愛媛県宇和島市で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報

宇和島市(うわじまし)は、愛媛県の南西部に位置する人口約69,000人のまちです。愛媛県というと温暖なイメージがありますが、宇和島市は冬季になると山間部などで雪が積もることもあり、四季の移ろいが豊かな地域です。

宇和島市は南予地域(愛媛県南部の通称)の中核都市であり、商業の中心地として栄えています。国道56号線沿いには、スーパーマーケット、病院、コンビニ、ファミリーレストランなどが立ち並び、日々の生活に困ることもありません。

この記事では宇和島市での暮らしや移住に関する情報を、市役所の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。

宇和島市・総務企画部・企画課・移住定住推進室・清家敦さん

愛媛県宇和島市の暮らし、5つの特徴

愛媛県宇和島市・暮らしの特徴

宇和島市は有人島を含めた東西が38.15km、南北が34.94kmあり、面積は468.19㎢で愛媛県内で4番目に大きい市です。平成17年に宇和島市・吉田町・三間町・津島町が合併し、現在の宇和島市となりました。市の西側は宇和海に面しており、入江と離島が複雑に交差したリアス式海岸が広がっています。

独眼竜・伊達政宗の長男、伊達秀宗が宇和島藩初代藩主を務めた城下町でもあり、市の真ん中には宇和島城があります。

宇和島城外観
▲春には城と桜の白と薄桃色の対比が美しい景色を見ることができる

宇和島市は真珠や真鯛の養殖、柑橘の生産量が日本一で、全国的にも珍しい闘牛の観戦を楽しめるまちです。

それでは、ここから宇和島市の特徴や魅力を紹介していきます。

  • 特徴1:自然環境と生活の利便性のバランスが取れている
  • 特徴2:子育ても仕事も!各種支援制度が充実
  • 特徴3:釣り好きにはたまらない、県内屈指の釣りどころ
  • 特徴4:日本屈指の柑橘類の産地
  • 特徴5:「うわじま移住応援隊」が移住者をサポート

特徴1:自然環境と生活の利便性のバランスが取れている

遊子水荷浦の段畑

宇和島市の居住地は国道56号線を中心に広がっており、スーパーマーケットや医療機関なども充実しています。それと同時に、市の70%を森林が占める自然豊かな地域でもあります。

中心市街地の西にある九島には、橋を渡って4〜5kmで行くことができるので、自転車で市街地までやってくる人もいるそうです。市としての面積は大きいですが、生活の基盤がコンパクトにまとまっているため、自然と利便性のバランスが良いまちです。

松山市までは高速道路(松山自動車道)が通っており、車で1時間30分ほどで行けるため、デパートなどでのショッピングや、野球観戦・コンサートなどを目的に、週末に足をのばすこともできますよ。

特徴2:子育ても仕事も!各種支援制度が充実

宇和島市立児童館「こもりん」
▲「木にふれ、森とつながる」をコンセプトにした宇和島市立児童館「こもりん」では木育にも取り組んでいる

子育て世帯をメインターゲットに制度を整えていることから、宇和島市は子育て・就業どちらにも力を入れており、各種支援制度が充実しています。

>>各種支援制度の紹介ページはこちら

子育て支援:給付金の支給から紙おむつの支給まで!

制度名 概要
子育て応援給付金 ・新生児~満2歳児まで給付金を支給(居住期間など支給要件を満たす人が対象)
・対象児童1人につき10万円
子ども医療費助成 0歳~中学校修了までの子どもの保険診療による通院や入院の自己負担額を助成
愛顔の子育て応援事業

・第2子以降の満1歳未満の子どもの保護者に、紙おむつ購入に利用できる券を交付
・対象乳児1人につき50,000円分の応援券(1,000円券×50枚綴り)

・県内企業3社が生産する乳児用紙おむつ製品を、市内の登録店舗で購入する際に利用が可能

紙おむつ購入の支援は、県内に紙おむつメーカー3社の本社や工場がある愛媛県ならではのユニークな制度なんです。その他、「特定不妊治療費の助成」や「特別児童扶養手当・障害児福祉手当」も整備されています。

就業支援:移住から就業までをサポートする農林漁業支援

宇和島市は農林漁業がいずれも盛んな地域であることから、新規就業者支援を行っています。

制度名 概要
農業新規就業者支援 宇和島市に移住し、将来農家として自立することを目的とし、先進農家に就業する50歳未満の新規就業者に対し、支援金を給付
林業新規就業者支援 宇和島市に移住し、認定林業事業体等に就職した50歳未満の新規就業者に対し、支援金を給付
漁業新規就業者支援 宇和島市に移住し、漁業に就職したい50歳未満の国の長期研修事業の研修生に対し、支援金を給付

