愛媛県上島町への移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説|縁結び大学
この記事では、地方への移住を検討している方に向けて、愛媛県越智郡にある上島町(かみじまちょう)の特徴や生活情報を紹介します。
愛媛県の北東部にある上島町は、25の島で構成された自治体で、広島県との県境に位置しています。四国や本州への橋などがない完全な離島ですが、しまなみ海道からフェリーで約3分と好アクセスで「日本一便利な離島」と呼ばれています。
上島町では、4つの島を3つの橋でつなぐ通称「ゆめしま海道」が2022年3月に全線開通したことにより、車や自転車でまわることができます。また、スーパーやコンビニ、診療所もあるため、普段生活する上で不便はありません。大きな街に出かける時も、福山・尾道・今治までは車で1時間前後と、アクセスも良好です。
それでは、そんな上島町の特徴を紹介していきます!
上島町での暮らし、3つの特徴を紹介
上島町は、年間を通しての平均気温が15〜16℃で冬場も積雪がほぼない、温暖な気候の地域です。瀬戸内海国立公園区域に囲まれていることもあり、風光明媚な瀬戸内の景勝の拠点となっています。
広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約60kmの道路で、観光スポットとしても人気の「しまなみ海道」が通っている因島からはフェリーで約3分と、本州にも四国にもアクセスしやすいのも上島町の特徴です。
また、上島町の担当者によると「愛媛県に属しているものの、生活圏はどちらかといえば広島寄り」な場所なんだそう。
そんな上島町での暮らしには、こんな方が向いています。
- 自然豊かな島で暮らしたいが、都市圏にも近いほうがよい
- アウトドア派で、移住後はいろいろな体験をして体を動かしたい
- 子どもを自然に近い環境で育てたい
なぜこのような方に向いているのか、解説をしていきます。
特徴1:離島でも不便すぎない暮らしを実現
▲「ゆめしま海道」と呼ばれる道路は、3つの橋で4島(岩城島・生名島・佐島・弓削島)を結んでいる
上島町は離島ではありますが、「ゆめしま海道」で結ばれている4島には、暮らしていく上で必要な環境がそろっているため、普段の生活で不便を感じることは少ないでしょう。
スーパー・コンビニなどの商店、医療機関がそろっている
日常の買い物では、島内にあるスーパーマーケットやコンビニなどを利用できます。また、有人島全島に光回線が開通しているのでネット環境が充実しており、ネットショッピングなど通販の利用も問題ありません。
※大きな家具や離島未対応品は不可の場合があります。
島内で購入できないものがあっても、フェリーで尾道市の因島に行けば、基本的には一通りそろえることができます。近隣の大きな自治体である愛媛県今治市や広島県尾道市には車で約30分、広島県福山市には約1時間なので、そちらで買い物をすることも可能です。
また、島内には診療所やクリニック、歯科医院が計6か所あります。万が一、病気や怪我などで通院することになった時も、「近くに医療機関がなくて困る」という状況ではありません。救急艇も2隻あり、緊急時には尾道市などの二次医療機関へ搬送されます。
移住して「離島」で暮らしていく時に、生活面で心配になってしまうという方もいらっしゃると思います。しかし、上島町の暮らし面を総合的にみると、通常の地方移住のケースと大きくは変わらないという印象でした。
水道・ガスなどのライフラインは事前確認を。テレビ視聴はケーブルテレビで
上島町は愛媛県内にありますが、電力会社は四国電力ではなく中国電力を使用することになります。上下水道は9割以上の普及率です。上水道を利用しつつ井戸水を併用しているという世帯も存在します。また、ガスはプロパンガスなので、必要に応じてガス事業者と契約する必要があります。
上記のような、ライフラインに関する手続きについては、移住相談窓口で確認することができます。水道料金の値段相場など、事前にチェックしておくとよいですね。
また、上島町は地理的条件により一般的な地上デジタル放送の視聴が困難な地域がありますが、ケーブルテレビを利用することで、安定した視聴が可能となります。愛媛県だけではなく広島県・岡山県の一部の地上波も放送されますし、地元に密着しているため自主放送により地域のニュースや防災情報も提供されますよ。
光回線利用可能!高速インターネット環境を完備
上島町でのインターネットの通信環境をみると、自治体の整備により「フレッツ光マイタウンネクスト(1Gbps)」が町内全域で利用可能です。
