熊本県美里町への移住!豊かな自然と米作りが魅力の田舎暮らし

この記事では、地方への移住を検討中の方に向けて熊本県下益城郡美里町(しもましきぐん・みさとまち)の暮らしに関する情報をお届けします。

熊本県のほぼ中央に位置する美里町は、山や川、田園など、のどかな自然の風景を楽しめる地域です。一方で、小学生のプログラミングの授業や、シニアのeスポーツ大会など、町独自の先進的な取り組みにも力を入れています。

今回は、美里町役場の地域おこし協力隊・移住コーディネーター・空き家バンク担当を兼任する三浦さんから、美里町の特徴や教育・仕事・住まいなどについて詳しく伺いました。

三浦さんご自身が、美里町の地域おこし協力隊として活動を始め、その後移住を決意された方です。移住検討者の皆さまにとって、貴重な情報源となるでしょう。

本日お話を伺った方
美里町役場の三浦さん

美里町役場の地域おこし協力隊・移住コーディネーター・空き家バンク担当

三浦さん

美里町の暮らしを彩る3つの魅力:自然、eスポーツ、絶景

美里町の暮らし・イメージ画像

美里町は自然との触れ合いが豊富な地域で、特に「静かな環境で暮らしたい」という30代〜40代の方々の移住を歓迎しています。町では、新しい生活を始めたい方々に向けて、さまざまな支援や情報提供を行っています。

美里町には、大きく3つの特徴があります。

  • 町内で買い物・食事・温泉・キャンプなどが楽しめる
  • 世代を超えたeスポーツも人気
  • 絵画のような風景が日常の一部

これらの特徴を含む美里町の魅力について、実際の取材内容を基に詳しく解説していきます。自然豊かな環境で新しい生活を始めたい方にとって、興味深い情報となるでしょう。

特徴1:豊かな自然環境でアウトドア体験!子どもの学びにも最適

自然に恵まれた美里町は、山や川などの環境を生かしたレジャー施設が豊富です。町内で自然体験ができるので、アウトドア好きなご家族にもおすすめです。

例えば「美里の森キャンプ場ガーデンプレイス」というキャンプ場では、広々としたサイトでバーベキューや星空鑑賞を楽しめます。

隣接する「フォレストアドベンチャー・美里」には日本最長(※参考:フォレストアドベンチャー・美里ともいわれるジップスライドがあり、湖を見下ろしながらの空中散歩を体験できます。

また、「佐俣の湯」という道の駅では、買い物・食事はもちろん、温泉に入ったり、宿泊したりすることも可能です。旅行がてらロッジ型の宿泊施設に泊まり、美里町での生活をプチ体験してみてはいかがでしょうか。

美里町にある佐俣の湯の川
▲道の駅の麓にある「佐俣の湯の川」も人気。涼やかな風景や魚釣りを楽しめる

美里町役場の三浦さん
三浦さん

「ハートのできる石橋」として知られる二俣橋の下は、河原になっています。ご家族でピクニックをしたり、石橋にできたハート型の影を背景に写真を撮ったりして楽しむことができます。

山にほど近い美里町では、椎茸やどんぐりといった自然の恵みも子どもたちの遊び・学びに役立ちます。例えば、家族で採りに行った椎茸を使って料理をするなど、収穫から食べるまでの自給自足体験が可能です。

自然と距離が近い美里町だからこそ、遊びを通して子どもたちに「自分で考え、アイデアを形にする」という貴重な体験をさせられます。

特徴2:世代を超えて楽しむ「eスポーツ」で地域交流

美里町では、世代を超えて楽しめる「eスポーツ」の取り組みが活発です。eスポーツは「エレクトロニック・スポーツ」の略称で、主にコンピューターゲームを使った対戦競技を指します。

美里町で実施している「eスポーツ大会」
▲「eスポーツ大会」は年齢の枠を超えて楽しめるイベント!子どもから大人まで幅広い世代が参加可能

美里町役場の三浦さん
三浦さん

美里町の住民で結成したeスポーツチームは、熊本県内でも有名です。参加者はゲームのスキルを高められるだけでなく、地域住民との交流も深められます。

ゲームを体験する美里町の高齢者たち
▲人気ゲームを通じて、地域住民同士の自然な会話のきっかけに

eスポーツに参加するためのゲーム機は町が用意しているため、個人で購入する必要はありません。また、町独自の大会も開催されており、練習の成果を披露する機会も提供されています。

美里町役場の三浦さん
三浦さん

美里町では体験学習の一環として、高齢者と小学生が一緒にeスポーツを楽しむ「世代間交流会」を実施しています。世代を超えた熱い戦いが繰り広げられ、イベント後は町の話題で盛り上がり、参加者全員が楽しい時間を過ごしています。

eスポーツに関連して、美里町の小学校では特色ある教育のひとつとして、プログラミング学習を実施しています。ゲームを題材にプログラミングを学べるため、学習が苦手な子供でも興味を持って取り組みやすい傾向にあります。

