【山梨県都留市への移住】住み心地・仕事・支援情報など

この記事では、地方移住を検討している方に向けて、山梨県の「都留市(つるし)」をご紹介します。

山梨県東部に位置する都留市は、富士山の清らかな湧水が流れ山々に囲まれた、美しいまちです。

東京から電車で90分というアクセスの良さにもかかわらず、都会とはまるで別世界の豊かな自然を楽しめるのが魅力。また、他の地域からやってきた人に対しても寛大でオープンな風土が根付いており、移住者もすっと溶け込めるような温かい雰囲気も特徴です。

そんな都留市で暮らす魅力や生活情報、実際に移住した人の声などをお届けしていきます。

一般社団法人まちのtoolboxの柿沼さん

都留市の暮らし、3つの特徴

都留市の暮らしの特徴

都留市は、東京・新宿から90分という距離にありながら、都会とはうってかわって、富士山を臨む自然豊かな風景に囲まれたまちです。

そんな都留市は、移住を検討している方の中でも、特に次のような方に向いていると言えそうです。

  • 他の都市、特に東京方面との行き来が便利なところに住みたい
  • 水にこだわりがある。きれいな水や、その水で育った野菜を口にしたい
  • 早く移住先に溶け込んで、人々との交流や地域の活動を楽しみたい

ここからは、おすすめの理由にもなる、都留市の特徴を3つご紹介します。

特徴1:新宿まで90分!東京方面と気軽に行き来できる

富士山が美しくそびえる都留市の全景

中央自動車道の都留ICを有し、JR中央本線にも近い都留市は、全国各方面のアクセスが良好です。

中でも東京方面へは新宿まで電車で約90分、車でも約70分という近さ。

「移住をしても都心方面にも遊びに行きたい」という方や「東京にいる家族や友達に気軽に遊びに来てほしい」という方、また「いきなり完全移住ではなく、東京との二拠点生活を試してみたい」という方にも嬉しい距離感ですね。

物価が安い山梨県。生活コストが抑えられる

そして、これだけ都心が近いにも関わらず物価が安いというのが、山梨県の特徴です。「消費者物価指数(全国基準との物価の差が分かる指数)」は下記のようになっています。

都道府県名 消費者物価指数
山梨県 98.7
東京都 104.4
全国基準値 100

出典:統計でみる都道府県のすがた2020(総務省統計局)

山梨県は、東京都と比べて物価が安いだけでなく、全国基準値も下回っています。

都心から移住する方の中には、「働く時間を少し減らして、移住前よりゆったりとした暮らしをしたい」という方もいらっしゃるでしょう。特にそんな方にとって、物価が安く生活コストが抑えられる地域だというのは嬉しいポイントですよね。

特徴2:生活のいたるところに富士山の名水がある

夏狩湧水群にある「太郎・次郎滝」
▲夏狩湧水群にある「太郎・次郎滝」は、崖から湧水が噴出する珍しいスポット

都留市は、富士山の北東に位置する、富士山湧水の出るまちです。富士山に降り注いだ雨や雪がゆっくり地面に浸透し、何十年もかけてろ過され、湧水となって地上にあらわれています。

市内には、「平成の名水百選」に選ばれた「十日市場・夏狩湧水群」など数多くの湧水スポットがあり、生活用水や農業用水にも富士山の雪解け水が使われています。さらに水道水も、大自然からもたらされる地下水・伏流水が利用されたもの。まろやかでくさみのない味わいが特徴です。

湧水を掛け流して栽培する「水掛け菜」、湧水の清流で育った「わさび」、ミネラル豊富な湧水で育ち、一定の条件を満たした豚だけがそのブランド名で呼ばれる「富士湧水ポーク」など、都留市の特産品の中にも、名水の恩恵を受けたものが多数あります。

日々の暮らしに欠かせない「水」の質について、普段から意識している方も少なくないでしょう。とはいえ都会住まいでは、「きれいな水・おいしい水」は、浄水器やウォーターサーバーの利用など、お金を払って手に入れるというのが一般的ですよね。

都留市では、日常のあらゆる場面に富士山の水を使用するという、代えがたい贅沢が実現しますよ!

特徴3:学生のまちのオープンな気質と制度

都留市には「公立大学法人都留文科大学」「健康科学大学桂川キャンパス」「山梨県立産業技術短期大学校都留キャンパス」という3つの大学のキャンパスがあります。都留市のような人口約3万人という規模のまちに高等教育機関が3つもそろっているのは、全国的にもとても珍しいことです。

都留市には、約3,400人の学生が暮らしています。このように全国から学生を受け入れてきたという背景もあってか、都留市の人々は他の地域からやってきた人に対しオープンな気質です。移住した土地に早くなじみたい方、地域の人との交流を楽しみたい方にはピッタリと言えるでしょう。

また、各大学では聴講生制度が整っていたり、一般の方でも自由に出入りできるイベントなどが数々開催されていたりと、市民に開かれた体制が整っています。移住を機に、聴講生制度などを利用して「学び直し」というのも素敵ですね。

