千葉県山武市への移住を検討！豊かな自然と充実の子育て支援が魅力

今回の記事では、地方への移住を考えている方に向けて、千葉県山武市（さんむし）に関する生活情報をご紹介します。

山武市は県の北東部に位置し、九十九里浜海岸と丘陵地帯の美しい景色に囲まれています。都心部や成田国際空港までのアクセスが良好なのが魅力です。また、いちごやサンブスギの産地としても知られています。

今回は、山武市の特徴や仕事、住まい、子育て支援情報について、市の移住担当者からのお話を基にお伝えしていきます。

山武市の魅力：移住を検討する人に知ってほしい4つの特徴

山武市は2006年に3つの町と1つの村が合併し、千葉県内で10番目に面積が大きい市となりました。広大な面積を持つ山武市は、海岸・平野・丘陵地帯が帯状に形成されており、多様な自然環境を楽しむことができます。

海側に住めば、朝のサーフィンを楽しんでから仕事に向かうという生活スタイルも可能です。また、市内全域で農業に従事している方が多く、豊かな緑に囲まれた生活を送ることができます。

海や里山の景色が身近にある山武市は、特に次のような方におすすめの移住先です。

• 海が好きで、海の近くで暮らしたい
• テレワークをしながら、時々都心部や空港へ便利にアクセスしたい
• 自然を感じながら子育てしたい
• 新鮮な野菜やくだもの、美味しいお米を食べたい

それでは、山武市の特徴について詳しくみていきましょう。

特徴1：ブルーフラッグ認証の海岸とサンブスギの里山が織りなす豊かな自然

▲国際的な環境認証であるブルーフラッグを取得した本須賀海水浴場

山武市は、美しい海岸線と緑豊かな山々の景色を併せ持つ、自然の恵み豊かな地域です。この豊かな自然環境が、山武市の最大の魅力の一つとなっています。

国際環境認証「ブルーフラッグ」取得の本須賀海水浴場：美しい砂浜と海

山武市の海は、全長約66kmの日本最大級の砂浜海岸「九十九里浜」のほぼ中央に位置しています。夏季には5か所の海水浴場がオープンし、マリンスポーツ愛好家たちで賑わいます。

▲小松海水浴場の美しく整備された白い砂浜。初日の出スポットとしても人気。

特筆すべきは本須賀（もとすか）海岸で、国際環境認証「ブルーフラッグ」（※1）を2019年に千葉県で初めて取得しました。以来、継続して認証を更新しています。
（※1）ブルーフラッグとは、水質や環境、安全性など33項目の基準を満たしたビーチ等を国際環境教育基金が認定する国際的な認証制度。

▲清潔で安全、誰もが楽しめる優しいビーチの証「ブルーフラッグ」

本須賀海岸の砂浜には植えられたヤシの木が南国の雰囲気を演出し、リゾート気分を満喫できます。

スクロールで本須賀海水浴場の写真が見られます→

参考：山武市の海水浴場（山武市観光協会）

山武市は、九十九里浜から内陸に向けて平坦な地形が広がっているため、広大な空を楽しむことができます。また、成田国際空港の航路上に位置しているため、世界各国の飛行機が行き交う様子を観察することもできます。

地域資源「サンブスギ」が彩る丘陵地帯：木育推進のまちづくり

市の北西部は田園風景が広がるのどかな平野部と、木々が生い茂る丘陵地帯からなります。丘陵地帯では、市内で古くから育てられてきたサンブスギで形成される景観が特に印象的です。

▲サンブスギが立ち並ぶ杉林の様子。挿し木や間伐など手間をかけて育てられてきたサンブスギ。

サンブスギは山武市の重要な地域資源であり、挿し木造林の技術とともにこの地で代々受け継がれてきました。特徴として、少し赤みがかった色合いで油分が多く、色艶に優れています。また、年輪が密で一般的な杉と比べて比較的硬いため、古くから建具材として高い評価を受けています。

▲真っすぐに伸びたサンブスギの光景。サンブスギを使ったワークショップも盛んに行われています。

このサンブスギを活用し、全ての人が木とふれあい、木に学び、木と生きる「木育」の取り組みは、山武市の注目すべき特徴と言えるでしょう。山武市に住むことで、日々の生活のさまざまな場面で、木を取り巻く豊かな環境を実感することができます。

特徴2：都心や成田国際空港へのアクセスの良さ：便利な立地条件

▲シャトルバスのバス停に座る山武市のキャラクター・SUNムシくんとむーちゃん

山武市は、都心の喧騒から離れ、心と体をリフレッシュできる隠れた魅力スポットでありながら、良好なアクセスを兼ね備えたエリアです。

市内には3つのJRの駅（日向駅、成東駅、松尾駅）と、2カ所の高速道路インターチェンジ（山武成東IC、松尾横芝IC）があり、都心部へのアクセスが容易なことも大きな特徴です。

