陸前高田市への移住ガイド:豊かな自然と温かいコミュニティの魅力 | 岩手県
この記事では、地方への移住を検討している人に向けて、岩手県陸前高田市(りくぜんたかたし)の特徴や生活情報をご紹介します。
陸前高田市は岩手県沿岸部の最南端に位置し、海の恵みと山の恵みに恵まれた地域です。8つの町で構成されており、自分の理想とする暮らしに合わせて住む場所を選べることが特徴です。
参考:高田暮らしの手引き(全体図)
過去5年間で約300人以上が移住してきており(令和4年12月時点)、移住者を受け入れる地域の雰囲気や市の支援制度が充実していることは、大きな魅力と言えるでしょう。
陸前高田市では多くのコミュニティが活発に活動しているため、移住者同士のつながりが生まれやすい環境があります。豊かな自然に囲まれたのどかな町で、肩の力を抜いて自分らしい生き方を見つけてみませんか?
それではさっそく、移住する際に役立つ情報を中心に、NPO法人高田暮舎の移住コンシェルジュである石田さんにお話を伺いながらお伝えしていきます。
陸前高田市での暮らしが魅力的な3つの理由
陸前高田市には、東日本大震災の際のボランティア活動で繋がりができた人や、地域おこし協力隊として活動をきっかけにした人など、多くの移住者が暮らしています。
移住者が住みやすい環境が整っていることに加えて、豊かな自然環境も大きな魅力です。夏は海水浴や高田松原などの海岸でのレジャーを楽しめ、氷上山などでのハイキングも人気があります。海が好きな人も山が好きな人も、四季を通じて自然を満喫できます。
それでは、陸前高田市ならではの特徴について詳しく見ていきましょう。
魅力1:移住者を温かく迎える多様なコミュニティの存在
陸前高田市には、地元の人や移住の先輩と移住者が交流できるコミュニティがたくさんあります。「移住した後、地域に馴染めるのか」「友達ができるのか」といった不安がある人も、これらのコミュニティに参加することで解決の糸口を見つけられるでしょう。
毎週末、どこかのコミュニティがイベントを開催しているので、自分に合う場所を探して気の合う仲間を見つけてください。心を許せる仲間ができると、移住生活の楽しさが倍増します。また、コミュニティに参加すれば、地元の人しか知らない貴重な情報を得られる可能性もあります。
以下に、いくつかのコミュニティを紹介しますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
概要 | リンク | |
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高田暮らし交流会 | ・移住者が地域の人や他の移住者と繋がるきっかけを提供 ・モルック交流会 ・バーベキュー ・移住者はまずこの交流会に参加すると繋がりが作りやすい |
参考 |
たかたコンテンツらぼ | ・年齢関係なく50人以上が集う同好会 ・川遊び、釣り、写真部など多彩な部があり、好きなイベントに参加できる ・会費なし ・地域の魅力を発掘しながら交流できる |
公式 |
この他にも、移住を検討している人同士が繋がれるLINEコミュニティがあります。ここでは移住前の不安な気持ちや心配事を率直に相談することができます。
このLINEグループについては「高田暮らしの手引き」に情報が掲載されています。この冊子には陸前高田市の暮らしに関する幅広い情報がコンパクトにまとめられており、移住前後の情報収集に役立ちます。
魅力2:海と山の自然を日常的に楽しめる環境
陸前高田市は海に面した地域で、美しい海岸風景を楽しむことができます。波の音に耳を傾けながら、ゆったりと静かな時間を過ごしたい人にぴったりの環境です。
夏には「高田松原海水浴場」で海水浴を楽しむこともでき、休日に家族や友人と過ごす絶好の場所となっています。
▲震災前の姿を取り戻すために地元住民が奮闘している高田松原の海岸
市民の生活に溶け込み、四季折々の景色を見せていた「名勝 高田松原」。震災で失われた松林を再生するため、地域の人々が植樹や保全活動を継続しています。
▲7万本もの松林は市民の憩いの場としても親しまれていた
海では泳ぐだけでなく、貝殻拾いや砂浜でのんびり過ごすなど、幅広い年齢層の方がそれぞれの楽しみ方を見つけられます。
また、陸前高田市では「フレスコボール」というスポーツが近年人気を集めています。
▲海で楽しむコミュニケーションスポーツ「フレスコボール」
フレスコボールは二人一組で行う競技で、ラリーの継続やテクニックの競い合いで点数を競います。一見簡単そうですが、実際にプレイすると意外と難しい競技です。まずは二人で息を合わせながら、ラリーを長く続けることから始めるのがおすすめです。
ラケットとボールのレンタルも可能で、大会も開催されているため、移住後は地域の仲間と一緒に楽しむことができます。
参考:(公式)陸前高田市観光物産協会(フレスコボールを楽しもう!)