ゲームでプログラミングを学ぶ美里町の小中学生たち
▲ゲームを題材にしたプログラミングの授業に、子どもたちも熱心に取り組む様子

美里町のプログラミング教室風景
▲小中学生を対象にしたプログラミング教室では、人気ゲーム機を活用して学習

特徴3:山々と棚田が織りなす絶景が日常風景

自然が織りなすのどかな風景も、美里町の大きな魅力です。空気が清浄で新鮮なため、リラックスできる環境を重視する方にも向いています。

また、美里町は都市部と山々の間に位置するため、日常生活のあらゆる場面で山々の美しい風景を楽しめます。

美里町の自然風景
▲大きな山々と太陽の光がまち全体を包む

例えば、気分が落ち込みがちな雨の日でも、美里町では山々に雲がかかる幻想的な光景を眺めることができます。

美里町で見られる自然の風景▲まるで絵画のような世界。眺めているだけで、心が癒されそう

このような自然の風景は、天気の変化や雲の性質などについて学ぶ機会にもなります。

美里町役場の三浦さん
三浦さん

美里町では、山々にかかった雲が降りてきて、田畑にモヤがかかる様子もご覧いただけます。雲の正体は、上空で冷やされて水滴となった水蒸気です。そのため、地上に降りると雲は水蒸気(モヤ)に姿を戻し、まちの田畑を包みます。

さらに美里町の風景は、青い空と緑の田畑のように、色彩のコントラストがはっきりとしているのが特徴です。

美里町の夏風景
▲夏には白い雲と青空、緑の風景を楽しめる

四季折々の景色の移り変わりを感じながら読書をしたり、お茶を楽しんだりと、ゆったりとしたリラックスタイムを過ごすことができます。風景の色彩も美しいので、写真撮影が趣味の方にも魅力的な場所です。

美里町役場の三浦さん
三浦さん

美里町は農業が活発なため、美しい棚田も複数あります。地域によって特徴があるので、散歩がてら棚田の風景をお楽しみください。

美里町にある下福良の棚田
▲「下福良の棚田」は観光スポットとしても人気。棚田の水面に映る空の風景もきれい

美里町で見られる自然の風景
▲棚田とヒガンバナ、青い空のコントラストが美しい

美里町にある安倍の棚田
▲安倍エリアの棚田。棚田の鮮やかなグリーンが、曇り空の雰囲気を明るくする

美里町での生活:仕事、住まい、医療、教育情報

美里町で見られる自然の風景

続いて、美里町で生活する上で知っておくと役立つ情報をまとめてお伝えします。以下の表をご覧ください。

気候 8月平均気温:29.3℃
1月平均気温:6.2℃
※参考:気象庁(熊本県熊本地点)
人口 人口:約8,800人
世帯:約4,000戸
(2023年11月末時点)
病院 診療所:3か所
病院:2か所
歯科:4か所
(2022年11月時点)
学校 保育所:5か所
幼稚園:1園
小学校:3校
中学校:2校
(2023年4月時点)
交通 空港:熊本空港
※車で約40分

電車:JR九州「松橋駅」「小川駅」
※いずれも宇城市内

バス:熊本バス・産交バス
車:九州自動車道「御船IC」「松橋IC」
※いずれも車で約20分
近隣都市 熊本市(車で約50分)
八代市(車で約40分)

美里町内には、スーパーやドラッグストア、飲食店が点在しています。小児科・婦人科などに対応した総合病院もあるため、日常的な生活は町内で済ませられるでしょう。

ただし、美里町内には鉄道が走っていないため、電車を利用する際は隣の宇城市まで出る必要があります。最寄駅のJR九州「松橋駅」「小川駅」までは、いずれも車で30分ほどです。

バスも運行していますが、都市部ほど本数が多くないため、日常生活では車の利用が必須といえます。

美里町役場の三浦さん
三浦さん

美里町は、山と都市部の中間に位置しています。車があれば、30分〜40分ほどで大型ショッピングモールのある宇城市や熊本市に移動できますよ。

仕事:近隣の宇城市・熊本市の求人多数!町内の仕事は農業が中心

大手の求人情報サイトでは、美里町の正社員求人が300件ほど公開されています。さらに車で30分ほどの場所まで範囲を広げると、求人数は3万件ほどに増えます。
求人情報の一例