さらに、圏央道（首都圏中央連絡自動車道）の全線開通が予定されており、今後さらにアクセスの選択肢が広がる見込みです。

JR成東駅から東京駅までの所要時間は、特急電車で約1時間、快速電車や直通の高速バスで約1時間半です。成東駅始発の特急電車や快速電車を利用すれば、座席に座って都心部まで移動できる利点があります。

また、成田国際空港までは車で約30分、電車で約1時間の距離です。毎日運行している「空港シャトルバス」は、成田国際空港と横芝屋形海岸を約50分で結んでおり、便利な交通手段となっています。

特徴3：充実の子育て支援制度：妊娠前から産後まで切れ目のないサポート

山武市の特筆すべき特徴として、切れ目のない子育て支援が挙げられます。妊娠前から出産後の産後ケア、乳幼児期のサポート、医療費助成に至るまで、子育て世帯を総合的に支援しています。

はぴねす（山武市子育て世代包括支援センター）	・妊娠・出産・育児に関する相談 ・赤ちゃん訪問 ・産後ケア（ショートステイ・デイケア・訪問） ・多胎妊産婦サポーター派遣事業 ・産後セルフケア＆バランスボール教室 ・ベビーサロン（ベビーマッサージ） ※詳細
子育て支援センター	6カ所（2カ所電話相談のみ）
一時預かり	7カ所
地域型保育事業	2カ所の施設で3歳未満の子どもの少人数保育を実施
出産・子育て応援給付金	・出産応援給付金：5万円 ・子育て応援給付金：5万円 ※詳細
子ども医療費助成	18歳年度末まで医療費の実質負担0円

初めての妊娠出産で不安を抱える方や、周囲に育児支援が得られない方も、母子保健コーディネーターが作成した個別プランに基づき、必要なサービスを受けることができます。

▲「はぐくみ」での育児サポートの様子

さらに、認定こども園の給食では、アレルギー原因食品を極力使わない「なかよし給食」を実施しています。煮干しや鰹節から出汁をとり、コロッケやハンバーグなどもすべて手作りで、体に優しい給食を全員が同じメニューで楽しめます。

▲サンブスギでできた積み木。1歳6か月の健診時に子どもたちにプレゼントされる。

公式：子育てさんむ

特徴4：豊富な農産物と関東最大級のいちご狩りエリア：食の魅力

山武市の魅力の一つは、新鮮な農産物が豊富に手に入ることです。米やネギ、ニンジン、スイカ、いちごなどの産地であり、市内の物産直売所で地元の新鮮な野菜や果物を購入できます。

特にネギは全国4位の産出額を誇り、山武市のネギはミネラルが豊富で甘くて柔らかいのが特徴です。

また、市内には30軒以上のいちご園があり、関東最大級のいちご狩りエリアとして広く知られています。

▲いちごが食べ放題のいちご狩りは大人気。いちご園によってさまざまな品種が味わえる。

特にいちご園が集中する国道126号沿いは「ストロベリーロード」と呼ばれており、1～5月のいちご狩りシーズンには毎年全国から約30万人が訪れます。いちご好きの方にとっては、シーズン中に気軽にいちご狩りを楽しめる環境が魅力的です。

公式：観光いちご園について（山武市観光協会）

山武市での生活：仕事・住まい・遊び・教育の具体的情報

気候	8月平均気温：26.1度 1月平均気温：4.7度 ※気象庁のホームページ（観測地点：横芝光）
人口	約48,000人、約22,000世帯（※2024年4月1日現在）
病院	病院・医院21、歯科医院19（※2024年4月1日現在）
学校	・認定こども園：5カ所 ・市立幼稚園：1カ所 ・私立保育園：3カ所 ・小学校：11校 ・中学校：4校 ・高校：2校 （※2024年4月1日現在）
買い物	・コンビニ17、家電量販店1、ホームセンター3、総合ディスカウントストア1
レジャー・イベント	蓮沼海浜公園、さんぶの森公園、蓮沼ウォーターガーデン、ストロベリーロード（国道沿いの観光農園）、道の駅オライはすぬま、サマーカーニバル
交通	・JR総武本線3駅（日向駅、成東駅、松尾駅） ・JR東金線1駅（成東駅） ・高速バス（ちばフラワーバス） ・路線バス（ちばフラワーバス、九十九里鐵道） ・コミュニティバス（山武市基幹バス、空港シャトルバス、芝山ふれあいバス） ・デマンド交通（山武市乗合タクシ－） ・高速道路（山武成東IC、松尾横芝IC）
近隣都市	東金市、八街市、富里市、山武郡九十九里町、山武郡芝山町、山武郡横芝光町