農業・林業・漁業を始める移住者は一定数いるのだそう。これまでに、農業は16世帯20名、林業は 19世帯29名、漁業は11世帯11名が制度を活用した実績があるようです(※令和5年5月末現在)。

特徴3:釣り好きにはたまらない、県内屈指の釣りどころ

宇和島市の名産真鯛を網ですくう漁師

宇和島市といえば、「鯛めし」「牛鬼」「みかん」のイメージが強いかもしれませんが、実は屈指の釣りスポットでもあります。県外から宇和島まで釣りを目的として足を運ぶ人もいるんですよ。

「釣りはしないな~」という方も考えてみてください。釣り好きの方がわざわざ県外からやってくる。つまり、魚がとっても美味しいんです!

狙える魚は、アジ・アオリイカ・マダイ・ハマチなどなど。

特徴4:日本屈指の柑橘類の産地

みかん畑で収穫を行う様子
▲傾斜のきついみかん畑での収穫もなんのその。宇和島から全国へ美味しいみかんを届けています

宇和島市では多種多様な柑橘が栽培されており、一年中その味わいを楽しむことができます。市内には愛媛県の柑橘産業の中核施設「みかん研究所」があり、柑橘類に関する育種・栽培研究を行っているほど、生産が盛んなんです。

極早生(ごくわせ)みかん・早生みかん・南柑20号の3種を総称して「宇和島みかん」と呼んでおり、特に10月~1月にかけては甘くて味が濃いみかんを楽しむことができますよ。

美味しいみかんを安く買うことができ、手軽にビタミンCをはじめとした栄養を摂ることができそうですね。

>>宇和島みかんのオンラインショップはこちら

特徴5:「うわじま移住応援隊」が移住者をサポート

宇和島市では移住支援の取り組みとして、2022年度からサポーター制度を導入しました。その名も「うわじま移住応援隊」。住まい・仕事・地域・子育て・暮らし・広報の6つの観点から移住者をサポートしていきます。

サポーター区分 主な活動
住まい 物件探し等を応援:空き家バンク登録・紹介、借家等の物件紹介、新築・改修相談など
仕事 就業体験や就職を応援:インターンシップの受入れ、求人情報の提供、創業の相談など
地域 地域での活動を応援:地域の情報提供・紹介、地域との交流、自治会との関わりなど
子育て 子育てを応援:子どもの遊び場紹介、保育相談、支援制度の情報提供など
暮らし 日々の暮らしを応援:先輩移住者との交流、生活支援情報の提供など
広報 市の魅力発信を応援:SNS等による魅力の発信、広報誌・情報誌等への取材協力、魅力あるスポットの紹介

サポーターとして活動しているのは宇和島市の市民・企業・団体です。「ちょっとしたことだから市役所に聞くほどでもないし、誰に相談すればいいだろう」といった際にも、気軽に相談することができますよ。

現段階では企業・団体のサポーターが多く、個人サポーターはまだまだ少ないようです。今後「オール宇和島」として官民連携で移住者のサポートを行っていくそうなので、移住者にとっても心強い動きとなりそうですね。

