化の体験や、長崎研修や広島での平和学習も取り入れています。

アレセイア湘南中学校・高等学校の鎌倉研修でのインタビューの様子(左)、長崎研修で現地の方々からお話を訊く様子(右)

▲鎌倉でのインタビューと、長崎研修で現地の方々にお話を訊く様子

編集部

それらの学習で生徒はどのような学びがあるのでしょうか。

辰巳先生

ただ文化や歴史を学ぶだけでなく、その地に住む人々が何を考えているかを探ることで、人間理解を深めることができます。日本文化に携わる人に自分でアポイントを取って話を聞くことは、生徒にとって大きな刺激となりますし、自分のアイデンティティを育てることにもなります。これは日本人生徒だけでなく、外国籍の生徒にとっても大切なことです。そうした経験が異文化理解の促進にもつながっています。

生徒からも、鎌倉や伝統芸能に関わる人々の責任感や思いを直に聞き、人間味やリアルな声の重要性を感じたという感想がありました。

アレセイア湘南中学校・高等学校の職業体験のアポイントの電話をする生徒

▲自分でアポイントの電話をする生徒

オーストラリアや台湾の学校との交流やカンボジアでの体験研修も

アレセイア湘南中学校・高等学校のオーストラリアでの語学研修

▲オーストラリアでの語学研修

編集部

日本文化について学んだあと、グローバル教育はどのように展開していくのでしょうか。

辰巳先生

本校では国際文化交流を盛んに行なっており、オーストラリアや台湾の高校生が来日し、生徒の家庭にホームステイをしたり、授業を一緒に受けます。海外の同年代の子たちと交流し、他国ではどんな生活をしているのかなどに触れる機会をたくさん用意しています。

また、海外研修も充実しており、イギリス(高校生)やオーストラリア(中学2年生以上)での語学研修で実際に海外に行き、語学を学びつつ文化を体験する機会を設けています。

さらに2024年度からは台湾やカンボジアでの体験研修も始める予定です。台湾では、本校に来て下さる台湾の高校生が在学する高校に訪問し、交流活動を行います。カンボジアではアンコールワット遺跡の修復現場や、日本人が現地で起業した伝統工芸品の継承と雇用を守る活動を見学する予定です。

アイドルやYouTuberをゲストに招く。急速な時代変化に対応した探究学習

アレセイア湘南高等学校の探究学習

編集部

続いて、アレセイア湘南中学校・高等学校の探究学習についてお伺いします。取り組みについて教えてください。

辰巳先生

アレセイア湘南高等学校には探求コースと特進コースの2コースがあり、探究学習を専門に扱う探究科を教員の中でも設けています。探究科の教員が学年をまたいで探究学習を教えることで、連続性のある教育が可能です。探求コースでは正解のない問いに取り組み、変化を楽しむ人材を育成します。そのために、AIの台頭など現代の急速な変化にフィットする教育を目指しています。

高校1年生の探究学習では、世の中を知ることがテーマとなっており、自己探究に関する専門家である一般社団法人CHARMの内田優輝さんを講師に招き、さらにゲストとして、YouTuberの寺田家TVさんや、アイドルのbijouさん、起業家山下真輝さんなど多彩な人材に来校いただいています。

編集部

アイドルを招くというのは珍しいですね。どういった理由からでしょうか。

辰巳先生

アイドルをゲストとした理由は、時代の最先端を行く人材であり、彼らのメンタルや人を楽しませる力が現代に必要なものだからです。この学習では生徒のマインドセットを変え、学校生活を充実させることを重視しています。こうした方々の話を聞くことで、生徒たちの物事の取り組み方や捉え方を変えるのに役立つと考えています。

また、高校2年生では、自主的に動くことを重視しています。社会問題探究や企業起業探究などの授業を行なっており、ビジネスアイデアコンテストにも参加し、生徒全員がアイデアを出して競い合います。

昨年は「教育と探求社」が主催する「クエストカップ」企業探究部門の全国大会に参加しました。本校のグループがLINEヤフーのミッションに取り組み、準企業賞(全国2位)を獲得しています。このプロジェクトでは、LINEヤフーの方々を講師として招き、アドバイスをいただきながら、生徒たちは内容をブラッシュアップしていきました。

編集部

受賞した提案はどのような内容だったのでしょうか。

辰巳先生

作品名は「We are Creaters!」で、未来のネットサービスアプリを提案しました。世界中に「こころおどる」が連鎖し、参加者が大きなムーブメントを作って社会を構築することを目指しています。

プレゼンテーションでは、SNSがメンタルヘルスに及ぼす影響について言及し、多様な価値観を知ることと、他人の評価に囚われない自己理解の重要性が強調されました。また、個性を持った一人ひとりの行動が未来を創るというメッセージを伝えました。未来への希望を感じさせる温かい内容だったと高く評価され、今回の受賞につながりました。