これだけのスピードが出るのであれば、リモートワークでのビデオ通話利用や、ある程度大きなデータのやりとりなども問題なさそうですね。「離島だから高速のインターネット環境は難しいかも」と思っている方も、これなら満足できるのではないでしょうか。
特徴2:自然が豊かで、日常的にアウトドア体験が楽しめる
瀬戸内海に浮かぶ島々ということで観光にも力を入れているため、上島町ではさまざまなスポーツやアクティビティを体験できます。
例えばサイクリング。「弓削島・佐島・生名島・岩城島」が橋で結ばれており、弓削島から岩城島までの橋を通るルートが「ゆめしま海道」と呼ばれています。これらの島々は自転車での往来も可能です。上島町にはなんと信号やトンネルがひとつもないので、のんびりと自転車で町内を巡ることができるんですよ。
交通量も少ないので、天気の良い日には海を見ながら家族でサイクリングを楽しむのもいいかもしれません。
また、穏やかな瀬戸内の海では、ここ数年人気のある「スタンド・アップ・パドルボード(SUP)」も楽しめます。これはボードの上に立ち、パドルを使って左右に漕ぎながら進むウォータースポーツで、大人はもちろん、子どもも一緒に楽しめるスポーツです。
そのほかにも、ヨットに乗るセーリング体験をする方や、エコフィールド松原やサウンド波間田(はかんだ)キャンプ場などの施設があるためキャンプを楽しむ方も多くいらっしゃいます。
移住後は穏やかな気候の中で積極的にからだを動かしたいという人にとって、上島町の環境はまさに理想的だと言えるのではないでしょうか。
特徴3:小・中・高・高専の学校が町内にあり、教育環境が充実
子どものいるご家庭が離島に住むことに決めた場合、「学校」は気になるポイントですよね。
その点上島町には、小学校4校・中学校3校・高等学校1校(愛媛県立弓削高等学校)・高等専門学校(国立弓削商船高等専門学校)があります。「高校進学時に本州・四国に渡らないといけないのでは」という心配は不要で、高校卒業までは町内で教育を受けることができるのは助かりますよね。
また、弓削高校生の学習支援をする公営塾「ゆめしま未来塾」が2017年に設立されるなど、町一体となって教育環境をより良くする試みがなされています。
自然あふれる島で暮らしながらも、のびのび子どもを育てたいと考える保護者にとって、上島町は向いていると言えそうです。
公式URL:ゆめしま未来塾
小・中・高校生の島留学を募集している
弓削高等学校は、高校生の地方留学を促進する「地域みらい留学」の参画校として、県外から高校生を受け入れています。また、町内の中でも橋のつながっていない魚島小・中学校でも、令和5年度から離島留学の受け入れが始まります。
同じ町内の人だけとふれあうだけではなく、クラスメイトとして全国からやってくる同年代との新しい交流が生まれるため、子どもたちはさまざまな刺激を受けるはずです。向上心の芽生えやコミュニケーション能力の伸びにも期待できそうです。
町内には就職率100%の「弓削商船高等専門学校」も
町内には国立の高等専門学校「弓削商船高等専門学校」があります。ここでは商船学科・電子機械工学科・情報工学科の3つの分野で専門的な知識や技術を学べます。
その教育方針と高い技術力が評価され、弓削商船高等専門学校の卒業生は、大学の学部卒業生と同等以上の評価を受けているということです。
また、卒業時点の就職率はなんと毎年100%!子どもがいる方は進路のひとつとして検討されてみてはいかがでしょうか。
上島町の暮らし情報
上島町の人口や生活環境、学校や病院など、実際に暮らすことを考える時に参考となるデータを紹介します。
人口 | 約6,300人・約3,800世帯(2022年7月末時点) |
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島数 | 有人島7(弓削島・佐島・生名島・岩城島・赤穂根島・魚島・高井神島) 無人島18、合計25島 |
面積 | 30.38k㎡ |
気候 | 年間の平均気温は16.5℃で、最も気温の低い1月でも5.5℃と温暖な土地 |
通信 | 光回線が利用可能 |
病院 | 医療機関4、歯科医院2、薬局1 |
学校 | 保育所4(魚島休園中)、小学校4、中学校3、高等学校1、高等専門学校1 |
上島町は、瀬戸内海の温暖な気候に恵まれている暮らしやすい街です。スーパー・コンビニや診療所、金融機関や郵便局も町内にあるため、買い物などの生活面で不便をすることはあまりなさそうです。
しまなみ海道の島々の中でも大規模な「因島」まではフェリーで3分、大きな都市である愛媛県今治市・広島県尾道市には車で約30分、広島県福山市までは約1時間なので、島外に用事がある時も比較的アクセスしやすいと言えるでしょう。
【住まい情報】住居探しはまず相談から。支援制度も充実!