>>うわじま移住応援隊の紹介ページはこちら

宇和島市の暮らしに関する情報

毎年7月に行われる「うわじま牛鬼まつり」の様子
▲うわじま牛鬼まつりでは、牛鬼の山車が市内を練り歩き、観光客を楽しませる

ここからは宇和島市での生活に関する情報をデータと共に紹介します。

気候 ・年間平均気温は17.0度
・8月の平均27.7度が最高気温、1月の平均7.0度が最低気温
・黒潮の影響により夏季は多雨多湿、冬季は少雨乾燥な太平洋側気候である
人口 69,285人
※2023年5月1日現在
病院 クリニック含め、市内には107の医療機関がある。総合病院は、市立宇和島病院、宇和島徳洲会病院、JCHO宇和島病院、宇和島市立津島病院、宇和島市立吉田病院の5院で、産婦人科は全部で3院ある
学校 保育園20(うち休園1)、幼稚園5、小学校30校(うち休校2校)、中学校6校、高校5校、中等教育学校1校、専門学校1校
文化・芸術 ・闘牛:全天候ドーム型の闘牛場があり、年4回大会が行われている
・うわじま牛鬼まつり:毎年7月に開催される夏祭り。全長5~6メートルの牛鬼(山車)が市内を練り歩くパレードは圧巻
娯楽 ・宇和島城:現存12天守の1つであり、宇和島市の象徴
・鬼ヶ城山:宇和島の名山。頂上からはリアス式海岸の眺望が楽しめる
・遊子水荷浦の段畑:急な山の斜面に石垣を積み上げて造られた階段状の畑地。国の重要文化的景観や日本農村百景に選定されている
・天赦園:宇和島藩第7代藩主である伊達宗紀が、隠居場所として造営した池泉廻遊式庭園。四季折々の花が植栽されている
・八幡神社のイブキ:樹齢800年を超える巨木であり、国指定の天然記念物とされている
・南楽園:四国最大級の日本庭園
食べ物 ・鯛めし、さつま、鯛そうめん、ちゃんぽん、じゃこ天
・ブラッドオレンジなど、40種類以上の柑橘類を生産している柑橘の産地でもある
交通 ・鉄道:JR四国予讃線、予土線
・車:松山自動車道
・バス:宇和島自動車、宇和島市コミュニティバス
近隣都市 ・県内:西予市、鬼北町、松野町、愛南町
・高知県:四万十市、宿毛市
大都市へのアクセス ・松山市へは車で約1時間30分、電車で約1時間20分(宇和島駅~松山駅)、バスで約2時間(宇和島駅前~松山市駅)

松山空港からは東京~沖縄までフライトがある

宇和島市内から松山空港までは車で約1時間半、電車とバス(松山駅で乗り換え)で約1時間45分で行くことができます。

松山空港は東京(羽田/成田)、伊丹、中部、福岡、鹿児島、那覇間のフライト発着があり、各主要都市へのアクセスも容易です。

【仕事】車で30分以内の近隣都市も含め、求人数は多い

大手求人サイトで「宇和島市×正社員」で検索したところ、約1,800件の求人情報が見つかりました。また、車で30分以内の通勤圏として近隣都市の正社員も調べたところ、以下のような求人数がありました。

市町 求人数
西予市 約1,300件
鬼北町 約400件
松野町 約300件

※縁結び大学独自調べ(2022年10月現在)

近隣都市も含め約4,000件近い求人情報があるので、選択肢は広そうですね。また、愛媛県の公式求人・移住総合情報サイト「あのこの愛媛」にも宇和島市の求人情報が掲載されているので、合わせてチェックしてみて下さい。

>>愛媛県の公式求人・移住総合情報サイト「あのこの愛媛」はこちら

【住まい】賃貸物件数は約400件。空き家バンクは人気が高い

大手賃貸サイトで宇和島市の物件を探したところ、賃貸可能なアパート・マンションは約400件見つかりました。宇和島市と松山市で家賃相場を比べてみたところ、相対的に宇和島市の方が安い結果となりました。

広さ 宇和島市平均家賃 松山市平均家賃
1R-1DK 3.78万円 3.81万円
1LDK-2DK 4.75万円 5.52万円
2LDK-3DK 5.04万円 5.98万円
3LDK-4LDK 6万円 7.54万円

※縁結び大学独自調べ(2022年10月現在)

宇和島市では空き家バンク制度も設置していますが、件数は約10件と多くはありません。また、いい物件があればすぐに問い合わせが来るような状態とのことなので、定期的にページを確認し、気になる物件があれば即連絡を取ることをオススメします。

市としては登録件数を増やすべく「うわじま移住応援隊」と共に活動を行っていくそうなので、今後の空き家バンクの増加にも期待できそうです。

>>空き家バンクについての紹介ページはこちら

宇和島市に移住した人の感想・体験談

愛媛県宇和島市・移住者の声

ここでは宇和島市への移住を決めた先輩移住者の声として、「宇和島市に移住した理由」「宇和島市の良いところ」「宇和島市で驚いたこと」を紹介します。

宇和島市に移住した理由

  • 子どもが大きくなったこともあり、「何かやりたいことに挑戦しよう」と思い立って単身移住を決意。人の穏やかで優しい雰囲気や、人口規模もあり住みやすそうなまちとして宇和島に辿り着いた
  • 飲食店を独立開業しようと考えていた時に、宇和島の魚のおいしさに感動し、海があって、魚が美味しくて、人が温かいところでお店を開きたいと考えた。ちょうど、地域起こし協力隊を募集していたので、縁を感じて応募
  • NPO法人が主催の地方創生プログラムに参加し、現地フィールドワークで行った先が宇和島だった。プログラム終了後も、宇和島の産品をイベントでPRするなど関係は続き、結果として地域起こし協力隊として着任することになった