アレセイア湘南高等学校の企業起業探究プレゼンテーション

▲高校2年生の企業起業探究のプレゼンテーション

編集部

この取り組みを通じて、生徒の成長についてどのように感じますか。

辰巳先生

自ら課題に取り組み、企業役員の前でプレゼンテーションをすることは、通常の学生生活ではなかなか得難い機会だと思います。そうした経験を経て、生徒たちは大きな自信をつけています。この経験は、未来を自分で切り開いていく力になると思いますし、大学入試や将来のキャリア形成にも役立つと考えています。

ここまで高校の探究学習についてお話をしましたが、実はこれは中学から繋がっていることです。中学1年生の4・5月に初めての発表を経験し、中学3年間で1人あたり10回以上プレゼンテーションを行なった上で、高校に進学します。

中学ではさまざまな体験をして、それをまとめて発表まで繋げていて、各学期ごとにひとつの体験をして、発表すると言う流れができています。大きな講堂で話してもらい、発表後には質疑応答の時間があり、司会も生徒が担当します。

アレセイア湘南中学校のプレゼンテーションの様子

▲中学校のプレゼンテーションの様子。同校ではプレゼンの機会も多い。

アレセイア湘南中学校・高等学校からのメッセージ

アレセイア湘南中学校・高等学校の生徒たち

編集部

最後に、ぽてん読者にメッセージをお願いします。

辰巳先生

アレセイア湘南中学校・高等学校では、度胸を養い、世界に羽ばたくためのスキルを身につけるために、体験したことのまとめや課題解決の提案を発表する場を何度も設けており、これが本校の強みとも言えます。

また、本校では正解のない問いに取り組み、変化を楽しむ人材を育成することを目指しており、そのためにさまざまなカリキュラムを用意しています。

そのような体験をしたいお子さんには、ぜひ本校に飛び込んできてほしいと考えています。

編集部

これからの社会では発信力が不可欠となってきますから、中学・高校での発表の機会は本当に貴重ですね。本日はありがとうございました。

アレセイア湘南中学校・高等学校のアーチェリー部、女子バスケ部

▲部活も盛んな同校。珍しいアーチェリー部も。

アレセイア湘南高等学校の進学実績

アレセイア湘南中学校の授業を受ける生徒

アレセイア湘南高等学校ではここ数年進学実績が伸びてきており、難関大学に合格する生徒も増えてきています。一人ひとりのさまざまな進路に対して、教員が親身に対応している結果と考えられます。

過去5年の進学実績としては、国公立大学に17名、早慶上理は25名、MARCH(※)・学習院大は80名、海外の大学は14名が合格しています(合格者延べ人数)。
(※)明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学の頭文字を並べたもの

■進学実績(アレセイア湘南高等学校公式サイト)
https://www.aletheia.ac.jp/h/shinro/jisseki.html

アレセイア湘南中学校・高等学校の在校生・卒業生・保護者の口コミ

アレセイア湘南中学校・高等学校の在校生と卒業生、保護者の声から、いくつか抜粋しました。

(在校生)アレセイアの魅力は、毎日のように行うグループワークで、個々が真剣にあらゆる問題に向き合えることです。実際に多くの授業で、グループワークや自主的に考えるという時間が設けられていて、答えが与えられるだけではなく考える力を伸ばす機会が多くあります。少人数制のクラスであることが、その効果をさらに高めてくれます。生徒会活動に関わる私の場合、それらの中学での経験が高校での現在の活動に活かされています。公式サイトより一部抜粋)

(卒業生)アレセイアの先生は生徒の事が好きで、生徒のことを考えてくれる先生ばかりです。だから個性を出しても否定されないし何かやりたい事がある時には、応援してもらえる。その空気感が生徒にも伝わって、生徒も他者を尊重できる様な人間になっていくと思います。やりたい事がありその理由もしっかりと持っていればアレセイアの先生は力を貸してくれます。恐れず、挑戦してみてください。公式サイトより一部抜粋)

(保護者)生徒に寄り添う教育体制の学校で、教員は面倒見が良く、生徒一人ひとりの個性を大事にしていると感じる。また、習熟レベルに合わせたクラス分けあり、わからない内容は個別対応があるので安心できる。

(保護者)アットホームで個性を大切にしてくれる学校。先生たちがとても熱心で学習環境も良く、大学進学率も高い。

アレセイア湘南中学校・高等学校へのお問い合わせ

運営 学校法人平和学園
住所 神奈川県茅ヶ崎市富士見町5-2
電話番号 0467-87-7760
問い合わせ先 https://www2.aletheia.ac.jp/al_info/contact/j
公式ページ https://www.aletheia.ac.jp/jr/

※詳しくは公式ページでご確認ください。