大手の賃貸情報サイトで上島町内の賃貸物件を調べたところ、該当する物件はありませんでした。また、民間の不動産業者も島内にはありません。
その代わり、上島町ではわかりやすい空き家・空き地情報バンクがあり、移住・定住促進制度により空き家の改修補助があったりと、自治体のサポートが非常に充実しています。お気に入りの住まいを見つけるため、ぜひチェックして相談してみましょう!
空き家・空き地情報バンクから住みたい物件を探す
移住に伴って住居を探す場合には、自治体の移住支援担当者に相談するとともに、「上島町空き家・空き地情報バンク」をチェックするのがよいでしょう。情報は日々更新されており、2022年10月時点では20件超の賃貸・購入可能な住宅や空き地が確認できました。
空き家・空き地情報バンクに登録されている情報は、インターネット経由で閲覧することができますので、気になる物件が見つかったら、利用者登録をして物件詳細を取り寄せてみてください。
利用登録をする際には定住する意思があることが条件となっていますが、上島町役場で事前相談もできますので、不明な点がある場合には登録前に問い合わせをしてみてください。
空き家・空き地情報バンクの詳細はこちらから確認できます。
公式URL:上島町空き家・空き地情報バンク
上島町空き家活用事業補助金
「上島町空き家活用事業補助金」は、上島町の空き家・空き地情報バンクに登録されている物件を対象にしている補助金制度です。申請は定住目的で賃借・購入をする方が対象で、家屋の改修や家財道具処分の経費に対して一定額が支給されます。
対象となる工事など各種条件がありますので、詳しくは公式サイトを確認してください。
▼補助率と上限額
新婚世帯または子育て世帯* | 【補助率】対象経費の1/2 【補助金限度額】50万円まで |
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それ以外の世帯 | 【補助率】対象経費の1/2 【補助金限度額】30万円まで |
家財道具の搬出入等 | 【補助率】対象経費の1/2 【補助金限度額】10万円まで |
*新婚夫婦:夫婦のいずれかが45歳未満で婚姻後5年を経過していない夫婦、子育て世帯:18歳未満の子どもを扶養している世帯。
上島町空き家活用事業補助金の詳細はこちらから確認できます。
公式URL:上島町空き家活用事業
上島町移住者住宅改修支援事業費補助金(愛媛県移住者住宅改修支援事業)
先ほど紹介した「空き家活用事業補助金」と同様に、上島町の空き家・空き地情報バンクに登録されている物件を対象にしている補助金制度です。
制度を利用する際の条件は下記の通りです。
- 愛媛県外からの移住者であること
- 働き手世帯(世帯構成員のうち少なくとも1名が60歳未満の世帯)であること、または子育て世帯(18歳未満の子どもがいる世帯)であること
住宅改修費用 |
【補助率】対象経費の2/3 |
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家財搬出入費用 | 【補助率】対象経費の2/3 【補助金限度額】20万円 ※上記いずれか低い額 |
上島町移住者住宅改修支援事業費補助の詳細については、こちらをご確認ください。
公式URL:上島町移住者住宅改修支援事業費補助金
上島町定住促進住宅
上島町では、Uターン・Iターンかつ農林漁業の担い手として従事が可能な方に向けて、木造平屋建ての定住促進住宅を月額25,000円から30,000円で貸し出しています。
農林漁業に従事するというと「自分には難しい」と考えてしまう方もいらっしゃると思いますが、兼業可能なケースなどもありますので、ぜひ移住相談の際に話を聞いてみてはいかがでしょうか。
上島町定住促進住宅の詳細は以下のリンクから確認できます。また、新規就農者向けのワーキングホリデー制度も検討してみてください。