宇和島市の良いところ

  • 水、空気がきれいでおいしい
  • 食べ物がおいしくてとても安い
  • 自然が仕事を生み出すと同時に、遊びや憩いの場にもなる豊かさがある
  • のびのびと子育てできる環境で、都会にはないココロの豊かさが感じられる
  • 海や山などの自然に囲まれ、みかんや魚など観光資源になるものがたくさんある

宇和島市で驚いたこと

  • 家の前で魚を獲ることができる
  • 蒋渕(こもぶち)地区に住んでいるが、朝の6時にサイレンが鳴る。サイレンと共に起床する生活になった
  • 都会では付き合いがあるのは両隣の家くらいだったのに、宇和島では近所の人が余った野菜や多く作り過ぎたおかずをおすそわけしに来てくれる
  • 移住したてでまだ何もわからない時に、困ったことがあり地域の人に助けを求めたところ、またたく間に地域全体に広がり、助けてもらえた。普段はおのおのがゆったりと過ごしているのに、いざという時の人同士の繋がりが強い

全体を通して:ゆったりとした地域での生活が楽しめる

先輩移住者の声として共通で上がっていたのが、「時間に追われることなくゆったりと自分のリズムで生活できること」でした。都会で満員電車での通勤にストレスを感じ、日々追われるように生きていたのが、宇和島市では自然を感じながら健康的な生活を送ることができているようです。

もちろん、環境が変わることにより全てが上手く進むわけではありません。「知らない人だらけの土地だからこそ、自分をさらけ出して地域に受け入れられるような努力は必要です。仕事や収入も変わるので、リスクを考えて動く必要もあります」とのアドバイスもありました。

>>先輩移住者の声はこちら

宇和島市への移住ステップ

宇和島市に興味を持ったら、移住について具体的に考えてみましょう。とは言っても、何も知らずにいきなり移住するのは勇気がいるものです。

宇和島市では「移住体験住宅」を用意しているので、お試し移住ができます。またいざ移住するとなった場合、「移住奨励金」を活用できる可能性があります。

移住体験住宅を活用し、お試し移住ができる

津島町岩淵にある移住体験住宅
▲津島町岩淵の移住体験住宅「白鷺」3DKの駐車場付き

「移住の前に、まずは宇和島市での暮らしを肌で感じてみたい」。そんな方におすすめなのが、移住体験住宅を活用したお試し移住です。

必要最低限の家電・家具と寝具は備えられており、最短7日間から最長92日間まで利用することができます。Wi-Fiの利用もできるので、リモートワークで仕事をしながら宇和島市の生活を体験することもできますよ。

賃料は15,000円/月で、電気代、水道料金、ガス料金、汲み取り費等は実費負担となります。入居手続きには最低10日間はかかるそうなので、活用する際には早めに相談してみてくださいね。

>>移住体験住宅の紹介ページはこちら

移住奨励金を活用しよう

宇和島市では移住・定住に関して2つの奨励金が用意されています。いずれもUターン者・Iターン者が給付対象者です。

奨励金の金額 その他
宇和島市若者定住奨励金事業 ・Uターン者:15万円/人
・Iターン者:10万円/人
・配偶者、子およびその他の家族1人につき5万円加算
・申請時において賃貸住宅・借家に居住の場合は5万円加算
宇和島市移住・定住促進支援金事業 ・単身:10万円
・2人以上の世帯:15万円

年齢制限等の要件があるので、自分がどの奨励金を活用できるのかなど、下記のページを確認したり、移住定住推進室に相談してみてくださいね。

>>宇和島市若者定住奨励金事業の紹介ページはこちら

>>宇和島市移住・定住促進支援金事業の紹介ページはこちら

移住に関する問い合わせ

移住担当の清家敦さん
▲移住に関する相談は企画課の移住定住推進室までお気軽に!

少しでも宇和島市に興味を持った方は総務企画部企画課の移住定住推進室係に問い合わせてみてくださいね。移住についての相談に、丁寧にのってくれますよ。

担当課 総務企画部 企画課 移住定住推進室
住所 〒798-8601
愛媛県宇和島市曙町1番地
電話番号 0895-49-7105
FAX 0895-20-1905
メール iju@city.uwajima.lg.jp
公式サイト https://www.city.uwajima.ehime.jp/site/ijyu/