都留市の暮らしに関する情報

気候 夏場(7~8月)の平均気温:24.5度
冬場(12~2月)の平均気温:2.5度
人口 30,369人(推計人口、2022年8月)
10代後半〜20代前半が多い
近隣都市 富士吉田市、大月市、上野原市、南都留郡道志村、西桂町、忍野村、山中湖村、富士河口湖町
市内の公共交通 鉄道:富士山麓電気鉄道富士急行線
バス:富士急バス
車:中央自動車道
大都市へのアクセス ○甲府市へ
車で1時間
電車で1時間半

○東京へ
車で70分
電車で90分

○静岡市へ
車で2時間
病院 都留市立病院 など
学校 公立大1、私立大1、専修学校1、高校1、中学校3、小学校8
特産品 水掛け菜、わさび、富士湧水ポーク
行事 八朔祭(ふるさと時代祭り)、つる産業まつり
観光スポット ミュージアム都留、勝山城跡、山梨県立リニア見学センター

夏場の平均気温は24.5度と涼しく、夜はクーラーなしで過ごすことができます。全国的な猛暑で昼間は外出もままならない現代、都留市の快適な気候は大きな魅力と言えるでしょう。

都留市には、戦国時代から江戸時代にかけて、城下町として栄えてきたという歴史があります。そのおもかげを伝えるのが、例年9月に行われる「八朔祭(ふるさと時代祭り)」。大人から子どもまで多くの人でにぎわう、都留市最大のお祭りです。

都留市の中心街でおこなわれる八朔祭の大名行列
▲八朔祭の「大名行列」は、藩主が江戸城を往復する際に都留で見られた光景を再現したもの

市内の観光スポットとしても歴史を反映した名所などが多く挙げられますが、その中で異色とも言えるのが「山梨県立リニア見学センター」です。時速500kmで走行する超電導リニアの世界を体感することができ、お子様連れのお出かけにもおすすめです。

【交通】居住エリアにもよるが、基本的には車が必要

都留市は面積の8割が森林に覆われたまちで、「自然の多い山間部」と「国道139号に面した市街地」で特徴が分かれています。

市街地には電車やバスが通っていることや、大学周辺にはスーパーやドラッグストアなど日常の買い物施設がそろっていることから徒歩で生活している方もいらっしゃいますが、基本は1人1台の車社会です。山間部では自動車は必須です。

冬場には、豪雪地帯ほどではないものの10~30cmの降雪があり、車を運転する際にはスタッドレスタイヤが必要になります。

【仕事】働く場所は国道沿いに集中。都心への通勤も選択肢

2022年10月現在、大手求人サイトで都留市の正社員を検索すると約900件がヒットしました(※縁結び大学独自調べ)。国道沿いに企業や商業施設などの働く場所が集中しているのが特徴です。

同様に、隣接する富士吉田市では約1,700件、上野原市では約700件の求人が見つかります。どちらも都留市から車で20分ほどなので、十分に通勤圏内と言えそうです。

都留市快適遠距離通勤補助金

交通の便が良い都留市ならではの選択肢として「都心の職場に在籍したままで移住する」という方法もあり、遠距離通勤者には下記の条件で補助金が適用されます。

対象者 都留市内に在住し、遠距離通勤を開始した方
通勤条件 住所から75km以上(小数点以下繰上げ)の距離を、富士急行線または大月市内のJR東日本の駅を起点とした定期券の利用によって通勤していること
補助額 基本額:1人につき1か月あたり1万円
加算額:富士急行を利用している場合、1人につき1か月あたり5,000円
対象期間 遠距離通勤を開始した日から通算36か月以内

大月駅を起点に75kmというと、たとえば新宿駅(77.5km/乗車約1時間)や新横浜駅(76.9km/約1時間15分)などが当てはまります。

テレワークが多く出社の機会が少ない方や、移住はしたいけれど現在の職場をすぐには辞めたくないという方は、検討してみても良いのではないでしょうか。

都留市快適遠距離通勤補助金について詳しくはこちら

【住まい】新婚・子育て世帯には公共賃貸住宅の優遇あり

2022年10月現在、住宅情報サイトで賃貸マンション・アパートを検索すると約30件がヒットしました(※縁結び大学独自調べ)。学生のまちということもあり、1Kなど単身者向けの間取りが多いのが特徴ですが、2LDKや3LDKの物件も見つかります。

家賃相場は大まかに次のとおりです。

1K~1DK 約4~5万円
1LDK~3LDK 約5.5~7万円

(※縁結び大学独自調べ)

特定公共賃貸住宅

都留市には「特定公共賃貸住宅」として、「井倉団地」「田原団地」が設けられています。これらの団地では「新婚子育て世帯に対しての入居支援」施策が適用され、条件に当てはまる方は下記の優遇が受けられます。

優先入居に関する優遇 夫婦の年齢が合わせて70歳以下で、入籍後2年以内または婚約中の方
家賃減免に関する優遇 13歳未満の中学校就学前の子どもがいる世帯

特定公共賃貸住宅入居について詳しくはこちら

新規住宅購入・空き家バンク

新規に土地や住宅を購入する移住者に向けては、下記のような補助制度があります。空き家バンク物件は2022年秋現在1件のみとなっていますが、今後変動の可能性もあるので、検討している方は定期的にチェックしてみてください。