陸前高田市には海だけでなく、ハイキングを楽しめる山や釣りができる川も豊富にあります。
▲休日に仲間とハイキングを楽しめる
四季折々の自然を楽しめる氷上山(ひかみさん)は、ハイキングに最適なスポットです。山頂や山麓にある氷上神社は、多くの人々が訪れる人気の観光地となっています。
さらに、箱根山の展望台からの眺望、気仙川での鮎釣り、岩手の名水20選に選ばれた湧き水など、市内には自然を満喫できる場所が豊富にあります。
参考:(公式)高田暮らし(陸前高田について/自然)
魅力3:移住者に寄り添う充実したサポート体制
▲どこよりも親切、丁寧な移住相談を目指しているそうです!
陸前高田市の移住サポートは非常に充実しています。移住前から移住後まで、困ったことや不安なことがあれば、いつでも移住コンシェルジュに相談することができます。
- 陸前高田市の雰囲気はどうなのかな?
- 移住したいけれど、何から始めればいいかわからない
- 自分に合ったコミュニティを教えてほしい
- 休日に出かけられるおすすめのスポットを聞きたい
このように、移住に関する心配事から現地の詳しい情報まで、陸前高田市に関することなら何でも相談できます。
移住コンシェルジュの石田さんも、実は陸前高田市への移住者の一人です。都会でワーキングマザーとして働く中で、子育て環境に息苦しさを感じていました。そんな時、陸前高田の気候や自然環境、そして人々の強さと温かさに魅了され、家族での移住を決意したそうです。同じ移住者の視点で相談に乗ってもらえるのは、移住を考えている方にとって心強いでしょう。
移住者だからこそ共感できる不安や悩みはたくさんあります。移住に興味はあるけど何から始めたら良いか分からない。そんな時こそ気軽にご相談ください。一歩踏み出すお手伝いをさせていただければ幸いです。
陸前高田市での生活:衣食住と公共サービスの実態
ここからは、実際に陸前高田市へ移住し、生活する時に必要なデータを紹介していきます。
気候 | 8月:平均気温23.7度 1月:平均気温0.4度 雪かきはほぼ不要 参考:気象庁ホームページ |
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人口 | ・約1万8千人(令和4年12月31日時点) |
病院 | ・病院・クリニック:8か所 ・歯科:7か所 |
学校 | ・保育所(公立)3 ・保育園(法人)5 ・小学校8 ・中学校2 ・県立高等学校1 |
文化・芸術 | 【祭事・催事】 ・高田町うごく七夕まつり ・気仙町けんか七夕まつり ・三陸花火大会・三陸花火競技大会 |
食べ物 | ・りんご(米崎りんご):三陸の潮風を受けて育ったリンゴ、果物の産地 ・北限のゆず ・ヤーコン ・新ブランド米「たかたのゆめ」 ・広田湾の養殖漁業(昆布、牡蠣、ホタテ、ワカメ、広田湾産イシカゲ貝) ・マスカットサイダー |
交通 | 【鉄道】 ・市内には鉄道路線なし ・鉄道を利用する場合、大船渡線気仙沼駅 あるいは三陸鉄道リアス線盛駅が最寄り駅 【バス】 ・BRT(JR東日本) ・路線バス(岩手県交通) ・高速バス 【高速道路】 高規格幹線道路(一般国道自動車専用道路) ・三陸沿岸道路(三陸縦貫自動車道) |
娯楽 | 【主な寺院】 ・観音寺、常膳寺、普門寺 【主な史跡】 ・玉山金山址 【主な遺跡】 ・中沢浜貝塚 【観光スポット】 ・奇跡の一本松 ・高田松原 ・気仙隕石 ・黒崎仙峡 【公園】 ・高田松原津波復興祈念公園 ・まちなか交流広場 |