公式URL:上島町定住促進住宅条例
公式URL:就農を目的とした定住促進事業
【仕事情報】季節ごとの「マルチワーク」が可能。リモートワーク環境もある
上島町の担当者によると、上島町に移住された方は自営業を営んでいる方が多いということでした。季節によって変化する各業種の繁忙期に合わせて掛け持ちで働く「マルチワーク」も、移住者にとっての働き方の一つです。また、光回線が整備されているので、新しい働き方であるリモートワークも可能な環境です。
過去の事例では、上島町の名産である青いレモンや柑橘類の栽培、海苔や車エビなどの養殖業など、移住者向けのインターンや研修制度を利用して就業する方が目立っているということです。
また、上島町では大きな産業の一つとして「造船」がありますので、地元では造船所で働く方も数多くおられます。
上島町では、就農や漁業を目的とした定住を促す事業の一貫として、実際の就業状況を体験する制度を設けています。
移住をした際にどんな仕事をしていくのかは、住まいを決めることとともに重要な点です。農業や漁業は大変なイメージもありますが、実際に体験してみると、やりがいのほうが上回ることもあるのではないでしょうか。
公式URL:就農を目的とした定住促進事業
ワーキングホリデー
ワーキングホリデーは、農業や漁業に関する実際の就業状況を体験したい方や、実際に仕事をしながら島でのライフスタイルを経験したい方に向けて、1週間の期間を設けて実際に就業をしてもらう制度です。1日につき5,000円が支給され、対象は60歳までの方です。
お試し就業研修事業
お試し就業研修事業は、ワーキングホリデーよりももう少し長期間での就業研修になります。期間は20日間とし、農業や漁業に実際に就業していただきます。1日につき5,000円が支給され、おおむね50歳以下の方を対象としています。事前に書類審査があります。
インターン事業
インターン事業は、農林漁業の担い手として7年以上の継続を条件として、上島町が指定する農林漁家に就業をしていただく制度です。上島町より月額10万円が支給されます(夫婦の場合は月額15万円)。おおむね50歳以下の方が対象となり、事前に書類審査と面接があります。
上島町へ移住した人の体験談や感想
実際に上島町に移住された方の体験談を紹介します。
- 上島町を訪れた時、島の人や町の明るい雰囲気を気に入り移住を決めた
- 町全体に明るい雰囲気があって、移住者も受け入れてくれる感じがする
- 町を散歩していると、あいさつしてくれるのが嬉しい
上島町は、町の雰囲気自体が明るく、町全体で移住者を受け入れてくれるような雰囲気があることが伝わってきます。
移住に関する問い合わせ
上島町への移住を検討されたい方や、まずは相談をしてみたい方は、上島町移住定住相談窓口へ問い合わせをしてみてください。
LINEやZoomでの問合せが可能
上島町への移住についてわからないことがある時は、「LINE」を利用して、相談・質問を気軽にすることができます。公式アカウント「瀬戸内かみじまライフ」を友だち登録し、メッセージ欄に直接質問を書き込むと、担当者から直接返信が届くという利用しやすいシステムです。
またビデオ会議ツールの「Zoom」を利用して、担当者とオンラインにて移住や定住の相談をすることもできます。メッセージよりも細かく希望や思いを伝えることができ、スムーズに進むのではないかと思います。Zoomでのご相談は完全予約制です。
相談方法についての詳細は、以下のページをご確認ください。
公式URL:瀬戸内かみじまライフお問合せ
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担当 | 上島町移住定住総合窓口(企画情報課内) |
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