制度名 対象者 内容
都留市移住定住促進奨励金 都留市内に住宅および土地を購入した方で、転入前の市外居住期間が3年以上の方 住宅の取得などにかかる経費を補助(上限30万円)
※条件により加算あり
都留市空き家バンク利活用事業補助金 空き家バンクの登録物件を購入した方 補助金を交付(上限30万円)
※条件により加算あり

空き家バンク物件一覧はこちら

【育児・教育】学生のまちならではの特色ある教育

都留市の子育て支援には、教育面で特徴的な制度や施策が多くあります。

制度名 内容
学生アシスタントティーチャー 都留文科大学の教員志望の学生が、小中学校において生徒をサポート
子ども公開講座(都留文科大学) 都留文科大学教員による、小中学生向けの公開講座
放課後子ども教室 地域住民の協力により、放課後や週末に子どものための活動拠点を設け、ものづくりなどの体験活動を行う
のびのび興譲館 小学校4年生から中学校3年生の児童・生徒を対象に、主体性や創造性を育む体験学習塾を開催

地域全体で子どもの教育をサポートする体制は、子育て家庭にとっては心強いですよね。中でも、大学や学生が主体となった制度は、都留市ならではの魅力的な取り組みです。

都留市に移住した人の感想・体験談

山梨県都留市・移住者の声

ここでは、実際に都留市に移住した人の感想や体験談をご紹介します。

  • 高速道路のICがあるので、どこへ行くにも便利。こんなに自然が豊かな環境なのに、東京まで車で1時間半で行けるのは大きな魅力
  • 田舎暮らしできるけど都会にもすぐ出られるところが良い。遊びやショッピングなど月に1、2回は東京に出かけている
  • 困っていたら助けてくれる親切な人がいっぱいいる
  • 冬場の寒さには驚いた

「豊かな自然と都心へのアクセスの良さが両立されている」ことと「親切な人が多い」ということを挙げる声が多く見られました。

一方で、冬場の寒さや積雪に慣れていない人にとっては、事前の十分な情報収集が必要そうです。

都留市への移住ステップ

ここでは、都留市への移住の進め方の例をご紹介します。

ステップ1:東京都内の移住相談窓口で気軽に相談

都留市では、東京都内の複数の施設に移住相談窓口を設けています。

生涯活躍のまち移住促進センター(JR「池袋駅」より徒歩4分)
生涯活躍ポータル「カラフル」(JR「田町駅」より徒歩5分)
ふるさと回帰支援センター内「やまなし暮らし支援センター」(JR「有楽町駅」より徒歩1分)

各施設では、地方移住に関する資料やパンフレットがそろい、地域の具体的な情報を相談員の方から聞くことができます。自分からも話をすることで、整理しきれていなかった状況や希望に気がつくこともあるでしょう。足を運ぶことが可能であれば、まずは気軽に訪れてみることをおすすめします。

ステップ2:「お試し居住」などを利用して、実際に現地へ行ってみよう

都留市上谷交流センターの外観
▲お試し居住の宿泊場所になる「都留市上谷交流センター」

都留市では、まちの中心部にある交流拠点「都留市上谷交流センター」を利用して、移住や二拠点生活を検討している方を対象とした「お試し居住」を実施。このセンターに宿泊しながら、移住相談員によるオーダーメイド型の市内案内が受けられます。

スーパーや学校などの場所の確認、空き家の見学、また散策や地域の方との交流などを通して「都留での暮らし」「都留に住んだらやってみたいこと」の具体的なイメージが、どんどん膨らみそうですね。

交流センターは事務所も併設しているため、9:00~17:00頃まではスタッフが常駐しており、気になったことはすぐに質問・相談できるのも嬉しいところです。

都留市上谷交流センターの室内
▲上谷交流センターの内部。オール電化で使い勝手も良好

対象者 移住、または二地域居住を検討されている方で、4名程度までのご家族やグループ
体験期間 1泊2日
※原則、ご利用になる1週間前までに予約のご連絡
宿泊場所 都留市上谷交流センター(旧エコハウス)
体験料 無料(食事などは実費負担)
ご予約・お問い合わせ先 一般社団法人まちのtoolbox
電話:0554-67-9155
メール:info@osusowake.life

お試し居住について詳しくはこちら

ステップ3:住まいや仕事探しをしながら、地元の方とも交流

移住を決心したら、住まいや仕事を探していきましょう。

インターネットでの情報収集もできますが、地域の方と直接話をすることで、口コミなどの貴重な情報が手に入るかもしれません。なるべく現地を訪れ、並行して、都留市のイベントなどに参加するのがおすすめです。

都留市に顔見知りや協力者ができれば心強いものですし、まちのことを知っていく中で事前のイメージとのギャップなどに気づき、理想の移住生活を作っていくことにもつながりそうです。

都留市への移住に関するお問い合わせ先

担当課 企画課 政策推進担当
住所 山梨県都留市上谷1丁目1番1号
電話番号 0554-43-1111
公式サイト https://www.city.tsuru.yamanashi.jp/teiju/index.html