各地域に大きなスーパーマーケットがあり、海岸近くには道の駅もあります。最近では市内地域を巡回する移動スーパーも始まったため、日常の買い物に不便を感じることはほとんどありません。

▲九十九里浜への観光客で賑わう「道の駅オライはすぬま」

医療面では、成東地域の「さんむ医療センター」が新病院を建設中で、医療施設の充実が図られています。

交通に関しては、電車やバスは利用可能ですが、30分～1時間に1本程度の運行状況のため、車での移動が基本となります。都市部と比較すると、公共交通機関の利便性は低いかもしれません。

▲山武市の基幹バス（コミュニティバス）は運賃大人200円。平日は片道7便を運行。

仕事情報：求人の現状と就農支援、移住者向け就職・起業支援金制度

大手求人情報サイトで検索すると、山武市内での正社員募集が約1,300件ヒットします。車で30分ほどの距離まで範囲を広げると約36,000件と、求人件数は大幅に増加します。（2024年6月現在）
※山武市での求人情報一例

山武市の松尾地域には工業団地があり、大企業が集中しています。また、移住して新たに農業を始める人も見られるため、就農を希望する方は相談窓口で詳細な情報を確認することをおすすめします。

公式：就農関係の相談窓口について（千葉県庁）
公式：千葉県農業者総合支援センター

移住者向け就職・起業支援金制度：最大100万円の支給も

山武市には、東京23区などから移住した方を対象とした支援制度があります。この制度は、千葉県のマッチングサイトに掲載されている求人先に就職した方や、山武市でテレワークや起業をした方が利用できます。移住支援金の金額は2人以上の世帯で100万円、単身世帯で60万円となっています。ただし、支給には一定の条件がありますので、詳細については公式サイトで確認することをおすすめします。

公式：山武市UIJターンによる起業・就業者等創出事業（移住支援金制度）

住まい情報：賃貸・戸建ての現状と三世代同居等支援金制度

大手賃貸情報サイトで調べると、山武市内の賃貸物件は約120件ヒットします（2024年6月現在）。

一方、戸建て物件の検索結果は50件ほどです（2024年6月現在）。山武市は土地価格が比較的安いため、戸建て住宅を購入するという選択肢も考えられます。
※山武市の賃貸物件情報の一例

また、空き家の活用を検討される方は、以下の山武市空き家バンクをご参照ください。

参考：山武市空き家バンク（山武市）

三世代同居等支援金と新婚世帯向け補助金：住宅購入やリフォームをサポート

山武市には、市内に転入し三世代同居や近居をする方への支援金制度があります。この制度では、住宅の購入や建替え、リフォーム工事などにかかった費用の2分の1の額（上限75万円）が支給されます。三世代での暮らしを検討している方には大きな助けとなるでしょう。

公式：山武市三世代同居等支援補助金

さらに、若い世代の結婚生活を応援する制度もあり、住宅購入や引っ越しにかかった費用の一部に補助が受けられます。補助額は夫婦とも29歳以下の場合60万円、これ以外で夫婦ともに39歳以下の場合30万円となっています。

公式：山武市結婚新生活支援補助金

山武市独自の住宅補助金：市内産木材使用と薪ストーブ設置を推進

山武市の特徴的な支援制度として、市内産木材を使用した新築やリフォームに対し、経費の一部が補助されます。

加えて、森林資源の循環を図るため、木質ペレットや薪などを燃料として使用するストーブやボイラーの購入や設置費用にも、一部補助金が適用されます。

移住して住居を取得する際は、これらの制度を活用することで、経済的な負担を軽減できる可能性があります。詳細は以下の公式ページでご確認ください。

公式：山武市市内産木材利用促進事業補助金
公式：山武市木質バイオマス燃料利活用補助金

遊び場情報：自然豊かな公園とリゾート施設で充実のレジャー

山武市には、子連れファミリーに人気のレジャースポットがあります。

丘陵地帯にある「さんぶの森公園」は、自然とのふれあいをテーマとし、8つのエリアで構成された広大な公園です。

▲さんぶの森公園内のグリーンタワー

園内には芝生の大広場やすべり台などの遊具があり、併設された文化ホールには図書館も入っています。家族で一日中、のんびりと過ごすことができるでしょう。

▲さんぶの森公園のデッキ風景

参考：さんぶの森公園（山武市観光協会）

海岸沿いに位置する「蓮沼海浜公園」では、千葉県最大級のプールや子どもの広場で遊べるほか、パターゴルフ場やテニスガーデンなど、大人も満足できる施設が充実しています。