近隣都市 | 岩手県 ・大船渡市、気仙郡住田町、一関市 宮城県 ・気仙沼市 |
東北には雪が多いイメージがあるかもしれませんが、陸前高田市は沿岸にあるため雪があまり積もらず、雪かきがほとんど必要ありません。寒すぎず、夏は関東よりも涼しいので過ごしやすい気候です。
海側・山側と住むエリアによって雰囲気や気候の違いがあるので、住む場所を決める時に、どんな暮らしをしたいのか事前に考えておくとよいでしょう。
バスはありますが、市内の移動には車があったほうが便利です。広くて見通しのよい道路が多いので、ストレスなく運転することができます。雄大な景色を眺めながら、移動時間も楽しめるでしょう。
雪が少ないといっても、冬道にはスタッドレスタイヤが必須です。路面が凍結することもあるので、必ず準備しておきましょう。
食料品や日用品の買い物は市内で済ませることができます。大型複合商業施設「アバッセたかた」にはスーパー、衣料品店、ドラッグストアがそろっており、一度に買い物が終わるので便利です。
車で約20分の大船渡市・気仙沼市も生活圏に含まれ、家電量販店やファーストフード店を利用したい時に足を延ばす人が多いです。
病院は、皮膚科・耳鼻科・眼科など専門的な分野になると、すぐに診てもらえるところは限られてくるので、持病がある人は事前に確認することをおすすめします。
また、陸前高田市は海が近いので、新鮮で美味しい海産物が豊富にとれます。
▲とれたての海の幸は絶品!
繁忙期に漁師さんを手伝い、海産物をおすそ分けしてもらうこともあるそうです。都会ではなかなか話す機会のない漁師さんや農家さんと交流することも楽しみの一つになるでしょう。
新ブランド米「たかたのゆめ」は、炊きたてはもちろん、冷めてもおいしい陸前高田市限定のお米です。陸前高田市の農業復興を担った「たかたのゆめ」は、どんなおかずにも合うと評判です。ぜひ一度味わってみてください。
参考:(公式)陸前高田だけの米「たかたのゆめ」
▲「たかたのゆめ」は復興への思いを込めた名前です
陸前高田市は東日本大震災により大きな被害を受けた場所のひとつです。津波に耐え、唯一残った奇跡の一本松をシンボルに、地元の人たちはかつてのまちの姿を取り戻そうと懸命に努力しています。
▲津波に耐えて奇跡的に残った一本松
▲津波の被害を後世に伝え、復興への強い意志を示す祈念公園
震災をきっかけにボランティア同士のつながりができ、この場所に新たな役割を見出して移住した人も多いそうです。
【仕事】多様な求人と親身な就職支援で働き方の選択肢が豊富
大手求人サイトで検索すると、陸前高田市には約750件の求人がありました(2022年12月時点)。また、市の公式ホームページでは複数の会社紹介があり、陸前高田市での仕事の様子を具体的に知ることができます。
さらに、ハローワークでも求人情報を検索できます。求人数は充実しているため、多様な職種から希望の仕事を見つけやすい環境です。
※求人情報の一例
※(公式)高田暮らし(仕事を探す)
※ハローワーク求人情報
インターネット上の情報だけでは不十分な場合、地元の人に直接相談することも可能です。移住コンシェルジュに問い合わせると、地域の人との交流の場を設定してくれるので、自分に最適な仕事を見つけやすくなります。気軽に問い合わせてみることをおすすめします。