事務系や技術職、サービス業など、職種も豊富で、自身の経験を生かして働くことができます。

美里町役場の三浦さん
三浦さん

移住者の方々は、宇城市や熊本市など、町外の大きな都市で働いている方が多い印象です。車で40分ほどあれば、熊本市内まで通勤できます。

「米がおいしいまち」を目指す美里町は、稲作を中心とした農業も盛んです。

美里町で見られる自然の風景
▲夏には、田園が稲穂で埋め尽くされる

美里町で見られる自然の風景
▲トラクターに乗った住民が稲を刈る様子も、絵になる風景

美里町で栽培された稲穂
▲収穫の時期には、美里町のあちらこちらで黄金色の稲穂が見られる

美里町役場の三浦さん
三浦さん

農業を始めるために、美里町に移住してくる方が多くいらっしゃいます。町内の農家さんも協力的で、「地域一丸となっておいしい米を作ろう」という意識が高いです。その成果として、九州のお米食味コンクールの自治体部門で美里町が優勝しました。

美しい田園と協力し合う雰囲気が整っている美里町なら、楽しく米作りに挑戦できそうです。農業に興味のある方は、美里町の先輩農家たちと一緒に、おいしい米作りに励んでみてはいかがでしょうか。

住まい:空き家バンクの物件が主流。古民家の改修も人気

現時点(2024年1月)において、美里町の賃貸アパート・マンションの空きはありませんでした。しかし、熊本県が運営する「空き家バンクプラットフォーム」には、賃貸・購入ともにいくつかの物件情報が公開されています。

空き家バンクは主に購入物件で構成されており、200万円台〜300万円台の住宅が中心となっています。数は限られていますが、4LDKで4万円台の賃貸物件も見られました。

美里町役場の三浦さん
三浦さん

空き家バンクで見つけた古民家を自ら改修して住んでいる移住者もいます。空き家バンクの登録物件数は増加傾向にありますが、築年数が浅い物件はすぐに売れてしまいます。物件情報は随時更新されるので、興味のある方は定期的にサイトをチェックすることをおすすめします。

公式:熊本県「空き家バンクプラットフォーム」

美里町移住者の声:静かな環境と地域の温かさが魅力

美里町の移住者からの声・イメージ画像

ここからは、実際に美里町に移住した方々から寄せられた感想をまとめて紹介します。移住者の声を通じて、美里町の魅力をより具体的に理解することができます。

  • 自然が豊かなので、以前よりも四季の変化を感じられるようになった
  • 静かな環境ながら、住宅同士の距離が適度に保たれているのがうれしい
  • 勇気が出なかったDIY(日曜大工)にも、気兼ねなくチャレンジできる
  • 優しい町民が多く、困ったときに相談しやすい雰囲気がある

移住者の感想からも、住居同士の距離がしっかりと確保されている一方で、困ったときには協力し合える美里町の様子がうかがえます。また、「子どもが泣いたり、大声を出したりしても周囲の目を気にしないで済む」という声もあり、子育て世帯にとっても住みやすい環境であることがわかります。

美里町移住への第一歩:おすすめイベントと役場の連絡先

美里町への移住に興味を持った方はぜひ、「美里フットパス」に参加してみてください。美里フットパスは、美里町の景色を楽しみながらゆっくりと歩くイベントです。

15コース以上あるので、複数回参加して美里町の雰囲気を十分につかんでみてはいかがでしょうか。

美里町で体験できる釈迦院川フットパス
▲釈迦院川(しゃかいんがわ)コースのフットパス。参加者同士で会話を楽しみながらウォーキングを満喫

美里町の釈迦院川で遊ぶ様子
▲観光も兼ねて、美里町の雰囲気を身近に感じられる

ガイドさんも同行するため、歩きながら美里町の魅力について詳しく教えてもらえるでしょう。同じように美里町への移住を検討している方と出会える可能性もあります。

主催者である美里フットパス協会の公式サイトで、今後開催予定のイベントを確認できます。開催時間や定員、参加費などの詳細も記載されているので、ぜひチェックしてみてください。

公式:美里フットパス協会「2023夏-24春のフットパス」

美里町役場の三浦さん
三浦さん

美里町は、「何もないまち」をアピールしています。何もないからこそ、白いキャンパスに絵を描くように、ご自分で自由に生活をデザインできます。ぜひ一度美里町へお越しいただき、ご自身で相性を確認してみてください。

美里町への移住に関するお問い合わせ

美里町役場の中央庁舎では、美里町への移住に関する質問や相談を受け付けています。美里町の暮らしについてより詳しく知りたい方は、美里町役場へ直接連絡することをおすすめします。専門のスタッフが丁寧に対応してくれるでしょう。

担当課 美里町役場砥用庁舎 美しい里創生課
住所 〒861-4732
熊本県下益城郡美里町三和420番地
電話番号 0964-47-1111
対応時間 8:30〜17:15
公式サイト https://www.town.kumamoto-misato.lg.jp/