▲園内の「蓮沼ウォーターガーデン」は東京ドーム1.5倍の広さ。複数種類のウォータースライダーで楽しめる。

敷地内にはリゾートホテルもあるので、移住のために山武市を下見に行く際は利用してみてはいかがでしょうか。

参考：蓮沼海浜公園（山武市観光協会）

教育情報：ICT活用と英語教育の充実で先進的な学習環境を提供

▲松尾小学校の新校舎外観

山武市は早くからICT教育（※2）に力を入れており、情報通信技術を活用したツールを積極的に取り入れて効果的な学びにつなげています。また、教員が子どもたちと接する時間を増やすために校務の電子化も進めています。
（※2）ICT教育とは教育のデジタル化のこと。例えば、タブレットやパソコンを使った授業、オンライン学習などが含まれます。

2022年9月に新校舎が完成した松尾小学校では、全教室に75インチの電子黒板が導入されました。

▲電子黒板の付いた松尾小学校の普通教室

▲松尾小学校新校舎のきれいな廊下の様子

山武市が力を入れているのが、グローバルな人材育成のための英語教育です。市内小学校の児童を対象とした外国の文化・習慣、日本との違いを学ぶ異文化理解講座を開催しています。

市内中学校の生徒に対しては英語力アップ講座を開催し、テキストも市が準備しています。また、英語検定料1回分の全額補助もあります。

ニュージーランド派遣事業として、山武市に在住する中学2年生～高校3年生を対象（募集定員有）に、ニュージーランドでホームステイや学校生活体験を行っています。

公式：山武市の学校教育（山武市教育委員会）

山武市移住者の声：自然環境と利便性のバランスに満足

山武市に移住した方々からは、以下のような声が寄せられています。

• 自然が豊かで、海と山の両方を楽しめる環境がある
• 平地で開けた場所であり、広々とした空を感じられる
• 車の渋滞が少なく、スムーズに移動できる
• 車があれば日常生活が便利
• 成東駅から電車に乗る際、始発なので座って通勤できる利点がある

これらの感想から、海と山の自然、広々とした空に囲まれた環境で、心地よく暮らしている様子が伝わってきます。さらに、都心部へのアクセスも比較的容易であることが、山武市の魅力の一つとなっているようです。

山武市への移住ステップ：現地訪問のおすすめ時期と体験情報

▲JR総武本線松尾駅のホーム

山武市への移住を検討している方は、まずは実際に現地を訪れてみることをおすすめします。訪問時期としては、いちご狩りが楽しめる1～5月がおすすめです。夏には、美しい海と広大な空を体感できるでしょう。

現在、市が提供するお試し移住や農業体験プログラムはありませんが、農園での収穫体験ができる施設がありますので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

参考：山武市の体験施設（山武市観光協会）

公式：有野実苑（ありのみえん）オートキャンプ場
公式：ソムリエファーム

以下では、山武市の主要なイベントや観光スポットをご紹介します。訪問の際の参考にしてください。

夏の風物詩「山武市サマーカーニバル」：海辺の華やかなイベント

毎年夏には、蓮沼海浜公園内で「山武市サマーカーニバル」が開催されています。海辺の雰囲気を存分に楽しめます。夏に山武市を訪れる予定がある方は、ぜひ開催日程をチェックしておくことをおすすめします。

スクロールでサマーカーニバルの写真が見られます→

山武市では、サマーカーニバルのほかにも夏祭りや産業祭りなど、季節ごとに様々なイベントが開催されています。これらのイベントに参加することで、まちの雰囲気や地域の人々との交流を体験でき、移住後の生活をより具体的にイメージすることができるでしょう。

公式：山武市のイベント情報（山武市観光協会）

パワースポット「浪切不動院」：赤い本堂が印象的な江戸時代の寺院

山武市には神社仏閣が点在しています。JR成東駅から徒歩8分ほどの距離にある「浪切不動院（なみきりふどういん）」は、崖造りの赤い本堂が特徴的な寺院です。

標高30メートルの小丘「石塚山」の中腹に建てられた本堂は、市内でも数少ない江戸時代初期の建造物です。その歴史的価値と美しい景観から、パワースポットとしても人気を集めています。

スクロールで浪切不動院の写真が見られます→

参考：浪切不動院（山武市教育委員会）
参考：寺社・七福神めぐり（山武市観光協会）

山武市移住相談窓口：企画政策課の連絡先と対応時間

担当課	山武市役所企画政策課
住所	〒289-1392 千葉県山武市殿台296番地（新館2階）
電話番号	0475-80-1132
対応時間	平日8：30〜17：15
公式サイト	https://www.city.sammu.lg.jp/page/dir006112.html